シュヴァリエ・デオン。
敢えてそう呼ばせてもらうが、『彼女』は性別不詳のサーヴァントである。
その正体は、フランスの伝説的スパイ。
美しい容姿を兼ね備えた麗人である。
サーヴァントとしての彼女は、冷静沈着、クセの強すぎるサーヴァント勢が多くいるなか、数少ない常識人と言えるだろう。
戦闘においても優秀だ。特にタゲ取りが得意なため、ダメージコントロールの役割を果たす。
彼女のサポートのおかげで俺のマスターとしての寿命が延びたと言っても過言ではあるまい。
そんなデオンを、デオンくんちゃんを、俺は……。
俺は……!
「いかがわしい目で見ているのであった、と……」
そんなふうに俺に白い目を向ける人物が一人。
こいつの名は藤丸立香。
俺と全く同じ名前を持つ異世界の俺。
しかし、何故か性別は女だし、髪の色も赤い。
「なんだよ、もう一人の俺。何か文句でもあるのか?」
「いやいや、文句なんてないよ。何故なら私たち、同一人物なんだからさ!」
「それはそうだが……」
そうだ。確かにそうではある。
生き別れの兄妹かと思うくらいには通じ合ってる気がするし、考え方はかなり似通っている。
そして、おそらくこいつは俺の思惑すら理解していることだろう。
そう。何故俺がデオンくんちゃんを真摯に見つめていたのか、ということを……!
「……それにしても、もうひとりの私って呼び方も疲れるし、立香でいい?」
「……それもそうだな、立香。自分の名前を呼ぶみたいで違和感あるけど、凄く自然な気もする」
「そうそう! なんか本当に双子の姉弟ができたみたいで嬉しいし、本当に生き別れの弟じゃないの?」
「それを言うなら双子の妹かな。……ホント、初対面って気がしないや」
そんなふうに話していたら、当のデオンくんちゃんがこちらへ歩いてきた。
カツカツと革靴を鳴らして、凜々しい佇まいだ。
なびく金髪が少女マンガみたいにさらさらしている。
今すぐ顔を突っ込んでスーハースーハーしたい。
パスタと間違えた! とか言って髪の毛食べちゃいたいな……。
「マスター。そういう気持ち悪い性癖の発露はしないでくれるかな」
「え? 私、声に出てた?」
「え? ああ、びっくりした! そうだよな俺じゃないよな! あはは、髪の毛食べたいとか心の中でしか言ってなかったよな!」
俺がほっと胸を撫で下ろしていると、デオンは呆れたように溜息を吐いた。
「声に出てたのは、二人共だよ」
デオンくんちゃんはそう言って少し鋭い目を向けてくる。
どうやら少し怒らせてしまったみたいだ。
けど、どうやら本当のことを分かっていないな、デオンくんちゃん。
俺はそういう冷たい視線すら大好物なんだぜ。
そう思いながら視線を横に向けると、そりゃあまぁデレデレした様子の立香がいた。
そうか。お前もか。同士よ。
ちなみにその後、デオンの怒りを静めるのに二人で二時間半の土下座をする羽目になったのはまた別の話だ。
――
後日。
俺は計画を実行に移した。
内容は簡単だ。
マイルームに招いたデオンくんちゃんを拘束し、押し倒す。
今までは性別不詳という点がネックになり、いまいち行動に起こせなかったが、覚悟も準備もOKだ。
あとは実行するのみ。
デオンの神がかり的な縄抜けを見てみたい。
そんな提案を彼女は真摯に受け止めた。
「そうだね、君も何かの拍子で縄抜けが必要になることもあるかもしれない。ここは先達として手本を見せておこう」
そうして、シュルシュルとデオンの手首に縄を巻いていく。
細い手首。白い肌。この美しい容姿は、サーヴァントとして構成された概念としての美しさなのか。それとも、元の容姿を再現したからこその美しさなのか。
デオンの細腕を固定し結び目を堅く縛って、俺は思わず息を漏らした。
……これはいけない。いけない性癖に目覚めてしまうかもしれない。
そうして、準備が終わった。
あとは、実行するだけだ。
「令呪をもって命ずる。拘束を解くな!」
「な――ッ?!」
赤い光が迸り、デオンは身動きを取れなくなる。
だが、その眼はどうだ? 哀れに屈した小娘の顔か?
――否! その眼には微かな軽蔑と疑惑の感情が読み取れる。
「……マスター? どういうつもりだい? 君の性癖については多少理解していたつもりだったけど、こういう趣向については初耳だ」
「……ああ、そうだな。俺もここまでドキドキするとは夢にも思わなかった」
デオンは平静だ。警戒しているのか、あるいはこちらを宥めようとしてくれているのか。
……たぶん、後者だな。
「さぁ、準備は出来たぞ、立香」
マイルームのベッドの中から現れたのは立香だ。
彼女こそが首謀者。彼女こそが黒幕。
彼女はゆったりと顔を上げ、醜悪な相好を見せる。
「……分かっていたはずだよねぇ、デオンくん。私は君を性的な目で見ている。そう、私は君に欲情している」
「そこまでストレートに表現するつもりはなかったけれど、マスターから感じるそれと同種の何かは感じていたよ。その気配が日に日に増しているのも、ね」
「分かっていたなら、話は単純だよ。エッッなことをしよう。まぐわい、抱き合い、求め合おう。朝まで、ううん、朝を越えてもいつまでもイチャイチャしよう。堪らないねぇ。ワクワクするねぇ」
ヨダレを垂らしてぶっ壊れ発言を続ける立香。
かく言う俺も限界だ。
俺もデオンちゃんに欲情している。
「マスター? 何度も言うようだけど、私はおと――」
「性別不詳、それくらい知ってるよ。だって、君はサーヴァント。人間じゃないもん」
そう、デオンには性別が存在しない。
服を脱がして確認しようにも判別できない。
何故ならそれはそういう概念だからだ。
だから、穴もないし棒もない。
彼女は男でも女でもない。性別不詳という概念そのものなのだ。
――そう、それは知っていた。
だからこそ、俺は心地の良い関係に満足していた。
満足しようとしていたんだ。
……だけど。
「けどさ、そもそも挿入するだけがプレイじゃないよね」
立香は語る。淡々と真実を語る。
そうだ、俺は失念していた。
性別が不詳でも関係ない。
そこに美少女がいるなら関係ない。
俺はそれを貪る獣。
サーヴァントはその受け皿だ。
「な……、何をする、もう一人のマスターっ。君は……」
身をよじるデオンの胸元を、立香が摘まんだ。
「うぅ、……はぅ……」
デオンが顔を赤らめている。
息が荒い。恥ずかしいのか?
その表情が俺たちを加速させる。
欲望が、走り始める。
「マ、マス……うむぅ……」
漏れ出る息も、全て愛おしい。
全部呑み込んでしまいたい。
デオンちゃんの唇を蹂躙し、愛撫する。
甘い唾液を執拗に吸い上げて嚥下する。
堪らない。なんという甘美な蜜。
この美しい少女が腕の中で悶えているという事実に心臓が高鳴り続ける。
「デオンくんの乳首、いっぱい舐めてあげるね」
二人して攻め続けると、デオンはすぐに音を上げた。
快感に耐性がないのか? それともそんなにこれが良いのか?
だが、これくらいで果ててもらっては困る。
……せっかく用意してきたのに勿体ないじゃないか。
「デオンくん分かる? これ、何て言うか知ってる?」
立香がスイッチに指を這わせる。
途端にヴヴヴ……と振動音が鳴り響く。
それをデオンの太腿に触れさせる。
「はぁ……はぁ……うぅん! くぅッ……」
性別不詳だろうと、人間の性感帯はそうそう変わらないらしい。
局部へ近づくにつれて、デオンが息を荒げていく。
そして、俺もそろそろ限界だ。
おもむろにズボンを下ろして、きかん坊をデオンの口元に寄せる。
「立香、こっちは先にもらうぞ?」
「おっけー! 私も後でしてもらうからだいじょうぶだよ!」
まるで気の合う兄妹のような会話。
その内容はあまりにもアレだが。
一方、デオンはというと顔を逸らし、俺のを咥えようとしない。
まぁ、抵抗くらいするよな。貞淑なデオンのことだし。
……仕方ない。
「令呪をもって命ずる。俺たちにご奉仕するんだ。……性的な意味でな」
令呪を二画も使ってしまうのはちょっと勿体ない気もするが、デオンとするためだったら安い買い物だろう。
それに無理矢理よりも自分からしてもらうほうが、具合が良いと思うし。
「むちゅ……はふ……ん、ちゅぅ……くぷ……はぁ……」
辿々しくも一生懸命な舌使いに俺は思考回路が溶けてゆくような心地を感じていた。
そんなデオンの下半身に電マが押し当てられる。
「ふぁああっ! くぅう! あぁあん! はぅう……」
震え悶えるデオンの腰に、立香が腰を重ねる。
電マの振動が二人の股間を刺激し、嬌声が二つ重なった。
快感に震える舌が俺のも刺激して、快感が生み出される。
これは凄い。それ以上の感想が思い浮かばない。
衝動に突き動かされるままに俺は腰を突き上げてデオンの口内を味わう。
「ああっ! デオン! 良いぞ! もう、出そうだ……っ!」
「あ、ああ、良いよ! 私も、イクかも!」
「マスター! もうダメ! じゅるるるる……くちゅるる……!」
そうして俺は頭が真っ白になるまで精を吐き出した。
デオンの頭を抱えて震えながら果てた。
夢のような心地でそのままマイルームのベッドに横たわった。
ベッドにはしばらく三人の荒い吐息が残されていた。
性別不詳という概念。という構想が湧いた瞬間にプレイ内容が決定したような気がします。
追記:余力と欲求が生じれば続きを書きますが、現状ストップしていてすみません。
頼光ママの授乳手コキとかネタはいくらでもあるんですが、書けない日々が続いております。
続ける予定ではあるので、気ままにお待ちいただければと思います。