そしてミラージュは最後にかつてのバディ、ハヤテ・インメルマンのもとへ向かう。
大戦中、最後の最後でミラージュから思いを打ち明けられるまで、その彼女の気持ちに気付け無かったハヤテ。
背中を預けられるほど信頼している同僚で、且つ思いを寄せてくれていた女の子であったミラージュが放つ、思いもよらなかったそのエロティックな魅力に、今もドギマギするだけ。
そのセクシーさがどういう経緯でここまで露わに引き出されてしまったのか。
そこに考えを巡らせるまでには、当然ながら至っていなかった。
翻ってミラージュの方は、ハヤテへの気持ちについて遠の昔に整理を付け終わっており、純潔も他の男に喜んで捧げ済みである。
淡い感傷に浸りながらも、逆にフレイアと離れ離れになるハヤテを気遣っている様子であった。
「で、でもミラージュ。お前凄いなっ。マクロス・クォーター級の大隊長って左官クラスだろ。大抜擢じゃないか」
「いえ。マクロス・オーオクはクォーター級の半数の編成になっていますし。それに戦闘技術や指揮能力を買われたわけではありませんから」
「えっ?じゃあなんで選ばれたんだ?」
「ヴァルキリー隊の他の皆さん方より、オリッシュ管理官との夜のブリーフィングとドッグファイトの相性が抜群に良かったみたいで」
ここ最近マクロス・オーオクで毎晩のように綿密に行われている、オリッシュとミラージュのベッドの上での夜間訓練。
その甘く烈しい打ち合わせが思わずフラッシュバックする。
体をくねらせ、頰を赤らめオリッシュの逞しさを想うミラージュ。
バニースーツに包まれたミラージュの瑞々しい肢体から、甘いフェロモンが立ち上る。
が、鈍感なハヤテはそれにも気付かず。
「夜のブリーフィング?なんだそれ」
ひたすら残念すぎる反応であった。
「あ、いえ!何でもありません!何にせよ尊敬出来る方に評価してもらえるのは嬉しい事。通常任務であれ、夜間任務であれ、科された責務は完璧に果たしてみせます」
「そっか。お前ならきっと出来るさ。頑張れ。それと、フレイアの事も、・・・よろしくな!」
最後に少しだけ寂しげに笑って、ミラージュにフレイアの事を託してくるハヤテ。
だがミラージュは既に身をもってオリッシュのテクニックとバイタリティを味わい尽くしている。
フレイアもまた自分と同様にオリッシュの魅力に抗えなくなるであろう事が容易に想像出来てしまっていた。
だから、彼女が初恋の相手であったハヤテに掛けられる言葉は一つしかなかった。
「・・・ハヤテ、強く生きなさい。またいつか同じ空を飛びましょう!」
「ああ!」
幼い三人の恋のトライアングルが過去になった瞬間の一幕である。
オーディションはいつ始まるのか。