転生先が転生前よりクソだったので異世界転移してHするわ 作:匿名希望者
ガゼフ・ストロノーフの率いる部隊が彼を残して全滅した、という情報は瞬く間に王都中へ広まった。王国の辺境地ではまだまだその情報の信憑性に欠ける為、法螺話だと思われているが王都では公然の事実として受け入れられていた。この事実を切っ掛けに王国の貴族派閥は着実に発言力を増している。当然、市井にこの情報を流したのは貴族派閥なのだが。
しかし、部隊を全滅へ追い込んだ下手人がスレイン法国である、という事実は双方の派閥を含めて限られた人物しか知らない。帝国との戦争中に法国の相手など出来ないという見解が双方で一致した為の処置である。
騒がしく勢力図が動いている王宮の片隅にある一室にアダマンタイト級冒険者【青の薔薇】の面々は呼び出されていた。
「まずは本来、貴公達のように王国の平和に貢献してもらっている者達をこのような場に招いた事、謝罪しよう」
王宮の中でも下働きする人々が過ごすような飾り気のない、少し薄汚れた一室で安っぽい木造の椅子に腰かけた初老の男性――――ランポッサⅢ世は深々と頭を下げる。
「いえ、私達は己の正義に従って行動したまでの事、頭をお上げください」
自身も王国の貴族であり、【青の薔薇】のリーダーを務めるラキュースは狭い室内を見渡しながら答える。
椅子に座るランポッサⅢ世に傍に控える彼の懐刀で最近、悪い意味で話題の人物であり“見る人が見れば”明らかに以前より弱くなっているガゼフ、心配そうにこちらを見つめている友人であるラナー、薄い木造の扉の外側ではラナーのお気に入りの騎士見習いクライムが人払いを兼ねて控えている。
ランポッサⅢ世の言葉通り、一国の王がアダマンタイト級冒険者を招くには明らかに不釣り合いな場所と面子なだけに【青の薔薇】の面々も今後の展開を邪推して表情が硬い。
「本来なら手厚い歓迎をしたい所だが、そもそも王がこのような場所にいる事自体、あまり知られたくないので率直に要件を伝えさせてもらいたいが構わないか?」
「ええ、それは勿論」
少し険しい表情を浮かべるガゼフの言葉にラキュースは頷き、話を促す。
「既に聞き及んでいると思うが私の部隊が全滅した。その相手は帝国兵に扮したスレイン法国の者だった」
「そんな、法国が……」
務めて冷静に話そうとしているガゼフだったがその表情と態度から深い悲しみが容易に見て取れた。
「勿論、法国に対する対処も必要だが要件はそこじゃない。貴殿達なら私の状況を見て理解していると思うが私は法国の部隊を指揮する指揮官が異常なまでに気を使う謎の人物によって殺害と蘇生を繰り返され、このような状態になっている」
「っ!」
最善の装備ではなかったとはいえ、王国戦士長を蹂躙する実力と高度な蘇生魔法を操る知性、どちらも並外れた人物でなければ成し得ない行為に【青の薔薇】の面々は息を呑む。そんな中、イビルアイだけが仮面の下で“神人”の介入を考慮して表情を顰める。
「その人物が私を通じて、【青の薔薇】のイビルアイ殿に伝言を頼まれた。彼女なら自分の正体がわかるだろうと」
「なに?」
思わぬ指名に反応するイビルアイ。
「イビルアイ殿。何故、貴殿が彼と関わりがあるのか、その素性は問わない。ラナー様からも貴殿が王国に仇なす人物ではないと聞いているし、私自身もそう思っている」
王国戦士長を殺して遊ぶような人物の関係者。状況だけ見れば、イビルアイに対する危険度が跳ね上がっているがこれまでの【青の薔薇】としての功績により相殺された状況だ。
「“カンストプレイヤー”を名乗る人物が『人類の為に神人作りに励む』と言っていた。貴殿にはその意味が理解出来るか?」
――――カンストプレイヤー。
ガゼフの口から飛び出した言葉にイビルアイは足元がガラガラと音を立てて崩れていく気がした。“神人”なんて可愛げのあるモノじゃない、そんなモノを遥かに超越した存在が動き出した。
「ちょ、イビルアイ!」
腰砕けのように無言のままへたり込んだイビルアイの姿にラキュースが慌てて駆け寄り、肩を貸す。
「それほどの人物なのか?」
歴戦のアダマンタイト級冒険者が無言で崩れ去る様子にガゼフの表情が険しさを増す。
「ああ、済まない。お前達に分かりやすく言えばカンストプレイヤーって言うのは」
――――神様だ。
◇
月明りが部屋を照らし、優しい静寂が部屋を包み込む中、突如現れた人の気配にラナーはベッドから身体を起こす。そこには昼間、ガゼフの報告とイビルアイの知識によって正体が判明した全身鎧の騎士――――カンストプレイヤーが立っていた。
「初めまして、さあ、どうぞ」
「あれ、反応が薄いな」
少しだけ騎士の登場に驚いたラナーだったが自分の運命を悟り、淡々とベッドの上で股を開く。そんなラナーの反応に騎士は小さく首を傾げた。ラナーの性格は知っているので暴れたりしないとは思っていたがこうも淡々と股を開かれては興醒めだった。
「彼女から聞きました。“神人”とはプレイヤーと現地人の間に出来る子供の中でプレイヤーの力に近い才能を持つ者だと。つまり、セックスがお望みなのでは?」
「まあ、その通りだけど……」
わざわざ夜這いしたにも関わらずいまいち盛り上がりに欠けるラナーの態度に騎士が小さくため息を吐く。
「直接、私の部屋に移動する事が出来る人物で王国戦士長ですら止められない武力を持つ人物にどのような抵抗をしろと?」
結果が同じなら無駄な抵抗などせず、淡々と騎士からの辱めを受けて早く満足してもらった方が手っ取り早い。そりゃ、そうか。と笑う騎士は納得した様子でズボンを下ろし、ベッドに乗り込むと横になったラナーの上に覆いかぶさり、広げた内腿に指を添わせ、白い純情を連想させるフリルが印象的なガーターベルトに手を掛けた後、なにか思い付いた様子でラナーから離れる。
「?」
「このまま俺に犯された場合、君は確実に俺の子供を孕む。けれど、もし、もし俺が犯した後に“誰か”が君とセックスした場合、その子供は“誰”の子供なんだろうね」
騎士の言葉を聞いて、ラナーの思考が回転を始める。愛しの姫君が強姦魔に中出しされて、そのままだと妊娠した場合、確実にその子供は強姦魔の子供となる。もし、強姦魔に犯され、弱っている姫君が強姦魔の子供を孕みたくないと泣き付いた場合、彼はどんな行動をするだろうか。
「クヒ」
ラナーは小さく嗤った。
「何故、そのような提案を?」
「だって、その場合、君は強姦魔に犯される心優しい姫君を演じるだろ? マグロを抱くよりそっちの方が興奮するからね!」
それはまごうこと無き騎士の性癖だった。
A.一人の青少年が狂う。