「そのっ、ずっとフリーです」
リディの質問に一瞬躊躇しながらも、表情を改めてカナメは真面目に答えてくる。
「えっ?ではこれまでの交際経験は?」
「ゼロ人です」
「えーと、それはつまり、この履歴書に書かれている通り、経験人数は本当にゼロということなのでしょうか?」
「はい。男性経験は、恥ずかしながらありません」
よーしよしとニンマリ笑い、ちゃんと録画出来てるかをクレアに確認するオリッシュ。
「ええ、ばっちり撮れてます!そそりますねっ」
クレアも興奮しているようで、その場で再生。
キリッと処女告白するそのカナメの姿は、オリッシュのリビドーを直撃していた。
場が落ち着いた後、リディが質問を再開する。
「すみませんカナメさん。カナメさんのように綺麗で健康的な女性が二十二歳で経験が無いというのは、にわかには信じられないのですが」
この質問はオリッシュが用意したものではなく、純粋に不思議に思ったリディのアドリブだった。
「そのっ、アイドル活動をしてた時の事務所が恋愛禁止で・・・。アイドルを引退してケイオスに勤め始めてからは忙し過ぎて。そんな暇は無かったというかっ」
同性からの純粋な問いであった為か、カナメも素に戻ってしまったようだ。
カーッと羞恥にその頰を染めながら、たどたどしく答えを返してくる。
これまでのカナメの経歴を考えると、確かに不思議ではない話ではあった。
これは重度の処女スキー且つ綺麗なお姉さんスキーという、相反する属性に日々苦しんでいたオリッシュにとって、僥倖以外の何物でも無かった。
リディに次の質問を急がせる。
「では自慰は週に何回でしょうか?」
「じ、自慰?お、オナニーのこと?そうね。週に一回程度かしら。は、恥ずかしいっ」
箍が外れてしまったのか、オレンジメタリックのバニースーツの深く開いた胸ぐらまで羞恥で真っ赤に染めてしまう、処女なカナメ・バッカニア22歳。
オリッシュは決断する。
カナメには生まれたてのカルガモの如く、自分の処女を奪ったペニスにとことん懐いてしまう特性を付与しようと。
愛着を抱くのがオリッシ自身ではないところが、この性癖改変のミソであった。
「わかりました。ありがとうございます。次は美雲・ギンヌメールさん」
「ええ、何でも聞いてちょうだい」
カナメが羞恥に顔を覆いながら席に座り、次いで立ち上がったのはヴァイオレットメタリックも鮮やかなバニースーツを身に纏った美雲である。
「さぁ!質問は何かしら」
「付き合っている方、恋人はいますか」
「いないわ」
「セックスの経験は?」
「セックス?確か男女が行う子作りの事ね。勿論無いわよ」
「自慰は週にどれくらい?」
「自慰?それは何?」
流石は三歳児。
この回答にはオリッシュも納得だ。
ザ・ファンタジー。
ええ。カナメスキーですが何か?