※この作品はR-18です。

悪夢の転身   作:花木 悠

5 / 58
緊縛撮影

  33-05

これを境に話をする事が増えた二人、菜穂には久々のキスに乳房を揉まれたショックは、逆に好意を持っているのだと思ってしまった。

同時に貞操観念も芽生えて、キスをした人に対して恋心までも持った。

 

出演者のスケジュールに合わせての撮影に成るので、撮影の進み具合が遅くなっている。

一応撮影終了が十一月初旬、オンエアーが一月二日の予定で撮影が進む。

主役のスターが、大奥の不正を暴いて悪者を一掃してしまうストーリーで、菜穂の役柄は善の役どころ、木原は将軍役なので中立の立場。

寝所のシーンは一度切りで、その後二人の撮影は殆ど無く成る。

世継ぎの男子の死亡で、世継ぎ騒動が勃発して、陰謀渦巻く大奥に成ってしまう。

二派に別れての、世継ぎ争いに巻き込まれる菜穂。

今度の撮影は、妊っているとの噂に敵対する一派に誘拐されて、将軍から遠ざけられてしまう場面。

時々スタジオで顔を合わせると、雑談をして次第に菜穂は心開いていた。

早代に「木原さんって、独身なの?」と尋ね始める。

「奥様も子供も居たと思いますよ」そう言って近づくのを牽制する早代。

早代は黒田に逐一連絡をしていたが、撮影のシーンの話はしていない。

何事も無く、報告するだけでお金が貰えればそれで充分だったからだ。

 

だが予想外の事が早代の身に起って、情報を送る以前の問題に成った。

一度のSEXで、黒田の子供を妊娠してしまった早代は、黒田に相談をする。

驚く黒田は、誰か他の人の子供だろう?と嘯くが「生まれたら判るわ、その時に驚かない事ね」と逆に脅されてしまう。

恐くなった黒田は下手に出るが「私は産むわ」と黒田を困らせてしまう。

堕してくれる様に再三頼むが、早代は相手にしない。

黒田には菜穂の事以上の大事件に成って、プロダクションの社長斉藤に相談をして方策を考える事にした。

黒田は斉藤プロでも、重要な稼ぎをする歌手、斉藤はその早代を説き伏せて堕胎をさせようと黒田に変わって交渉をした。

「一千万貰えたら考えるわ、それ以上は負けませんよ」と強気の態度。

斉藤は早代の態度に、もし子供が生まれたらもっと多くの金を要求されるのでは?不安が芽生えた。

斉藤が松宮淳三に相談をすると「咲江に頼むのが一番だな!危険な芽は摘むのが一番だ」と答えた。

斉藤から黒田に薬が手渡されて「これを飲ませれば、お腹が痛くなるから連れて行きなさい」と松宮婦人科の住所を手渡した。

 

丁度同じ時期に、菜穂は妊娠を疑われて誘拐されるシーンの撮影に、早代は本当の妊娠を堕胎される事に成っていく。

スタジオで、誘拐されて責められるシーンのリハーサルが行われて、手首に日本手拭いを巻かれて、縄を中央にして吊り上げられている様に見せる。

テイシャツにズボン姿のリハーサル、撮影の角度で苦しい表情をして、吊り下げられている様に見せるリハーサル。

小柳の作戦で、菜穂に安心をさせているが、岩崎監督とは打ち合わせ済み。

勿論大道具の係とは綿密な打ち合わせが行われていた。

このシーンまでは昨日撮影が終わって、妊っているのを確かめる為に問いただした後のシーンだ。

夕方に成って、着物姿に着替えてスタジオで撮影の前に「リハーサルの画像にクレームが付いて、縛り方を変更する。リハーサルの腕だけの縛りでは体重を支えられない!の結論が出た」岩崎が出演者に説明をした。

縛られる菜穂は驚きの表情をしたが、今まで見た事も無い男が現れて「梶原です、どうぞよろしく」と挨拶をした。

小柳の知り合いの有藤が頼まれて送り込んだ闇プロの縄師だ。

両腕を後ろに廻して縄で縛っていく、予定に無い事に戸惑いながらも縛られていく。

「じゃあ、梶原さんお願いします」岩崎監督が言うと、菜穂の着物の乳房の下に縄を巻き付ける。

「痛い!」強く縛られて口走ると「緩く縛ると危険ですから我慢して下さい」と梶原が言う。

今度は乳房の上辺りにもう一本の縄を巻き付けると、同じ様に縛る。

天井からの、縄に結び目を縛り付ける。

天井には滑車が取り付けられて、反対側から引っ張ると菜穂の身体が浮き上がる様に成っている。

「口を開いて下さい」梶原に言われて少し開くと、これも予定に無い日本手拭いを中央で結んだ結び目が口にすっぽりと入った。

空かさず手拭いを後頭部の下で、強く結ぶと、完全に猿轡に成ってしまった。

「準備が出来た、本番スタート」の監督の声と同時に、菜穂が驚きの表情に変わる。

身体が床から離れて、吊り下げられてしまった。

体重が上半身に重くのしかかって、乳房が一段と締め付けられて苦しくなっていた。

眼下では共演者達が、延々と台詞を言うが、菜穂には痛みで殆ど聞き取れない。

結局長時間吊り下げられて、くたくたに成って撮影が終了した。

「良い感じに出来上がりました、ご苦労様」岩崎が労いの言葉を菜穂にかける。

小柳が来て「中々良い演技でした、良かったです」と言ったが、腕を摩りながら「はい、疲れました」以外の言葉は見つからなかった。

 

「大変な撮影だった様だね」木原が労いの言葉を菜穂にかけて、気分が少し良く成った。

「今夜これから、食事でも行きませんか?」

「そうね、今夜の撮影は本当に死ぬかと思いました」意気投合して、三人で食事に出かける約束をした菜穂。

早代は黒田に呼びだされて、同じく食事の予定に成っている。

本来なら、この食事の情報は流れるのだが、黒田との話の成り行き次第に変わっていた。

「北条さん、今夜は用事が有りますから、これで失礼します」一緒に行く予定の早代に断られて、結局二人に成ってしまった菜穂。

二人には厄日が、訪れた様だ。

 

 

 

 

 

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