33-06
同じ時間に、異なる場所で食事を始める早代と菜穂。
十月初旬の夜は少し風が冷たい。
木原はレストランを都内の有名なホテル内に予約をして、内緒で部屋も準備をしていた。
上手く事が運べば今夜このホテルで、初めてのSEXが出来る手筈を整えていた。
当初は付き人が一緒だから困っていたが、居なく成って木原には絶好の機会の到来だ。
早代も黒田から今後の事を相談したい、金額も提示させて欲しいと譲歩の話を持ちかけていた。
早代は子供の事を考えると産みたくは無かったが、出来るだけお金を引き出すには、駆け引きが必要と考えていた。
堕胎をするには、今月が限界だとも思っていたから交渉に乗った形だった。
黒田は上手に誘い出して、斉藤から貰った薬を飲ませて、松宮婦人科に運んで堕胎手術をしてしまう目論んだ。
咲江達は、今夜は残業で手術をする事にしていた。
有藤から北条菜穂の付き人だから、今後何かの役に立つ可能性が有るとも聞いたので、乗り気に成った。
有藤は咲江が清楚で知的な美人を崩壊させる事には、触手が伸びる癖を見抜いていた。
「あの美人アナウンサーでしょう?」千田がコーヒーを飲みながら話す。
「髪が背中の真ん中位有って綺麗人ね、最近CMも数社出ているので見ない日が無いわ」前田が思い出して話す。
「清楚な感じの女程一度壊れると脆いのよ、来年の正月特番に出ているみたい」杉本が知っている情報を話して盛り上がっている。
「今夜連れて来るかな?」
「もう、必死だから、連れて来ると思うわよ!黒田も馬鹿ね、変な女として妊娠させたら最悪よ」三人の会話が盛り上がっていた頃、黒田は早代がトイレに行った隙に水の中に液体の薬を混入させる。
水が飲みたくなる辛い料理を特に注文して、チャンスを待っていた。
元々、早代は辛い料理が好きだから、黒田には絶好の機会に成った。
トイレから戻ると「子供の養育費で、月に百万貰えるのね、それなら産むね!今トイレで考えて居たのだけれど、本当は黒田さん子供が欲しかったのね!」笑顔で話す。
「そうだよ、田舎の両親に話したら、子供が出来たら産んだ方が良いと言われたのでね!」
「結婚をしてくれるの?」嬉しそうに尋ねると「それも考えて居る」その言葉に嬉しくなったのか、グラスの水を一気に飲み干した。
「少し、ドライブに行こうか?星の綺麗な場所に!」ロマンチックな誘いに、嬉しくなってレストランを出る二人。
車に乗せて松宮婦人科に向かうとは考えても居ない早代。
半時間以内に腹痛に成るから、痛くなる前に車に乗せて置きなさいと指示されていた。
車で高速を走っていると、無口に成った早代に「急に黙って、どうしたの?」と尋ねる黒田。
「少しお腹が痛いのよ」お腹を押さえている。
ほくそ笑む黒田は教えられた病院に向かって車を飛ばす。
「黒田さん、病院に連れて行って、流産かも知れない!急いで!お願い」声を出すのも苦しい状態に変わった早代。
電話をしている黒田、全く関係の無い処に「急病人です、診て頂けませんか?」と話して「駄目だ、次聞いて見る」二番目の電話をして、三番目に「すみません、腹痛で流産かも知れません診察お願い出来ませんか?」と前田に電話をした。
「早代さん、病院見つかったよ」と言うと「そう。。。。。。よか。。。。」とだけ話すとシートを倒して、横に成ろうとした。
もう、松宮婦人科は目の前に迫っていた。
「もう直ぐだ、頑張れ!」元気付けると、目の前にストレッチャーを用意して待つ前田と杉本。
目で合図をして、車を止めて助手席の扉を開いて、抱きかかえてストレッチャーに早代を載せた黒田は、表情が和らいで「後はよろしくお願いします」とお辞儀をした。
明日の朝迎えに来たら、総てが終わっているから、安心して来なさいと咲江に耳打ちされて、嬉しそうに帰って行った。
診察室で痛み止めの注射の後「ここが痛いの?」とお腹を服の上から押さえて様子を診る咲江。
「はい、その辺りです」多少は痛みが和らいできた早代が答える。
「子宮ね、妊娠しているのでしょう?赤ちゃん無理かも知れないわね」
手術室に運び込んで「スカート脱がせるからね」杉本がスカートを素早く脱がせると、前田がパンティストッキングと一緒に、パンティも脱がして下半身を露出させた。
「何処かの病院に通っているの?」聞かれて頷く早代。
「明日、教えてね、連絡をして置くからね」
直ぐに手術台に寝かされて、足を固定するとカーテンで仕切る。
時間が遅いので、直ぐに手術をしてしまおうと決めている四人。
大きく開かれた両足「クスコ!」と咲江が言うと、ローションを塗り込んだクスコが手渡されて、早代の膣に挿入した。
「力を抜いて下さい」の言葉と同時にアヒルの嘴の様なクスコの先が開いて、膣口が大きく開いた。
中に長い器具を入れて診察の形を感じさせると「残念です、流産ですね」と教える咲江。
「そうですか?」とか細い声。
「それでは手術をしましょう、麻酔をしますからね、目覚めたら明日の朝ですよ、残念でしたね」
前田が直ぐに麻酔の注射を持って、早代の顔の処に来た。
「全身麻酔ですから、注射が終わったら数を数えて下さいね」
直ぐに腕に注射を始めるが、流石に緊張している早代は「大丈夫ですか?」と尋ねる。
麻酔薬が早代の身体に注入されて「はい、数えて下さい」前田が言う。
「ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、い。。。。。。」で早代は完全に眠りに落ちた。
麻酔が終わると、咲江は早速手術を始める。
通常の手術よりも手荒い、準備もしていないので無理矢理広げて、胎児をかき出さなければ成らない。
この手術でこの女性はもう子供が出来ないかも知れないのだ。
恐い咲江は、その様な心配は全くしていないで、この女の運だと思っていた。