※この作品はR-18です。

役満で上がると惚れられる   作:黒岩

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初夏の出会い

 ──スタートダッシュというのは人間にとってかなり重要である。

 

 別にソーシャルゲームを始めてしばらくはスタミナ消費が半減だとか石が貰えるとか成長率が高いとか、そういう様々な恩恵が得られるキャンペーンの話ではない。

 例えば──こう思ったことはないだろうか。

 子供の頃、それこそ物心がついたばかりか、それよりも前の時に、何かしらのスポーツや習い事を始めていれば、今頃はその分野でそれなりの実力が身についていたのではないかと。

 ありえない妄想、もしも、IFの話ではあるがそういう馬鹿なもしもの話をしたことや考えたことは、誰しも1回くらいはないだろうか。

 それこそ、何かの競技、スポーツや習い事、趣味のことでも何かをしている者であれば考えるはずだ。始めたのが遅ければ遅いほど尚更。

 例えば中学から部活に入った時。小学生やそれ以前からそのスポーツを始めた者と比べて劣っていたりするだろう。

 まあ経験値が違うのだから当たり前である。その分野を始めた年月。練習すればするほど、知識を蓄えれば蓄えるほど、経験が積み重なって実力がついていくのは当然の話だ。

 多くの場合、積み重ねてきた経験の多い方が実力は高い。それは勉学や社会、仕事においてもそうだ。

 入ったばかりの新入社員よりは勤続年数3年とか5年、あるいは10年と年数が高い者の方が実力を持っていることが多いだろう。

 勿論、何事にも例外はある。経験に胡座をかいて努力を怠る。もしくはもっと単純に、老いによって身体能力や脳の働きが衰えることもあり、単純に経験の差だけで決まらないことだってある。

 だが基本的にスタートが早い方が、少なくとも同年代と比べて有利なことは間違いないし、もっと単純な有利であるという根拠もある。

 子供の頃の方が憶えが良い──というのは誰もがなんとなく知っている常識だ。

 これは人間の身体の機能が原因なのだが……例えば運動。

 アメリカの医学者、リチャード・スキャモンの有名な発表に“スキャモンの発育曲線”というものがある。

 これによれば、人間の二十歳の脳の発育状態を100%とした場合、それまでの発達の仕方をグラフにして表したものである。

 そしてその中で、運動に必要な神経系。これの発達に重要なのは、主に4歳から12歳までの間。4歳から急激に伸びて12歳にはほぼ成人と同じに達することからそう言われている。

 この期間の間に運動をすることで運動神経が良くなる。運動が上手くなる。

 一般的に、この時期をゴールデンエイジと言うが、その時期の過ごし方が未来を決めると言っても過言ではない。

 特にスポーツ選手などを志すのであれば、この時期に運動させることが何よりも重要なのは言うまでもない。

 無論、ゴールデンエイジを過ぎてからその競技を始めても大成する可能性がないとは言わないが……それには“才能“という生まれ持った恩恵が必要不可欠だ。

 才能の有無は重要ではあるが、才能を持つ者も、持たない者も、この時期を疎かにするのは競技者としては愚行でしかない。

 ただ、子供の自由を考えればそれを強制させることは難しいため、教育熱心な多くの親が子供の気まぐれなどによって今までの出費を軽くぼやいていたりするだろう。

 しかし中にはそれを成功させる者もいる。

 子供が好んでいるか否かは置いといて、幼い頃から特定の分野を極めさせんと虐待にも近い熱心な指導を行う親がいることも事実だ。

 しかしそうやって成功した子供の多くは成功しているが故に親のことを恨みはしないし、総合的に感謝している。感謝しているのだから虐待には当たらない。だから許される。

 それに熱心な指導とはいえ、本当に世の中で言うところの虐待のような行いをする親はそういった親には少ないため、精神を病んだり自殺したり……などといった失敗は少ないだろう。世に出てきてないだけかもしれないが。

 ──だが、倫理的な部分を無視して考えれば、子供の成長に無限の可能性があり、試す価値があるのもまた事実だ。

 例えば──物心がついた4歳という年齢ではない。それこそ物心つく前。それこそ赤ん坊の頃に触りだけでもやらせてみたらどうだろう。

 ただそのことだけを極めさせんと子供の頃からありとあらゆることを叩き込めばどうだろう。

 12歳で成人と同じ発達率になるとはいえ、12歳で大人を凌ぐ者など、競技の世界、特に運動要素がある競技には存在しない。

 だが理論上、少なくとも神経系だけであれば成人と同じ、完成を迎えるのだ。

 ならば12歳までに全ての技術を叩き込めばどうか? 

 身体能力においての限界はある──が、それについてはまた別の方法で解決すればいいし、例えそれが無理でも肉体の方はそれから鍛えても十分間に合う。

 もしかしたらそれにより、人間という生物のスペックを大幅に塗り替えるような個体が誕生するかもしれない。

 実際に、世の中にはオカルトという摩訶不思議な力を使う者もいるというし、超人的な力を使う者には前例がある。決して不可能とは言い切れないだろう。

 ……だが完成させるためには前提条件として才能の有無と環境、どれだけ早く効率的に指導を施せるかに懸かっている。

 上述にあるように、虐待とも言える教育を子供に課すことになるため、それらを行うには狂気と熱量が必要不可欠である。

 何が何でも子供にその道を進ませるという熱量と、子供を子供と思わぬ──まるで道具を相手にするような狂気。その2つを持った者が行えば──。

 

 ……人の生は短い。

 

 短い生の中で何かを極めることは難しく、極められたとしても1つ。多くとも2つ、どんな天才でも3つ程度が限界だろう。数が多くなればなるほど1つ1つの完成度は同じ道に進む他に比べて劣ってしまう。

 故にこそ、なによりも早くその道に進ませるための教育が必要なのである。

 

 

 

 

 

『──タイトル戦はいよいよ佳境ッ! 男子プロ雀王戦決勝卓! 前半戦が終わりお昼の休憩に入って順位はご覧の通りですが、前半戦が終わって小鍛治プロはどのように思いますか?』

 

「──……あ?」

 

 突然、意識が覚醒してどこか聞き覚えのある声が耳に届く。いや、ひょっとしたら先程から聞こえていたかもしれない。自分が寝ていたと気づいたのは液晶画面を見て直ぐのことだった。

 

『そうですね……やはり赤羽プロが飛び抜けていると思います。他の選手も頑張ってはいますが……前半戦を見る限りだと──』

 

『はい! そんな赤羽善光プロのお昼の昼食は定番のきつねうどんのようです! ちなみに小鍛治プロはさっき楽屋でコンビニで買ってきた日高昆布のおにぎりを食べていましたが美味しかったですか?』

 

『ええ、まあ普通に──って、こーこちゃん!? なんで私の昼食紹介するの!?』

 

『タイトル戦の実況解説の時って普通こっちも協会御用達のお店で名産の物を食べたりするのに、なんで小鍛治プロは態々コンビニで地味な味のおにぎりを食べたのかなーって』

 

『怒られるよその説明!? というかお昼外に行かなかったのは今朝こーこちゃんが待ちきれないって先に食べに行ったからでしょ!?』

 

『あれそうだっけ? ……ということで前半戦トップの赤羽善光(あかばねよしみつ)永世七冠と同じ、女子の永世七冠、小鍛治(こかじ)健夜(すこや)プロの昼食は女子力の低いコンビニの日高昆布おにぎりと野菜ジュースでしたー!!』

 

『だからなんで私の昼食に注目するの!?』

 

 ……小鍛治プロに福与アナか……相変わらず騒がしいなこの2人……。

 なんというか、ネタに事欠かない2人だよな。そんな2人が男子プロのタイトル戦の実況解説をしているが、小鍛治プロは国内リーグだと最強と名高い選手で知名度も高く、解説は的確だし、福与アナの実況もライブ感があって悪くない。

 おまけに2人のやりとりはネタ満載で普通に人気だし、実況スレなんかは大盛りあがりだろう。

 しかも放映している試合は男子とはいえタイトル戦で、出ているのが男子のトッププロである赤羽善光永世七冠ともくれば……まぁ、視聴率が取れない訳がないな。

 

「……はぁ」

 

 とはいえ俺はスマホを操作してチャンネルを変える。気がついたら何かの拍子にチャンネルが変わっていたが、元々寝る前はぼーっとニュースを見ていた。試合の方には興味もない……とまでは言わないが見たくはない。結果も分かりきってるしな。

 

「身体が痛ぇ……」

 

 変な体勢で、しかもベンチの上で寝てたから微妙に身体に違和感を感じる。

 スマホを持っていない方の手で肩を擦りながら起き上がり、お昼のニュースに目を向ける。なんか色々とやってるが……、

 

『──では次のニュースです。昨夜行われたボクシングヘビー級のタイトルマッチで起きた競技中の事故について、チャンピオンが死亡しま──』

 

 ……なんか興味の引くニュースはやってないな。新しいニュースもそれほどないし。一応大人として時事には詳しくないとな、と思ってちょくちょく見るが、興味がない時は見ない時もある。気まぐれな感じだ。

 アプリを閉じて一息。時間はお昼過ぎと言ったところで、学生的には放課後と言ってもいい時間帯。

 そして今日は5月16日月曜日。5月の中旬。初夏という言葉に相応しいお日柄である。

 そのため珍しく眠くなったのかベンチで呑気に昼寝なんかしてしまったが……学校の敷地内で大人が、それも元プロが昼寝ってのは風聞が悪いな。

 そこまで気にすることはないとは思うが、噂とか立つのもアレだし振る舞いには気をつけないとな……放課後までの暇潰しにはなったが生徒に見られてたら不審者に思われそうだし。

 

「お……」

 

 とか思ってたら遠くから女子生徒が歩いてくる。起きといて良かった。それに結構可愛いな。ショートカットで大人しそうな少女。なんか田舎の普通の女子高生。文学少女って感じで悪くない。気弱そうでもある。何故ならだ。

 

「っ……」

 

 ほら、俺を見るなりちょっと足早になった。俺って顔立ちは悪くないと思うんだが目つきは悪いわ目の下のクマはエグいわいつもの服装も顔も合わせてホストみたいって言われるし、総合してガラが悪く見えたり、ちょっとチャラく見えたりする。この溢れ出るマイルドヤンキー感。自分で言ってると悲しくなるな……俺を見てやさぐれたホストって例えを最初に出した奴はなんとも的を得ていると思う。見つけたら一発殴らせてほしいけどな……。

 ともかく、気弱な奴なら俺を避ける。そこまで致命的に近寄り難い見た目をしている訳ではないので避けるのは見た目派手な人間とかに耐性はないおとなしい奴が殆どだ。

 まあ俺の方も別に声を掛けるつもりもない。普通にその少女が横切るのを視線を切ったまま感じて──、

 

「ッッ……!!」

 

 ──不意に、俺の背筋に何か嫌なモノが走り抜ける。

 

「今のは……?」

 

 ──まさか今の少女か? 

 そう思い視線を少女の方に向けてみるも、少女は既に……確か小川がある方か。そちらに向かって去っていく。

 それに今は何も感じない。少女が通り過ぎた瞬間、酷い悪寒を感じたが……気の所為か? 

 まるでオカルト持ちのプロや、天江衣や宮永照のような魔物にも似た気配を感じた。俺はオカルトとかそういう強者特有の気配には敏感であるため、何かがあの少女に……いや、あの少女とは限らないけどな。

 だが少なくとも近くにオカルトが、それも魔物級のオカルトがあることは確かだ。

 清澄高校の麻雀部の面々に強いオカルトの持ち主はいない。精々竹井と片岡くらいだ。どちらも魔物級とは言い難い。

 ……ならばやはりさっきの少女か? 

 

「わっかんねー……」

 

 三尋木プロの口癖で端的に心境を表す。いや知らんし。マジで分からん。

 考えても分からないことを考え続けていてもしょうがない。情報が少なすぎるし、そもそもあの少女だったとしてもこれから関わることもなさそうだし。

 

「そろそろ部室の方に行くか……」

 

 まだちょっと時間はあるが授業自体は終わったっぽいしな。

 ということで俺はベンチから立ち上がり、麻雀部の部室がある旧校舎の方に向かう。旧校舎、地味にここからだと距離があるしな。

 というかどうせなら部室で待たせて貰えば良かったなと今更ながら思う。律儀に外で時間潰さなくても、旧校舎なら一部の文化部以外は立ち入ることもないし部室なら尚更ゆっくり出来ただろう。ベッドもあるしな。

 

「──あっ、仁さ……東郷さんっ」

 

「おっ」

 

 とかなんとか言いながら旧校舎への道のりを歩いていると、背後から声。そして小走りで近づいてくるのは和だった。俺を見て顔をパァッと輝かせてくれるのが可愛い。それと、こっちに並んでくる際にその制服を押し上げる爆乳が重そうにたゆんっ、と揺れる。うん、相変わらずいいおっぱい。改めて制服姿を見ると和のスタイルの良さもあってえっちだ。

 俺は少し歩くスピードを落としつつ和と並んで旧校舎に向かう。

 

「昨日はあの後大丈夫だったか?」

 

「あ、はいっ。ちょっと眠るのがいつもより早かったくらいです」

 

「そうか。……後、今は周囲に誰も居ないから別に名前で呼んでもいいんだぞ?」

 

「ふふ、そうですね……でも、油断すると皆がいる前でも名前で呼んでしまいそうで……」

 

 先程名前呼びを名字に訂正した和に名前で呼んでもいいと告げると、嬉し恥ずかしといった様子で、しかしそれを否定してきた。

 なんか初めての彼氏が出来て浮かれてる感が満載で確かに危なっかしいかもしれない。一見普通に見えるが、真顔で先週までの和なら言わないような……例えば恋愛とか男のこととかを喋ったり、俺への声の掛け方とかでバレないとも言い切れない。

 どこまで気をつければいいかというのは難しいが、まぁ、決定的でなければ幾らでも言い訳が出来る気もする。なのでこちらが少し注意していればいいだろう。

 

「……まあそうかもな。それはお互いに気をつけるとして、そんなことよりも──」

 

「え? ──あっ……」

 

 俺は旧校舎の敷地内に入ったところで、和のスカートの中に右手を潜り込ませる。

 胸とは違った柔らかさ。ミニ過ぎる、しかしギリギリ見えないレベルのスカートの中に隠れた尻を掴む。

 スベスベとした肌触りと女性らしい丸みが堪らない。下着がない直の感触を楽しみながら、俺は和に囁いた。

 

「昨日の写真はどういうつもりで送ったんだ? あんな写真を送って、しかも指導してくださいって……しかも今も下着着けてきてないな? 俺には誘ってるようにしか感じないんだが」

 

「んんっ、それは……仁さんが喜ぶかなと思って……ネットで、彼氏とか、男の人を喜ばせる方法を相談したらそう書いてあったので……」

 

 ネットで相談したのか……いやまあ意外と良いかもしれないが、エロ自撮りしろって言われて出来る時点で和はエロい。

 

「そうか。確かに嬉しいけどな。でも、こんなタダでさえ可愛くてエロい和相手に我慢するのは大変なのに、あんなことされたら抑えが効かないぞ? このお尻が見えそうな超ミニスカートもけしからんよな。周りの男子が興奮して、今みたいに急に触られたらどうするつもりだ?」

 

「んっ♡ いきなり触ってくる人なんて仁さんくらいですっ……」

 

 お尻を触られながらもなすがままになっている和。色気に満ちた熱っぽい息遣いに喘ぎを口から漏らし、俺の方を見上げて切なそうにしている。瞳の方も熱っぽく、好意を物凄く感じる。漫画的表現であるハートマークが瞳の色に浮かぶあれは、今この時の和のようなキャラに使うのだろう。

 

「でも男子にはよく見られるだろ?  特に……胸とか」

 

「っ……確かに時折視線は感じますけど……不愉快でしかないです……仁さんなら別にいいですけど……」

 

 背中から手を回し制服の上から男子の視線を集める爆乳を鷲掴みにする。服の上からでもこの柔らかさ。もにゅもにゅと指が埋まって気持ちいい。もう股間の方も自然と立ち上がってしまう。

 

「……それで、俺のことを誘ってどうするんだ?」

 

「べ、別に誘っては……」

 

「和からエッチなことをしてくれると思って期待してたんだけどな」

 

「……その……そう、ですね。でもはしたない気も……」

 

 いや、土日にどんだけはしたないことしたと思ってるんだとツッコミたくなる。思いっきり和の方から求められまくったけどな。

 ただまあ今はそれを指摘するのはやめておく。代わりに和を諭すように、

 

「好き合う男女なら、別に女性の方から誘ってもはしたなくなんてないと思うけどな。和だって、好きな相手から求められたら嬉しいだろ?」

 

「……はい」

 

「なら俺の方だって、好きな相手……和みたいな可愛くて俺のことが好きな女の子から誘われたら嬉しい。だから普通のことだ」

 

「……それじゃあ、別に我慢しなくてもいいんですか……?」

 

 ああ、と俺は頷き──ん? 我慢? 

 なんだやっぱり和の方から──んほぉっ!? 

 

「あっ……今日も硬い……♡ ズボンの中でピクピクしてます……♡」

 

 急に和が後ろ手に俺の股間の膨らみにその細くしなやかな指を絡ませてきた。そのいきなりの感触に俺は驚く。

 だがそんなことはすぐにどうでもよくなる。和の手が自然に俺の肉棒をズボンの上からさすさすと上下に擦ったり、にぎにぎと硬さや大きさ、形を確かめるように握ってくる。

 まるで手慣れた風俗嬢のような手つきだ。先週までは何も知らなかったであろう和がやる手の動きじゃない。

 だが土日で俺が教え込んだことにより、もう俺を悦ばせる動きを実践している。

 ただでさえ雄の精子を搾り取るために作られたような可愛さ、身体つきをしているのに、こうやって知識やテクニックまでも上達してしまえば……しかも俺のためだけに憶えたテクニックでだ。

 

「仁さん……あの、こっち……こっちに来てください……♡」

 

「っ……ああ……」

 

 興奮で思わず唾を飲み込む。顔を紅潮させながら和は俺の手を引いて旧校舎の人気のない教室へと誘う。

 部活までそれほど時間はないが、数発ならいけるだろう。和も完全にその気だ。

 和が俺のズボンを外そうとベルトをカチャカチャと鳴らすのを優越感たっぷりに見下ろしながら、俺は頭の片隅で冷静に部活が始まるであろう時間までの計算を始めた。

 

 

 

 

 

「うっ! ……はぁ……最高だった……」

 

「んんぅ……♡ 仁さんの精子……♡ あぁ、溢れちゃいます……♡」

 

 空き教室の窓の縁に手をつき、四つん這いになっていた和の秘部から肉棒を抜く。ひだひだが最後まで行かないでと言わんばかりに俺の肉棒に甘くきつく絡みついてきていたが、断腸の思いでここで終えなければならない。

 和も俺の精子が膣内から垂れたのを感じて身体をビクビクとさせていてなんともエロいが…………いや駄目だ。もう部活の時間。さすがにそろそろ向かっとかないとまずい。

 パイズリで2回、中出しを2回したのだから十分だろう。十分だと思え。いや、実際時間としてはそれほど経っていないのにこれだけ出せたのはやはり和のエロさが原因だ。

 ドチャシコボディの和が自ら俺を誘って、しかも何も頼んでもいないのに自らパイズリし始めたり中出しを懇願してくるのはチンコに悪すぎた。正直、まだまだヤッていたい……が、後始末をして行かないとな……。

 

「うっ……和、そろそろ行かないと」

 

「ちゅるっ、んっ、れろ、んぅ……♡ そうですね……」

 

 お掃除フェラをしてくれていた和に声をかけて終わりを告げる。その奉仕の熱心さに肉棒がまだまだガチガチになっているが、まあこれは気合で収める。少し時間はかかるが……まあ俺が少し遅れるだけなら問題ないだろう。

 

「和、先に行っといてくれ。俺はちょっと掃除して……これが収まってから行く」

 

「……はい。分かりました……少し残念ですけど……」

 

 身体に付いた色んな液体やらを拭き終わり、服装を整えた和が俺のチンコを見て残念そうに頷く。いやだからそういうのがチンコに来るからやめてほしい。抜いてあげたいって顔に書いてあるんだよ。

 悪いが続きはまた今度だ……いやほんと、非常に残念だけどな……と俺は先に教室を出ていく和を見送る。

 

「それではまた後で、指導をお願いします」

 

「……それはどっちの意味だ?」

 

「あっ……ま、麻雀の方です……その、できれば両方がいいですけど、時間がないので……」

 

 自分の発言に気づいた和が顔を赤くしてもじもじと身体を揺らす。だからそういうとこやぞ。もうこのままもう一度即ハメボンバーしてやろうか。くそっ……このエロさでよく今まで処女でいられたな……世の中が平和な証拠か。如何に和の身持ちが固かったかがわかるというか、オカルトの強力さを思い知ったというか……なんにせよ、また出来るのだからいいだろう。

 もっとも週末にはもう別の学校に行ってるからしばらくお別れだけどな。……はぁ、長野から離れたらまた別のとこって考えると鬱だな……と、今度こそ先に部室に向かった和を見送る。

 

「さて、さっさと後始末するか……」

 

 と、俺はトイレから持ってきた雑巾とかトイレットペーパーで軽く行為の痕跡を消していく。証拠隠滅だ。まあ使われてない教室だと言っていたし、問題はないだろうが一応な。

 液体を拭き取って換気をする頃には俺の肉棒も普通に収まった。和が相手だっただけに満足とまではいかないが、そこそこスッキリした。

 

「後はこれを返して──あん?」

 

 そして雑巾やらを元の場所に戻しに行こうと教室を出る直前、携帯が震えたので確認しておく。……結構溜まってんな。先に返信しとくか。

 俺は携帯を操作していく。まあ、大体はチャットだ。オカルトを手に入れて行動を始めてからの俺は交友関係も広がったため、こまめな返信が欠かせない。

 特に、はやりさん、良子、栞、ユキ、美穂子といった俺の女達からは、頻繁に連絡が来る。俺がいないのが寂しいのだろう。結構熱い恋人のようなやりとりをしたりする。これに和が加わるため、更に忙しくなるが必要経費、ハーレムを築く男の責務のようなものだ。ヤる時以外放置なんてクズみたいなことを俺はしない。皆可愛いから放っておけないよね。全員等しく恋人や愛人のように扱うのだ。結局クズなことには変わらないな。

 それと、今までの指導先で会った奴ら。有珠山高校の面々や、龍門渕高校の面々。風越の池田とか、後はハギヨシとか、割と色んな相手と交流してるため、携帯は大忙しだ。

 後は何気に京太郎からも来てるな……何々……“今日1人連れてきてもいいですか?”──って、どういうことだ? しかも届いたのが20分前か。文脈的に部員候補とか友達とか連れてくるのか? 俺は構わないが……いやまあいい。部室で確認しよう。20分前ならもうじき来るか、もしくは来てるだろ。

 

「……なんだかんだ時間掛かるな……こんくらいにしとくか……」

 

 気がつけば和が出ていってから20分近くここにいる。返信を一旦終えてそろそろ向かうとするか。あんまり遅いとクレーム来そうだしな。

 ということで階段を上がって部室へ。麻雀部の部室、何気に最上階なのが面倒だよな。

 さて、今日も仕事するか……と、俺はスイッチを切り替えて麻雀部の部室の戸を開いて中へ。

 

「おう、来たぞ──って、もうやってんのか」

 

「あ、東郷さんちわっす」

 

「元プロが来たじぇー!」

 

「……おはようございます、東郷さん」

 

 部室に入ると既に打ってるようで、いつもの面子──京太郎、片岡、和の1年生ズがこちらに気づいてそれぞれ声をかけてきたが……ん? 知らない奴がいるな。

 

「あ……? お前は……」

 

「あの、どうも……お邪魔してます」

 

 卓に座っており、俺を見るなり若干バツが悪そうに挨拶をしてくる少女──って、さっき見た女生徒じゃねぇか。

 あ? ってことはやっぱりこいつがさっきの悪寒の正体か? なんでここにってことよりそのことが気になる。

 

「東郷さん、こいつ、俺の幼馴染なんすけど、連れてきて大丈夫でした? チャット送っても反応無かったんで結局連れてきちゃったんですけど」

 

「あ? あー……そういや来てたな……」

 

 あっ、京太郎が連れてきてもいいかって聞いてたのはこいつのことか。というか幼馴染……京太郎、お前も意外と隅に置けないじゃねぇか……可愛い幼馴染と同年代のロリっ子に好かれてるとか……余裕で俺よりモテてるな。俺がモテないだけとも言えるが……言ってて悲しくなるな。オカルトがあるからそこまで気分は沈まないが。

 

「あの……面子揃ったなら私抜けますけど……?」

 

「……ん? あーいや、そのまま打ってていいぞ。俺はまだ入らねぇ。しばらく見てる」

 

「うっ……はい……」

 

 ……? なんだ抜けたいのか? つうか明らかに怖がられてる気がする……いやまあちょっと水商売とかやってそうな雰囲気の知らない大人がいたら文学少女は怖がるか? 派手に遊んでそうな奴とか体育会系とかなら意外と耐性あるんだろうが、見るからに大人しそうだしな……。

 ちょっと本内の奴に似てる。あいつもよく怖いですって言ってるし。俺のことは割と早い段階で慣れてたというか、不思議とそこまで怖がってなかったけどな。

 まあ竹井や染谷……あ、染谷は今日来ないんだったか。何でも実家の麻雀喫茶のバイトが欠員出たとかで……そんじゃあ竹井が来てからだな、打つにしても。それまではゆっくりと1年生達の初々しい対局を見守ることにしよう。

 

「そんじゃあサイコロ振るぞー」

 

「どんと来いだじぇー!」

 

「…………」

 

「東郷さん、お茶淹れますね」

 

「ああ、ありがとな」

 

 と、どうやら一回目の対局は終わったようで2回目が始まる。和が俺の分の紅茶を淹れてくれたが、それだけするとすぐに席に戻った。俺もそういう関係になったということはおくびにも出さずに部室備え付けのパソコンの前に座って観戦だ。古いパソコンだが、ここに対局のデータ、牌譜や成績などが記録されてるので割と使える。こういうのってガチで麻雀やるなら必須と言ってもいい。データってのは嘘をつかないからな。長所や短所、牌の偏り方や内筋など、データを見れば分かることも多い。

 ということで俺は既に終わった半荘一回目の結果を見る。えーっと? 順位は和が+15で1位。片岡が+2で2位で、少女……名前は宮永、宮永咲か。宮永が±0で3位。京太郎が-17で最下位か。ふむ、和はさすがと言うべきか、当然のトップ。片岡は相変わらずの東場は良いが南場で失速。宮永は……うん、なんとも言えない。普通。そんで京太郎ェ……麻雀部員でない相手に……いやまあそういう時もあるのは分かるが、もうちょっと頑張れな? せっかく指導してやってるんだからもうちょっと成績良くてもええんやで……。

 

「つ、ツモ」

 

 お、とか言ってたら現在進行系の半荘2回目で京太郎が和了った。ゴミ手だが、まあ良し。なんか和が暴れてるし、その中で和了れただけでもいいだろう。

 しかし和は……あんなことがあった後なのにすまし顔でいつも通りに打ってるな……さすがだ。

 だがこのすまし顔で、私、麻雀にしか興味ありませんけど? とか言いそうな感じなのに、さっきまであんなに淫らで、俺のチンコを率先して、その高校生にあるまじき推定Kカップ越えのおっぱいで抜いたり、中出しおねだりをして挿れただけでイキかけたりしてたんだよな……と思うとそれはそれでエロいな。

 今は牌を握っているその手はついさっきまで俺のチンコ握ってた手だし、今も和の子宮には俺の精子が元気に泳ぎ回って──あっ、ヤバいからこの辺にしておこう。こんなとこで勃起したら洒落にならんしな。

 

「今回も和の圧勝かー……あー、さすがに敵わないな……」

 

「……んっ、ありがとうございます」

 

「ぎゃー、やられたじょー」

 

「…………」

 

 そうこうして色々考えてる内に2回目も終了する。さてさて結果は……和が+31で1位。宮永が±0で2位。片岡が-13で3位で、京太郎が-18で最下位。やっぱ和は学生レベルだと強いな。安定感が違う。片岡は相変わらずで、京太郎は頑張ってはいるみたいだがまだ結果が伴わないな。まあ俺も色々アドバイスしたり本を薦めたりしてるがさすがに結果は出ない。良くはなっているが。

 後、何気に和が今ちょっと身体をピクッと跳ねさせたが……どうした? まさか俺の視線でも感じたか? それともさっき注いでやったのが溢れそうになったとか? エロ漫画とかにありがちだが、それだったとしたら──いやだから想像するのはやめよう。興奮してしまう。真面目に麻雀のことを考えよう。

 和はな、真面目な話、強いには強いが、ネットで打った時と比べると明らかに弱いのが気になるんだよな……土日はエロで頭がいっぱいだったからその違和感が頭になかったが、今朝色々考えてる時に気づいた。和って、のどっちにしては弱くね? って。辛辣な言い方だが、正直な感想だ。ネットだと、最近はまだ俺も食い下がれるが、最初の方は負けまくってたほどの実力。

 だが現実でインターミドルチャンピオンの原村和と打てば、ほぼ俺の勝ちだ。9割方、俺が勝っている。

 プロとアマチュアの差と言ってしまえばそれまでだが、和がのどっちなら、実力的には高校生でもトップクラス。プロレベルの実力を持っているはずだ。そこが気になる。今度そのことについても聞いて、問題があるようであればアドバイスでもしてみるか……ネットでの実力をリアルで出せれば相当上を目指せるだろうしな。

 まあ和はそんなもん。そして疑いがある宮永なんだが……微妙に違和感があるな。

 京太郎には素人かよって言われてて、実際に見え見えの当たり牌を捨てて、振り込んだり、高い手をあっさりと捨てて安い手で和了ったりもする。

 だから初心者という評に一見間違いはないように思えるが……点数計算は出来ているようだし、牌を打つその手は淀みなく、極めて自然だ。それこそ、幼い頃からの当たり前の動作をしている様に見える。

 ……なんだ? 何を見落としている……? 

 どう見ても初心者……だというのにこの違和感はなんだ? 

 先程からどうにも気になってしまう。こいつの闘牌から目を離せない。本人は気合のきの字もない。頼りない気の抜けた様な感じで打っているというのに……くそ、なんか気持ち悪いな。なんだこの──。

 

「……汗……?」

 

 俺は何気なく手を擦り合わせ、そこで気づく。脂汗が滲み出ていることに。

 それに気づいた瞬間、俺は自分が寒気を感じていることに気づく。熱? 病気? ──いや違う……と思う。

 この寒気は、この宮永の麻雀を見たから感じているものだと感覚が言っている。

 だがそれが余計に不可解だ。このパッとしない麻雀のどこに寒気を感じる要素がある。

 自慢じゃないが、俺は麻雀でこんな寒気を感じたことなんてほぼない。それこそ、世界で戦えるようなトップ雀士を相手にした時くらいだ。

 だが現に俺はこの宮永に寒気を感じている。

 ……なんだ、何をしている……こいつの麻雀におかしなところは──。

 些細な部分でもいい。何かないか? もしオカルトなら何か分かりやすい特徴があるはずだ。

 だが特定の役で和了りまくっていたり、特定の牌を集めているような形跡もない。防御系か? しかし振り込むことも多い。成績も()()()±()()──……。

 

 ……まさか。

 

 まさか、と俺は思う。

 もしそうだとしたら……とんでもない化け物だ。やってることが出鱈目過ぎる。

 トッププロならまだしも、高校1年生でそんなことをやってのけたとすれば……本物だ。ありえない。

 だがそんな判断を他所に俺の本能はそれを間違いないと認めている。

 俺は自分の感覚を信じている。どうしようもない雑魚プロ、元プロだが、オカルトや強者に関する感覚はトッププロの良子と比べても劣るものではない。

 ならやはり──と、俺は冷静にその事実を受け止める。

 半荘3回目が始まり、それを真剣に観察する。

 もし次もそうなら……確定だ、と──、

 

「──夕立がきましたね……」

 

「──うそっ!? 傘持ってきてないわ!」

 

 その時──外で雷が鳴り、激しい雨が降り始める。

 外の音の所為か、和の呟きに反応したのか、ベッドの方から聞き覚えのある声が……って、竹井かよ。まさか既に来てたとは……くそ、宮永に気を取られすぎて気づかなかった。

 

「あれって──生徒会長!?」

 

「んー? この学校では生徒会長じゃなく学生議会長ね」

 

「おはー」

 

「麻雀部のキャプテンなんですよ」

 

「なんで麻雀部に……」

 

 まあそれはいい。とにかく竹井が起きてきたことで皆がそれぞれ声を交わし合う。

 

「麻雀が好きだからに決まってるっしょ──あなたが今日のゲストね」

 

「はは……ども」

 

 と、宮永が部長である竹井に僅かに緊張した様子で挨拶。

 それを終えて竹井がこっちに歩いてくる。今度は俺に目を向け、

 

「東郷さんは観戦中? あ、お茶菓子美味しそうね」

 

「……見れば分かるだろ。お茶菓子は好きに食べろ」

 

「あら、今日はそっけないわねー。さて、どれどれ……?」

 

 竹井が俺の隣からパソコンを覗き込む──さて、竹井。お前は気づくか? 

 

「──ロン、1000点」

 

「っ──!?」

 

 竹井がパソコンで先程までの結果を覗いている間に、宮永が和了る──それに反応して竹井が驚きの表情を浮かべたが、そりゃ驚くだろうな。

 なにせタンピン三色、最低でも7700点の手を自ら1000点にまで落として和了ったのだ。

 結局それで条件はクリア出来るのだろう。着々とそれに向かっている辺り、これはもう確定だな……。

 

「……なあ竹井。お前、全国に行けるなら行きたいか?」

 

「……な、なによ急に……そりゃ、行けるものなら行きたいけど……」

 

 俺は困惑顔の竹井に苦笑を浮かべながら小声で問いを投げる。

 全国、という言葉はまあ通じる。そりゃそうだ。

 麻雀部で全国。しかもこの時期にそれを口に出した──それはとどのつまり、インターハイのことに他ならない。

 そしてそれは、麻雀をする高校生、誰もが夢見ると言っても過言ではない頂点の舞台だ。行きたくない筈がない。

 

「なら良かったな」

 

「……へ? 何が?」

 

 だから俺は言ってやった。

 

「──行けるかもしれねぇぞ?」

 

「……な、何を言って……というかそれより、あの子ちょっと──」

 

「ああ。気づいたか? 結構な化け物だぞ、アレ。精々捕まえとけよ」

 

「ば、化け物って……──」

 

 竹井が俺の言葉に更に困惑を返した瞬間──半荘が終わったようで京太郎と片岡が声を上げた。

 

「3回目終わりました」

 

「今回ものどちゃんがトップか~」

 

「っ……今回の宮永さんのスコアは?」

 

 竹井がそれを慌てて問う。

 そして結果は当然の様に──

 

「プラマイゼロっぽー」

 

「!!」

 

 ──3連続±0だ。

 ハッ……外の雷よりもやべぇのが眼の前にいやがる。

 常識外、埒外の打ち手だ。

 竹井もそれを感じ取ったのだろう、何かを思案するかのように真剣な表情で立ち止まっている。

 

「……私はこれで。会長起きてメンツも足りてるようですし、抜けさせてもらいますね」

 

「えっ、オイ……」

 

「もう帰っちゃうのー?」

 

「…………」

 

「図書室に本返さなきゃ」

 

 その間に、宮永は席を立って部室から去ろうとする。気を使ったような笑みと借りてきたという本を見せながら。

 

「また打とうねー!」

 

 片岡が最後に手を振って別れを告げると、宮永も礼儀正しく軽い礼をして部室を後にした。

 そして部員だけになれば話は対局のこととなる。ただそれは宮永のことではない。

 

「慌てて帰っちゃいましたね……」

 

「そりゃやっぱのどちゃん強すぎだからだじょ」

 

「圧勝って感じだね……やっぱ相手になるのは部長か東郷さんくらいか……」

 

 和が3連続でトップ。そのことを片岡も京太郎も自然と話題にする。……何気に京太郎は竹井と俺のことまで持ち上げてきたが……まあそれはいい。問題は宮永のことだ。

 

「……圧勝? なに甘いこと言ってんのよ」

 

「「え?」」

 

 その言葉が面白かったのだろう、竹井が笑みで2人の言葉に異を唱える。パソコンの方へ向き直りながら、

 

「スコア見て気づかないの?」

 

「……宮永さんのスコアは……3連続プラマイゼロ……まさか、それが故意だと言うんですか?」

 

「えっ、んなバカな。たまたまっしょ」

 

「そうだじょ」

 

 竹井の言葉を聞いて和がそのスコアの並びが偶然じゃないとでも言うのかと問いかけたが、その問いは京太郎や片岡に否定される。片岡はそのまま続けて、

 

「麻雀は運の要素が大きいからプロでもトップ率3割いけば強い方──ましてやプラマイゼロなんて普通に勝つことより難しいじぇ。それを毎回なんて──」

 

「そんなの不可能ってかい? ……って、言ってるけど東郷さんはどう思う?」

 

 そこで竹井が俺に話を振ってくる。……ま、プロ云々って話になればこっちにそりゃ飛んでくるよな。

 だからまあ言ってやる。分かりやすく、

 

「……普通は無理だな」

 

「……で、ですよねー」

 

「ほっ……ほら部長! 元プロが言ってるんだし、やっぱ──」

 

「だが」

 

 と、俺は一度言葉を区切った。片岡の言葉を遮る形になったのは申し訳ないが、そのまま告げる。

 

「普通じゃない、圧倒的な強さが……いや、力量差があれば──不可能ではない」

 

「!」

 

 俺が結論を言い終えると、タイミング良く空に稲光が走った。いや雷、空気読みすぎだろ。逆に空気読めてねぇ。俺がとんでもなく衝撃的なこと言って皆がショック受けたみたいな感じになってんじゃねぇか……いやまあそうなんだろうけど。

 

「っ……!」

 

「! のどちゃん!」

 

 俺がそれを言い終えて数秒後。和が一瞬、噛みしめるような口の動きを見せると、立ち上がって駆けていく。十中八九、宮永を追いかけにいったのだろう。和って地味にプライド高いからな──ベッドの上だと形無しだけど。こんなときでも下ネタを脳内で出せるとかさすが俺ってクズ。

 

「……フフフ」

 

「な、何笑ってるスか、気持ち悪い」

 

「キサマ、会長になんてことを……」

 

「いや、あの子がうちの部に入ってくれないかなって思ってね。東郷さんの言うように、全国狙えるかもだしね──ですよね?」

 

「「えっ?」」

 

「……まあ、あくまで可能性だけどな……それよりだ、竹井」

 

「ん? 何かしら?」

 

 先程俺が言った言葉を差して改めて問うてくる竹井に、俺は告げる。息を入れて、

 

「……サービスだ。本当なら今日で指導は終わりだが……明日も来てやる。予定ももう少しは空いてるしな」

 

「あら……良かった。ちょうど私も1日延長をお願いしようと思ってたの」

 

「…………なら正式に依頼を──」

 

「サービスありがとうございまーす♪」

 

「…………くそっ、もう少し早く言うんだった……」

 

 竹井の媚びるような営業スマイルに憎たらしいものを感じながら俺は顔をしかめる。

 ……だがまあ気になるし、1日くらいならいいだろう。元々この指導も金銭を求めてやってる訳ではないしな。次の学校に行くまでまだ日数もある。

 だから……明日は見極めてみるか。“宮永”……宮永咲という少女が、本物の天才──“魔物”なのか否かを。

 

 そうして俺は携帯を開いてあることを調べる……余談だが、帰ってきた和は傘も差さずに追いかけていったため、ずぶ濡れになっていてエロく、危うく勃起しかけた。




原作開始。というわけでそれに当たって何故原作開始日が5月16日なのかを説明を軽く載せておきます。ちょっと長いですが。

 まず、最初に説明すると、作中カレンダーは2050年のカレンダーを参考。何故かと言うと、県予選の日が確定しているから。県予選は6月4日土曜日と5日日曜日。加えて、日曜日は満月。6月5日が満月で日曜日の年は2050年のみ(満月カレンダー参照)。なので実際の年数はともかく、咲世界の原作開始の年月は2050年のカレンダーを基準とする。そして作中発言とか描写を諸々に考えると、原作開始は5月16日の月曜日。この日に咲ちゃんが京ちゃんに誘われて麻雀を打ちに来る。これは県予選開始日からの逆算で、5月16日から初めてみると辻褄が合うので説明。
2日目の17日火曜日に咲ちゃん、麻雀で勝つことの喜びを知る。
1日経って3日目に麻雀部に入部。18日水曜日。
この後、京ちゃんが咲ちゃんに麻雀部に入って一週間経ったという発言がある。一週間なら、入部した18日水曜日を数えて5月25日水曜日だが、まあ多少の前後くらいはあってもいいでしょう……(ガバ要素)というか県予選の日程を考えると辻褄が合わないので24日火曜日ということに。この日も色々あってのどっちと過去回想。全国を目指す。
その次の日の25日水曜日に、ワカメの実家の雀荘でカツ丼に負けてのどっちが、県予選まで後10日ある、という発言(原作第5局)。10日後は6月4日土曜日。上記でも述べた通り、県予選は6月4日土曜日と5日日曜日で確定してるので、おそらく日程はこれで合ってると思う(多分)。京ちゃんの一週間発言がぴったり一週間じゃなくなるけど、京ちゃんの言葉通りに一週間にすると、原作開始日が1日前にずれるが、原作開始日を1日前にずらすと日曜日になったり、6月4日、5日が土曜日曜じゃなくなったり、満月じゃなくなったりするのでおそらくこれがベスト。まあ咲ちゃんが部活に初めて来たのは18日じゃなくて16日だし、京ちゃんが多少一週間を盛ってもいいんじゃないでしょうか……?(震え声)
そして東郷君が清澄に来たのはGW明け。この年のGWは5月の6日金曜日を挟んでいるが、一応8日日曜日まで。ということでやってきたのは9日月曜日。ちょうと咲ちゃんが来る一週間前ってことで、ちょうど良いよなって感じです。

次回も早め。明日か明後日には。清澄編は多分次回で終わりです。
ということでアンケートを置いておくので、もしよろしければポチって頂けると幸いです。
皆の熱い感想、待ってる

【参考程度に】鶴賀高校で好みの子は誰?

  • 津山睦月
  • 妹尾佳織
  • 蒲原智美
  • 東横桃子
  • 加治木ゆみ
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