※この作品はR-18です。

悪夢の転身   作:花木 悠

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AV女優の悲劇

 33-022

早速取材が飛込む竹本プロ、菜穂は只今休養中です!の一言で終わって反論も何もしない。

だがこの記事が切っ掛けで、一番大手のCM依頼をしていた企業が損害賠償の請求に動いた。

竹本プロではその金額に驚いて、澄江が倒れて病院に搬送された。

翌日の新聞にも大きく取り上げられて、同じCM自粛の企業も追随して損害賠償請求に踏み切った。

菜穂は記事を見て取り急ぎ謝ったが、竹本は自分が雇った近藤早代の事を逆に謝って、菜穂は被害者だから気にしなくて良いよと優しく語った。

 

小柳は竹本プロを訪れて、相談に乗って色々アドバイスをした。

想定出来た事だとは思っていたが、現実に起ると対策に苦慮する事は必定だった。

小柳が知り合いの弁護士を捜して近日中に連れて来ると言って慰めるが、金額の減額は有っても竹本プロには支払える額を超えるのは必定だ。

数日後弁護士を立てて、お互いの意見の集約と妥当な金額が話し合われる様に成る。

 

安達と恭子は、この記事に憤慨をして急遽相談をした。

この近藤早代を潰す事を先に実行しようと、安達が罠を考える事にした。

幸い安達の事を早代は悪く思っていなくて、仲間だと思っている程だから罠に填まり易いと結論着けた。

 

翌週から小柳の紹介した弁護士、鈴木が精力的に各企業の担当者に面会を開始して、長期戦の様相を呈したが、金額の減少が焦点に成るだろうとの見解だった。

 

三月の中旬に成って、闇プロ主催の橘杏樹の断髪ビデオの撮影会が行われた。

AV女優のSM初挑戦とのキャッチタイトルが付いているが、何処にも断髪作品とは書いていない。

知っているのはここの会員で見学に来ている数十人のみで、撮影される橘杏樹も全く知らない。

女スパイが捕らえられて、SMで責められるお決まりのストーリー。

橘杏樹は今年三十三歳、AVの作品には数多く出演していたが、最近年齢と共に売れなく成ったので、プロダクションが本人を説得してSM作品への出演と成った。

会員には各ブースに見学の椅子が置かれて、十数人が着席して撮影が始まるのを待っていた。

お互い有名人も居るのか?目にはマスクを着けて名前の発覚を避けていた。

小柳は横に座った初老の老人に会釈をして「久しぶりの撮影会ですね」と話しかけた。

「私はもう年寄りですから女性は必要無いのですが、昔から女性の髪は好きでね、特に長い髪が切られるのに興奮しますよ」そう言って微笑む。

今までの見学会でも二度程出会った様な気がするが、話をしたのは今日が初めてだ。

「SMは好きなのですか?」小柳が尋ねると「大好きだよ、女が嫌がり痛がるのは大好きじゃな」老人は微笑む。

「最近話題の、北条菜穂はSM好きと書かれていますが?どう思われますか?」小柳が尋ねた。

「ははは、あの子は、SMは知らない子だと思いますよ!誰かが作り上げた話ですよ!もしも実際にあの子のSMが有るなら、幾ら出しても見たいものだよ!お金を持って死ねないからな!」そう言って笑った時に、橘杏樹が黒い皮のジャンパー姿で格好良く現れた。

彼女の裸に興味の有る人は、このスタジオの見学者には一人も居なかった。

ボブの髪が切られるのを楽しみに来ている髪フェチの集まりだった。

 

麻薬の密売組織に潜入捜査官として、忍び込んだ橘杏樹がマフィァに捕らえられたシーンからの撮影に成っている。

AVビデオの場合、九割はSEXのシーンか、女性の肌か露出しているので物語性は殆ど失われている。

「シーン11、スタート」のかけ声がスタジオに響いて、撮影が始まった。

杏樹のジャンパーが剥ぎ取られると、何故か下着の様なボディスーツが現れて、既に乳首がスーツに張り付いて見えている。

直ぐに縄でその胸を縛り上げてしまう、縛り上げるのは梶原だが画面には映らないで、手先だけがアップに成っている。

俳優は、小牧、小松の二人がこのシーンの担当の様だ。

素早い縛り方で、乳房に縄が巻かれて飛び出した状態に成った。

「少し、痛いわ、もう少し緩めに縛ってよ!」杏樹が文句を言うと「カット!」有藤が大きな声で撮影を止めた。

「本番中に、台詞以外の事を喋らないで下さい」と怒る有藤。

「だってSM初めてで、こんなに痛いとは思わなかったのよ」と言い訳を始めた。

「シーン12スタート」の声で、滑車が回って身体が浮き上がる。

「いやー、痛い!やめろ!」と騒ぐが、今度はカットが無い。

嫌がる仕草が、良いと有藤はそのまま撮影を続行すると「痛いーー、降ろせ!」杏樹は益々大きな声で騒ぐ。

小牧が猿轡を手に持っている絵が撮影されると「カット」の声に、降ろして貰えると安堵の顔に成ったが、脚立に上がって梶原が「口を開けて」と杏樹に言う。

「何よ!降ろしてよ」いきなり鼻を摘まむ梶原、苦しくなって口を開くと、猿轡のボールが口に填められてしまった。

「うぅ、うぅ」の声がするのみに、後頭部でベルトを締め上げる。

「シーン12、延長!」の声に杏樹の顔色が変わる。

この撮影所での撮影は初めてで、昨日異なるシーンを撮ったが普通で今日は雰囲気が異なる。

観客席迄設置されて、緊縛シーンが初めての杏樹には恐怖の気持ちが表れていた。

スラックスを小松が脱がし始める。

このシーンは台本に有ったが、吊されるシーンがこれ程の痛みを伴う事は想定外。

スラックスを脱がすとパンティ一枚に成る。

上半身はボディスーツの様な生地の、ノーブラ状態だ。

台詞が始まって「麻薬捜査のプロもここは鍛えて無いだろう?」小松がハサミの先で、パンティを突いた。

 

 

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