「……違いますけど」
「そうだろう。出来るプロは私でもわかるくらいの独特の雰囲気があるから──え?」
「違いますけど」
俺は念の為2回言った。そうすることで自信満々だった相手の表情が崩れる。
そのつい数秒前まで自信満々でクールに決めていたゴシック・ファッションに長煙管の……まあなんとも特徴的な女だ。というか見たことある。名前は忘れたが……そう、カツ丼だ。まあ名前は忘れたから知らない振りで通そう。元プロってことを一々明かす必要もない。
「そちらも、ということはあなたはプロなんですか?」
「あ、ああ。と言っても雰囲気とか空気とかを読むタイプのプロではなくてね……勘違いしてしまってすまない」
なんだその言い訳は……今更取り繕っても遅いだろ。
とはいえそれは本当のことのようだ。俺の記憶でもカツ丼プロはデジタル寄りの雀士……ただ負けている時の勝率が高い、準オカルト的な要素を持つプロだったはず。相手の気配やオカルトを察知は出来ない……少なくとも対局時以外で出来る程ではないだろう。まあ、俺にとっては逆にわからない奴の方がわからないが……一般人的な感覚というのはそういうことだ。
ともかく、さっさと話を打ち切ってしまおうと俺は気持ちサングラスを指で上げて、
「そうですか。それじゃ、自分はこれで……」
「いや待ってくれ。少し聞きたいことがある」
「……なんですか?」
そのまま立ち去ろうとしたが、聞きたいことがあると呼び止められてしまえば、中々行きづらいものだ。仕方なく立ち止まって話を聞く。
「先程、出場する幾つかの学校……風越や龍門渕も含めた選手達と話をしていたようだが……失礼かもしれないが、どういう関係か聞かせてもらっても?」
「ああ……まあコーチと教え子という関係ですかね。一応外部からの臨時コーチとして行ったことがありますので」
一瞬ドキッとしかねない質問だが、鋼の心でそれを受け流す。別にこれくらいは言っても構わないというかこれ以外言えない。まさか肉体関係にありますとか言える筈がない。まあ久保コーチみたいな大人と話してるところも見てるようだし、そこまで怪しまれてはいない、純粋に優勝候補の2チームと話していたところを見て興味を持ったというところか。
その証拠に俺の答えにカツ丼プロはすぐに納得したように頷いた。
「コーチの方でしたか。……もしかして、私が知らないだけで有名な方とか?」
「はは、コーチを始めたのは今年からなので有名ではないと思いますが……なぜそんなことを?」
軽く笑って親しみやすい雰囲気を作る。……ぶっちゃけさっさと行きたいのは山々だが、好印象を与えておくに越したことはないと俺はプロ時代を経てよーくわかっている。人の印象ってのは大事だ。麻雀プロって半分は人気商売みたいなところもあるからな。
まあ俺は目つきの悪さと2年目の堕落からそこまで人気は出なかったが……とはいえ外だとサングラスを掛けることもあるので、そういう時は誤魔化せる。俺くらいならサングラス1つで変装は簡単だ……で、なぜ俺を有名だと思ったかの答えだが。
「龍門渕と風越女子……長野の強豪二つに呼ばれるなら、それくらい指導力のあるコーチなのかと……」
「あー……確かに。そう思うのも当然ですね。ですがそういう訳でもないですよ。運良く先方が声を掛けてくれたので微力を尽くしたまでです」
「なるほど、そういうことでしたか」
俺は自然に受け答えをする。まあ言った通り、そう思うのも当然だな。強豪校の外部コーチなんて、基本元プロ、学生時代に活躍した元OB。プロチームや実業団で実績を残した指導者。現役のプロ。そんな経歴や肩書を持つのが普通だ。
だがまあこれで納得してくれただろう。そろそろ話を切り上げようか──と思っていると。
「なら少し参考までに聞かせてほしいのだが……今年の優勝はどこになりそうです?」
──そんなことを聞いてきて中々帰らせてくれないカツ丼プロ。カツ丼の出前でも取ってやった方がいいのか? つーかそんなことかよ。
まあ彼女達を見た指導者目線の意見が聞きたい、あるいはそれで話でもしたいのだろうが……生憎と一々真面目な議論をしてやる義理は俺にはない。だから聞きたい言葉を聞かせてやろう。
「龍門渕ですかね」
「やはりそうなりますか。龍門渕の天江衣は怪物ですからね」
と、まあこう言っておくのが無難だ。まあ風越女子と言っても良かったが、プロの意見だと天江衣だというのが普通だろう。その証拠にカツ丼プロも頷いて──
「他の学校……風越の福路や……後は清澄の原村なども悪くはないが、天江の前には力不足と言わざるを得ませんからね」
「…………まあ」
「清澄とは私も少し縁がありますが……彼女達も勝てないことはわかっていた筈。そこからどう気持ちを持ってきたか……」
…………いやまあ……優勝候補筆頭が龍門渕というのはそうなんだが……なんだろうな。こう、あんまり勝てないとか力不足とか言われるとちょっと……。
「しかし個人戦には天江は出場していない。個人戦であれば、他の学校にも──」
「──藤田プロ」
「!」
俺は思わず名前を呼んでいた。名前を思い出した。そうだ、『まくりの女王』藤田靖子。彼女に向かって俺は言う。
「彼女達が現時点で天江衣より格下であるのは事実ですが……格下とはいえ、その身に隠された刃の輝きを舐めない方が良いかと」
「……その身に……隠された?」
「……ああ、いえ……ポテンシャルが高いと言うことですよ。それも中には──天江を超えうる程の選手も」
「……!」
藤田プロが一瞬、眼差しを真剣な、それでいて驚いたものに変える。そこで俺も踵を返し、
「すみません。そろそろ失礼します」
「えっ……ああ、はい……」
俺は戸惑う藤田プロを横目で見てその場を後にする。藤田プロの背後からリポーターやカメラマンが近づいてきていたが……さすがにバレてはいないだろう。まあ余計な事を言わないで欲しいものだが、マスコミってのは信用ならないからな。あまり期待しない方が良いかもしれないと、俺は席へと急いだ。
職業、麻雀コーチを名乗る男はそう言って去っていく。
紫色のジャケットに髪色。サングラスを掛けた細身の男だが、その雰囲気はどこか独特で、歳もまだ若そうだ。
そのためプロであるかと藤田は誤認した。プロの中には藤田でも分かるほどの存在感を放つ者もいるからだ。
だがそうではなかったらしい。それより最後に気になることも言っていたので、そちらについて考えを巡らせていると──
「藤田プロ! 今の人は……?」
「ん、ああ。麻雀コーチらしい。龍門渕や風越女子……それに原村のいる清澄にも招かれていたこともあるそうだ」
取材をある程度終わらせたのだろう。“WEEKLY麻雀TODAY”の記者である西田順子が藤田の元へとやってきて先程のコーチのことを聞いてきた。そして藤田は何気なく答えるが、返ってきたのは藤田のジャーナリスト特有の何かを嗅ぎ取った表情と声色だった。
「いや……あの人、もしかして──“東郷仁”じゃ……」
「……東郷?」
西田の言葉に藤田は首を傾げる。やっぱり有名人なのか? 先程の言葉は謙遜だったのか。
だが東郷という名前にどこか聞き覚えがあり、藤田は頭を悩ませる。元々人の名前と顔を覚えるのは得意ではない。記者の西田に聞いた方が早いと悩むことをやめて顔を向けた。
「聞き覚えがあるような……有名人?」
「え、知らないんですか? ほら、今年クビになった元プロで戒能プロの従兄弟の!」
「…………あ」
──藤田はそう言われて思い出す。そうだ。どこかで見覚えがあると思ったら……。
「鹿児島出身の……全小と世界ジュニアの
観戦会場は映画館のシアターに似た室内だ。
それぞれの試合毎に会場が分かれ、そこを映すモニターで観戦する。
県予選は決勝まで行かないと控え室などはない。出場する選手達も観戦室で試合を見ながら応援するし、そこが控え室みたいなものだ。
ミーティングなんかも適当なスペースでやる。まあどんなスポーツ、競技でも地区予選まではそんなものだ。ここまではお遊びで参加してる連中も多いしな。
とはいえだ。大会特有のこの空気は懐かしい。不安や緊張、意気込みが伝わってくるようなこの感覚。
「長野県予選の出場校は全部で58校。1回戦で16校になって、午後の2回戦で4校になる。そして明日が決勝というわけね」
そして今、清澄高校の面々が集まってミーティングをしている。部長の竹井が大会のルールや仕組み。オーダーなどを発表して色々と説明していたが……俺の目の前でやられるとまるで俺が監督をしているみたいだ。というか聞かせていいのか?
「中学の時よりずっと多い……」
「激戦区の大阪にくらべりゃあ3分の1もないがのう」
そして和がトーナメント表を見上げて驚き、染谷がそれの説明をしている。そうそう、そうなんだよな……俺も高校時代はビビった。
「東郷さんの高校時代はどうだったんですか?」
「ん……ああ。俺は高校の時は西東京地区だったからな……男子だがメチャクチャ多かったぞ。……200くらいだったか」
「うえっ……そんなに……」
とか思ってると和がピンポイントでそんなことを聞いてくるので俺は答えてやる。すると宮永が口元をへにゃりとさせて気の抜けた驚き方をした。……こいつは麻雀の実力に反比例して普段は抜けてるよな……さっきも迷子になってたらしいし。いや麻雀の実力が強いからこそか? 強い奴ほど普段は抜けてたり変だったりするものだ。相手からするとその方が不気味で怖かったりもするしな。
「──1回戦の相手ぬるいなー。清澄・東福寺・千曲東だって」
「らくしょーじゃん」
「!」
と、観戦室横の廊下を歩く別の高校の生徒が何やら話をしている。容姿は……どっちもCってところか……いや、顔立ち自体は悪くないか? どうも最近容姿ランクAの美少女ばかりと出会って触れ合っているため、以前は割と良い感じに見えた相手でも微妙に見えてしまう。以前は知り合いの美少女といえば良子にはやりさんに栞に……いや、思えば前から結構多かったな……。
「清澄ってアレでしょ。原村なんとかの!」
「あーさっき記者相手に全国優勝とか言ってたの見たー」
「ありえないって!
──ちょっと胸が大きい……? いや、ちょっとじゃないだろ……お前らどこに目つけてんだ。そんなお前らは……ふん、戦闘力70台。AからBか……ゴミめ……いや女子高生の胸のサイズを計測する俺の方がゴミだと思います(冷静)。
「おーおー……好き勝手言ってんなぁ……」
「原村さん……」
まあそれはともかく和はどうだろう。気にしてるのか? 宮永が心配しているが……。
「大丈夫ですよ。あんなのは胸の小さい人の僻みです。私は全然気にしていませんから、宮永さん。1回戦頑張りましょう」
「う……うん……そうだね」
「…………」
すまし顔でそう言う和に宮永が気を使ったような、それでいてなんとも言えない気にした笑みで頷いた。俺も無言だが似たような感じだ。いや、まさか胸の大きさを誇り始めるとは……まあ色々言ってた通りすがり相手なら良いかもしれないが、やめてやれ和。その煽りは味方にも微妙に効いてるぞ──って、ん? 今宮永の奴こっちを見たか? 一体何が……。
「なにかあったのか?」
「なにも……強いて言うなら、嫉妬を受けました」
「じぇ?」
やめろやめろ。片岡にまで傷を負わせる気か。──って、片岡までこっちを見て……ん? なんだ。何かがおかしいな。なぜ俺を気にする? こいつら……いや、たまに気にしてるのは宮永と片岡だけで竹井や染谷は違和感はないな……何なんだ。原村以外に役満を当ててはいない筈だが……。
『あと10分で1回戦が始まります。各校の先鋒は所定の対局室に入室してください』
──と、俺が違和感の正体を考察していると、1回戦が始まる旨のアナウンスが会場内に流れた。
すると清澄の先鋒、片岡以外のメンバーが片岡を見送ってから観戦室に移動する。俺も一緒だ。とはいえ、全く心配はしていない。1回戦でこいつらが負けるはずないからな。他の学校の奴らも。ぶっちゃけ気になるのは決勝くらいで、今のところは試合が気になるというよりは、
「──どうぞ、東郷さん」
「……ああ」
「…………」
和が俺の手を引いて、観戦室では俺を促した後、座ったのを見て俺の隣に座ってくる。──そして宮永は試合で僅かに緊張し、そして俺と和のやり取りをチラチラと気にしており、それが非常に気になった。
『第1回戦開始!』
そしてそれは1回戦が始まってからも続く。
「ゆーきは問題なさそうですね」
「そうだな」
そう、片岡は全く問題なく相手をボコボコにしている。やっぱりこいつ、東場だとバカみたいに強いな……片岡優希東場最強説。さすがにないか? プロでもそういう奴はいないこともないしな……。
それよりだ。──和が近い。椅子は大きめで仕切りもあるのに、態々俺の方へ寄ってきている。
ぶっちゃけこんな人目のあるところで距離が近かったり、露骨に親しげに話すのはあまりよろしくないし、和もそれを分かっている筈だが……なぜそうなってる?
そして宮永も相変わらず応援はしているが、こちらをたまに気にするのはなぜだ?
「一番槍の帰還だじぇー!」
「お疲れ様です、ゆーき」
「お、おかえり! 優希ちゃん」
──そしてあっと言う間に先鋒戦が終わり、次は次鋒戦。染谷が試合会場に向かう──が、これもまた快勝で中堅戦へ。竹井の出番だが……ここでも若干気になることがあった。
「和と咲は2階の喫茶店で何か食べてきたら? ──東郷さんの奢りで」
「おい」
「え……なんで……」
「!」
竹井がそんなことを言う。テレビの雑学で脳の活性化がどうたらという話だが、ぶっちゃけそれはどうでもいい。気になるのはその時の他の面子の反応だ。
俺は一応ツッコんだが、まあ別に奢ってやってもいいと思い、立ち上がって声を掛けた。
「……ま、いいけどな。なら行くか?」
「ええ、是非……お願いします……♡」
目を輝かせて承諾する和の反応は困るが予想通り。輝いているというか、ハートマークが浮かんでいるような気もするが……まあこれは良いとしよう。
その後の宮永と片岡が、
「わ……私は大丈夫です!」
「あ? いいのか? 遠慮しなくてもいいんだが……」
「特にお腹は空いていなくて……あはは、私はいいので、和ちゃんと一緒に行ってください」
「! そうだじぇ! のどちゃんは胸に栄養を取られるからよくお腹が空くのだ!」
「取られてませんっ」
宮永が露骨に遠慮し、片岡はいつも通りフザケているように見えるが……なぜか宮永と同じくこちらを気にするようにしながらそんなことを言う。……そしてそう言われれば俺も和と2人で行くしかないのだが……。
「……それじゃ行きましょうか、東郷さん」
「……ん、じゃあ行くか」
そうして一旦観戦室の外に出て……そして気づく。この空気の正体に。
女子達が友達の女子と特定の男子を近づけるために、バレないようにコソコソと動くが、割とバレバレな
…………もしや、あいつらに俺と和の関係がバレてる……!?
「喫茶店に何があるか楽しみですね」
「喫茶店の食い物は意外と美味かったりするからな……」
和と会話をしながら俺は考える。本当にバレたのか? と。
……いやだが仮に関係がバレてるなら、敢えて2人きりにさせる必要はあるか? そういうのは2人がまだくっついていない時の行動に思える。それとも単純に気を使った? この大会中に? ……いや、ちょっと確かめてみるか。
「……和」
「! はい、なんですか?」
「お前、俺との関係、誰にも言ってないよな?」
俺は小声でそれを問う。大丈夫だ、周囲に人はそれほどいない。今は試合中だしな。人通りもあまりない。
すると和は俺の方を見上げ、口元に手を当てて、
「お、お前って言われると夫婦みたいでなんだかいいですね……♡」
「──おい」
そうじゃねぇ。そこじゃない。いいから答えてくれ、と俺は再度問いかける。
「どうなんだ?」
「……誰にも言ってません。2人だけの秘密ですから。バレるような行動も取ってません」
「ふむ……そうか……いや、そうか?」
「ええ、勿論です」
キリッとした表情と言葉でそう言う和。まるで麻雀をしている時のように真剣な顔なので俺としては信用したいところなのだが……。
──むにゅんっ♡ と俺の腕には和の女子高生としては大きすぎる乳が押し付けられている。
つまり……人通りが少ないことを良いことに、ナチュラルに腕を組み始めたのだ。信用出来ねぇ……出来ないが、少なくとも和は何も言ってないってことか……。
「……だが黙ったままああいう行動に出るってことは、友人を応援しようとしてるだけか……」
「……そういえば仁さん。私も少し聞きたいことがあります。いいですか?」
「? いいぞ。なんだ?」
階段を登り、2階についたところでそう言われる。目的の喫茶店まで後少し……だがそこからまた離れて人気の少ない場所へ。……ん?
俺が何気なく和の質問を許し、人気の少ないところに手を引かれて連れて行かれる。そして、和は言った。
「私が先程取材を受けている時……誰かと身体をくっつけて話してましたよね?」
「! あ、あー……見えてたのか?」
俺は鼓動を跳ねさせる。やばい、聞かれてしまった。
これは美穂子……じゃなくてモモのことか。何故見えてるんだと思ったが、そうか、和ならもしかして──
「見えてました。あんな人気の多い場所で堂々と……身体をくっつけて触るなんて……!」
……まあそれを言うならお前も身体はくっつけてきてたけどな……と言いたいが、今は揚げ足取りをしてる場合じゃない。なんと言うべきか、脳を活性化させて考える。バナナと乳製品をよこせ。先に食べておけば良かった。
「いや、あれはだな……前の教え子で……」
「それにまた別の人とも仲良さそうに話してました。……もしかして、2人とも仁さんの──」
あっ、さすが和、理解が早いな……って言ってる場合じゃねぇ。さてどうするか……下手に誤魔化すのもな……。
「……! 仁さん! 答えて下さい! あの痴女は一体どういう──」
「──痴女呼ばわりは失礼っすね~」
「!」
──和が俺を問い詰めようとしたその時だ。まさにその相手……モモが和の背後から現れた。
「あ、あなたは……!」
「ふふん、清澄のおっぱいさんっすね。はじめまして、私は鶴賀高校の東横桃子っす。同学年っすね、よろしくっす」
その登場に和は驚き、反対にモモは笑顔を浮かべ、友好的な態度で挨拶をした。
俺はどうしていいか戸惑う。これは中々に対応に困る事態だ。はやりさんと良子、それと栞やユキの時とは違う。元々知り合いだったり、察してくれたりとか色々あった時とは違っている。
和は俺が複数の女性と関係を持っていることを知らないし、逆にモモは知っていて、その上で付き合っている。
こうなるとどうなるか。ちょっと予想が出来ない。これがいわゆる修羅場ってやつか?
「よろしくじゃないです! あなた、仁さんとはどういう関係なんですか!?」
「どういう……? どういうって……こういう関係っすよ♡ ──ちゅっ」
「!」
「っ……!」
むぎゅっ♡ と俺の左半身に抱きついてきて、その柔らかい女体の感触を制服越しにたっぷりと押し付けてきたモモは、そのまま俺の口にキスをしてくる。
そしてそれを見て、和が絶句した。
「な、な……何をしてるんですか!?」
「ん……♡ 何って、キスっすよ? もしかしてキスもしてないんすか? ──なら私の勝ちっすね♡」
「それくらいしてます! それより、離れてください!」
「なんでっすか? 私は東郷さんの1番っすからね♪ こうやってキスもするし、エッチなことだってしても何もおかしくないし、止められる筋合いはないっすよ」
「あります! 私は仁さんの恋人です!」
いやいや、こんなところで言うな。誰がどこで聞いてるか気が気じゃない……が、久し振りのモモのJカップおっぱい、その気持ちのいい女体の感触に別の意味でも気が気じゃない。
「あっ♡ 勃ってるっすね♡ ふふ、東郷さんするっすか? 出番までに少しくらいなら相手出来るっすよ?」
「い、いや……今は……」
「っ~~~!! す、するなら私がします!! だから離れて下さい!!」
「!? うおっ……和……!!」
モモが俺の股間をその白い左手の指で撫で回してくる。より乳房を押し付け、俺を誘惑していた。
が、それを見て我慢ならなかったのか何なのか。和が右側から抱きついてきて、俺の股間をモモの手から奪い返すように右手で掴んでくる。久し振りの和の身体の感触がたっぷりと身体の右側にやってくる。推定Kカップの爆乳の破壊力も健在だ。俺の身体の右側を押し返すような柔らかさと弾力。その存在感たっぷりの感触に理性を支配される。ヤバい。このままでは……。
「ふ~ん、少しはやるみたいっすね。でも私には敵わないっすよ。東郷さんと私は身体の相性抜群っすからね♡ もう何度もエッチしてるんすから」
「わ、私だって沢山してます!」
「どうっすかね~? 回数もテクニックも私が勝ってると思うっすけど」
「……! 胸は私の方が大きいですし、他の部分でも負けてません!」
2人の抱きつく力が強くなる。
互いのおっぱいがそれぞれ、俺の右側と左側に押し付けられてたまらない。
2人の大きすぎるおっぱいが俺を挟んでその柔らかさをたわませてくる。
超絶可愛いくてスタイル抜群の女子高生の制服越しの柔らかさと鼻をくすぐる甘い匂いと乳房の柔らかさでどうにかなりそうだ。
「……なら」
そして欲望が首をもたげる。
2人の俺の取り合いは都合よく、2人の対抗心に火を付け、そして俺にとってもっとも気持ちのいい展開となった。
「──ちょっと勝負しませんか?」
「──受けて立ちます……!」
──長野県予選1回戦で少女たちの激闘が始まる中、ここでも女子高生雀士達による淫靡な戦いが始まろうとしていた。
次回、長野県予選1回戦開始。1回戦から強豪同士ですね。お楽しみに
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