転生先が転生前よりクソだったので異世界転移してHするわ 作:匿名希望者
『ええ~、あの人何してんの!』
ナザリック地下大墳墓にあるモモンガ専用の一室で遠隔視の鏡を使用して騎士の行動を監視していたモモンガは心の中で絶叫していた。傍に控えていたセバスは遠隔視の鏡に映る光景に多少険しい表情を浮かべている。
「やはり、彼と同盟を結んだ事は不服か?」
「いえ、かの御仁は人間でありながらアインズ・ウール・ゴウンと同盟を結んだ実力者。この世界の状況が分からない状況ではモモンガ様の選択肢は最善だと思います」
モモンガの問い掛けにセバスは首を横に振って否定するがその内心は隠しきれていない。
『まあ、セバスなら顔を顰めても仕方ないよな』
製作者であるたっち・みーの影響を受けてナザリック内では珍しくカルマ値がプラスのセバスにとって、騎士の行動は到底受け入れられるモノでは無かったハズだ。
音が入ってこない事は幸いだったが映像だけ見れば幼女をぶち殺し、その姉を犯し、その後復活させた幼女を再びぶっ殺し、正義の怒りに燃える戦士を相手に四肢を切り飛ばして殺してみたり、巻物で復活させてから部下の遺体からグールを作り出して殺し合いをさせてみたりと戦士の心と命を弄びながら何度も蘇生と殺害を繰り返す。正しく狂人の狂気を体現した行為だった。
「とはいえ、彼からもたらされた情報は貴重なモノだからな……」
モモンガは呟き、小さなため息を吐きながら騎士と初めて出会った時の事を思い出す。
◇
彼と初めて出会ったのはユグドラシル最終日だった。
話したい事がある、と言ってナザリック地下大墳墓を訪れた彼にモモンガは最初、サービス最終日とはいえ、警戒心を覚えたが“鈴木悟”の名前を出されたので会わない訳にはいかなかった。
ナザリックの外で彼と対面したモモンガは彼から気の狂った話を聞かされたのだ。
この世界は物語の世界であり、主人公はモモンガである自分。ユグドラシルのサービス終了と共に異世界転移してアレコレとトラブルが起きると。明らかに気の触れた言動の彼に会った事を後悔したモモンガだったが、彼が触らない方が良い狂人であると確信したのは現実世界で女性を強姦している写真や動画を見せてきた時だった。データとして持ち込む事すらヤバイそれは勿論、運営による巻き込まれバンを恐れたモモンガが速攻で止めさせたが。
サービス終了と共に異世界転移するから現実世界を満喫しましたよ~、と笑う彼が完全に壊れた人間である事をモモンガに印象付けた。
もし、モモンガが興味本位で動画を見ていた場合、モモンガも聞き慣れた、さる人気声優が強姦されている動画もあったりして、転移後の世界で全力の殺し合いに発展したりする可能性もあったが、そうはならなかった。
彼からの提案は簡単なモノだった。転移後の世界の情報が入ったデータを渡す代わりにアインズ・ウール・ゴウンのギルド紹介欄に彼と親密な同盟関係であると記す事や他にもいくつか提案があった。
正直、狂人である彼の言動に付き合いきれないモモンガは運営に連絡してバンの要請をするつもりだったが、“鈴木悟”以外の名前をいくつか出されてしまい、モモンガは彼をバンする事が出来なかった。もし、彼の話が事実だったとして、転移する前に女性へ強姦するような奴がバンされて異世界転移しなかった場合、何をするか予測もつかない。
“鈴木悟”に被害があるだけならまだ良い。ほかのギルメンに彼の手が伸びた時の事を考えると転移させた方がマシである。下手に刺激しないように彼の提案を受け入れ、サービス終了と同時に警察へ連絡しようと心に誓ったモモンガは彼をナザリックに招き入れ、そしてサービス終了と共に異世界転移してきたのだ。
◇
サービス終了と共に異世界転移した直後、モモンガは混乱を極めた。彼を刺激しない為にすべての提案を飲んでいたがそもそも彼の話を信じていなかった為、受け入れた提案によって何が起きるのか、予想もつかない。
内心ではヤバイと思いつつも本当に動き出した階層守護者達の対応に追われ、彼の紹介もそこそこに彼はナザリックに何かする訳でもなく、守護者達の反応を確認すると約束通りこの世界の情報をモモンガに渡すとナザリックから去っていった。
現在は明らかに気付いているが彼の行動の監視と彼からもたらされた情報の精査確認、情報による思考誘導の可能性、“原作”との差異による周囲の行動予測などのあらゆる処理をナザリックの総力を挙げて行っている。
“原作”という観点からも彼はやりたい放題である。
現在、彼の目的を聞いてナザリックの女性陣には彼と個々で接触しないように厳命している。
いつか確実にナザリックの女性陣へ魔の手が伸びると確信しながらも“情報”という絶対的優位性を彼に握られているモモンガは彼を排除する事が出来なかった。既にアルベドから彼とセックスする事でナザリックに利益を生むなら彼の篭絡を自分に命令してくれと、提案すらきている。勿論、速攻で却下したがアルベドのビッチという特性と彼の相性の良さに内心では頭を抱えている。
――――必ず来るであろう彼との衝突にギルメンの子供である彼女達を捧げるか、“情報”という絶対的優位性を握られたまま、全面衝突するか。
どちらにせよ、ろくな事にならない未来を予想したモモンガは深いため息を吐いた。
Hに関係ない所はザクザクカットしていきます。(余計な情報を出しちゃうとナザリックの面々とチョメチョメする際に都合が悪いので)