卯月ちゃんと付き合い始めてから半年と少し。エッチは何度もしているが、ホテルに入ったことは一度もなかった。ホテル代が惜しいというわけではなかったが、俺が一人暮らしをしていることもあり、話題に出たことがなかった。今日も俺の部屋に行ってもいいのだが、せっかく特別な日なのだからという思いが卯月ちゃんにもあったのだろう。
適当にオシャレな外観のホテルを選び、言葉少なに入口に立つ。最近はGoogleのストリートビューでホテルの中まで見られたり、YouTubeで部屋選びから精算までレビューしている動画があったりと情報が豊富なので、一応調べてはきたが、やはり実際に利用するのは緊張する。卯月ちゃんに事前の知識はいかほどか聞くと、卯月ちゃんは顔を赤くして、慌てた様子で手を振った。
「全然知りませんよ! 調べてもないし、周りでそんな話をしてる子もいないし」
「それもそうか。卯月ちゃんの友達は、純粋な子が多そう」
「女子校ですしね。でも、みんな言わないだけで、彼氏がいるかもしれません」
「そう?」
「少なくとも私はいますし、そのことを誰にも話していません」
何故か得意げに笑って、卯月ちゃんは俺の手をギュッと握った。とても可愛い。顔が近くて思わずキスしたくなったが、後10分くらい我慢することにした。
せっかくなので少し高めの部屋を選択して、案内に従って部屋に入る。オシャレな内装は「これで満足だろ?」と訴えているようで少々品がないが、ベッドは大きいしバスタブも広くて快適な空間だ。
「お風呂、ガラス張りですね。丸見えですね」
「眺めてるよ」
「一緒に入りましょう。泡が出たりしますかねぇ」
上着をソファーにかけて、あれこれ話しながら部屋を確認する。エッチな道具も売っているが、卯月ちゃんは興味がないようだった。冷蔵庫にはアルコールが並んでいたが、卯月ちゃんとの時間に酒は不要だ。
一通り眺めてから、部屋を暗くしてベッドの端に座った。そっと肩を抱き寄せてキスをする。最近部屋にも来ていないし、寒くなってきて服も厚くなり、卯月ちゃんの温もりや肌の柔らかさを感じるのも久しぶりだ。
卯月ちゃんがそっと俺の背中に手を回して、顔を押し付けながら舌を絡めた。静まり返った部屋に、水気のある音が響く。うっすらとまぶたを開くと、柔らかく目を閉じた卯月ちゃんがとても可愛かった。
ベッドに横になって、服の中に手を入れた。ブラジャーの上から胸を撫でながら、首筋に顔をうずめて、うなじに唇を押し当てる。シーツに広がった卯月ちゃんの髪の毛からいい香りがした。
少しだけ体を抱え上げて、服を脱がせた。自分も脱いで抱きしめると、肌と肌の触れ合う感触に背筋が震えた。湿度の低い季節だが、卯月ちゃんの肌はしっとりしていた。汗ばんでいるのはエアコンが暑いせいか、それとも興奮しているのか。
スカートを脱がせてから下着を下ろすと、股からツッと透明な液体が糸を引いた。裸にしてからそっと合わせ目に指を入れる。熱い液体が指先に絡みついて、動かしたらぴちゃぴちゃと音を立てた。
「いっぱい濡れてる」
股間を触ったまま隣に寝転がると、卯月ちゃんが俺の肩に頭を乗せながら、吐息を漏らした。
「久しぶりなので。○○さんも、だいぶあれだと思いますよ?」
そう言いながら、すっと手を下ろして俺のを握る。ここ3日ほど我慢しているので、触られただけでイッてしまいそうだ。
「じゃあ、とりあえず1回してからお風呂に行こう」
覆いかぶさりながらそう言うと、卯月ちゃんは不満げに唇を尖らせた。
「今日は時間がたっぷりありますから、のんびり楽しみましょう」
「すごくイキたい」
「我慢してください。一番最初が一番いいんです」
卯月ちゃんがそう言いながら、俺の首から背中に腕を回した。
仰向けに寝転がっている卯月ちゃんの体に体重をかけながら、先端を合わせ目に触れさせた。
「いいって、何が?」
よくわからなかったので聞くと、卯月ちゃんはそれを意地悪と解釈したのか、恥ずかしそうに顔を背けた。
「最初が一番硬いってことです」
「硬いといいの?」
「まあ、気持ちはいいですね」
わざと他人事のようにそう言って、両腕を俺の首にかける。細い肩を抱きながら中にうずめると、卯月ちゃんが「んっ」と声を漏らして目を閉じた。
ぬるぬるした膣壁がキュッと締め付けてきて、少し動いただけでイキそうになる。すぐにイッたら恨まれそうなので、奥まで入れたまま指で入口付近を刺激すると、卯月ちゃんが気持ち良さそうに荒い息を吐いた。
「はぁ、はぁ……あっ、んん……」
汗ばんだ背中を引き寄せながら、キスをした。おっぱいを揉むためにもう一本手が欲しいが、無いので諦めた。
動きたそうな卯月ちゃんを押さえ付けながら、五感で堪能していると、卯月ちゃんが潤んだ瞳で俺を見つめた。
「ここって、声出しても大丈夫なんですよね?」
「歌うの?」
何のことかわからずに真顔で聞くと、卯月ちゃんは潤んだ瞳で俺を睨んだ。
「そんなわけないですよね?」
「じゃあ、何?」
「知りません。もういいです」
怒ったようにそう言って、顔を隠すように俺の頭をぐっと引き寄せた。
すぐ耳元で、卯月ちゃんが気持ち良さそうに声を上げている。いつにも増して感度がいい。
いや、今日は我慢していないだけだと、ようやく気が付いた。いつもは部屋でしているから、卯月ちゃんは隣の部屋を気にして声を押し殺している。
声の他にも、シーツを汚したりとか、色々なことを気にしなくていいから、エッチに集中できているのかもしれない。
卯月ちゃんが体を震わせるたびにイキそうになる。止めたら怒られそうだし、このまま中で出したくなったが、それは一番ダメだろう。そういえば初めてした時、思わず中に出してしまったが、今思えば向こう見ずだが貴重な経験だった。
我慢できずに、少しだけ動いてイクことにした。意地悪したくなって、体を離して卯月ちゃんの顔を引き寄せると、くわえさせて口の中に出す。
だいぶ溜まっていたのでかなりの量だったが、卯月ちゃんは苦しそうに全部飲んでから荒々しく肩で息をした。隣に寝転がって横から抱きしめると、卯月ちゃんは俺の背中を引き寄せて肩に顔を押し当てた。
「もう少し、触ってください」
かすれる声で言われて、背筋が震えた。そっと指を忍ばせて、たっぷり濡れている股の間を優しく撫でる。敏感になっているのか、卯月ちゃんが声を漏らしながらギュッと俺の体にしがみついた。
「あっ、はぁ……んっ、あぁっ!」
だんだん声が大きくなっていく。こんなにも乱れた卯月ちゃんを見るのは初めてだ。イカせたことは何度もあるが、やはり声が出せるというのは大きいらしい。
身の委ね方がわかってきたのか、俺が卯月ちゃんのことをわかってきたのか、あっさりとイッて、大きく肩で息をする。触れ合う肌は冬とは思えないほど熱くて、汗でべったりしていた。
卯月ちゃんの荒い呼吸を感じながら、激しく舌を絡める。さっき飲ませたものは全部胃へ流れて行ったのか、変な味はしなかった。飲ませておいて何だが、自分では絶対に口にしたいと思わない。
体液なんてそういうものだろう。例えば汗にしても、自分の汗は舐めたいと思わないが、卯月ちゃんの汗なら舐めても構わない。卯月ちゃんはいつも嫌がらずに飲んでくれるが、俺が思うよりは抵抗がないのかもしれない。
呼吸が落ち着くまで、抱きしめながら髪や背中を撫でていると、やがて卯月ちゃんが長い吐息を漏らした。
「はぁ……。気持ち良かった」
「俺も」
「もう少し我慢してほしかったです」
「1回目は無理」
初めてのエッチの時は三擦りすらできずに終わったことを思えば、大した成長ではないか。いや、動いていないので変わりはないか。
AVとか、よくあんなにも長くできるものだと思うが、俺も2回目なら多少長くできるので、あれは一度出してから撮影しているのだろうか。それとも、やはり俺が早いだけで、普通は1回目からもう少し長くできるのだろうか。
「まあ、今さら1回目から長かったら、気持ち良くないのかなって思っちゃいます」
卯月ちゃんが顔を上げて、なんとも言えない表情で微笑んだ。妥協にも聞こえるし、からかっているようにも見える。
「みんなこんなもんだよ。たぶん」
騙すつもりはないが、言い訳がましくそう言うと、卯月ちゃんは少しだけ眉をひそめて目を閉じた。
「他の人と比べて早いって言ってるわけじゃないです」
それはそうか。単に卯月ちゃんがもう少し長く中に入れていてほしかったというだけで、別に一般的に早いとか遅いという話ではないのだろう。
しばらく余韻を楽しむように、抱きしめ合ったまま寝転がる。なんとなく汗ばんだ胸を撫でていると、卯月ちゃんがくすっと笑った。
「胸、前ほどは触らなくなりましたよね」
「そう?」
「そんなことないですか?」
どうだろう。いつでも触りたいし、結構触っていると思うが、前みたいに夜に外で触ったりとかは減ったかもしれない。
「服が厚くなったのと、TPOをわきまえるようになっただけだよ」
「なるほど。私、外でイチャイチャするの、結構好きです。スリルがあって」
「エッチだな」
呆れたように言うと、卯月ちゃんは平然と笑った。
「するのはいつも○○さんの方です。私からは何もしていません」
確かに、俺が体を触るか、卯月ちゃんに触らせるかのどちらかだ。卯月ちゃんの方から、外でズボンの中に手を入れてくる想像をしたら、なんだかゾクゾクした。たまにはされてみたいが、やはりどちらかと言えば俺の方からしたい。
「今度電車の中で触ってみて」
意地悪でそう言ってみると、卯月ちゃんは「大冒険ですね」と笑い飛ばした。冗談で流されたが、卯月ちゃんのことだから、いつかその内、本当にしてくるかもしれない。お茶目と言うには内容がアダルトだが、この子はそういう小悪魔的なところも持っている。
「そろそろお風呂に入りましょうか」
卯月ちゃんが半身を起こして、俺の手に触れた。薄暗い中で、白い肢体がとても綺麗だった。