人脈チートだけれども、それに気が付かず、15年間うだつの上がらない生活を送っている(主観)やさぐれ転生者は今日も美人局(笑)を躱して平穏を享受する 作:KeI77777
KEY(ドS)と申します
今回は、前回の話の続き。
野宿する彼らの運命は(他人事)
それでは、ご覧ください(KBTIT)
KEY(ドS)
「おらぁっ!!」
手に馴染む剣を斜め上から振り下ろし
水色の物体を切りつける。
一体を葬り去ることはできたが、
他にも何体も俺の周りににじりよってきており、
ジリ貧のところ、ついにその時がやってきた。
「---先生っ!!できましたっ!!」
「---っしゃ!!ぶっぱなせぇっ!!」
全力でその場から走り出し、顔からダイブする勢いで
緊急回避する。
次いで、先ほどまえ俺がいたところに
ぴしゃん、と電撃がほとばしり、
その場にまだのろのろとぐずっていたスライムどもを焼き焦がす。
「いっちょあがりい!!---レイ!!アンジェラ!!そっちはどうだ?!!」
「---大丈夫だ!!問題・・・・ないっ!!」
「----!!」
横では、レイがヘイト集めをしてスライムの動きを引きつけ、
アンジェラが遠くから弓を振り絞り、一体ずつ狙撃し、
確実に数を減らしていた。
「アンナ。二人の周りを警戒しつつ、増援が来ないか確認をしろ。
俺は打ち漏らしをカバーする。」
「は、はいっ!!」
----俺たちは今、野宿のために周囲のモンスターを
片っ端から刈っているところである。
こいつらは嬉しいことに、俺と違ってレベルがあがるため、
すでにレベル5まで到達していた。
そのため、このアルバス平原よりもレベルが一個上の
サンドラ洞窟に行こうとも考えたのだが、
リスクとリターンを計算し、
ここで野宿を経験させた方が今後のためになると判断し、
こうしてアルバス平原に留まり、
モンスターの間引きをして安全確保をしている。
1時間以上の継続的戦闘のため、
俺も戦線に参加しつつ、
3人に何かあった時のカバーに入れるよう
立ち回っていた。
アンナは非力で鈍足だが、魔法の才能があったため、
基礎魔術、ボルトを覚え、遠距離から電撃を放つことができるようになった。
レイは自分で言うだけあり、剣の筋は悪くなく、
スライム、コボルト程度であれば数匹は倒せるレベルにまで成長した。
アンジェラは視野の広さと、その細身以上に蓄えられた筋力から、
弓をメインウェポンにサポートとして才能を開花させつつある。
(・・・・上手く行きゃ、Cランクは行けるか?)
EからあがってDランクにあがる冒険者は70%。
DランクからCランクにあがれる冒険者は50%。
つまり、新規冒険者が100人いるとしたら、
一人前のCランクになれるのは35人。35%である。
俺は万年Eランクのため、ランクを上げることは諦めているが、
何とか食っていくことはできるため問題ない。
Dランクの平均レベルは10。
Cランクの平均レベルは20。
Bランクの平均レベルは30。
Aランクはそもそも絶対数が少なく、
上下で実力が隔絶しているため、平均というレベルが良くわからない。
とにかく、久しぶりに面白いやつらに出会ったことは間違いない。
(・・・・結局、なんだかんだ俺が面倒見てきたやつらはCランクでいまだにとどまっているからな。)
こいつらなら、Cランクの壁も・・。
お互いがお互いを庇いあい、
欠点を打ち消し、長所を伸ばし合っている理想的なパーティー。
しかし、一つ問題点があった。
「よし、そろそろ日が暮れてくるから、テントを今のうちにはって、
火を起こしておくぞ。」
「は、はあい・・・・。」
「うー・・・。昨日よりはましだが、右腕が痛い・・・。」
「・・・レイはまだまし。私は弓を引いていて、背中が張っている感覚が取れない・・・・。」
それを、俺がいるうちに何とかしてもらわんとな。
◆
軽い保存食を取り、
火がぱちぱちと燃え盛る薪の前で、
俺は3人の前で今後数日の動きを改めて言う。
「今日から3日間。つまり明々後日まで。
身を護りながら命がけでこの平原に泊るぞ。
・・・・質問は?」
「----はい。」
俺がそういうと、アンナがしゅば、と右手をあげた。
「夜の見張り番はどうするのですか?」
「それはタッグを組みかえてやっていく。
俺とタッグを組む形だ。
最初の日が俺とレイ。
次がアンジェラ。そして最後がアンナだ。
---他には?」
「----。」
レイが、す、と無言で左手をあげる。
「夜の間にモンスターが出てきた場合
すぐに全員たたき起こすで問題ないか?」
「ああ。それでいい。・・・・いくら眠かろうが
永眠したくなかったらさっさと全員起こせ。
寝言はモンスターを倒した後で言え。
他は?」
「---ん。」
「・・・背中が痛いんだったら、無理して手をあげなくってもいいぞ。」
自分であげておいて、身もだえするアンジェラに嘆息し、
質問の続きを促す。
「-----いざというときのため、なるべく、身を寄せ合って
寝るべき?」
「!!?」
「あー。そうだな。ペアはすぐに相方を起こせるようにくっついていたほうがいいな。」
「・・・わ、わかった。」
「よし。ほかに質問が無いようだったら、今日はもう寝るぞ。
・・・・・アンナ、アンジェラ。ぐっすり寝とけ。
俺がいるから問題ないだろうが、何かあったら起こさせてもらうからな。」
「は、はい・・・。」
「了解。」
すぐに寝床に入ると、すうすう、と二つの寝息がすぐに聴こえてきた。
相当疲れていたのか、それとも、安心したのか。
なんにせよ、野宿の夜は長い。
徹底して間引いたとしても、
モンスターが出るときは出る。
そのため、常に最低限身構えながらも、
ある程度は休息を取らないといけない。
レテから買った、愛剣を肩にかけ、
ぱちぱちと燃える火をじっと見つめながら、
明日の予定を考えていると、ぽすん、とレイが隣に腰掛けてきた。
「・・・・ん?」
「・・・・・・。」
クール・ビューティーを体現したような、
切れ長の目。青い瞳に、碧い髪の色。
腰と肩の間まで伸びた髪を後ろでポニーテールにくくられており、
まるで女侍のような印象を受ける。
何かしゃべるのかと思ったが、
生憎ダンマリのようだった。
そして、ぱちぱち、と木が焼ける音が何度も俺たちの耳に届き、
静寂を堪能していると、レイが話し始める。
「・・・なあ。」
「なんだ?」
「カネツグは、10年以上も冒険者をやっているんだろう?」
「ああ。」
木の棒で、薪の木の位置を微調整しながらレイの話に耳を傾ける。
「ずっと、ずっと一人なのか?」
「・・・・・・・。」
---かつては、一緒に組もうとした相手もいた。
でも、いろいろとあって、それは叶わくなった。
面倒を見ていた子供はいたが、あれは相方ではなく、
養う相手だった。
そう考えると、本当に10年も俺は独りで生きてきたことになる。
---まあ、家に帰れば口うるさいメイドがいるし、
どこから来るのかやっかみをかけてくるゴスロリ趣味の幼女はいるが。
「・・・・。」
俺の返事を聴くと、レイは俯きながらぽつぽつとこぼす。
「・・・・私たちは幼馴染でな。・・・・一緒の村で過ごし、
育ったんだ。」
「・・・口減らしか?」
「!!」
普通であれば村から出る理由もない。
ましてや、村から出てきた女だけのパーティーなど、
ろくな事情があるわけない。
一番多いのが、不作による食糧不足。それが原因で起こる、
村人の口減らしだ。
俺も同じ口でこの街にたどり着いたから今でも忘れることはない。
「ああ。・・・・昔、父さんたちが使ったといわれる装備とかがあったから
武器はなんとかなったんだ。・・・・でも・・・。」
「・・・・なんで、借金したんだ?」
「・・・・・・・」
俺の言葉に目を伏せ、
口を閉ざす彼女。
こりゃ、しゃべる気はなさそうだ。
が、知ったこっちゃない。
「おい。」
「え?・・・・あ。」
しかめっ面をしているバカの頭を右手でむんずとつかみ、
わしわしと乱暴にかき乱す。
「わ、わわ!!な、ななな何をする!!!」
いきなり頭を触られて憤ったのか
立ち上がり、腰につけている剣に手を伸ばしながらうー、と威嚇してくる。
「んな顔すんな。・・・ほれ、騒ぐとあいつらが起きちまうぞ?」
「う・・・。」
俺がそう言ってアンナたちが寝ている方を指さすと、
ばつが悪そうにレイはまた座り込み、
しかしジト目でこちらを見ながら警戒してくる。
「・・・いきなり女の髪を触るとは、変態め。・・・これだから男は・・・。」
「・・・お前、男慣れしてないだろ。」
「にゃ、にゃ、にゃ、にゃにをうっ!!?」
「しー!!うるせぇっ!!モンスターが寄ってきちまうだろうがっ・・・!」
「あ・・・。」
やらかしたレイに冷ややかな目線を送ると、
顔を羞恥でほんのり赤らめながら、恨みのこもったジト目で俺をにらみつけてくる。
「・・・真面目なやつだと思ったのに・・・・。変態・・・アホ・・・・。うう・・・。」
「・・・・まあ、なんだ。気にするな。」
「お前が言うなっ!!」
結局、俺とレイは喧嘩しながら、
互いの境遇について夜通し語り合ったのだった。
◆
----???
『---ぎるてぃ?』
『---本来であれば、今すぐにでもあの男女を消し飛ばして、
ご主人様を"私とご主人様だけ"の愛の巣にすぐに連れ帰りたいのですが、
ここは我慢しましょう。』
『---ぶち殺すぞ。ところで、おまえ、最近キャラ変えた?トカゲ畜生。』
『--コウモリ風情が、あまり調子に乗るなよ?』
(・・・なんか、とんでもない化け物二人が、
あいつを監視しているように見えるんだけど・・・・。
気のせいか?)
夜の女王と、龍人と、剣聖に片足突っ込んでる刀鍛冶見習いが
カネツグたちからちょっと離れたところで見守っていたが、
気づくはずもなく、夜は更けていった。
アンナたちとカネツグが冒険者になった理由は同じ。
レイはクール気取ってるけど
カネツグから見たらまだまだ大人っぽいだけの子供にしか
見えないため、すぐに心の壁も突破した模様。
のちに、"剣魔"と恐れられる血染めの剣士になるゾ
アンジェラとアンナはのちの話で。
シャロたちはあくまで見守るスタンスだから(震え声)
感想、くれ
れれれのれ
KEY(ドS)