泡風呂というのをやってみたいという卯月ちゃんの希望により、専用の入浴剤をジェットバスに投入したら、バスルーム中が泡だらけになった。
「思ったのと違います」
卯月ちゃんが困ったように笑いながら、二人でバスタブに入る。俺が壁にもたれて足を伸ばし、卯月ちゃんが膝の間に入って俺に背中を預けた。後ろから抱きしめながらおっぱいを撫でると、ぬるぬるしてとても心地良い肌触りだった。
卯月ちゃんが両手で泡をすくって、ふっと吹いた。シャボン玉みたいにはならず、ただ大きな泡の塊が床に落下して二人で顔を見合わせた。
しばらく唇を合わせてから、卯月ちゃんが俺の肩に頭を乗せて天井を見上げた。ここでも怪しげなライトが光っていて、白い泡がピンクに染まっている。
話が切り出されるのを待ちつつ、お腹や太ももを撫でていたが、卯月ちゃんは安らぐように目を閉じたまま、何も言わずに俺の腕を触っていた。
「東京で初詣って行ったことがないけど、どこが有名なの?」
沈黙が嫌なわけではなかったが、なんとなく話題を振ると、卯月ちゃんはちらりと俺を見上げて体を起こした。
「明治神宮じゃないですか?」
淡々とそう言いながら、俺の隣に座って正面から俺の体を抱きしめる。ふんにょりと押し付けられる胸の感触がたまらなく気持ちいい。
「毎年行くの?」
腰からお尻を撫で下ろして、そのままお尻を揉んでみる。そういえば、あまり卯月ちゃんのお尻には触っていない。程よい肉づきで、弾力と柔らかさのバランスが最高だ。
「近所の神社に行くくらいですね。明治神宮には行ったことがありません」
「意外だ」
「初詣の話ですよ? 明治神宮自体には何度か行っています」
それはそうか。
お尻の谷間に指を這わせると、指先に蕾の感触がした。なんとなく指先でいじると、卯月ちゃんが拗ねたように俺を睨んだ。
「恥ずかしいんですけど」
「明治神宮って、御神体って何? 三種の神器の一つだっけ」
お尻の穴をいじりながら聞いてみる。卯月ちゃんは身をよじってから、頬を擦りつけるように俺の肩に顔をうずめた。
「さあ。明治神宮っていうくらいだから、明治天皇じゃないですか?」
「どう考えてもそれより前からあるよね? 伊勢神宮とか、神話の時代からあるよ?」
「明治神宮って、そんなに古くからありました?」
「伊勢神宮、明治神宮、出雲大社は、日本の三大神宮じゃないの?」
「まったく知りません」
「俺も」
なんとなく指先に力を入れてお尻の中央を押してみると、侵入を拒むように弾力で押し返された。親指でお尻をいじりながら、残りの指で前の方を刺激する。卯月ちゃんがギュッと俺にしがみついて、熱っぽく息を吐いた。
「正月、明治神宮に行ってみる?」
中に指を入れながら軽い口調で聞くと、卯月ちゃんは俺の頬に唇を押し付けながら、囁くように言った。
「お正月は家族行事があるので会えません」
「あれ? 一緒に初詣に行こうって」
「ああ、ごめんなさい。2日か3日のつもりでした」
卯月ちゃんが申し訳なさそうに謝る。正月にぼっちなのは寂しくはあるが、仕方ない。すっかり元気を取り戻した股間を卯月ちゃんの入口に導いて、そのまま中に突き入れた。抵抗もなく奥まで入って、卯月ちゃんが俺に跨って、正面から抱きついてくる。
しばらく温もりを味わうように抱きしめ合って、これでもかというくらいキスをした。顔を離して、卯月ちゃんが潤んだ瞳で俺を見つめた。
「でも、少しくらいなら、たぶん。会える時間を作ります」
「無理しなくていいよ」
「私も会いたいです。1年の最後の日と最初の日に会えたら、なんだかすごくいいじゃないですか」
それはすごくいい。
風呂の中だと粘性が落ちるので、バスタブから出て壁の前に立たせた。後ろから抱きしめて、もう一度中に入れる。
「んっ……」
卯月ちゃんが壁に手をついて腰を突き出す。抱え込むように胸を触りながら腰を振ると、キュッと締め付ける熱くて柔らかい感触にすぐにイッてしまいそうになった。2回目なら多少長くと言ったが、あれは嘘だ。
そういえば、あまり後ろからしたことがない。卯月ちゃんの背中に視線を落とすと、先ほど触っていたお尻の蕾が目に入った。まじまじと見たことがなかったが、毛も生えていなくて綺麗だった。
卯月ちゃんの体液を指先に絡めて、お尻の穴をくにくにといじる。そのまま指先を中に押し込むと、卯月ちゃんが変な悲鳴を上げてから慌てて俺の手首を掴んだ。
「な、なんてことするんですか!」
「いや、好奇心が」
第一関節まで入れると、卯月ちゃんがブンブンと首を振った。
「○○さん、そういうの好きなんですか!? 幻滅ですよ!」
「あの島村卯月のお尻を……」
「どの島村卯月でもダメですから!」
第二関節まで入れたまま、ぐいぐいと腰を深く突き入れる。むにょっとするお尻が気持ちいい。
卯月ちゃんは諦めたように手を壁に戻して、はぁはぁと肩で息をしている。
お尻をいじったまま激しく突き入れる。卯月ちゃんの喘ぎ声が鼓膜から脳を刺激して、ぎりぎりで引き抜いてお尻に出した。
一度指を引き抜いて、お尻を流れる精子を穴の方に導いた。正面から抱きしめて、自分の液体を押し込むように中指を入れると、スムーズに奥まで入って卯月ちゃんがくぐもった声を漏らした。痛いほどきつく俺の背中を引き寄せながら、非難げに俺を睨んだ。
「変な性癖に目覚めないでくださいよ? 今日だけですからね?」
「ホテルの定番にしよう」
「今日が最初で最後のホテルになるのが残念でなりません」
無念そうに首を振る卯月ちゃんのお尻の中に、指を根元まで入れる。膣の中とはまた全然違う感触に気持ちが昂った。
ゆっくり出し入れすると、卯月ちゃんが苦しそうに息を吐いた。
「痛い?」
「痛くはないです」
「気持ちいい?」
「まったく」
シンプルな返事に思わず苦笑した。
十分堪能してから指を引き抜いて、綺麗に洗った。もう一度湯船に浸かってから、泡をシャワーで流してベッドに戻ると、卯月ちゃんが俺に抱きつきながら怒ったように唇を尖らせた。
「ひどいことをされました。デートDVというやつですね」
「怒ってるなら謝るけど」
「破局の一歩手前です。今日のディナーが最後の晩餐ですね」
全然破局などしそうにない、意地悪な笑みを浮かべて俺を見上げる。可愛い。
布団にくるまってごろごろする。無限にあると思えた時間も、もう残り1時間を切っている。随分のんびりお風呂にいたようだ。
「最後の晩餐って、最初からそれが最後のつもりだったのか、それとも、たまたま最後になったのか、どっちでしょう」
卯月ちゃんが俺の腕を枕にしながら呟いた。興味がない上、まったくわからないが、恐らく卯月ちゃんも答えを知りたがっているわけではないだろう。ただの雑談だ。
「最後の晩餐って、そもそもなんだっけ」
「聖書のです。私も絵しか知りません」
「レオナルド・ダ・ヴィンチ」
「確かそうです」
「レオナルド・ダ・ヴィンチって、他に何か有名な作品あったっけ」
「モナ・リザじゃないです?」
「それだ。卯月ちゃんも肖像画描いてもらって、後世に伝えよう」
「後世はどっちでもいいですけど、似顔絵は興味がないこともないです」
似顔絵というと、よくショッピングセンターや観光地で描いているあれだろうか。一人の時は気にしたことがなかったが、彼女と一緒ならああいうのもありかもしれない。
疲れているのか、ぐったりしている卯月ちゃんを仰向けに寝かせて、跨るように膝をついた。そのまま胸に顔をうずめて先端を口に含む。
お腹から腰のラインに指を這わせながら、胸の周りに舌を這わせると、卯月ちゃんが俺の肩に手を置いて小さく身をよじった。
おへそから下腹部へ。陰毛を撫でながら指先を股の間に這わせる。しばらく触ってから卯月ちゃんの膝を立てさせて、しっとりと濡れた股間に唇をつけた。
入口の突起を舌で丁寧に舐めると、卯月ちゃんが布団を胸元に抱え込んでくぐもった声を漏らした。溢れ出てくる液体が熱い。舐めると少し舌がひりついた。
卯月ちゃんにも舐めてもらおうと、いわゆる69の体勢に寝転がったが、卯月ちゃんは俺の腰を抱き寄せて、股間に顔をうずめただけでくわえてはくれなかった。
嫌なわけでも意地悪をしているわけでもなく、全力で感じているようなので、無理はさせずに攻め続ける。どうせ3回目は時間的に厳しいし、ぐりぐりと顔を押し付けられるのも新鮮な気持ち良さがある。
「○○さん……○○さん……っ!」
卯月ちゃんの声が室内に響く。10分くらい舐めて絶頂まで導くと、体を起こして卯月ちゃんを見下ろした。
汗ばんで光る肌、大きく上下する胸、唾液の付着した唇。エロくて可愛い。
「卯月ちゃん、オナニー用に写真撮っていい?」
冗談で聞くと、卯月ちゃんは潤む瞳で俺を見つめて、小さく頷いた。
いや、ダメだろ。
隣に寝転がってギュッと抱きしめると、卯月ちゃんが呼吸を整えるように大きく息を吸ってゆっくり吐いた。
「ちゃんといつも私でしてくれるなら、写真の1枚くらい良かったのに」
卯月ちゃんががっかりしたようにため息をつく。撮って欲しかったのだろうか。相変わらず、よくわからない。
「卯月ちゃんでしかしてないよ」
「本当ですか? みくちゃんでしたりしていませんか?」
「ないよ。卯月ちゃんを不安がらせてるなら、付き合い方を考えるけど」
「まったく不安がっていないから、明日も遊ぶ約束をしました」
そう言って、くすっと笑う。もう一度キスをすると、起き上がってシャワーを浴びた。
メイクの時間を取りたいと事前に言われていたので、余裕を持って服を着る。メイクをしている卯月ちゃんを眺めていたら、時間がないので髪を乾かして欲しいと頼まれた。
女の子の髪などもちろん乾かしたことがないので、ドライヤーでテキトーに風を送っていたら、卯月ちゃんが呆れたように微笑んだ。
「髪は上から下に、根元の方から乾かします」
「そうなの?」
「先に毛先を乾かすと、乾かし過ぎて傷んじゃうんです」
レクチャーを受けながら、指先で梳かしつつドライヤーを当てる。しっとりした髪がだんだんサラサラになっていくのが楽しいが、毎日こんなことをしていたらうんざりしそうだ。メイクといい、女の子は本当に大変だ。
感謝を伝えたら、俺のためにしているわけではないと笑われた。
「可愛くいたいっていう自己満足です。もちろん、○○さんが喜んでくれるなら、すごく嬉しいですけど」
可愛くいたい。アイドル島村卯月の原点だろう。
もっとたくさん力になりたいけれど、今のところ俺にできるのは髪を乾かすことだけだ。これからのことはこれから考えるとして、今は無心で髪を乾かすことにした。