※この作品はR-18です。

雀野さんはドスケベビッチ   作:モブガサ

4 / 10
気が付けば一カ月以上も時間が経過していた……だと……!
これも全て風邪とエール団って奴の仕業なんだ


バブみナル・マインド

「ごきげんよう、薙帆さん」

 

 鈴を転がすような声を耳にして、私は立ち止まる。場所はデパート一階の階段。愛用しているスーパーにお目当ての調味料が運悪くなかったので、店を梯子し地下一階の食品売り場で買い物を終えたところである。やっぱり醤油は亀甲マンじゃないと。

 美岬ちゃんはご飯の後、単身赴任の父が急遽帰宅するとの連絡を受け迎えに行くために港まで飛んでいった。高校生なら意味なく反発していてもおかしくないのに、親子仲が良好そうでなによりです。私だったら家の前でしか待たないもんね。

 それはさておき、セックスで大喜利に気を取られバレることはあっても、完全な気配遮断状態で話しかけられたのは青藍島に来て初めてだったので正直かなり驚いてる。

 振り返ると、美しく翡翠に輝く長髪が見えた。この島の人間であれば見紛う者は誰もいないであろう、圧倒的存在感。

 ────冷泉院(れいぜいいん) 桐香(とうか)。SS代表にして、水ノ月学園生徒会長の肩書きを誇る若きカリスマ。表舞台に現れるだけで誰もが彼女に釘付けとなってしまう。とっても頭の回転が速いらしく、一人でSSの膨大な仕事量を短期間で消化できるとのこと。これでまだA等部の1年生。私より一学年下という、天才としか言いようのない少女なのだ。

 挨拶すると、冷泉院さんは口元に微笑みを浮かべながらズイッと私に身を寄せた。

 

「私、薙帆さんにどうしても言わなければならないお話があったんです」

 

「む、なんだ」

 

 髪色と同じ深い碧の両眼が私を覗き込む。その瞳は深く、感情が一切読み取れない。一体何を告げようというのか。

 ま、まさか彼女の天才的頭脳によって私が条例違反者であることをバレてしまった……!?

 彼女自身は囮で、入口に向かうとSSが既に完全武装状態のまま待機してるとか。

 ありえない。と言い切れないのが恐ろしい。

 彼女の蠱惑的な唇がゆっくりと開かれていくのを、私は動揺を隠し見守るほかなかった。

 

 

「"男より先に絶頂したら自害する"──あなたの、完璧(パーフェクト)超膣(ちょうちつ)としての信念についてですね」

 

 えぇ……聞いたことないですよそんな信念。あとめっちゃ言いづらくないそれ。

 

「あなたの性産的行為に対するストイックな精神は大変素晴らしいもの。しかし……セックスとは他者と繋がり相手と分かり合える、素晴らしいコミュニケーションツールだと私は考えています。そのためにも、あまり殿方に気負わせてはいけませんよ?」

 

「す、すまない……善処する」

 

 性技(せいぎ)超膣みたいなこと言いよってからに。そうですねキン肉マンおもしろいですよね。

 ……私どんだけやべー人だと思われてるんだろう。

 大変結構です、と嬉しそうに頷く冷泉院さんがそうだ、と何か思い出したかポンと手を置いた。

 

「薙帆さんはエレベーターの場所をご存知ですか? 5階にあるという手品コーナーへ向かいたいのですけどあまりこの建物には馴染みがなくて」

 

 へぇ、冷泉院さんは手品が趣味なんだ。意外や意外。

 確かエレベーターは丁度この階段の反対側に位置していた筈。

 指を差そうとして──入口に貼られていたポスターが脳裏に浮かんだ。

 

「エレベーターはあちらにあるのだが──如何せん今日は工事中らしい」

 

 まぁ、とお上品に頬へ手を当てる冷泉院さん。何をやっても絵になるなこの人めっちゃ可愛い。

 でも棲む世界の違う、良家のお嬢様っぽいこの子も年がら年中セックスを楽しんでるんだよなぁ……今いちピンと来ないや。

 

「エスカレーターなら問題なく稼働している。そちらなら案内もできるだろう」

 

「うーん……エスカレーターはアリかナシかと聞かれたらナシよりのナシなんです」

 

 ナシよりのナシってつまりは駄目ってことか。エスカレーターに乗ること自体を怖いと感じる人って稀にいるみたいだけど、彼女もそういった悩みを抱えているのかな。

 

「困りましたねぇ……」

 

 ボケーッと階段を見つめて固まっている冷泉院さん。

 

「5階まで歩いて登るのは中々に骨が折れるものな」

 

「いえ、私階段が登れないんです」

 

 ……?

 …………

 ………………ああ、なるほど。それで動けなかったのか。

 彼女は恐らく膝を痛めているのだ。歩行は問題ないが膝を上げる昇降運動まではできないということなのだろう。怪我しているようには見えないが、嘘をついているようにも思えない。きっと彼女は人の上に立つ立場上、弱みを見せないために頑張って我慢して平静を装っているんだ。

 あまり関わり合いを持つべき相手ではないかもしれないが折角の休日。やりたいことをやれないのはつまらないし、先輩なら後輩を助けなきゃね。

 私は彼女の前に膝を突く。

 

「よければ肩を貸そう」

 

「よろしいんですか?」

 

 ああ、と頷き、それでは、と彼女が返す。買い物袋もあるが彼女の華奢な身体など鍛えている私の手にかかれば数人分でもよゆーよゆーっておや、これは意外と。

 

「重くありませんからね」

 

「そうだな」

 

「お尻も大きくないですよ?」

 

「そ、そうだな」

 

 何も言ってないのに早口で先制攻撃されてしまった。女の子だものね。冷泉院さんはSSで鍛えているからか、かなり質の良い筋肉を育てていることが触れているだけでもわかる。筋肉って普通に重いから、筋トレして肉が付いてくると自然に体重も増えちゃうのだ。

 私もインナーマッスル分で結構凄いことになってるから、美岬ちゃんの総重量についてはとやかく言えないのです。

 階段を駆け上がると、楽しそうに背中の後ろできゃっきゃっと彼女は騒いでいた。きゃっきゃっをそのまま口にする人初めて見たよ。

 5階にたどり着き私に向かって礼を言うと、フラフラとどこかに歩いていった。手品コーナーの場所はちゃんとわかっているんだろうか。無責任にほっぽり出すのはいけないし、彼女が下に降りたくなるまではこの階で待機していよう。

 時間を潰すために少し見て回ろうかな。視界に入るのはどれもかれもがエログッズだけど、見ている分には面白い。

 階段から上がってすぐ、目玉のように展示されている機械に目が止まった。

 

「だんめんず?」

 

「ご紹介しましょう。こちらは最新のAR技術の粋を集めた、女性の膣内をリアルタイムで表示することができる画期的な商品なのです!」

 

 しまった私気配遮断してない素の状態だった。商魂逞しく、私が近寄った途端即解説しにやってくる店員さん。すばやい。

 

「ここをこうして私の膣へと設定しまして──」

 

 女性が私の前で画面を操作すると、店内の巨大モニターに彼女の体内が映し出された。僅かに蠕動している性器が生々しい。名前の通りエロゲや同人CG集で見かける断面図そのままだこれ。

 レジに立っていた眼鏡をかけた知的な男性店員が近づいて来て、私と目が合うと恭しく頭を下げる。そのまま女性店員のスリットが入ったタイトスカートを無造作に持ち上げた。 

 

「駄目ですぅ♡お客様に解説できないとまたカスマターサービスに苦情入っちゃいますぅ♡」

 

「クレーム入れられるより先に俺がヤキ挿入れてやんよお客様に射ザーしろ性意見せろ孕めオラ!」

 

 射ザーするのは男性側でしょうと。

 元ヤン系社員さんが突っ込むと大画面にチンポが出現し、力強い抽送運動で肉襞をゴリゴリと削いでいく。

 ……いつもは見ているだけだけど、こうして実際にオマンコとチンポが重なっているところを目の当たりにすると圧巻の一言。物凄くエロい光景だ。

 私が画面を眺めているのに気付いたのか、店員さんは喘ぎ声を上げながら頑張って説明しようとしてくれている。私に気を遣わなくてもいいですよほんと。

 

「はひぃ♡ お客様♡ だんめんずにはこちらのヘッドマウント型ディスプレイがご用意されておりましてイくゥゥゥゥ♡ オマンコ陵辱を強制的に見せつけられる目隠しくっころプレイなどにも最適ぃおほぉ♡」

 

 絶頂と一緒に膣内が脈動し、白い液体が解き放たれチンポも揺れる揺れる。ARがどういうものかそれすらよくわかってないけどとんでもないテクノロジーの無駄遣いを感じますよ。

 二人とも説明し終えたことに満足したのか、そのまま二回戦へと突入してしまった。

 ……ゴクリ。

 辺りを見回し、気を探り、彼女たち以外誰もいないことを確認してから、機器とディスプレイを無線接続。近未来的な巨大ゴーグルを頭部にセットしてみた。

 わ、私はビッチ扱いされているのだ。流行にもいち早く乗っかっておかないとね。話題を振られた時その場で即それらしい切り返しができてこそ、というもの。

 不本意だけど一度くらいは体験しておかなければ。非常に不本意だけど!

 

「おおぅ……」

 

 私の視界がピンクで埋め尽くされた。これが私の未使用生殖器内部。

 思い出すのは、丁度昨日やった抜きゲ。敵組織の奸計によって捕らえられ、分娩台のような椅子に拘束されつつ衆人環視の下、似たような機械を装着させられる主人公。

 厄介だった女もこうなっちゃ形無しだな

 な、なんだこれは! ま、まさか……!

 そう、コイツはテメェのマンコさ。いやーしかし傑作だったぜあのクソ生意気なガキがまさか処女だったとはな。見えてるか処女膜?

 だ、黙れ……!

 身動きを取れない少女が、全方向から注がれる舐めるような視線を感じ取り身震いする。誰が一番最初に突っ込むかを決めるじゃんけんの声が聞こえてきて固まる主人公。

 やめろ……! 私は初めてなんだ……! 頼むからやめてくれ……! 

 

「へっへっへ、あんたの処女は俺様がきっちり頂いてやるぜ」

 

 く、来るなぁ!

 

 ──立体的な音声が聞こえてくる。フッ私のイメージ力もここまで成長したか。脳内イメージで生んだ巨大カマキリと戦うなどという芸当はまだ私にはできないけどこの分では時間の問題かな。

 それに加えてなんだか急に身体の奥が熱くなってきた。おかしいこれではまるで私がドMのようではないか。

 

「ほーらチホちゃん力を抜いて♡ 大丈夫すぐあなたのクソ雑魚アナルにもチンポ入れて、後ろから子宮ゴリゴリ突いて何も考えられなくさせてあげるから♡」

 

 いやなんでやねん。 

 生暖かい吐息で耳元をくすぐられたことをきっかけにゴーグルを外すと、目の前には水色の髪をした美少女がプクーッと頬を膨らませていた。

 

「えー、やめちゃうんだ? イクがノッてあげてたのに。それにしてもチホちゃん凄いねー。完璧に気配絶ってたあたしに話しかけられても何の反応も見せないまま演技し続けるなんて」

 

「……ふ。いやなに、修行の一環で感情が表に出にくいだけさ」

 

 私の背中取れる人最近多すぎ問題。必死に取り繕いながら、彼女の台詞にうんうんと頷いた。

 危なかった、この私にそういう趣味があると彼女に勘違いされてしまうところだった。

 

 というかもしかしなくても私エロゲの台詞を口に出してたの? しにたくなるんですけど。

 

「今日のチホちゃんも可愛いねー。髪で遊べていいなー」

 

 この子は女部田(おなぶた) 郁子(いくこ)。風紀委員の一人で今日は非番みたいだ。

 所謂童貞を殺すセーターを着ているんだけど、普段身に纏っているSSの制服の方が遥かに露出面積大きめなためそこまでエッチな服を着ているという感じがしない。寧ろ肌が隠れている分スケベ度はこっちの方が高い気がするけど。

 

「ありがとう。女部田はあまり髪型を変えないな。折角綺麗な髪をしているのに」

 

「……あたしね、癖っ毛が酷いんだ……下手に弄ったらそれはもう凄いことに」

 

 とっても温度差のある返事が戻って来た。これはあまり触れない方がいい話題のようだ。

 

「そうそう、ヤリオくんって相手してどうだった?」

 

「ふむ……年の割にはかなり強い、といったところだな。将来が楽しみだ」

 

 彼女は一番隊の隊長さんで以前戦いを挑んできたヤリオさんの上司に当たる。襲撃の後日二人で私へ謝罪しに来た時に知ったのだが、彼はB等部の二年生らしい。あの口調もただの中二病だとか。あの野武士みたいなおじさん顔で中二とは……。

 

「そっかーあたしは年齢踏まえてもよわよわだったかなー。はいイクの勝ち~」

 

 ペロっと舌を出し勝ち名乗りを上げる郁子にぐぬぬと心の中で歯噛みする。この負けず嫌いが!

 彼女は女部田流という剣術と柔術を修めた凄腕の女傑なんだけど、私をライバル視しているのか偶然会うたびに何かしらの勝負を吹っかけてくるのだ。

 

「んー……クンクン……臭うね」

 

 辺りを嗅ぎまわる女部田さん。それは近くで孕オラしてた人の精液臭ではなかろうか。

 だが彼女の指さす向きはだんめんずの置かれたショップとは正反対の方向で、彼女を真似してみたものの全く見当がつかない。思わず首を傾げてしまう。

 

「とぼけちゃってぇ……あ、いいこと思いついちゃったカモ」

 

「ちょっ」

 

 女部田さんに引っ張られて、ぐいぐいと移動させられる私。

 建物の反対側まで歩くと雑貨店があり、店頭には見知った影が。橘くんだ。

 真剣な表情をした彼が手に取ったのは、一着の服だった。

 

 ──白地にシャケの切り身がデカデカとプリントされた、ネタTシャツ。

 

 もしや、彼はアレを買おうとしているんじゃ。

 橘くんがやって来てもう一週間近く。既に下半身でモノを考える立派なチンポ脳に成長している筈なんだけど、まだ彼はあまりクラスに馴染めていない様子だった……はっ、読めた。

 あのクソダサシャツをネタにして、クラスの子ともっと仲良くなろうという橘くんの作戦なのだ。

 あなたのその心意気買った。月曜日に彼がシャツのボタンを開けて周囲に見せつけてきたら、私が真っ先に笑ってあげるのだ。多少滑った空気になっていても、先導する人間がいれば気のいい彼らは察して場を盛り上げてくれるに違いない。

 

 あの服をオシャレだと思っていたら失礼ってレベルじゃないけど。

 流石にありえないでしょ、うん。

 と考えてるうちに、女部田さんが橘くんに対して熱視線を送っていることに気が付いた。

 

「凄いよね……」

 

「ああ、確かに……」

 

 目線を落とす彼女に、私は心底同意する。女部田さんなら気づくと思っていたが、そう、彼は腹筋をとっても鍛え上げているのだ。雑談でお腹触ってもいい? ってさりげなく聞ける流れにしたいぐらいには私も気になっているのである。

 彼が服を脱いだら綺麗に6つ別れたゴツゴツの腹直筋が姿を現すに違いない。彼の胸板がもう少し厚かったらアクセントになってもう最高だ。

 いやぁ彼女は見るべきところをよくわかっている。武道を嗜む女というのはやはり似たような気質を──

 

「凄い大きさのおちんちんだよ彼」

 

 ちょっと何言ってるかわかりませんね。

 え、あの匂いを嗅ぐ動作はチンポに対する反応だったの? 

 なにそれこわい。

 彼女のチンポ探知能力はさしずめマラウターかスカマラーといったところか。

 

「それでね、チ・ホ・ちゃ・ん♡」

 

 私の全身にまた熱が入った。以前聞いた話だけど女部田さんの声には催淫効果があるらしく、こうやって耳元で囁かれるとプチ発情状態にさせられてしまうのだ。私がさっきの場面で興奮していたのもそれが原因であることは確定的に明らか。全部女部田さんが悪いのだ。

 ポーカーフェイスを維持できているけれど残念ながら乳首は正直である。

 

「今から3Pで彼をどっちがより気持ちよくできるか勝負しない? チホちゃんとあたしのテク、どっちが凄いか前から比べたかったんだ♡」

 

 あんまり趣味じゃないんだけどね、と語る彼女。いや趣味じゃないならやめましょうよ精液(いのち)がもったいない。

 こうなればいつの間にか根付いていたあの噂を利用して回避するか。

 

「その申し出は大変興味深いのだがな。我が複数人での行為に及ぶと直接セックスをしていない女性も記憶を失ってしまうんだ。男性から放たれた快楽(エクスタシー)電波(パルス)の余波が伝播した結果とも言われている」

 

「えー、常識的に考えてそんなことあるわけないじゃん」

 

 いやそうだけども。チンコの大きさを嗅ぎ取れる人に常識を説かれるとは思わなかった……!

 

「大丈夫大丈夫、例え本当でもあたしなら絶対耐えられるから。というわけで、れっつ・ごー! ってあれ?」

 

 うーむ、女部田さんに先行を譲って彼女自身が絶頂、もしくは橘くんが膣内射精する瞬間に襲撃を仕掛けるか……? それとも今日は生理が近いから、体調が悪いからと嘘つくか。

 前者は成功したとしても記憶を失った=私に敗北したと思い込んで更に3P勧誘が増えそう。体調不良の場合、彼女の観察眼でもし嘘だとバレたらかなり怪しまれてしまう。

 本気でどうしましょと内心頭を抱えていたら、再び女部田さんに引っ張られた。

 向かう先は、橘くんとは全く別の方向。終点には、ポケーッと立っている冷泉院さんがいた。

 

「あら、郁子じゃない。薙帆さんも」

 

「……どうしてトーカちゃんがここにいるの?」

 

「……私が、ここに来たかったから?」

 

「そうじゃなくて、今日はレイちゃんと一緒にドスケベ遊園地(ランド)のH・EROショーを見に行くって話してたじゃない」

 

 そうだったわと口に手を当てる彼女に呆れて深い、深い溜息を吐く女部田さん。電源を切っていたらしく、間を少し置いてやって来たであろう大量の礼先輩からの連絡コールに顔を引き攣らせていた。うっかり属性持ちだったのか生徒会長。

 

「すまないな、私が彼女を連れてきてしまったばかりに」

 

「いいっていいって。今週に入ってからトーカちゃんずっとテンション高くてねー。目を離すとすぐいなくなるんだ。この階まで連れてきてアリガトね。チホちゃんがいなかったら今頃迷子になってた筈だから」

 

 私と同じように彼女を抱えてウインクする女部田さん。これから礼先輩のところまで連れて行くのだろう。性欲は凄いけど面倒見の良い子だな。

 二人を眺めていると、冷泉院さんが私に目を向けた。

 

「私、触れた相手のことを理解できる、という特技のようなものを持っているんです。自分でもよくわかっていないんですが──」

 

 彼女曰く手を握る、キスをする、セックスをする、という段階によって精度が上がっていくという。セックスをすれば相手の経歴なども丸裸にできると彼女は断言した。

 つまりおんぶで触れ合った僅かな時間で私の過去をある程度把握できたというのか。

 なにそれこわい。たったあれだけで非性産的な人間だってことがバレたら理不尽もいいところですよ。……バレてないよね? 彼女の顔色を窺っても先ほどと何一つ変わらない、感情を読み取れない不思議な笑顔がそこにあった。

 無意識の内に唾を飲み込んで、彼女の言葉を待つ私。

 少し間を置いて彼女は下唇に人差し指を立てながら、小首を傾げ話し出す。

 

「薙帆さんはとても身体を鍛えているんですね」

 

 おおこれはセーフか……? フフン、それほどでもないさ。

 

「──修行ばかりの暗い青春を送っていたんですねぇ」

 

 おっふ。

 ひ、人が気にしていることを的確に抉ってくるのほんとやめろォ!

 そうですよどーせ私なんか小中学生の頃クラスの子にほとんど話しかけられたことのないぼっちでしたよーだ。多分修行の辛さで目が完全に死んでたせいだけど。

 

「あーごめんねぇ。この子人の心がわからないから。今のは『遊び盛りの筈なのに修行へ打ち込むひた向きな姿勢、尊敬してます』みたいなニュアンスなんだ。あとトーカちゃん今のは私にもダメージ入るからやめようね」

 

 言葉足らずって次元じゃない。

 それじゃ、と二人が別れを告げ階段の方へ去っていた。あ、嵐のようだった……。申し訳ないが女部田さんと冷泉院さんからは距離を置こう。二人ともそれぞれ危険すぎる。

 

 よし、橘くんもバタバタしてるうちに帰っちゃったようだし、私もそろそろお暇するか。

 彼女はパーフェクトと読まない方の一般的な完璧超人というイメージだったので、さっきのはビックリだったな。あの冷泉院さんが迷子になったなどと噂しても誰も信じてくれないだろう。

 

「──迷子じゃありませんけど!」

 

 通りがかった店先で、可愛らしい声が私の耳元に飛び込んできた。そこには小学生くらいの子供と、困った顔をしている店員さんの姿が。

 

「そうだよねぇ、うんうん、わかってるのよ。ちょっとお姉さんと一緒にあそぼっか」

 

 目線を同じ高さに揃え、頭をナデナデしている店員さんに何故だかガガーンとショックを受けている少女。どこかで見たことのある子だな。……あ、あのパイプ椅子。思い出したぞ!

 私は二人の前に飛び出し店員の挨拶を受け取りながら、彼女の耳元で小さく囁いた。

 

「知っていますか。C(・)等(・)部(・)の(・)年(・)齢(・)で(・)あ(・)り(・)な(・)が(・)ら(・)水ノ月学園のA等部に飛び級入学した女子生徒の話を」

 

「はぁ、それが一体なんなん──まさか!?」

 

 話が早くて助かる。

 そう、彼女こそが、学園一の才女。

 常に持参しているパイプ椅子がトレードマークの、渡会(わたらい) ヒナミ先輩だ。

 小学生扱いするのは失礼かもしれないという旨を伝えると、納得したのか店員さんは大人しく店内に引っ込んでいった。

 

「何だかよくわからないけど、ありがとう!」

 

「なに、目上の方が困っていたら放ってはおけませんよ、ヒナミ先輩」

 

「せ、先輩……! 初めて言われた……! あたしが先輩! あたしが目上!」

 

 なんだか感極まっている彼女。私より年下なのに一学年上、最上級生の中で成績トップを取り続けているのだ、敬意を表するのは至極当然の話でしょう。多分他の子たちに子供だからとこれまで舐めた態度を取られていたのだろうが、私は違う。

 暫く私の顔をジッと見ていたヒナミ先輩の目が大きく見開かれる。燦然した輝きを瞳に宿しながら、彼女は感激の言葉を呟いた。

 

「わぁぁぁ……! 生の雀野ちゃんだぁ……!」

 

 憧れのプロ野球選手に偶然出会った野球少年みたいな視線だ。私は年棒5万を軽く咥えているとの噂だからね。青藍島キッズ達には人気者なのです。全然嬉しくないけど。

 彼女はまだセックスが解禁される性人年齢に達していないから、その分憧れも強いのだろう。同級生たちが目の前で楽しげにドスケベしてるのを眺めているだけなら尚のこと。

 すると彼女は手に持っていたプラスチックの袋を開け、私の前に取り出してきた。それはつい先ほど見かけたばかりの──エロ本である。私の。

 

「あたし、雀野ちゃんに憧れてるんだ! クールで正に大人の女性って感じだよね!」

 

 その本を見せつけられながら言われなかったら素直に喜べましたよはい。

 ……おや。彼女の袋から見え隠れするもう一冊の本の存在に私は気がついた。

 

「失礼ですがそちらの袋に入ってるのは本土で出版されていた少女漫画では?」

 

「雀野ちゃん知ってるの?」

 

「ええ、名前だけは。古い作品になるので読もうか悩んでいたところです」

 

 確か学校一の人気者であるイケメンとひょんなことから関わるようになり、少しずつ仲良くなっていく普通の女子高生が主人公の、オーソドックスな恋愛物。確か実写化もされていた筈。

 10年ぐらい前に連載されていた漫画だから、気になってはいたのだけれどお小遣いは有限じゃないのでずっと先延ばしにしていたんだ。本屋さんに取り寄せてもらったのかな?

 そんなことを思っていると、ヒナミ先輩の頂点──所謂アホ毛が天井に向かってピンと立ち、彼女の目はデフォルメされたゲームや漫画のキャラクターみたいにピカピカと光っていた。

 私の手をガッチリと掴んで一言。

 

「──よかったら、お家に来ない!?」

 

 

 というわけで舞台は打って変わってヒナミ先輩のご自宅へ。天才飛び級生なんだから、如何にもそれっぽいインテリジェンスな内装を想像していたんだけど案外普通、いや私の部屋より数段上の女の子部屋だった。実年齢小学生に負けてる私って一体。

 

「えへへ、水ノ月の子にオススメしてもあんまりウケがいいトキなかったからな、仲間が増えて嬉しいな」

 

 花咲くような笑顔を浮かべながら、彼女の髪がピョコピョコと動いていた。感情に反応して動くアホ毛、実在していたとは。

 まぁここの人に薦めても日常、恋愛描写はあくまでセックスを盛り上げる過程なのにそれが長すぎる、肝心のセックス描写が薄すぎるって匙を投げられそうだよね。

 

「ヒナミー、礼ちゃんが上がってくるけどいいかしらー?」

 

「うん、もちろんお母さん! って、あっゴメンね薙帆ちゃん。あたしのお友達が来るみたいだけどいいかな?」

 

 すっかり意気投合して下の名前で呼んでくれるヒナミ先輩に首肯する。

 彼女の友達かぁ、小学生の子だろうか、それともA等部の人だろうか。音で伝わってくる歩幅間隔からして高確率で後者だろうな。

 規則正しいノックが響き、失礼しますと礼儀正しい声が伝わる。

 キビキビとした動きをした少女、糺川礼先輩は、ヒナミ先輩を視界に入れると今まで一度もお目にかかったことのない弛緩しきった表情を見せ──座っていた彼女の薄い胸元にダイブした。

 

「ヒ~ナ~ミ~! うぉぉぉぉん!」

 

 私がいることに全く気付かず、おいおいと泣き叫ぶ礼先輩。お家が揺れると錯覚するほどの大咆哮である。頭をヒナミ先輩の服に押しつけながら超高速で首を回し抱き着く礼先輩は普通に怖い。

 無言で気配を殺し、ひっそりと息を潜める。これバレたらいかん奴だ。

 

「桐香様が迷子になったのは私が目を離してしまったのが原因で……それは街中で突然性産的行為に誘われたせいだから、つまり出発する時GPS機能付きスマホを持たせることを確認しなかったせい……全部私のせいだ! ハハハハハッヒナミ全部私のせいだ!」

 

 礼先輩が狂ったように哄笑する。ヒエッ。

 くっいかん。あまりの衝撃に固まってしまったが、それ以上の衝撃を受けているのはヒナミ先輩の筈だ。私が何とかして礼先輩を宥めなきゃ。

 でもどうすればこの人を静かにさせられるのだろう。手刀かな。記憶消去かな。いやいやそれはあくまで最後の手段でしょ。

 

「オギャッ!! オギャッ!! バブゥー!! バブゥー!!」

 

 今度は幼児退行し出してしまった。指をしゃぶりながら足をバタつかせている風紀委員長。

 駄目だ闇が深すぎる。彼女の抱えているストレスは、一体どれほどのものなのか。

 私が説得できるとは到底思えないけど、お姉さんとしてヒナミ先輩を何とかして助けなきゃ……。

 何を言おうか迷いつつも立ち上がろうとするしたら、ヒナミ先輩と目が合い──ゆっくりと首を振る。

 少し困ったように微笑む彼女が礼先輩の頭をその小さな両手で包み込むと。

 

 ────ヒナミ先輩は、そっと。少女の髪に手を置いた。

 

「バブ……?」

 

 ヒナミ先輩が優しく頭を撫でる。ただそれだけで、彼女の興奮が少しずつ氷解していく。やがて指を咥えながら、静かに彼女は眠りについた。

 膝枕をしている彼女の慈愛に満ちた横顔に。

 

 会ったことのない、母の姿を幻視した。

 

 

 

◆

 

 

 

 丁度日付が変わる頃、雀野は先輩から貸してもらった漫画を勉強机に置き身体を伸ばした。飲み会で明日の昼から夕方まで帰ってこない祖父のことは気にせず、消灯し床に就こうとしたところで。

 開いた窓から、渇いた音が流れ込んできた。

 距離は遠いが聞き慣れない非日常的な音は聞き間違いようがない。

 これは、銃声だ。それも一発どころではなく、絶え間なく響く発砲音は戦闘が継続していることを如実に表していた。音源は山の中。

 SHOが条例違反者を発見したのだろうか。

 それにしては妙だ。これほどの銃撃戦を行っていたら、付近の住民に外出を控えるようにとすぐ通達が入ることになっている筈である。

 雀野が思案していると──窓の近くで、男の野太い声が響いた。

 

「おいあっちに逃げたんだよな!?」

 

「あぁ、とっとと追いかけるぞ!」

 

「俺達みたいな新入りでもあのガキさえ捕まえりゃ……ひひ!」

 

 駆け足で山へ赴く二人組の男達は、明らかにSHOやSSの関係者ではない。そもそも青藍島に住んでいる人々とも、観光客とも纏っている空気が全く違う。

 ────嫌な予感がする。

 少しでも身元が判明しないようにと、マスクと伊達メガネをかけ寝間着用ジャージのまま、雀野は家を飛び出した。走りながらゴムを伸ばし、艶やかな黒髪を一房にまとめる。

 鋭敏な聴覚を活かし銃撃地点を大まかに捉え、円を描くような軌道で移動しているのだろうと脳内で予測を終えた少女は、一気に加速した。鍛え抜かれたしなやかな下肢が落ち葉を踏み抜き、慣れ親しんだ山を最短距離で瞬く間に縦断していく。

 道中誰か落としたのか転がっていた狙撃銃が目に入り、一先ず簡単には見つからないようにと生い茂る木の一角へ放り投げ、枝葉のクッションに引っ掛けた。

 

 暫くして目に映し出されたのは大量の男たち。そして、暗中でもよく映える、美しい白髪を靡かせた着物の少女。

 ハンカチを貸してくれた、今朝出会った女の子の矮躯が無情にも吹き飛ばされた。発射された無数の弾丸の一発が命中したのだ。発砲が止み、最も近くにいた二人の賊が力なく崩れ落ちた彼女へ迫る。

 

 雀野は全力で大地を踏みしめ──男の懐に飛び込み、空いた横腹へ剛脚を叩き込む。肋骨が何本か折れたのだろう、嫌な音と感触に眉を顰めた。男は僅かな呻き声を上げ何が起こったかもわからぬまま沈黙する。

 

「なんだテメェ!」

 

 もう一人の男は場慣れしているのか突然の奇襲に慌てることなく即座に銃を構えた。

 力なく前に伸びた骨折男の腕を掴んで雀野は鋭い呼吸音を伴い地を蹴り伏せる。

 引き金を引こうとして、男が固まった。

 視界に映るのは、相棒を前面に押し出し、拘束状態を維持したまま突貫してくる少女。

 

「なっ」

 

 仲間という肉の盾を構えられては当然射撃を躊躇してしまう。比較的無防備な少女の足を狙おうと銃口を下に向けるが、その反応は少しばかり遅かった。

 か細い腕のどこにそんな力があるのか。雀野の女離れした膂力によって相方を押し付けられた男は為す術もなく地に倒される。

 意識のない成人男性一人分の重りを載せられては藻掻くことしかできず、鞭のようにしなる腕を顎にかすめられ、男は意識を手放した。

 

 無力化した敵を一瞥し少女の元に急いで駆け寄る。

 雀野を視界に入れ、弱々しく閉ざしがちだった少女の瞳が大きく見開かれた。

 

「す、ずの、さ、ん……?」

 

 時間がなかったとはいえ、一応変装してきたつもりだった雀野は一発で名を告げられ驚愕する。

 生気の抜けた薄い朱の瞳に僅かながら光が宿る。残された力の全てを振り絞る勢いで、少女は声を張り上げた。

 

「お逃げ……ください……! 彼らの狙いは、わたし一人です……わたしはもう、動けません……! 今であれば、あなただけなら、なんとか、助かるはずです……!」

 

 彼女の足元に転がった弾丸に触れる。柔らかい感触、ゴム製であることから最悪の事態にはならないだろうが、息も絶え絶えといった様相はあまりにも痛々しい。

 草木が揺れ、複数の乱雑な足音が耳に届いた。どうやら追手が続々と集まってきたらしい。

 

「お、ねが、いします……! えっ?」

 

 土を舐める白髪がふわりと浮かび、必死の形相で懇願する少女の視点もまた上昇した。腰と太腿を軸に持ち上げられる、所謂お姫様抱っこの状態で雀野に抱きかかえられたのだ。

 近場の木にゆっくり寄り添わせ、困惑の表情に塗り替えられた着物少女の首に腕を回してはギュッと抱き締める。

 久しく味わっていなかった温もりが冷えた身体に染み込み、小さく震えた。

 

「あっ」

 

「大丈夫だ」

 

 自分が狙われているのにも関わらず、自身の怪我を顧みず。真っ先に他人の心配をしてくれた。

 なんて優しい子なのだろう。なんて健気な子なのだろう。

 そんな女の子を目の前にしたら。

 

 ────全力で助けたくなっちゃうってもんでしょ!

 

「我は知っての通りドスケベビッチの雀野さん。殿方を腰砕けにするなんて赤子のチンポの皮を剥くぐらい造作もないことだ」

 

 青藍島風の決め台詞に茶目っ気たっぷりの笑顔を浮かべ、嫋やかな手つきで少女の頭を撫でる。薄い赤い瞳が先ほどより更に大きく張るが、直後意識を保つ体力の限界を迎えたのかプツリと首を下ろし、押し黙った。

 

 強い光を背中越しに浴びて雀野は立ち上がる。正対するは、両手の数ほどの男達。

 一人が手に持つ懐中電灯の光に晒され、暗がりに慣れた目を細めながらも冷静に戦力を分析していく。

 

「あん? なんだこの女? つーかあいつらは? 聞いてるか? あーあー聞こえてますかいー若頭代行ー! ちっ駄目だわ電波悪ぃーなクソ田舎が」

 

「そりゃ山の中だからな。大方騒ぎを聞きつけてやってきた野次馬かなんかだろ」

 

「ま、見られた以上拉致るしかねーだろ。クソビッチだがここの連中顔だけはいいからな。使い道ならいくらでもある」

 

 中央に固まって好き勝手宣う3人は皆銃を握りしめている。やる気のない姿勢に見えるが、それなりに格闘技を修めていることが体幹の良さから読み取れた。残りのメンバーは多少身体を鍛えているかいないかという程度で、バットやバールのような鈍器を各々肩に担いでいる。銃持ち以外は数だけ集めたチンピラ、というのが雀野の第一印象だった。

 

「……あなたたち、この子をどうする気?」

 

 少女は身元を悟られぬよう、本土にいた頃の口調で問い掛ける。意識しなければ元に戻らない程今の口調が身体に馴染んでいる事実に少しだけむず痒くなった。

 その一方で口元に厭らしい笑みを浮かべながら、中央の男がハンドガンを手で泳がせた。威圧も兼ねているのだろう。

 

「なーに殺しやしねーよ。コイツに入ってるのもライオット弾っていう暴徒鎮圧用のゴム製でな。俺達はそのガキを保護してやりたいだけだ」

 

「まぁその後でガキの身体をたっぷり味わう予定だけどな」

 

「死にさえしなきゃある程度の怪我は大目に見てくれるって言うしマジ楽しみ。俺骨折したロリ大好物なんだわ」

 

「そ。ご親切にどうもありがとう。あなた達にはあなた達なりの信念や正義があって、彼女を捕まえようとするのも仕方なく──という事情がもしあったのなら、私も少しやりすぎたと後悔したかもしれなかったけど」

 

「はぁ? 何言って──」

 

 身の毛がよだつ会話のバトンを耳にし少女は僅かに嘆息する。

 ニヤニヤと下品な笑顔を一斉に貼りつかせる男達を、鋭利な蒼い瞳が刺し貫いた。言葉に詰まり視線が紅一点へと集中する。

 女の存在感が、突如として膨れ上がったのだ。怒りを溜め込み暴発寸前となった自分たちの上司を思わせるプレッシャーに誰かが固唾を飲み込んだ。

 白く、滑らかな指は少し離れた地面を指し示す。照明器具の光を向けた男達の眼下に映ったのは、倒れ積まれた仲間たち。

 再度照らそうと試みるものの少女は既にもぬけの殻。

 動揺が走り直後、中央に構えていた男の一人が崩れ落ちる。

 目前には先ほどの威圧感が嘘のように消え失せた少女が拳を突き立てていた。

 確かに女は存在している。しかしいない。奇妙なほどの実在感のなさが敵の恐怖を煽った。

 

「同情する余地のない悪党なら、私も遠慮なく叩き潰せる」

 

「…………やれぇぇぇぇ!」

 

 マスク越しに言い放たれた宣言を合図に、男たちの絶叫とけたたましい炸裂音が幾度となく鳴り響く。

 

 常人であれば骨も砕けるその一撃を至近距離から連射された、か細い少女は。

 

 弾(・)丸(・)の(・)雨(・)霰(・)に(・)晒(・)さ(・)れ(・)た(・)少(・)女(・)は(・)傷(・)一(・)つ(・)負(・)う(・)こ(・)と(・)な(・)く(・)、次の標的に双眸を向ける。

 ひ、と悪漢の口から小さく漏れ。

 

 濡羽色の少女の拳が、闇を舞った。

  




主人公→基本的に噂は全部真に受ける。幽霊がお爺ちゃんの家の近所に出ると聞いて数日間まともに寝付けなかったという悲しい過去を持つ

 桐香→日常生活が何もできないやべー奴。桐香√尊い……

 郁子→主人公と戦ってみたいけどヒートアップして本気になったらお互い退学じゃ済まされないとわかっているため手を出さない常識人(?)

ヒナミ→本編開始後、そこには本気で年下だと思い込んでいた主人公にお説教したくなったけど唯一後輩として慕ってくれていた事実もあり、何とも言えない表情を見せるヒナミ先輩の姿が!

淳之介→主人公のせいで月曜日に勇を失い散体してたかもしれない原作主人公

むべむべ→雀野さんはど、どすけべなびっちな方ではないのですか……!?(嘘を見抜く力持ち)


次回で最終回になります。
その後一気にエピローグまですっ飛んでドスケベ回をやる……かもしれない。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。