※この作品はR-18です。

悪夢の転身   作:花木 悠

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始まった撮影

33-047

撮影は十一時過ぎに始まった。

菜穂が湯殿から二人の侍女に連れられて現れて、そこに山本演じるお局が登場して「今夜は将軍の寝所には行けません」と遮る。

「無礼者、私の行く手を遮るとは、お袖様とは言え許せませぬ!そこを空けなさい!」と言った時、横に付いていた侍女がいきなり菊乃の身体を押さえる。

声を上げ様とした時、もう一人が口を塞ぐ「うぅ。な。。。」と暴れると、山本が手拭いを丸めて塞いだ手を退けて菊乃の口にねじ込む。

「うぅ」恐怖の顔に変わる菊乃の手を縛り上げると「カット」の声がして「少し、緩い感じがする全体的に厳しくしなければ駄目です!遠慮は駄目です!菊乃ももっと必死で逃げて下さい」と有藤がNGにした。

この後のシーンに役立たせる為の布石で、菜穂にはそれが判らないので、もっと厳しくされるのだと思ってしまうのだ。

「シーン二十-の二回目スタート」同じ撮影が行われて、この前よりも逃げる方も捕らえる方も真剣に成っているが、再び「カット」の声に成る。

一度衣服を整える休憩に成ったので、衣川が「このシーンが大事なのですか?」と横の有藤に尋ねる。

「はい、ここをしっかりしておけば、強く縛られても不思議に思いませんでしょう?」

「成る程、次の布石ですか?」納得した様に話した衣川。

「髪を乱したら駄目ですよ、大事な物ですからね」と今度は注文をつける衣川老人。

 

咲江は既に町医者の衣装と鬘を着けて、顔には江戸時代のマスクの布を鼻から下に着けて、人相が判らなく目だけが出ている。

前田も、杉本も同じ様な衣装と布を着けて人相を隠している。

千田だけは顔を露出して菜穂がここに連れ込まれたら、対応をする事に成っている。

ガスのボンベは判ら無い様に、手術台の下に隠されてホースも布が巻き付けられ、マスクの部分は布でカムフラージュされている。

台本では麻酔薬の布を鼻に当てられて気を負しなう菊乃、手術が始まって危機一髪で浪人轟小平太が乱入して救われる設定で、この場面は気絶しているので全く台詞が無いのだ。

「先生、ガスは何秒?」千田が尋ねる。

「総てをガスで押しきるのは無理なのよ、二穴調教は意識が戻って記憶に残ってしまうと思うのよ、縛る時間も必要だから最後までは無理、多分前半でもう身体は性奴隷に成るでしょう、後半はもうお任せ状態に成っていると思うから、三時間で二十秒って感じだわね」

「それって、ぎりぎりですね」千田が懸念する。

「慎重に吸わせてよ、長いと意識が無いから面白く無いわよ」

「前半の殆どがここの撮影ですから、失敗すればおしまいですね」と微笑む千田。

自分の得意のアナル調教は後半戦に成るから、ここでの失敗は自分も面白く無い千田。

アナル処女の北条菜穂に、調教出来る楽しみは千田には楽しい以外の何物でも無い。

先日の脱毛エステの結果を聞いて、アナルも開発可能と知って今日も色々な責めを考えていた。

 

「はい、本番行きます」の有藤の声に、スタジオに緊張が走る。

今度は一発でOKを期待して「シーン二十、スタート」のかけ声で、見違える様な荒々しい勢いで菊乃役の菜穂を捕らえる三人の女、痛い程だがこれは仕方が無いのだと納得して、猿轡に手を縛られて廊下を連れ去られて行った菊乃。

「カット!良かった、そのまま駕籠に押し込められて町医者のシーンに進むぞ!」

菜穂の縄も猿轡もそのままで、駕籠の近くで武士の三人と山本の局の登場に成る。

「菊乃は逃げたい感じを表現して下さい!それではシーン二十一、スタート」の声に始まる。

暴れる菊乃を三人の武士が駕籠に押し込むと、山本が「中条流に、急いで」と駕籠を担ぐ男と、武士に伝える。

「カット」の声と同時に、背景が変わって「次、町医者前の撮影!轟小平太が、その様子を近くの茶屋の二階から見ているシーン」と有藤が伝えて「シーン二十二、スタート」のかけ声で始まる。

駕籠が町医者の路地に到着して、駕籠から運び出される菊乃、その様子を見ている轟。

戸を開いて「先生、連れて来ました、段取り通りお願いします」と山本の台詞。

「奥に連れて行って下さい、先生がお待ちです」千田が答えて、抱えられて運ばれる菊乃。

「カット!良かった」喜ぶ有藤が「もう、お昼過ぎている、休憩!シーン二十三は一時半から撮影!」と大きな声で告げる。

「中々撮影はこんなに近くで見ないので、興奮するよ」衣川が嬉しそうに話す。

「次は第二スタジオですよ」小柳に言われて「わくわくするよ、楽しみだよ」と椅子を立ち上がる。

 

「応接に弁当が届いています、一緒に食べましょう」有藤が誘って応接に連れて行く。

部屋に入るとお茶と弁当が四つ置いて在る。

「誰かお客さんか?」衣川が尋ねると「北条菜穂さんがご挨拶を兼ねて、ご一緒されますよ」

「本当か、そりゃ嬉しい!汚れる前の最後の晩餐だ!」そう言って笑いながら椅子に座る。

しばらくして、衣装の上にガウンの様な薄い物を羽織って応接に入って来た菜穂。

「こんにちは、お世話に成っています」とお辞儀をした菜穂。

「ここで、一緒に昼食をしましょう」と有藤が勧めて、隣の椅子に座る菜穂は着物の前が気に成る様子で腰掛けた。

事前にこの食事の席の事は言われていたので、違和感は無いが衣装のままなので気に成る事は多かった。

「中々、良かったよ、似合うね!時代劇が」衣川老人が菜穂の髪を舐める様に見ている。

「中々迫真の演技だったが、実際は痛かったの?」小柳が尋ねると「はい、とっても痛いのですが、我慢しました」と答える菜穂。

「縛られるのは好きだろう?」衣川が尋ねると「お祖父様!私は嫌いです、誤解をされているのですわ」と丈のお爺さんが頭の中に在る菜穂が思わず喋ってしまった。

「衣川会長の事をお祖父様と呼ばれましたね、身内の様だ」小柳が言う。

「わしは嬉しいな!親しみを感じるぞ!今後もその様に呼んでくれて良いぞ」と上機嫌に成って弁当と食べ始める。

「これは、美味い弁当だな、有藤監督!いつもこの様な美味しい弁当を食べているのかね」

小柳も有藤も特別美味しいとは思わなかったが、話を合わせて「美味しいですね」と声を揃えた。

 

 

 

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