※この作品はR-18です。

転生先が転生前よりクソだったので異世界転移してHするわ   作:匿名希望者

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人の話を聞かない強者はラナーやジルクニフが最も苦手とするタイプだと思う。


王国にて③

「エ・ランテルの墓地区画の調査?」

 

 プレイヤーの存在が確認されて、その対処の方向性が決まった翌日、ラナーの部屋に呼び出された【青の薔薇】であるラキュースはラナーからの提案に首を傾げる。プレイヤーの動向は当然であるが八本指の動きが気になる中、王都を空席にする意図が読めない。

 

「ええ、貴方達にしか頼めない事なの」

 

「っ」

 

 少し躊躇い、儚い笑みを浮かべて告げるラナーと悔しそうに表情を浮かべ顔を伏せるクライム。

 

「どうかしたの?」

 

 ラナーとクライムの態度に何かを感じ取ったラキュースは怪訝そうな視線をラナーに向ける。

 

「――――何も無かったわ」

 

 ラキュースの言葉にラナーは子宮がある腹部を軽く撫で、クライムに視線を送ると“何も無かった”と否定する。

 

 どうかした、という質問に対して、何も無かった、という返答。不可解なラナーの動作、そしてこの脈絡のない会話をわざわざラキュース自身だけではなく【青の薔薇】のメンバーを呼び出して、この会話を聞かせる意図にラキュースは思考を巡らせる。

 

 つまり、エ・ランテルの墓地区画の調査を決めた“何か”がラナーに起きた。しかし、ラナーは自分の意思で何も無かったとしている。ラナーの口から口外出来ないがラナーの身に起きた“何か”。そして、不可解なラナーの動作とクライムの反応。

 

「ラナー! 貴方、もしかして――――」

 

 一つの仮説を思いつき、目を見開いたラキュースの言葉を遮るように微笑し、首を横に振るラナー。

 

「でもっ!」

 

「止めろ、ラキュース。姫様が何も無かったと言う以上、何も無いんだ」

 

 同じ答えを導き出したイビルアイはラナーに追及しようとしているラキュースを止める。

 

「エ・ランテルの墓地区画の調査だったか? 【青の薔薇】として引き受けるかどうかは別にして、私が行こう。そちらの方が“被害は少ない”だろうからな」

 

 イビルアイは自分に待ち受けているであろう“被害”を予想してため息を吐いた。

 

 

◇

 

 

「そう不貞腐れるな、姫様達の覚悟を無駄にするつもりか?」

 

 【青の薔薇】の面々は贔屓にしている宿屋の一室に集まり、ラナーの提案についての話し合いをしていた。露骨に不機嫌なラキュースにイビルアイが言い聞かせる。

 

「姫様、絶対にヤられてる」

 

「部屋に匂いが残ってた……」

 

 “何が”とは言わないがラキュースの予想を裏付けるようにティアとティナが口を開く。

 

 プレイヤーによってラナーが強姦された事は理解した。その上でラナーが何も無かったと口にしなければならない事にラキュースは怒っているのだ。

 

 ラナーの強姦被害が彼女を可愛がっている父親のランポッサが知った場合、彼は怒り、プレイヤーと敵対する事になる。その時、王国に齎される被害は想像もつかない。だからこそ、ラナーは王国の事を想い、“何も無かった”と告げるしかないのだ。

 

 そしてもし、最悪の場合が起きた時、その子供は誰の子供なのか。ラナーとクライム、王国の為にした二人の覚悟に何も言えないもどかしさがラキュースを憤慨させる。

 

「それでどうする? 向こうは【青の薔薇】を要望しているようだが、はっきり言うぞ。この戦力では戦っても絶対に勝てないし、行けば確実に犯されるぞ。だが、向こうの事情を一番理解出来る私が行けば“話し合い”が可能かもしれない。余計な被害を出す必要もないだろう」

 

 そもそもプレイヤーを対話の席に引きずり降ろさなければ、プレイヤーの強姦行為は止まらないだろう。誰にも止められず、対話もしない強姦魔を放置すれば被害者が増えていくだけだ。

 

 確実にわざとである。彼の強姦行為を力で止められない以上、そもそも彼には対話の席に着く理由が無い。彼の一番厄介な所が“対話をしない”事であり、【青の薔薇】は彼が要求した“対話の席”に着く条件だろう。

 

 だからこそ、ラナーは躊躇い、それでも【青の薔薇】にエ・ランテルの墓地区画の調査を依頼した。良心として、【青の薔薇】の面々がその事実に気付くような態度での提案だったが。

 

「いいえ、イビルアイ。私も行くわ。リーダーの私が行かないのは向こうも納得しない筈。だけど、三人は――――」

 

「鬼ボス」

 

「鬼リーダー」

 

「ようはそいつを満足させればいいんだろ? なら、この中で私が一番適任だな。そもそもお前ら、男を満足させる術を知らないだろうし」

 

 ラキュースの言葉に咎めるような視線を送る二人と唯一、経験者であるガガーランが笑う。

 

 三人の表情を見て、何を言っても無駄な事を察したラキュースは大きなため息を吐く。

 

「それじゃあ、全員で行きましょうか。――――絶対に“対話の席”まで引きずり下ろすわよ」

 

 ラキュースは覚悟を決めた表情で呟いた。

 




【青の薔薇】の面々は赤面しながら移動中にガガーランから男を満足させる術を教わっていると思います。
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