「
透き通る美声が浸透していく。王族貴族を想起させる威圧的な物言いは思わず跪き従いたくなってしまいそうになるが、彼女のカリスマ性に呑まれててはいけない──淳之介は戒めて膣へ、肉棒に目線を送り。
息子の変わり果てた姿に、硬直した。
「……何…………だと……!?」
淳之介の淳之介が、雀野に向かって亀頭を下げている。
あれほど熱感渦巻いていた暴れ馬は鳴りを潜め、そこにいるのは生まれたての仔馬だった。
少女が勃立と呟けば大亀となり、少女が礼と呟けば可愛い小亀さんへと大変身。
着床、という締め括りで淳之介は寝台へ縫い付けられたように身動きが取れなくなった。
巫女服を身に纏う少女からは怒気や殺気とも違う、荘厳で神秘的なオーラが立ち込めている。
祝詞を紡ぐように、少女は詠った。
「淫力、シコエッチパワー……言い手により名前はコロコロと変わるけれど。
人に宿り目に見えぬ超常的な力が、この島には実在する」
「そ、そんな非科学的な──!」
「そうだな。しかしこの島にやって来てからその非科学的な現象を、淳之介は幾度となく目の当たりにしてきたはずだが?」
青藍島では、物理法則を無視したオカルティックな事象が度々発生する。
つい先日も性の裏技投稿サイトハメップに書き込まれていた、
『催淫ペンで正の字を書き殴り続け、肌が見えないほど黒化させたダッチワイフを等間隔に並べ五芒星を形作ることで絶対性欲圏が生まれ発情云々』
という内容を水乃月学園で実践し無事成功させてしまい刑務所にぶち込まれる予定らしい花丸な娘がいたのだが閑話休題。
偶に射精できれば充分という性欲の薄い人間が島へ引っ越してきても、何日かすればいくらでも装填可能な性豪へと誰もが変貌していく。実際夏休み明けに転校してきた同級生が馴染めるか不安だと淳之介へ相談してきたが、その悩みは杞憂に終わった。
しかし人間は性に開放的な環境へ移っただけで、性欲や精子を作る精巣が超強化されるものなのだろうか?
いつの日か雀野がそう心配していたせいか、青藍島では何が起きても不思議じゃないと開き直る淳之介もまた、その光景には少なからず違和感を覚えていた。
旧ドスケベ条例下では、一度や二度だけだと射精したことにもカウントされないのが青藍島においての一般基準だったのである。
隠れた才能を持つ一部が発掘されただけならまだしも、皆平等に覚醒しているのなら話は別。
──もしかしたら、島へやって来た者には性にまつわる加護が与えられるのかもしれないな。
そう彼女が冗談めかしく話していたのを、淳之介は思い起こした。
「奈々瀬がビッチでないことを発表してから数日後、我に力が突如降り注いだ。
行き場をなくした彼女へのドスケベ信仰力が我に飛来したのだと、直感的に悟ったよ。
それからだ、奇妙な出来事が多発するようになったのは」
常人であれば関わるのをやめておこうとその場を後にする、スピリチュアルで非常に電波的な内容だが、淳之介は息を呑んだ。
真ドスケベ条例が制定されてから、彼女の周りでは以前よりあったドスケベ系アクシデントが輪をかけて規模が拡大し、頻発するようになったのだ。
夏休み明けの『全男子生徒一斉掃射精による精液津波化事件』は未だ記憶に新しい。
そして彼女の発言に、淳之介は心当たりがありすぎた。
極めて近いが限りなく遠い地にて君臨する性器末の覇者。
転校したての淳之介が、妹の麻沙音を守るためSSに入りその怪物的巨根にて青藍島を支配していたら、というもしもの桃源郷。
平行世界の淳之介と光速オナホコキのせいで一時的に入れ替わっていた青年にとって、雀野の境遇は決して他人事でない。
──それではまるで。
「こちらの世界の性帝じゃないか……!」
青藍島在住で彼女を知らぬ者なし。島外からも雀野の名声を聞きつけてやってくる観光客は後を絶たない。
射精すれば性行為前後を忘れてしまう、極上の膣を持つ雀野。
僕だけは。私だけは俺だけは。彼女とのセックスを忘れずにいられる特別な人間かもしれない。
そうして少女と交わり、全員愛液に溺れ沈んでいった。
本当は雀野がオナホによってイカせ、武術で男の脳からそれを消していただけなのだが。
セックスの自由化が決定した後はのらりくらりと誘いを躱し、淳之介と恋仲になってからは彼以外と性交しないと公言したことで男たちは手を引いたが、雀野への神聖視は留まることを知らなかった。
皆が皆夢想する。島随一と名高いビッチは卓越した性技で男をどう責めたて、まぐわうのか。
クールビューティな彼女は娼婦と化してふしだらに喘ぐのか、淡々と事務的に処理していくのか、サドッ気のある嘲笑で男を弄ぶのか。
わからないからこそ、焦がれ夢見る。こうだと思う、こうであって欲しいという希望を民衆は語り合い、それはいつしか真実のように広まり季節が跨ぐたび彼女を賛美する架空の伝説はその数を増していく。
雀野薙帆は、人々の尊敬をその身に集め今や現人神として崇拝される域に達していたのである。
「徒に使ってはなるまいと封印してきたが……悪さをする貴方を折檻し教育するためにもこの力、解禁させてもらう」
「きょ、教育……!?」
「ふふ……いやまずはテストといこうか。貴方がマゾヒストかどうか……な?」
「そんな……」
「Mシチュのみ音声作品のような体験を骨の髄まで堪能させてやろう。無論逆転なしが謳い文句のものを」
嗜虐的な彼女を見るのは初めてだ。
お淑やかな微笑みとはまた異なる笑みにドキリと男の心臓が高鳴る。
「そんなの……!」
このままでは彼女が復活してしまう。
あと一歩のところから、為す術もなく大逆転され、雀野に敗戦を喫してしまう。
「そんなの…………!!」
想像してしまう。
彼女にやってきたことをそっくりそのまま返される自分を。
目隠しや手錠を嵌められ、後ろから耳元で言葉責めを受けながら乳首を弄られる無様さを。
拘束状態でフェラチオされるも射精を徹底的に管理され、無我夢中で許しを懇願する醜態を。
信頼するアナルバイブ型ウエポン
勝ち目0のタイトル名の上に表示された、雀野と一緒に写るサムネ絵を。
男としての惨めさに震えが止まらない。淳之介の額から汗が布にポタリと落ちる。
そんな暗い顔をした淳之介に、雀野は見かねて。
「あ、あのな? 本気で貴方を責めようなどと思っているわけではないんだぞ?
少々怖がらせてみたかっただけで、我としてもそういうのはちょっと──」
「興奮するに決まっているだろ────!!」
「貴方無敵か?」
淳之介は純愛エロゲを愛しているが、音声作品もまた大好物である。
聴覚のみを利用する作品形態だけあってヒロインとのイチャラブも耳かきや耳舐め、添い寝からの囁きボイスや呼吸音、といった耳回り音を楽しむものが多い。
そういったオーソドックスな作品も悪くないが、淳之介は特に催眠物が好きだった。
催眠物と言っても女の子が催眠にかかり、男の意のままに操られる──ではなく、聞き手が女の子から催眠誘導を受け、暗示をかけられるというもの。
期間限定の大幅割引に釣られて物は試しと初経験したトランス状態の心地よさに、淳之介は一発で催眠にドハマりした。
掛けられる側だけあって必然的に女の子の言いなりというシチュエーションが大半を占める。
催眠音声を漁るうちに自ずと男性受けシチュへ傾倒していき、淳之介は催眠要素のないマゾ向け音声でも抜けるようになっていった。
そんな性癖ドスレートのプレイを想い人にやってもらえる。
淳之介にとって、それはご褒美以外の何物でもなかった。
「くっ犯せ! 俺は薙帆からどれだけ恥辱を受けようと決して屈しはしない──!」
「我を犯そうとしてた人間の方がノリノリなのはおかしいと思う」
「あっそうだった」
ヤられる気満々だった淳之介が少女のツッコミでふと我に返る。
駄目牡ペットとして一から躾けられたり、彼女が得意だと言う催眠にかけられ女体化し、バイブでアナルを穿られ雌堕ちしている場合ではない。
少なくとも今晩ではなくまたの機会に是非お願いしたい──と。
「ぬぅぅぅ! 動け俺の身体! 俺はあの娘を陵辱しなければならないんだ!」
「まだ言うか……! この淫力の前では貴方の抵抗など無意味!」
もう一つの世界、B世界の淳之介は性帝として崇められていて、その信仰心によりもたらされるパワーは凄まじいものがあった。
憑依したA世界の淳之介が何気ない一言をぼやいただけで、周囲が総勃起し股を濡らす。
発情効果は水乃月学園の同階層のみならず全フロアにまで波及し、怒涛の勢いと化した学生たちの性産的行為で校舎全体に激震が走ることなどままあることだった。
その力が今淳之介に牙を剥いている。天賦の才を持つ少女は淫力を感覚的に捉え行使し言霊として青年を蝕んで、金縛りにも似た症状に陥らせていた。
「そうかもしれない……だけど!」
傍から見ればひっくり返せるわけのない圧倒的劣勢──けれど男の心は折れていなかった。
今回の件が淳之介の発案であれば、とっくのとうに諦めていたことだろう。
だが淳之介は雀野に呼ばれここへ来たのだ。
「──頼まれたんだ、俺は薙帆に! どちゃくそにレイプされたいと!」
「言うわけが! あれ、なんだろう……何故かデジャヴのような……!」
始めたからには中途半端で止まれる筈がない。
雀野薙帆の彼氏に、妥協は許されない。使命を全うできずに何が漢か!
淳之介の熱意にピクリ、と僅かに上を向いた。しかしそれで終わりだ。まんぐり返しする女の前でPAUSEしている男というシュールな絵面は依然として続いている。
「俺にマゾヒズムを暴かれ、淳之介専属オナペットになりたいと!」
「それは確実に言ってない!」
「マンコがピクッと動いたぞ」
「動いてない!」
淳之介は既に確信している。薙帆は乱暴にされるほど悦ぶ、被虐性愛者だと。
そんな彼女を見ていると、堪らなく欲情してしまう──淳之介は自覚していた。
新たな性癖への扉を開きつつ、その奥にあるマラの剣へ必死に手を伸ばす。
「い、いいだろう。そんなに貴方が反抗的な態度を取るのならば、望み通りにやってやる。
まずはその場で発射して無駄撃ちの虚無感にでも襲われるがいい!」
「なんとぉ……!」
蠢く肉傘に焦り始めたか、雀野からプレッシャーが解き放たれて、対峙する淳之介は思いつく限りのオカズを生み出していく。
獣じみた後背位、四肢を縛ってバイブピンクローター装着放置プレイ、彼女の痴態を撮りそれをネタに脅迫──今まで感じなかった熱が沸々と突起に加わるが、しかし目覚めない。
妄想で彼女をどれだけ犯そうとも、勃起させるには至らず。
何かが、足りない。そして無慈悲にも雀野の呪文が唱えられる。
「ふ ぐ り ゆ ら ゆ ら」
「くふぅ……!」
金玉が袋の内側でシェイクされ、液体が作り出されているのを淳之介ははっきりと感じ取れた。
詠唱が完了すれば彼女の手に、いや口によって魔股羅が召喚されてしまうだろう。
雀野一人相手に射精させられたらイク竿アヘ房術による調伏は有効化──御終いだ。
「がぁ……負けるかぁ……! 負けてたまるか……!」
早く自らの意思で勃たせなければならないのに、あと一歩が届かない。
次に彼女が口を開き、勃起させられたら遺伝子レベルで屈服してしまう気がする。
──俺には、才能がないのか。
──彼女の被虐性を満たせる加虐性を持ち合わせていないのか。
「勝負は見えたな。結局貴方は純愛物でしか抜けないのだ」
「くっ……!」
「せめてもの情けだ、貴方が好きだと噂に聞いた台詞で止めを刺してやろう。力は使わずにな」
雀野の一方的な処刑宣言。
絶望感に打ちひしがれそうになったその刹那。
「……ざ、ざーこ! ざーこ♡ クソ雑魚チンポ♡ 我をわからせるのではなかったのか~?」
「ありがとう──薙帆」
「え」
淳之介はメスガキも好きだ。
メスガキとは大人を性的に誑かす、生意気な未成年少女を指すキャラクター属性の一つ。
それには調子に乗る女の子がおじさんをそのまま負かすドM向けと、逆に玩弄していた女の子におじさんが雄の強さをわからせるドS向けの二つの需要が混在する。
この男は言わずもがなドM向け──ではなく。
ことメスガキというジャンルに限定し、淳之介はわからせ派であった。
「嫌な顔されながらパンツを見せてもらう、といった特例もあるが……
薙帆は正しいよ、俺は純愛物でしか抜けない」
淳之介の中で、先に言及した催眠音声は立派な純愛物にカテゴライズされている。
催眠術とは術者と被験者の相互信頼、心理学用語で言うラポールを構築できていなければ上手くかからないものだ。
催眠音声の登場人物は催眠にかけ、かけられていく。最初から想いが通じ合っているから物語は成立する、劇中で語られていなくとも淳之介はそう解釈し主人公に自己投影して独りアヘ顔を晒してきた。
「だけどな、俺のこの想いは」
そして淳之介にとってメスガキ物もまた純愛物である。
メスガキとわからせおじさんの関係は、双方愛情があってこそ。ただおじさんに嫌悪感を抱き見下しているだけのメスガキが催眠アプリでわからせられるなど言語道断。
"わからせる"というのは、あくまでも愛の教育的指導なのだ。
どう見ても虐められて快感を得ているのに、それを意地になって否定する彼女をわからせたい。
この想いは。
「メスガキわからせと、純愛と、何ら変わりないものなのだから──!」
あらゆる性癖は純愛に通ず。純愛なくして橘淳之介に
悟りの境地に至り、欠けていた最後のピースが揃った。脳内で生まれた煮え滾るマグマの如きエネルギーはロスなく下半身に伝達し、遅々と回り停止しかけていた歯車たちが、内より溢れ出る激流に流され火花を散らして円転する。
「ぁ……」
大きく。もっと大きく。雀野の視界は時を経るごとに肉で埋められ、膨張が止まった頃には嘗てないほどの巨躯を誇る種付け棒が顕現していた。
メスガキ口調で小悪魔な作り笑いを余裕綽々に浮かべていた少女は一転、男根の熱気に当てられて眉尻を落とす。聳え立つ逞しい太幹、膨れ上がり女の性急所を抉るためのえげつない形状をしたエラ。赤黒い剥き出しの先端部。
根元から頭まで、忙しなく視線を動かしていた雀野が正気に戻り劣情を誤魔化すよう大声を張り上げた。
「……勃起したところで貴方は動けまい! 我が優位に立っているのは変わらん!」
「ふっ──それはどうかな?」
「なに!? こ、この圧力は!」
不敵に笑う青年も一回り巨大に見えた。その原因を雀野はわかっている。
わかっているからこそ、少女は驚愕に目を見開いた。
「雀野さんはドスケベビッチ。この島の人間なら誰でも知っているフレーズだな。
ドスケベビッチ──それは、青藍島で最も肉欲の強い女という称号に他ならない」
「そ、それがどうしたぁ! 他人がどう思おうと我は人並み! ないとは言い切れないけれど人並みしかない!」
「薙帆のドスケベさはともかく、重要なのは薙帆がそう思われている点だ。
世間じゃ俺はお前の無限淫欲を彼氏として一身に受け止めていることになっているらしい」
「ま、まさか……」
雀野の交際相手となった淳之介は、過去と比較にならない程に女性陣から誘惑を受けている。
ドスケベ戦役にて獅子奮迅の活躍をし、ドスケベセックスの権利を勝ち取った英雄だから、もあるが──青藍島女子にとって雀野の彼氏という肩書は、この上なく魅力的だったのだ。
何せ海外旅行でフラリと寄った土地に住まう住民全員と大乱交を始めその愛液と精液のみで新たなオマン湖を誕生させたという神話を作ったことになっている少女である。
その性に飢えた獣が
──彼は、あの淫魔を満足させられるほどの精力を持つ怪物なのではないか。
有頂天になっていた雀野は知らなかったが、まことしやかな話はあっという間に広まり、淳之介は女性から狙われ──襲われることはなかったが──男性からは敬意の眼差しを送られるようになった。
「お前ほどじゃないが、その淫力は少なからず俺にも宿っている!」
「ぐぅぅぅぅ! 着床! 着床! 着床! 着床!」
文字列を重ねるたびに呪縛は強固となり、地面が陥没するかのような錯覚を覚える中で──淳之介は口角を吊り上げた。
「認めているようなものだ! ワンパターンとはぁ! 敗北に向かう趨勢を!」
「黙れぇ! 貴方一人の力など所詮は焼け石に水でしかない!」
「確かに、俺一人の力では敵わない……」
片桐奈々瀬。彼女は誰とも交わったことのない生粋の処女であるが、雀野同様周りから勘違いされ、ペアで龍虎ビッチと称され讃えられてきた。
奈々瀬は遊んでばかりのギャルビッチな出で立ちをしており、求められていたのは包容力。
オタクに優しそう、私の母になってくれそう──ギャルとは甘えたくなる種族なのだ。
そして奈々瀬がビッチとして高名になってからやってきたのが雀野。
奈々瀬に要求されるのが甘々ラブラブ甘やかしプレイならば、片割れのビッチにはそれ以外を望んでしまうのが人の性。
ミステリアスな雰囲気を漂わせ、寡黙がち。気の強そうな容貌に反して婉麗で蠱惑的な立ち振る舞いは実にチンポに強そうで、少女を端的に言い表せばラスボスであった。
武勇伝は自然と男を支配する女性優位プレイによるものが大半を占めており、ドMな男たちに絶大な人気を誇っている。
「だけどな」
元々趣味で行っていた筋トレに加え、父から肉体改造術を学ぶ雀野とのパーソナルトレーニングによって、淳之介は筋骨たくましい見事なる肉体美を完成させていた。
高身長で筋肉質の巨漢と華奢な少女のカップリングは、客観的に見れば美女と野獣。
しかし前述の情報と、どことなく情けない表情が似合いそうな顔立ちも相俟って、ベッドの上だと淳之介は調教され、雀野は調教する側なのだ、青藍島住民にとっては。
しかしいつの世も──例外は存在する。
「俺は一人で戦ってるわけじゃない」
「馬鹿な……! 淳之介の淫力が……上がっていく……!」
サディスティックな少女に責められたい変態は多数いるが。
雀野の怜悧な美貌を官能に染め上げ服従させたい変態も、一定数いた。
逆転シチュ、反転攻勢を望む
淫棒を包み左右から掌を合わせようとする淫力は、あたかも祈りの所作であった。
──遠からん者は音に聞け
──近くば寄って目にも見よ
──義侠に生きる、その姿
「漢勃ち──────最大一物」
もう一人の師から授かった奥義の名を、荒れ狂う奔流とは対照的に低く呟いた。
祈祷力が亀頭力に変換され、頭の天辺から足の爪先まで余す所なく流れ込む。
チンコだけは雀野の束縛から外すことができた。ならば、全身を勃起チンコにしてしまえば?
脱出は、容易い。淳之介が屹立し雀野を睥睨する。
見下ろされる少女は自嘲的な笑みで唇を歪曲させた。
「…………やはり凄いなぁ……淳之介は。貴方を力で抑圧など不可能だということを、我が一番良く知っていたつもりだったが──完敗だよ」
「俺は、NLNSのリーダーだからな」
淫鎖を断ち切られたことで、観念したか雀野から力が抜け、霧散していく。
御役御免と判断したのか、淳之介の淫力もまた大気に消えていった。
後はお前だけでヤれ。誰かに背中を叩かれた気がして、青年はコクリと頷く。
破られたが、少女の相貌は口惜しさでなくどこか誇らしげで晴れやかだった。
「──ここまでされては仕方あるまい。体力が回復するまでという条件を破棄しよう。
我を好きなだけ犯すがいい!」
「潔すぎると趣旨からズレてしまうんだが……待てよ? 薙帆、お前のバッグ開けていいか?」
「構わんがその許可は今更すぎやしないか……」
寝床から離れ、椅子の上に置かれたトートバッグを手に取り雀野へ背を向けながら、淳之介が口を開く。
「事実確認だが、お前は前回よりかなり感じてたよな?」
「……その通りだ。我は目隠し状態で胸や乳首を摘まれ何度も達したし、イラマチオの際は手荒に扱われて夢心地だったよ。あまつさえ初の肛門責めでイッてしまった」
包み隠さず雀野は答える。ただし! と少女は強く置いて。
「それは桐香の媚薬があったからだ。これから我ははしたなく喘ぐだろう。泣きじゃくるだろう。
しかしそれは毒のせいに過ぎん。投薬を明らかにしたのは失策だったな淳之介よ」
──いくら体が敏感に反応したところで屈しないし、俺の心には響かんぞ?
そう言い放って少女は冷ややかな瞳を形作る。どうせ言っても淳之介は手を止めない。
ならばこちらのスタンスとよがり狂う
彼の言った通り、潔すぎるとくっころにはならないのだから。
気絶している間にいかがわしい密室へ連れ込まれ、媚薬を盛られ、犯される。
どう考えても恋人であろうと許されざる、卑劣極まりないやり口ではあるが、それほどまで淳之介に求められているのだと思えば、雀野は不思議と悪い気がしなかった。
「……え?」
偽の敵対心を込めた眼で彼の動向を追っていた雀野だったが──帰ってきた淳之介の手にある物を目にして、少女は年相応の困惑した声を出す。
「え? え? なんで?」
それは、
ピンク液がなみなみと注がれているプラスチック製容器を淳之介は敢えて雀野の胸元に置く。
「俺はそう匂わせただけで、使ったとは言ってないんだよなぁ」
雀野が固まる。
思い返してみれば冷泉院桐香から雀野薙帆に渡したものがあった、そう聞いたとしか淳之介は語っていない。
少女の脳裏に、媚薬を毎回飲まされていたが実はただのビタミン剤だったことをネタバラシされるエロ同人にありがちなシチュが過ぎった。
淳之介がしゃがみ、雀野の膣穴に陰茎を近づけていく。
「……フッ、貴方は事実を口にしているのだろうよ。
今更嘘だ! などと無駄な押し問答をするつもりはないさ。ただな──」
半年前に強力なSHO謹製媚煙を嗅がされた雀野は、クスリによる強制発情化を今でもハッキリと覚えていた。その経験もあり、催淫剤の類が投与されていないと明かされても雀野は反論なく納得している。
格好の口実をチラつかされ、都合の良い話へまんまと飛びついた。
それだけのことだったのだ。
なのだが。
「──嫌だぁぁ! 今入れられるのは不味い! 入れるなよ!? 絶対入れるなよ!」
「それは入れろって意味だよな?」
「フリではない!! こんなの彼女にすることじゃないぞ! 良心は痛まないのか!?」
武人めいた往生際の良さをかなぐり捨てて、雀野は声を荒げ取り乱す。
淫獄は媚薬のせいでなく、全て自身から生まれていたもの。
道具のように扱われ辱められ、その度に雀野は味わったことのない快美に打ち震えた。
少女も素直に肯定していたが、それはあくまで興奮剤に侵されていたと思い込んでいたから。
「失礼だな。純愛だよ」
「純愛に失礼なのはそっちだろうがぁぁ!」
しかし前提条件が間違っていたというのなら、少女の予防線張りは一変して、マゾであると赤裸々に自白したようなもの。
雀野は弁解の余地もなく、ズルズルと這いずり後退しようとするが、地狼で解除した腕を捕えれて逃げることも叶わない。
「何とでも言うがいい。これも多イキのためだ──!」
責めに抗おうとしていたこれまでと違い、少女は媚薬のせいだから仕方なしと性悦を受け入れる心構えに移行していた。
心を開いていれば拒絶していた時の何倍もの情動に襲われてしまうだろう、冷静になり再び反抗心を育ませようとするものの、思考が纏まらない。
このままでは、負ける、墜ちる──女の勘は訴えていた。
「やめてく」
淳之介の棒頭が動けない少女の花弁へそっと口づけををし。
侵攻を、開始した。
「んはぁぁぁぁぁっ! はぁうっ、ひぃぃぃぃん!」
先端突起を挿入されただけで、雀野の大口から牝の絶叫が響き渡る。
熱い脈動は膣孔を押し広げ、淳之介の腰が接近すると共に雀野の背も張り詰めていく。
初夜の際、潤滑剤のおかげで滑りが良くなっていても、規格外な逸物を迎え入れるに伴って激しい裂けるような痛みに雀野は襲われていたものだ。
「そ、そんなに、つよく、叩きつけるなぁ!」
だが今宵の牝口はいとも容易く淳之介を咥え込んでいく。子種を少しでも奧で受け止めるべく蕩けて開き、離れようとすればキュッと狭まり肉と肉とを密着させては性摩擦を起こさせる。
内粘膜はまるで生き物のように、雀野の意思関係なく淳之介の抽挿に連動して弛緩と緊張を交互に繰り返し射精を促していく。
「こ、このままではぁ……んぁ! なぜだ、あれほど痛かったのにぃ!」
苦痛がないわけではない。痛いが──遥か上回る、男性器からもたらされた喜悦が強烈すぎて、苦しみはよりそれを引き立てるスパイスとなり否が応でも雀野の肢体を昂らせて、膣襞が戦慄き、絶頂サインを棒へと伝える。
受け取った淳之介は少女の細腕を引っ張り上げて上半身を浮き上がらせた。
「あふぅ! はぁやぁっひぃ!」
突く度に男が引く力を変えるせいで、雀野はその都度角度を変えられて責められる。しかも両腕は双胸を挟み込む、交差する形で拘束されており淳之介が外側にスライドしていくだけで豊かな双胸はぐにゃりと変形した。粗雑な胸弄りではあるが、ぐねぐねと果実を擦り合わされるだけで甘美な痺れが雀野を貫いて、視界に砂嵐が巻き起こる。
「オラ! イケ! ちゃんと言えよ! マナー違反だぞ!」
「うるしゃいぃ! イク! イクからぁぁぁ! イッたからああああぁぁ!!」
女体を激しく揺さぶって命令のまま報告し、顎を天井に突き出して子供のように嫌々する少女が涎を垂れ流す。
拭き取りたかったが、口元を意識したせいで口奉仕が鮮明に蘇り、雀野の膣は更に窄まって淳之介を締め上げた。
「……っもう少しで俺もイキそうだ!」
「ま、まってくれ! イッたばかりなんだ。休ませて──」
「薙帆が腰振るのを止めたら考えてやるよ」
「うそ……我は振ってなんかあぁ」
淳之介のストロークで揺れているだけではない。青年が体を休めると、視線の先に言い訳のしようもなく、力なく腰を動かし足をバタつかせている下半身があった。
痴態を見せつけられ呆然自失となる雀野だったが、その心の隙間を淳之介は見逃がさない。
茹で上がった雀野に筋骨隆々な巨獣が圧し掛かる。
深く剛直は沈み、下腹を打ち付けて卑猥な水音が鳴り響いた。間近に迫った男の唇が瞬く間に女へ触れてはすぐに遠ざかる、がすぐさま唇の間合いを縮め短い口接触を再演する。
「んぅ! ちゅぶっ、ふぅ、らめ、らめ!」
形だけでも抗おうとする雀野だったがしかし、啄むようなキスをすればするほど反骨心はドロドロに溶解してその場所を幸福感に占拠されていく。
淳之介の舌が飛び込み、雀野も無自覚に城門を開いた。蠢く桜器官はそれぞれの歯をこそぐように撫で、歯茎を舐め回し、絡ませる。
口腔内が性感帯となって燃え上がり、噴き上がる淫熱は真上にある少女の脳髄を炙った。
連続的な接吻、舌先が融け合うかのような舌陵辱。そして種付けプレスという逃走を許さぬ制圧姿勢は雀野の雌を燃え上がらせ。
唇を離したのが、合図となった。
「オラ! イクぞ!」
「あふいぃぃ!! イクぅぅぅぅぅぅ!」
滂沱の白濁液が最奥へと注がれてあっさりと二度目の膣イキを果たし、寿命を迎えた電球さながらに雀野の視野は明滅する。
淳之介に引かれそのままマットレスへ勢い良く沈み込む、少女のすらりと伸びた美脚。息継ぎもせずに唇を求め合っていたため、両者は肩で息をしていた。
「あっ……うぅ」
蹂躙棒を引き抜かれて、膣内の喪失感に少女は切なく喘ぐ。
徐々に多幸感の波は引くように去っていくが、内腿同士を擦り、麻薬に依存するかの如く次なる幸福洪水の到来を今か今かと待ちわびている自分自身に気付き、雀野は静かに恥じ入った。
少女の裸身は油を塗ったようにヌラヌラと輝いて、白き衣が水気を吸って張り付いている。
汗にまみれた紅潮した肌はひどく淫らで、あちこちから流れ出る分泌液が混ざり合い、甘い牝の香りが部屋中に充満していた。
そんな雌臭に鼻腔をくすぐられて、肉砲は早くも再装填を済ます。
淳之介は直観していた──もう一押しで彼女は陥落すると。
どう攻めようか。ふと思いついたアイディアに、青年の眼鏡が光った。
「えっなんだっ?」
放心していた雀野は、唐突な浮遊感に何事かと目をパチクリさせる。
淳之介が巫女服の少女のくびれた腰部を両側から握り上げていたのだ。
鍛え上げた屈強な太腕は、特殊な鍛錬法で見た目に反映されない雀野の重量を難なく支える。
そのまま空中輸送し今度は、淳之介が寝そべった。雀野が引き寄せられたのは、陰部上空。
そこで漸く淳之介の狙いを察したが、察したところでどうこうなるわけもなく。
紅袴が重力に従い青年へと落ちて、外からは見えない内部で結合した。
「はぎぃ」
眼下の剛槍で刺し貫かれて、高い背丈が弓なりに仰け反る。
上擦った声を吐露し、肉杭を埋められた雀野は立ち上がることもままならない。
奥歯を嚙み、目を瞑って襲来に備え身構えていたが──いつまで経っても訪れない肉悦に動揺を隠し切れず、少女はぎこちなく小首を傾げて淳之介へ疑問を口にする。
「どう、した……何故、動かない……」
「動くつもりはない。この態勢から解放されたいのなら俺をイカせることだな。
もしくは──」
──薙帆がマゾヒストだと宣言するのなら、動いてやってもいいが?
「さいっ……てい……!」
力を入れられない少女はフラフラしており今にも倒れそうだった。しかしイチモツ勃て伏せを何百回でも行える強靭な肉の楔を打ち込まれ、腰に手を添えられただけで騎乗位から抜け出ることもできなくなり、雀野が淳之介を睨み付け恨み言をぶつける。
「クソッ…………! クソッ……! クソッ」
だが罵倒を右から左へと受け流し、一向に動く気配を見せない淳之介。彼の忍耐強さを身に染みている雀野は、それこそこのまま一晩中過ごすことも厭わないだろうと結論付ける。
この圧迫感にずっと苛まれるのは、辛い。
そして、何より──頭によぎった欲望を打ち消そうと、ただ無心で上下させようとした。
「あっ……はっ…………ふっ」
「そんなんじゃ俺は射精しないぞ?」
「うる……さい……静かにして、い、ひぃ」
腰が重く、思うように上がらない。離陸したが膣奧を熱柱に擦らされることで電撃が走り、すぐ着陸を余儀なくされる。落下の勢いでより鋭利な紫電が疾走して、雀野は股間の上で息を切らし喘ぐ。
間を挟み再挑戦するが、何回やろうと結果は同じ。いや、積み重なる失敗のせいで雀野の肉体は着実に変化が起き始めていた。
「はっ、チンポぉ、こすれ、るぅ」
肉幹を咥え入れている状況で、少女は常時じわじわと昇る性感に炙られている。そのせいで体力を取り戻すことなど最早不可能であった。
時間をかけて小さく腰をヘコヘコと一回動かすのが精一杯。その蠕動カウントが増す毎に思考回路は鈍化して、代わりに神経が研ぎ澄まされていくように、膣中の淳之介の存在感は肥大化していくばかり。
「んっあぁっ、ふぅ」
一度に得られる媚電は濃厚だが刹那的だ。絶頂には届かない性刺激が着々と蓄積し、淳之介をイカせるためだった腰下ろしは己を慰めるためのオナニーに成り果てていた。
早く早くと最低限の回復を待ち、浅ましい呼吸音を漏らすが──男の手に押さえつけられたことで、如何に下品で性に貪欲であったかを雀野は理解させられる。
「薙帆だけが気持ちよくなろうなんてズルくないか?」
「……ち、ち、違うんだ」
「何が違うんだ?」
「ひぃぃん!」
雀野の身動きを封じながら、薄桃色の乳頭を片方の指で円を描くようになぞりギュッと抓んだ。
それだけで発情した熟れた淫体は反り返り、かいていた大粒の汗を撒き散らす。その直後に更なる高みへ上るため雀野は細腰を揺らそうとするが、もちろん動けず。
到達寸前に乳首から手を離され、ガタガタと身震いする少女は既に限界だった。
「ゆ、ゆるして、ゆるしてくれぇ……!」
雄しべと雌しべの連結部分上部へ淳之介の手が置かれ、雀野の蒼眼が妖しく煌めく。
それは性的興奮を得るために作られた器官、クリトリス。自慰行為でその豆突起を触れていただけに、生じる快感の強さをよく知っていたし、自分で触れるよりも誰かに触れられた方が快楽度数が上がることを、淳之介の胸責めで雀野は学んだ。
──イキたい。イキたいイキたいイキたい
「あ、あふぁ……ひぅ、あっはぅ!」
哀願を聞き入れてくれた救世主に魅入る信奉者のような熱視線の女は、包皮を捲られトントンと肉豆を軽くノックされただけで、期待以上の、異なる新鮮な刺激を受け身悶えした。
鋭い瞳はだらしなく垂れ下がり継続的に押し寄せる熱波がチリチリと頭を焦がす。
優しい愛撫へと切り替わって、達する予兆を知覚し桜唇を歪ませた。
やっとイケる。心の底から安堵した雀野だったが──
「……どう、して」
「イキたいなら、先に言うことがあるだろう?」
供給を突然ストップさせられて、最後のラインを超えることができなかった。
淳之介の前戯技術は素人と言ってもいい。しかし彼は女を堕落させる性技において、紛れもなく天才的な才覚を誇っていた。
雀野の絶頂タイミングを
少女が、観念したように吐息を零した。
「……貴方はもう、わかってるくせに」
「想いが通じ合っていても、言葉にしなきゃ伝わらない時だってあるんだ」
「名言のような台詞を……! いじわる、いじわるぅ……!」
「我は、貴方にいじめられるのが好きな、変態女です……!
どうか、どうか、イカせてください……!」
口にして。
堤防が決壊したように、ドロリと恥液が上から下へと伝わり落ちた。
淳之介は行動で返答をするべく雀野の両腰に手を当てて持ち上げ、恥部から分身を引き剥がしていく。ゆっくりと、次の一撃を引き立たせるためにとことん焦らして。
赤黒突起だけが肉壺に入り込むまで距離を取り、男と潤む女の瞳は交差し頷き合った。
スプリングに腰を沈み込ませていた淳之介は──可動域限界まで、打ち上げる。
「あっ♥ イクッ♥」
雀野から吐き出されたのは、あまりにも牝の啼き声だった。
体躯と形を覚え込まされた蜜口は柔らかくほぐれきって、何の抵抗もなしに淳之介を呑み込む。
子宮と内臓に衝撃が駆け抜け、内側で爆発でも起きたかと思えるほどの官能波に攫われる。
たった一突き。たった一突きで、雀野はオーガズムに昇り詰めた。
「ひどいっ♥ はぁぁ♥ 我を、ふぅ、お、オナホールのようにぃ♥」
「でもそんなヤラれ方が~?」
動くことのできない雀野は、高い高いされる赤ん坊のように天高く掲げられるが返す刀で肉の大地へと急降下させられる。
遠慮もへったくれもない、力任せで自分本位な抽送行為。
「すきぃ♥……気持ちいい♥ 気持ちいいんだ♥」
軽いノリで質問する淳之介。
性処理道具として雑に扱われているが、まるでその役割に至上の悦びを見出したかのように、箍の外れた少女は愉悦満面の笑みで答えた。
「文乃が今のお前を見たら! あの子はどう思うだろうな!」
「言うな……♥ 言わないで……♥」
小気味よいスパンキング音を奏でる最中、想起させられたのは美しい白髪の少女だった。
その出自からSHOや島に巣食う任侠団体に狙われ、それでも島のために独り戦う文乃へ手を差し伸べたのが、雀野と淳之介。
二人の精神性に惹かれ、主として敬い仕える文乃が、もしも、この現場を目撃したら?
軽蔑されるだろうか──万物見通す灼眼を細め、冷たい蔑視を彼女に注がれると思うと。
「ひぃぃ、あぁっ♥ すまないぃ……すまない、文乃ぉ♥」
背徳的で、それがどうしようもなく心地良かった。
「薙帆……! お前が堕ちた記念になる最初の一発目だ! 受け取れ!」
「あぁ♥ きてくれ♥ 我を余すところなく犯し尽くしてくれ♥」
牡の腰振りは一層の激しさを増して、対する膣口が物欲しげに収縮する。
被虐の炎に焼かれた汗まみれの媚態を引き攣らせ、長い黒髪はベタベタと湿り気を帯びて赤肌に付着した。ほつれ髪を舞わせ淫らにくねる雀野は、切羽詰まっていく鼓動を感じ取り、これより来たる快楽を一片たりとも逃さないようピンと手足を伸ばし切った。
「孕めオラアアアア!」
「イクゥゥゥゥゥゥ♥」
◆
『未来の我よ。淳之介との強姦ごっこは如何だったか?』
「……」
『彼は紳士的だからな、冒頭では我を気遣うあまり大した責めができないだろう。
しかし誠実な淳之介のことだ、途中からこれでは駄目だと気づき本気で貴女を襲ってくれた筈』
「…………」
『喜べ雀野薙帆よ、貴女は被虐体質でも何でもなかったのだ! 美岬たちに自慢するとい』
「……なんなのこの子……なんでここまで自信あったの……美岬ちゃんと桐香ちゃんに疑ったこと謝らないとなぁ……はぁ…………」
防水ケースに入れた、春頃うっかり破壊してしまったスマートフォンの代替品を雀野は力強くタップして、画面に映るドヤ顔巫女服少女を消し飛ばす。
狭い空間に呆れ返った声色を響かせながら、雀野は設置された籠に携帯電話を押し込んだ。
元いたポジションへ戻り掻き分けた温水の音を反響させ、少女は深い溜め息をついて淳之介にもたれかかる。
男女は裸体を重ね合いながら、備え付けの小さな浴槽に浸かっていた。
「…………ごめんね、淳之介くん」
「えーと、何の話だ? 淫乱マゾ犬な彼女でごめんなさい的な……?」
「そうじゃないよ! そうだけど……ほら、あなたを淫力で勃たせなくしたでしょ」
振り返る少女は申し訳なさいっぱいに目尻と眉を下げている。
多くを語られずとも真意を汲み取った淳之介は苦笑し、安心させるようにはにかんだ。
「あー……正直言われるまで気づかなかったよ。薙帆にブラフをかけたのは俺だし気にするな」
「でも、それは私があなたに頼んでいたのがそもそもの発端で……んぅ」
「そんなことよりも、そうやって気に掛けてくれるのが、俺は嬉しいんだ」
ポンポンと触れたあと、慣れた手つきで少女の頭部を撫で回す。
険しかった顔つきは次第に氷解していき、女誑しめぇ……と小声で囁く雀野は猫のように目を細めた。
「寧ろ薙帆に勃起コントロールさせられていたのを思い出しただけでイケそう」
「つよい」
「…………なんかナチュラルに口調が戻ってるけどどうしたんだ?」
「あー、多分それはね」
ここ最近は本島にいた頃の喋り方に戻すことができないほど淫力の影響を受けていたが、A世界の性帝を完全攻略したことで淳之介に与えられた特典のようなものらしいと指に手を当てる雀野。
らしいというのはあくまで淫力を持つ雀野がそう感じただけのようだが、それは何となく正しい気がして淳之介は相槌を打つ。
「ど、どうしよう。淳之介くんはどっちが好きかな?」
「どっちも好きだよ」
「とっても困る返事だ」
じゃあ薙帆の気分次第で。そう提案すると雀野はクスクスと笑い了承して、背を向けていた体勢から反転、青年と対面し、心臓音を聞き取るように小顔をくっつける。
淳之介が力を込め、膨らんだ胸に雀野は押し返されそうになるが負けじと寄せてグリグリと大胸筋を頬で擦り下ろした。
筋肉フェチの雀野はこういったスキンシップが大好きなのだ。
「……淳之介くん」
「何だ?」
女性特有の柔肌を満喫していた淳之介はいつの間にやら首へ手を回されていた。
ボディタッチを止めて、目の高さを合わせるべく登る雀野。
長々と見つめ合い──意を決したように、少女はコクンと頷いて青年に迫る。
そうして淳之介は、空気音と湿った感触を覚えた。頬に。
「────ふふふ、キス。しちゃった」
頬っぺたにチューするだけで、雀野は顔を林檎にして恥じらっていた。
先の淫蕩さが嘘のような、まるで穢れを知らぬ生娘然としていた少女に。
そのギャップといじらしい風体が──淳之介の残り火を、再び燃え上がらせた。
破顔する雀野は淳之介の股上にいて、怒張の再起に当然気づくが──
「な、何でお尻を掴んでるの!? まるでお尻の皺を伸ばしてるみたいだけど!?」
「漢勃ちはさ。総身をチンポにする技なんだ」
「知ってるよ! それが何!?」
「この指もまたチンポということになる。
つまり俺だけでも薙帆をチンポで二穴責めできるんじゃないかって」
「ま、またわけわからない理屈を真面目な顔して……!
お尻はダメだからね! ダメなんだから──ひぃぃん♥」
火が付いたコンビは改めて互いを貪り合う。
文乃が連絡を入れてくるまでの丸一日。二人が部屋から出ることはなかった。
全√攻略すると回想にオマケの主従3Pが追加されるとかなんとか
私は本来エロにギャグ挟むと抜けなくなるのでNG派でしたがこの作品だけは……!
許してください!見た目清楚な巨乳紫髪ヒロインが何でもしますから!