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有藤が「この鬘を使えませんか?」菜穂の髪より短い鬘を見せて丈に尋ねる。
菜穂と同じ長さの鬘の使い道が他に必要に成るのではとの考えが浮かんだのと、同じ物が一つしか手に入らなかったのだ。
「カメラで適当に変えられるなら、アップで撮影すればそれでも大丈夫ですよ」有藤の不安をいとも簡単に受け入れた丈に驚く。
「その鬘は使わない、これを二つ使って誤魔化す」と山本と鈴木に伝える。
K&Cの美容院がスタジオに再現されて、準備が始まって有藤が丈と菜穂に段取りを説明して、微笑む菜穂。
カメラの馬淵と仙道を交えて、打ち合わせを始めて撮影方法が決まった。
最初は鬘を着けずにそのままで撮影が始まって、丈の手先がアップに成った時、予備の髪を切って短く成った時、鬘の菜穂の全体の姿にして、今度はその鬘を切ってショートボブに仕上げる方法にした。
丈は菜穂の髪を切りたくない気持ちが大きく、これ程綺麗なロングの黒髪の人には中々巡り会わない事を充分知っていたのと、スキャンダルの為に仕方なく切る事を充分知っていた。
しばらくして「シーン一、スタート」のかけ声で、菜穂の髪を櫛でとき始める丈には至福の時だった。
「綺麗な髪ですが?今日はどの様な髪型にしましょうか?」
「大胆なショートにして欲しいのです、イメージチェンジをしたいのです!お願いします」台詞を言って、ハサミを菜穂の黒髪に入れた時「カット」で終わった。
「シーン二」で、今度は手先のアップに成って、丈のハサミが大胆に用意された髪を切り裂いていた。
菜穂はセミロングの鬘を着けて再び鏡の前に戻ると「シーン三、スタート」のかけ声で、菜穂のセミロングの鬘を「ジョキ、ジョキ」と大胆に切っていくと、ショートボブに仕上げていく丈。
鏡の中にイメージの大きく変わった菜穂が現れて「カット」の声に撮影が終わった。
「お上手ね、綺麗だわ」と丈に小さな声で言うと「ありがとう」そう言いながら照れる。
「次、そのまま全身を撮影します」の有藤の声に隣の部屋に向かう菜穂。
「頑張って!」と声をかける丈は笑顔で菜穂を見送った。
「シーン四、スタート」で全身の姿を写して、髪型と服装の撮影が終わった。
「次水着の準備をして、三番のスタジオに半時間後」有藤が全員に伝えた。
着替えの部屋で水着に着替える菜穂が「こんなに小さいの?」と水着の小ささに驚く。
カメラが仕掛けて有るとは知らない菜穂は、衣服を脱いでビキニを身に着ける。
Dカップの乳房がはみ出しそうな小さなブラと、同じく以前の陰毛なら確実にはみ出す小さなパンツに着替えている。
「早いな、陰毛は既に相当生えている!伸びるのが早い!」有藤がモニターを見て言う。
咲江が「自然に成るわね、撮影の時は元に戻るのね」と今後の調教の事を考えているのか、微笑んでいた。
「衣川老人が喜びますね」有藤が言うと「一度経験しているから今度はもっと感じてしまいますよ!あの子、クリトリスも剝きましたから、どれ程この前よりも進化しているか私も楽しみです」
「DVDも表と裏を発売予定ですから、相当売れると想います」
「闇プロの最高作品に成る可能性が有りますね」
「素晴らしい身体ですね、私もこの仕事何年もしていますが十年に一度の逸材ですね」
「そうなのよ、だから私も最高に調教したいのよ!あの黒髪を切るのは気乗りしていないけれど、スポンサーは神様ですからね」と微笑む。
自分だけが菜穂が遊んでいない初心な女性だと知っている自負が、咲江を一層奮い立たせていた。
しばらくしてガウンを着て、菜穂が三番のスタジオに入って来た。
夏らしいセットと小道具、バックの空のスクリーンと合わせると海に居て今にも泳げる感じがする。
「シーン五、スタート」のかけ声で、ガウンを脱ぎ捨てて走ってくる菜穂を、カメラが追い掛ける。
バックが白に変わって、寝そべった姿を撮影する。
髪型を強調するカットで、数分間の撮影が行われる。
スタジオの間から、丈がその眩しい肢体に目を細めて眺めている。
しばらくして「カット」の声に、慌ててガウンを纏う菜穂。
「綺麗に撮影が出来ました!お疲れ様」の声に丈が出て来て「綺麗でしたよ」と声をかけると「恥ずかしいわ、生まれて初めてよ!こんな水着着たのは」と照れ笑いの菜穂。
「帰り祖父の処に行きますが、一緒に行きませんか?」と誘う丈。
「一度御礼にお伺いしなければと、思っていました!連れて行って貰えますか?」笑顔で言う。
「そう?行ってくれますか?ありがとう」と笑顔の丈。
「着替えてきます」丈に誘われて悪い気はしていなかった菜穂。
鈴木達に「衣川のお爺さんに挨拶に行ってきますので、送って頂かなくても大丈夫です」と着替えて挨拶をした。
それを聞いた咲江と有藤は驚いて唖然としていた。
自分の陰毛を剃り落として楽しんだ爺さんに、御礼に向かうとは考えもしていなかった。
その上菜穂はショートボブの鬘の状態で、丈の車に乗り込んでしまって颯爽とスタジオを後にした。
「短い髪もお似合いですね」と車の中で言われて、始めて鬘の状態を思い出す菜穂。
「あっ、忘れていました」と外そうとするのを、丈が「お爺さんを驚かせましょう」と止めた。
「何処かで食事をしてから向かいましょうか?」時計を見ながら微笑む。
丈はすっかり菜穂の虜に成っていたので、成るべく長い間一緒の時間を過ごしたい気分に成っている。
お金持ちの御曹司で独身、二枚目、菜穂は超が付く美人、二人がレストランに入ると客が「あれ、北条菜穂?」「違うよ、髪が短いから別人よ」と囁く声に二人は悪い気はしていない。
この様な冒険も時には楽しいと思っている菜穂。
楽しい一時を過ごした二人は、衣川拓次郎の自宅に向かった。