KAN-SENは指揮官が急にオープンスケベとなってムラムラしているようです 作:ねんころり
指揮官、まだこの世界の意味に気づかなかった。次回こそは気づくはず(多分)。
あれから俺はKAN-SEN達からの妙にねっとりした視線に違和感を覚えながら朝食を取った。そういや途中から綾波が遅れて食堂に来たな。さっきとは違って何かをやり遂げたような顔だったが。
理由を聞いても顔を赤くしながら「な、ナニです! あっ、違、何でも無いです!」としか言ってくれないし……まぁ女の子には色々と話しにくいことだってあるだろうし、詮索するのはやめておいた。
「やっぱここの飯は上手いわ。昼飯が待ち遠しいな」
「し、指揮官……」
「ん? 何?」
「その、いつまでその格好でいるのですか?」
(さっき抜いたばかりなのに、またムラムラしてきちゃうです……)
「いつまでって、今更何言ってんだ? 俺、ここ最近はいつもこんな感じじゃん」
「嘘ですッ!!!」
「うおっ!? 急に大声出すなよ!?」
切羽詰まった顔で「嘘ですッ!!!」だなんて叫ばれたらビビるじゃないか! というかそれどっちかっつーと赤城の台詞じゃね? あっちは「嘘だッ!!!」だけど。
「昨日までしっかり上着を羽織っていたじゃないですか! それで時々ハンカチで汗をぬぐう姿がエロ……」
「ん?」
「あわわっ、その、とにかくっ! その恰好じゃいつか痴女に襲われるです! ただでさえここは女の人で一杯なのに……」
「いやいや何で男が薄着で女に襲われるんだよ。普通逆じゃん」
「…………」
あれ? 綾波が「何言ってんだこいつ」みたいな顔で俺を見てくるんだけど。俺おかしいこと言ったか?
「指揮官、まさか暑さで頭がサンディエゴになってしまったのですか……?」
「とりあえずサンディエゴに謝……らなくて良いか。そんなこと無いって。俺はむしろ綾波の方がおかしいと思うぞ」
「とにかく! 暑いとは思いますけど、ちゃんと上着を着て下さい! ナニかあってからじゃ遅いです!」
(目の保養が無くなるのは惜しいですけど、指揮官がどこの誰かも分からない馬の骨にレ○プされる方が大問題です!)
うわっ、綾波の目がマジだ。これは素直に言うことを聞いておいた方が良いか。マジモードの綾波を拗ねさせると、すぐに引き篭もって可愛いストライキ起こすからな……
「分かった分かった。部屋に戻ったらちゃんと着るから」
「約束です。でないと……我慢出来ず襲いたくなっちゃうのです……」
「ん?」
「な、何でも無いです」
「あづい……やっぱり上着なんて寒い時期以外着るもんじゃないな……」
俺は現在、エアコンがぶっ壊れた部屋で上着を羽織りつつ汗だくで書類仕事をしている。もはや何度タオルで汗を拭いたか分からない。一応扇風機は付けているが、この暑さでは焼け石に水だ。
しかしKAN-SEN達はこの程度では済まない。この炎天下の中、クッソ重い艤装を背負って海へ出向き、直射日光に晒されながらセイレーンと戦わなければならない訳だ。うん、そっちの方が辛いな。
だから俺は暑い暑いと愚痴をこぼしつつも、せめて仕事はサボらずにやろうと心がけている。ただし俺の決心は豆腐より柔らかいので、あまりに暑いと決心を全力で投げ捨ててダラけてしまうのだが。
コンコンコン……
「んぁ? どうぞ~」
時間的に委託組か。この暑さで遠方まで出向かせるのは申し訳無いよなぁ……サボると上から怒られる以上仕方ないんだけどさ。
ガチャッ……
「指揮官さ~ん……今回も無事成功しましたよぉ……」どたぷ~んっ!
「はぁ~……汗が止まらないわ……」どたぷ~んっ!
「みんなだらしないなぁ~! こういう時こそ元気にいかないと~!」どたぷ~んっ!
「とか言いつつ貴女も脱いでるじゃないの!」たぷんっ!
「そりゃ昨日より最高気温高いからな~」たぷんっ!
「すみません、指揮官様……どうしても暑くて……」たぷんっ!
「どぅわあああああああああああああああああああああああああああああッ!?」
「ひゃあっ!? ど、どうしたんですか指揮官さん!?」
「どうしたもこうしたもあるかぁッ!! お前らなんつーカッコしてんだよッ!?」
ドアが開いた瞬間あまりの衝撃に目ん玉が飛び出しそうになったわッ!! だってサフォークとセントルイスと寧海が上着脱いでブラジャー丸見えの状態なんだぞ!?
しかもサンディエゴと夕立と荒潮に至ってはおっぱい丸出しじゃねえか!! いくら暑いからってお前らが脱ぐか!? 人がいない海上だからって普通脱ぐか!?
羞恥心どこいったんだよ!? マジで頭が暑さでオーバーヒートしたのか!? いや百歩譲って海上で脱いだとしても、そのままの恰好で俺の所に来るか普通!?
「何慌ててるのよ指揮官くん。私達、この前からずっとこんな感じじゃない。ただでさえ暑くて上着羽織ってるのも辛いのよ」
この前からだと!? 俺の記憶が正しければお前らは昨日まで暑い中でもしっかり服を着て任務こなしてたじゃんか!!
「し、指揮官には言われたくないよ!? 指揮官だって、さっき食堂に来た時……その、上着脱いでたでしょ? あまりの暑さに頭が私みたいになっちゃったのかと思ったもん! エロ過ぎて今でも思い出しちゃうくらいだよ……」
「いやいや男が上着脱いでるのは普通だろ!! むしろ女がブラ丸出しやトップレスでいる方が遥かにヤバいわ!!」
今だっておっぱいガン見したい欲求を必死に抑えて全力で目をそらしてるんだぞ!? 後でセクハラだと訴えられたら俺の人生が一瞬にして粉々になっちまう!!
実を言うと一瞬だけたわわな果実とかピンク色の乳首とか見えたけどノーカン! 不意打ちでじっくり眺める暇すら無かったからノーカン! 誰が何と言おうがノーカン!!
「えっ、何言ってるの? 別に女の人が上を脱いでいても、せいぜい『暑いのかな?』だとか『筋トレ中かな?』と思われるだけでしょ?」
「……は?」
「逆に男性の方が、その……胸部を露出していたら、女性の方に襲われかねません……」
「いや、えっ……?」
「指揮官、本当に大丈夫か?
「…………」
サフォーク達から目を逸らしつつ考える。言われてみれば、KAN-SEN達の態度がおかしくなったのは
こいつらは男の俺に対しても平気で胸を見せつけてくるし、それを恥ずかしがっている様子も無い。むしろ俺が説得しようとすればするほど、
これだけならKAN-SEN達が総出でドッキリか何かを仕掛けて、俺をからかっていると強引に結論付けることも出来る。だが今朝のニュースの内容を考えれば、ドッキリの可能性は無いと断言して良いだろう。
流石にテレビで放送している内容まで弄ることは出来ないはず……出来ないよな? まさかテレビ局にコネ持ってるKAN-SENはいないよな? ……いないと信じよう。うん。
そこまで頭を巡らせていると、俺の中にある一つの仮説が浮かび上がる。それこそ現実的にあり得ないような、とてつもなく都合の良い仮説が……いや待て。まだ俺が寝ぼけてるだけの可能性もあるだろ。
「……すまん。誰でも良いから、俺の頬を思いっきりつねってくれないか?」
「つねれば良いの? オッケー! えいっ!」
「いだだだだっ!?」
「あっ……ご、ごめんね!? 思いきりって言われたから、つい……」
「ちょっとサンディエゴ! 男の人の顔に傷を付けるとか何考えてるのよ!?」
「だ、だって指揮官がつねってって言うから……」
「…………」
たった今サンディエゴに頬が千切れるかと思うくらいつねられて理解した。これは恐らく夢じゃない。となると、いよいよ俺の仮説が現実味を帯びてくる。
いや我ながら何考えてるんだと思わなくもないが、今朝からの出来事を思い出したらそうとしか考えられないんだよ。現にサフォーク達はおっぱいやブラ丸出しでも平然としてる訳で……
「指揮官さん?」
「指揮官くん?」
「「「指揮官?」」」
「指揮官様?」
「……あー、うん。暑い中任務ご苦労さん。さっきは取り乱して悪かったな。今日はもう非番だし早く自室へ帰って休んどけ」
仮説が正しいならまだしも、間違ってたら洒落にならないんだよこの状況。後で訴えるとかマジでやめてくれよ?
「何だか、指揮官さんが急に落ち着きを取り戻しました~」どたぷ~んっ!
「さっきまであんなに慌てていて可愛かったのに」どたぷ~んっ!
「何か変な物でも食べたんじゃない? あ、朝から下着で食堂に来るほどだし……♡」どたぷ~んっ!
「さ、サンディエゴ……!」たぷんっ!
(あ、あれは凄かったな~……飯食べてる間ずっとガン見しちゃった……♡)たぷんっ!
(……あの刺激的な光景は、しばらく忘れられそうにありません。今でも鮮明に……♡)たぷんっ!
「…………」
ごめんやっぱ取り消し。もうちょっとだけ帰らないで。この際だからチラチラ見て脳内におっぱい焼き付けとくから。もしかすると二度と見られない光景かもしれないし。
訴えられるのは怖いけど俺だって男なんだよ。性欲には勝てないんだよ。目の前に美少女達の綺麗なおっぱいがあるんだぞ? たゆんたゆんしてんだぞ! 我慢するなんて無理だろ!!
2019.10.3 改行部分を微修正