※この作品はR-18です。

悪夢の転身   作:花木 悠

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美しい肢体

  33-02

扇風機による風に靡く黒い髪に、二人の男は魅了されて益々好きに成る黒田。

次の撮影は実際のシャンプーのシーンを撮影するので、風呂場のセットに成っている。

菜穂は洋服の下に水着を着用して居るので、素早く脱ぐとバスタオルを巻き付けて、メイクさんが髪にシャンプーを付けて上手に仕上げていく。

菜穂の長い黒髪が水に濡れると、カラスの羽の様な黒光りの髪に成った。

「おい、あれを見て見ろ、色っぽいな」黒田は完全に舞い上がってしまって菜穂の虜に成ってしまった。

その言葉を聞いた木原も、バスタオルを巻き付けた菜穂の身体を見て、良い身体だと同じ様な気分に変わってしまった。

事実、竹本プロに所属する時、健康診断に行った病院の女医が「素晴らしいプロポーションに驚きました、肌の色も透き通る様に白いですね」と告げて、健康で総ての数値も正常ですと記入していた。

 

その日を境に、何とか切っ掛けを作ろうと必死の黒田だが菜穂は見向きもしない。

タイプが違うから、メールも電話番号も教える事はない。

それでも時間が空いたら、黒田は菜穂のスケジュールを調べて、局にやって来る事が多く成って困る菜穂。

 

月末に成って、年始の大作時代劇の撮影に週二日入る事に成った菜穂。

木原も同じドラマの共演なので、当然出会う事に成った。

当初予定の主役級女優の突然の降板で、配役が変更に成って木原は殿様の役に成ってしまった。

年齢が合わなく成って脚本が変更されて、元の男優は大御所の設定に成った。

町家の商人の娘役の菜穂が、大奥に上がって将軍役の木原との絡みが実現してしまった。

配役と台本を手渡されて、出演者が挨拶をして和やかに成る。

久々に再会した菜穂も役者では新米なので、木原に挨拶に行くと「意外な役柄で、再会ですね、よろしく」と挨拶された。

菜穂も丁寧にお辞儀をして挨拶をする。

自宅に帰ってから、台本を読みながら始めて木原との、所謂ベッドシーンに驚く菜穂。

将軍の寝室で夜伽をするシーンが克明に書かれていて、サービスシーンに成っていた。

台本に顔を紅潮させる菜穂、初の芝居でいきなりの設定は、視聴者にはインパクトが有ると考えた配役に成っている。

当初は主役の老練な殿様との絡みが、若い殿様に変わった。

 

翌日早速黒田と会うと「黒田には悪いが、俺は菜穂とのベッドシーンの撮影が有るのだよ」

「えー、そんなシーンが有るのか?役得だな!俺の女だからな!間違えるなよ」驚きながらも牽制する黒田。

「芝居だからな、仕方ないよ!ここを読んで見ろ」台本を開いて見せる木原。

「長襦袢姿の菊が横たわる、襦袢の紐を緩める。。。。。。胸を襦袢の上から掴む!おい、これって本当にするのか?」

「当然だろう、その後口づけも有るだろう?」木原が言うと「嘘だろう?清純派の菜穂が?」驚きの後は怒り始める黒田。

「今までのイメージを壊すのが目的だろう?お堅い感じがするからな」

「それが菜穂の良い処だよ、お前に唇を奪われるのは大いなるショックだよ」

「俺は今まで沢山の女と遊んだから、その中の一人に成るかも知れないぞ、俺のキスでな!」黒田の嫉妬を誘う木原は、涼花との関係も有るので満更嘘でも無かった。

その話を聞いて、黒田は益々菜穂が気に成るが、近づく切っ掛けが中々無い。

 

その後スタジオで時々会う様に成る木原は、なるべく菜穂に近づいて親近感を持とうとする。

菜穂は近いうちに撮影に成るシーンの為の緊張を解す為に親切心で、会話をしてくれていると解釈をして応対をしていた。

二人が直接出会うシーンはもう少し先で、直接の撮影が無かった。

翌月には姫路城にロケに向かうメンバーが発表されて、その中に北条菜穂の名前も入っていた。

竹本プロでは、今月に成って漸く菜穂に付き人を付けて身の回りの世話を始めた。

大学を卒業したての、近藤早代でまだまだ芸能界の事情には疎い女だった。

顔とスタイルは普通の若者に見える。

 

姫路城の直ぐ側の考古園を使って、お城に入るシーンの撮影と庭の池で始めて殿様に見初められるシーンの撮影が組まれている。

姫路駅前のホテルに二泊三日の予定で、プロダクションはホテルを用意していたが、菜穂は大学の友人から連絡が有って、早代が一人で宿泊する事に成った。

早代は自分だけならこの様な部屋は用意して貰えないのに、偶然泊まれる事に成って大喜びに成る。

黒田に木原がロケの前に「今度姫路でロケがあるのだが、もしかすると北条菜穂は俺の物に成るかも知れない、悪く思うなよ」と挑発をした。

その言葉に焦る黒田は仕事を放り出して、姫路に追い掛けていった。

黒田は苦労をして菜穂の宿泊場所を突き止めて、乗り込んでも何とか木原との関係を阻止しなければと必死の覚悟を決めている。

初日の撮影が終わると、姫路の歓楽街である魚町に繰り出して、スタッフも交えての懇親会に成った。

菜穂は付き人の早代に、途中で抜けるので後は頼むと言って、トイレに行く事にして抜け出してしまった。

酒を飲む木原は菜穂がトイレに行き始めたので、酔ってきたのかとチャンスが有れば誘おうと目論む。

早代に近づいてカクテルを勧めて酔いつぶして、菜穂とのデートの邪魔をさせない様にしようとした。

「北条さん、トイレ遅いね」早代に言うと「内緒ですよ!もう戻りませんよ!」酔っ払った早代が喋ってしまった。

「何処に行った?」上手く逃げられたと驚く木原。

「姫路に大学の友人が居て、遊びに行きましたよ」そう言いながら、酔っ払った状況の早代。

女性だと聞いて、一安心で席を離れると、早代はそのまま椅子にもたれて眠ってしまう。

お開きの時まで目覚める事は無く、起こされてホテルにタクシーでホテルに帰って行った。

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