※この作品はR-18です。

人脈チートだけれども、それに気が付かず、15年間うだつの上がらない生活を送っている(主観)やさぐれ転生者は今日も美人局(笑)を躱して平穏を享受する   作:KeI77777

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転生したけれども、レベルはあがらないし、顔はブサイクだし、美人局と罠を避けながら今日も俺はうだつの上がらない生活を送る

神様転生というものは今日ではメジャーだ。

 

死んだ人間が神様と謁見して、

なぜかチートをもらって別の世界に転生するというファンタジーものである。

 

10年前ならいざしらず、今となってはあまりに作品の数が多すぎて、

数えることが不可能なほどである。

 

この俺、カネツグこと、金田嗣臣もそんな転生を果たした人間の一人だ。

 

神様転生させてもらって、無双やハーレムと思いえがいたそこの人。

ちょっと待ってほしい。

 

 

現実はそうも簡単ではないのである。

 

 

 

 

「それじゃ、これを。」

「ういっす。」

 

新たなる世界、リア大陸に転生を果たした俺は、

とある町、エルグランドの冒険者ギルドにて斡旋された仕事を受け取っていた。

 

至って世界の構造は簡単、単純。

 

ドラク●ばりのファンタジーな世界。

 

魔法もあれば、レベル制による強さの違いも存在する。

 

生まれ変わって早30年。

今では立派なアラサーである。

 

村出身の次男坊のため、長男が家を継ぎ、俺は追い出される形で上京してきた。

 

で、今では15年間もスライムやゴブリン相手に戦い続けるベテラン冒険者である。

 

・・・これだけ聞きゃあさぞかし凄そうに思えるだろう。

 

しかし、しかしだ。

 

 

15年間もレベルが上がらない人間が一体何の価値があるのか?

 

そんなことを考えながら、危険事項承諾の契約書に署名をしていると、

受付嬢のエマさんが話しかけてきた。

 

「・・・あの、カネツグさん?」

「・・・・・何でしょうか?」

 

ちょっと身を引きながら、距離をとる。

 

俺の後ろにまた、あいつらがいるのだろう。

だから、エマさんは困った顔をしているのがわかる。

 

 

「・・・・カネツグさん!!」

 

ものすごく振り返りたくない。

ああ、畜生。なんでずっと絡んでくるんだヨ、

と思いつつも名指しで呼ばれたからには無視をするわけにはいかなくなった。

 

 

「一緒に、クエストを受けに行きませんか?!」

「・・・・無理です。」

 

俺の言葉にこの世の終わりのような顔をする美女。

金髪ロングの髪に、碧眼。

騎士を思わせる鉄製の防具。

腰には。業物と思わしき剣を携え、グラマラスなボディを惜しげもなくさらす。

 

そんな彼女の後ろというか、ギルドの入り口の近くに銀髪と、黒髪の同じくロングヘアーの少女たちが俺たちの様子を見守っていた。

 

 

何事かと視線を向けてきていたギルド員や冒険者たちも、

ああ、いつものことかといった風に興味を失くした。

 

というか、一言いいたい。

 

 

「俺はレベル1の最低ランクの冒険者ですよ?

あなたはもっとふさわしい相手と組むべきでは?」

「そんなの関係ないです!!・・・わ、私は、貴方と一緒にいたいんです!!」

 

いや、マジで勘弁・・・と思っていると見守っていた受付嬢のユマさんが、

ずい、と身を乗り出して口をはさんできた。

 

「・・・・・エルさん?カネツグさんが困っているので、

勧誘はそこまでにしてもらえますか?」

「・・・エマさんには関係ないです。」

 

ぴき、と空気が凍る。

途端に、退避しだすギルド員と冒険者たち。

 

 

あー、はいはい。

 

なんか好意を持たれているようだねー。そうだねー。

 

 

 

んなわけねぇだろ。

 

大方からかってきているか、罰ゲームでモーションかけてきているだけだっつーの。

 

昔みたいに女に騙されてたまるか。

 

最低ランクの冒険者がキャリア嬢と、Aランク冒険者から好かれているわけもなし。

言い争いをしている二人を無視して、さっさと冒険に出かけるのだった。

 

 

「おらぁっ!!!」

「ぴぎっ!!」

 

平原まで移動した俺は、スライムに向かって粗末な剣を振るい、両断する。

戦闘力の高くない大人であれば苦戦する相手だが、ステータスが低い俺でもなれれば倒せる相手だ。

 

モンスターをあらかた駆逐したところで、自生している薬草をぷちぷちむしり、

袋に入れていく。

薬剤師や商人に売ればいくらか金になるため、なかなか馬鹿にできないからだ。

 

腰に括り付けてあるナイフで金になりそうな植物を狩り、

ふうと一息ついた。

 

ちょっと早いが、そろそろお昼休憩にすっか。

 

 

がさがさ、と麻製の袋から作っておいた堅麦のサンドイッチを取り出し、

口まで運ぶ。

 

「・・・・・・・・・。」

 

 

----いつの間にか俺の正面に座っていて、俺が食べようとしたサンドイッチを見つめている少女。

髪は紫色、瞳は紅く染まっており、恰好は黒のゴスロリ服。

 

ぱっと見で、こいつやべー奴だとわかる姿だが、

気にせずにもう一つサンドイッチを取り出し、アホヴァンパイアの口の中に突っ込む。

 

「・・・てめぇ、いい加減に俺からタかるのやめろっつーの。」

「むしゃむしゃ。・・・うん、相変わらずカネツグのご飯はおいしい・・・。」

俺の言葉を無視してうっとりとした表情で、俺お手製のサンドイッチをむしゃむしゃするアホに、ため息を吐きながらもう一つのサンドイッチも口に突っ込む。

 

「・・・なんで、俺に絡む?もう、15年以上の付き合いになるけどよ。」

「・・・・・・・なんでだと思う?」

 

むしゃむしゃ、ごくんと食べ物を咀嚼し、

俺の瞳をじっとのぞき込んでくるアホ。いや、ちゃんと名前くらい呼んでやるべきか。

 

 

こういう時、普通の野郎だったら"あ、こいつは俺に気があるんだな"と思うだろう。

だがしかし。しかしだ。

 

俺はすでにそんな勘違いをするほど馬鹿じゃない。

こいつが俺の何を狙って付きまとってくるか知らねーが、

やらせはしねぇ。

 

「知らね。・・・・おら、さっさと帰った帰った。

俺は今からモンスターを退治して、今日の飯にありつかないといけないんだからよ。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

俺の言葉に明らかにぶっすー、と不機嫌になるアリス。

 

美形って得だよな。

どんな表情浮かべていても様になっちまうんだから、とぱるぱるぱると嫉妬しつつ、

剣を持ってまたモンスターがいるところまで歩く。

 

 

「・・・・・。」

「・・・・・・・。」

 

てくてくてく。ぴたり。

 

 

 

「・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・。」

 

てくてくてくてく。

 

ぴたり。

 

 

「・・・・・・・・ついてくんじゃねえよ!!」

なぜか無言でストーキングしてくるアリスに向かってがああ、と吠える。

うっとおしい。一体何しに来たんだこいつ。

 

「・・・・・カネツグ。何が欲しい?」

「は?なんだよ急に?」

「いいから、答えて。」

 

急にそんなことを言ってきたアリスに向かっていぶかしみながらも、

顎に手を当て真意を探る。

 

・・・ははーん。わかったぞ。

 

(・・・俺に恩を売っておいて、信用を得て、

俺から金をだまし取ろうってんだな?・・・いや、こいつがそんなことを考えるわけもねーから、他の誰かに利用されているって線が高いな・・・・。)

「カネツグ。答えて。早く。」

 

再度問いかけてくるアリスに向かってにやり、と笑みを浮かべながら答える。

こういう相手のあしらい方はわかっている。

 

「・・・・・特になんもねえな。」

「・・・・・・・何も?何もないの?」

「ああ。」

 

下手に何かをしてもらえば、それ以上の見返りを要求されることは必須。

 

だったら、最初から何も受け取らなきゃいい。

 

それが最強にして、最善の護身だ。

 

「・・・・・・。」

「・・・あ?」

 

俺の服のすそをそっと握ってくるアリス。

 

なんだ?何やってんだこいつ?

 

「・・・・・・・・邪魔しないから、モンスター退治するところ、見ていてもいい?」

「あ?・・・ああ、邪魔しねーならいいけど・・・。」

 

変なことを望むやつだなー、と思いつつ、

手を振り払い、両手で剣を持ち、近くにいたスライムに斬りかかる。

 

 

 

じっと、背中に浴びせられる視線を気にしないようにしながら。

 

 

 

「あー。疲れた・・・。」

 

とぼとぼ、と装備をひっさげて平原から町まで戻ってきた。

腕が上がらないくらい剣を振るったからか、

若干ぷるぷる腕が震えている気がする。

 

明日は筋肉痛だな。すげーめんどくせー。

 

いつの間にかいなくなっていたアリスのことを頭の中から追い払い、

今日の実入りについて計算する。

 

ギルドの中に入り、受付嬢にモンスター討伐数カウント用の魔法石を渡す。

 

 

「クエスト終わったので、報奨金のほどを・・・。」

「あ、はい。」

 

そういえば、言い合いしていた二人はどうしたのだろうか。

姿が見えないが。

 

まあ、どうでもいい。

さっさと金だ、金。

 

 

稼いだ金で何を食おうかなー、と考えていると、

会いたくないやつとエンカウントしてしまう。

 

「・・・げっ。」

「・・・・あっ。」

 

近くのテーブルに座っていた、ぬいぐるみを抱えた、

黒髪ツインテールの幼女。

 

俺を見つけた瞬間、笑顔を浮かべながら突進してきた。

 

「お兄ちゃーん!!」

「ぐほぉっ」

 

子供とはいえ、とびかかられるとやっぱりきつい。

ましてや、こちらはクエストを終えたばかりで疲れているので猶更だった。

ロリコンと思われたくないので、さっさと会話を打ち切ろう。

そうしよう。保身、大事。

 

 

「あー。エミちゃん?おじさん、ちょっと疲れているから、今日は・・・。」

「はい、これ!!」

 

彼女が手渡してきたのは、なんか緑の色をした液体が入った瓶だった。

・・・・・・・なんだ、こりゃ?

 

「・・・おい、あれ・・!!」

「ああ・・・・。」

 

なんだか何人かの人間が瓶を見て、ざわついている。

やめろよ。

 

俺が幼女にタカっているわけじゃないから。

 

通報されたら一発で負ける自信があるんだぞ。おい。

 

 

「飲んで!!」

「・・・・・・・・・・・。」

 

ここで?

今すぐに?

 

断ろうものなら、明日からきっと俺は、幼女を悲しませた極悪人としてその名を刻むことになるのだろう。

 

でも、それはそれとして別に飲みたくない。

 

この子に悪意があるとは思わないが、万が一変なもので毒だった場合、

害を受けるのは俺である。

 

しかし、目の間できらきらと瞳を輝かせる幼女に向かってお願いを断れるほど、

俺のメンタルは強くなかった。

 

覚悟を決めてぐいっとキめる。

 

「・・・・・・・お?」

「えへへ・・・。ポーションだよー。」

飲んでみたら体から倦怠感が消えた。

なるほど。ポーションだったのか・・・。

 

わざわざ俺にくれたのか・・・・。

 

ぐしゃぐしゃ、と頭を右手で撫でてお礼を言う。

 

 

「あんがとよ。エミちゃん。」

「お兄ちゃんの役に立てて嬉しい!!」

にへー、と笑顔を浮かべるエミちゃん。

 

あー。悪意のない無邪気な笑みが気持ちいいぜー。

俺の事慕ってくれてるし。

 

「・・・あのね、お兄ちゃん。エミとの約束、覚えてる?」

「・・・・あー。あれね。うん・・・。」

 

べたというかなんというか。

 

俺はこの子に、将来お嫁さんにしてくれと頼まれている。

 

一度命を救ったからか、恩を受けたことを好意と勘違いして、

しきりにこういったことを言ってくる。

 

悪い気はしない。

 

女は基本、クソ、なスタンスの俺でさえ、彼女はある意味聖域である。

 

けどなー。

どうせ数年後には同年代のモテるイケメン相手に貫通式して、

使用済みになるだろうし。

 

過度な期待を持つべきではないことはわかっている。

俺はもう間違えないぜ。

 

「あー。はいはい。守る守る。うん。」

「・・・・・絶対だよ?」

 

抱きかかえているぬいぐるみに顔を押し付けて、

とんとん、と脚を鳴らす彼女。

 

こんないい子も数年後には汚れちまうんだろうなー。

中身とかも含めて。

 

 

 

 

ギルドから帰る道すがら、知り合いたちに声を掛けられ、

立ち止まる。

 

 

「よう。」

「・・・・・・お前か。」

「んな露骨に嫌な顔すんなってー。」

 

あっはっは、と笑う緑髪、ショートカットの美女。

恰好は露出の多い女戦士的なプレートメイルである。

ピンク色の色合いがなんかエロい感じがする。

こいつとの付き合いももう、10年以上である。

名前は、マチという。

 

 

そういえば、そろそろ2x歳

 

 

「・・・・・・今、変なこと考えたか?」

「考えてないっス」

 

無表情で手に持っている槍を突きつけてきたので、

両手を上げて降参の意思を示す。

レベル50超えの一流冒険者に勝てるわけないので強い者には巻かれるべきである。

 

そんな俺の姿を見て、やれやれ、と肩をすくめるマチ。

 

あー。エロい格好だな、しかし。

 

 

俺にもこんな相手がいりゃあなと一瞬思ったが、

ありえないし、ありえても俺のへそくり狙いぐらいの美人局しかないことを自覚し、

改めて雑念を打ち払う。

 

そういうのはイケメンと、金を持った奴の特権だからな。

 

勘違いは恥をかくだけだ。

 

 

「・・・・で、なんだよ?」

「最近調子はどうなんだ?」

「あー。いつも通りだっつーの。

・・・レベルあがらねーし。雑魚くらいしかまともに戦えないし。」

「・・・ふーん。」

 

こいつにとっては至極どうでもいいことだろう。

 

 

くすぶっている同期のことなど。

 

生きている世界が、もって生まれたステータスが違う。

 

「・・・で、明日も行くの?」

「ああ。・・・老後の資金もためとかねーとな。

・・・動けなくなったら飢え死にするし。」

「今から老後のこと考えるの早すぎないか?」

「うるせー。」

 

こっちは必死なんでい。

話も終わったのでさっさと家に帰る。

 

「あ、そうだ。この後暇か?

・・・よかったら一緒に来てくれ。」

 

だが、そうは問屋が卸さないらしい。

大方荷物持ちが欲しいといったところだろう。

 

前も騙されて散々こき使われたからわかる。

 

「ヤダ。今日はもう疲れた。寝たい。」

「・・・・・・。」

「お前が声かけりゃ、荷物持ちの男位、

ほいほいくんだろ。」

「・・・・・・・そうか。」

「ああ。・・・じゃあな」

 

ふああ、とあくびを手で押さえながら今度こそ家まで帰った。

 

 

 

「・・・・・。」

 

そーっと扉を開ける。

何の変哲もない一軒家。

現代日本でいうならば、中間所得層が住んでいそうな木造性の二階建て。

 

俺がローンを組んで得た家だ。

 

俺だけの城ではあるが、そんな城には今、

有能だが厄介なやつが一緒にいる。

 

 

「・・・・・・おかえりなさいませ。」

 

音を立てずに中に入ったが、いつもの通り補足され、

いつの間にか俺の前に立っているメイド服の銀髪美人。

シャロ、というお手伝いさんだ。

無表情だというのに、本人の雰囲気に合っていて、

クールな美人という印象を与える。

 

「・・・・・・ただいま。」

こう言っておかないと、挨拶できないことについてくどくどお叱りを受けるから、

仕方なく言う。

 

あー。家事とか全部ちゃんと完璧にやるだけに解雇もできない。

 

靴を脱いで部屋の中に入ると、テーブルの上にはできたばかりの料理が並んでいた。

 

椅子を引いて座る。

 

すると、俺の横に同じく座り、姿勢のいい状態で待機するシャロ。

 

正面の椅子に座れよ・・・と思いつつも何か言えば言い返されるだろうと予想し、

黙って飯を食おうとスプーンを右手に持つと、がし、と手をつかまれる。

「・・・・いただきますの、挨拶がまだです。」

「あ?それぐらい、いいだ・・」

「・・・・・・・・・・・。」

 

め、めんどくせぇ・・・。

謎のこだわりを発揮するシャロに若干辟易としながらも、

料理を取り上げられるのは嫌なのでちゃんと言う。

 

「いただきます。」

「召し上がれ。」

 

-----結局、食事中に会話らしき会話は特になかった。

 

 

 

「あー。ねむ・・。」

 

自室のベッドに身を投げ出し、ダイブする。

シャロも俺も、さっさと寝ることにして、

それぞれの部屋に戻った。

 

 

変わらない日々。

うだつの上がらないキャリア。

 

活躍する同期。

ちらつく美人局。

 

 

チートなんてもんはなかった。

結局のところ、前の人生と変わりない。

 

(・・・・・・・・・。)

 

夢は夢、か。

 

さっさと老後の資金をためないと、

冒険者をできなくなった時に死ぬことになる。

 

幸い、シャロはそんなに高い給与でもないし、

クエストからは安定して、現代貨幣でいうと24,5万は稼げている。

 

このままいけば後30年後には老後の資金もたまり切るだろう。

 

あまりにも長く思える道のりだが、才能がないなら地道にやるしかない。

 

 

もし、俺にほんの少しでも才能があったら・・・。

胸のもやもやとしたものが渦巻き始める。

 

(・・・・・・・・けっ。アホか。現実は現実。)

 

すぐに自分の中から追い払おう。

ないものはない。

 

才能も、力も、そして、伴侶も。

 

 

(・・・明日も、また、モンスター退治して・・・それか、ら・・・。)

 

明日の予定を立てながら、俺の意識はうっすらとフェードアウトしていった。

 

 

 

「・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・。」

 

カネツグを転生させた神と、その補佐である天使。

転生後の彼の様子を見守っていたが、

はあ、と手でこめかみを抑えながら神はつぶやく。

 

「・・・・・まさか、渡した祝福によって恩恵をあずかっていることに気がつけない状況とは・・・。」

「最初に組んだ相手に騙されて、その次は美人局。とどめに、

好きだった幼馴染がイケメン、高収入の青年にNTRられ、今に至ると。」

「なんでこうなる?」

 

カネツグはぐっすりとベッドの上で眠っている。

 

 

そして、そんな彼のベッドの下から這い出てくる黒のゴスロリ服を着た美少女。

彼と付き合いの長い、ヴァンパイア、アリスである。

 

じっとカネツグが眠っているベッドを見下ろし、

無表情だった顔つきを一瞬でとろけた笑みに変貌させる。

 

 

『・・・・・えへへへ♡カネツグ、カネツグ、カネツグ・・・♡』

服を一瞬で脱ぎ捨て、カネツグが眠っているベッドにごそごそ、と潜り込み、

ん・・・♡と嬌声を上げ始める。

 

 

「・・・昔、偶然助けたヴァンパイアが、勇者に討伐されて死にかかっていた裏世界で名前を知らない者がいないクイーンヴァンパイアだったと。」

「良縁を結べる祝福とはいえ、偶然恐るべし・・・」

 

おっぱじめたアリスと、睡眠魔法をかけられ、眠らされたまま逆レイプされるカネツグを見て、

苦い顔をする神様。

 

そして、ひとしきりヤって満足したのか、アリスはまたベッドの、

いや、カネツグの影の中に溶け込み、消えていく。

 

「いやぁ、まさか影の中にひそめるとは。」

「マジモノのストーカーとは・・・。」

 

そして、入れ替わりとばかりにドアが開けられ、

ピンクのパジャマに着替えたシャロが部屋に入ってきて、

カネツグのベッドに入り込む。

 

『・・・・カネツグ様・・・♡♡』

 

そして、またもや始まるベッド運動。

 

 

「あの人、数千年を生きた龍なんですよね。」

「どこでどうやったら、偶然出会って、偶然彼女の孤独を癒して、

なつかれて、実は一年中発情期、ってことになるん?」

 

見たくないとばかりに見ざるになる神様の肩をとん、とんと叩く補佐。

世界を救えるだけの器を持つ人物。それがカネツグだったはずなのだが、

なぜかレベルはあがらず、与えたチートの恩恵に気が付けない日々を過ごしていることに、

頭を悩ませていた。

 

「彼の周りにいた受付嬢は、彼が15歳のころに出会って、行き倒れていたところを仕方なく助け、

それから前世の知識を生かして勉強を教えて文字を読めるようにし、現在出征街道を驀進している

キャリアウーマンですね。・・・そして、彼のことが死ぬほど好きで、魔法を使って監視しているようです。

それも、今この瞬間も。」

「あーあーあー!!聴きたくない!!聴きたくない!!」

 

だが、そんな神様もお願いもつゆ知らず、無情にもどんどん地雷がリストアップされていく。

 

「王位継承権1位の姫騎士こと、エル。幼いころに王宮を抜け出したところ、人さらいに遭遇。

誘拐されそうになったところを彼に助けられたとか。・・・ちなみに彼はその時、彼女を助けるためにリンチされながらも逃がしきり、全治1か月の重傷を負っております。そのあと、人さらいたちと似たような人間が複数名、川に打ち上げられております。」

「・・・で。彼に会うために身分を隠しながら冒険者をはじめ、彼につきっきりで戦闘を教わった結果、才能が開花し、今では一流の冒険者の仲間入り、と。」

「そのほかにも、孤児院で虐待されていた少女を偶然助けて以降、本人が気が付かぬ状態でずっとストーキングされていたり。無理やり政略結婚させられそうになっていた豪商の娘を救い、内密に両親公認で許嫁にされてロックオンされていたり・・・・。しかし、本人は女性が近づくとすぐに逃げたり、好意を寄せられていることを知りつつも絶対に認めようとせず、美人局と疑っております。」

 

ざっと並べただけでその数、100人以上。

しかもいずれもがこの世界において実力、権力、財力を持つ人物である。

 

彼のチートは、単純。

 

人脈チート。

それも、自然と力を持った人物とつながりやすくなる幸運の極致である。

 

 

「・・・ちなみにこのまま放置しておくとどうなる?」

「・・・・彼をめぐって、世界大戦が起きます。」

 

ああ・・・と突っ伏す神様とその補佐。

仕方ないと、つぶやき、神様は覚悟を決めたような顔つきになる。

 

「・・今更かもしれんが、テコ入れだ。」

「え。」

「とりあえず、彼のレベルが上がらないことはしょうがないから、

その周りの女性関係、地雷をどうにかするぞ・・・!!

このままでは、修羅場どころか、世界大戦が起きかねん・・・!!」

「・・・・・(大丈夫かな。)」

 

 

つづくとやばいのでつづぬ

 

 

 




カネツグ

転生して、初めて冒険者として組んだパーティーに金と装備をだまし取られ無一文に。
二度、あることは三度あった結果、彼は完全に人間不信+やさぐれに。
元々は明るい性格の今時の青年だったが、
ヤンキーっぽい生き方が結局得をすると悟り、オラオラ系にチェンジ。
朱元璋もびっくりの猜疑心と、童帝も冷や汗のひがみっぷりにて、
地雷を回避し続けている。

良縁を結ばれるチートによって多くの女子、女性と知り合いに。
その結果、彼をめぐって水面下の戦争が行われているほど。

しかし、彼自身はそれから目をそらし続けているため、
どうにか表立った争いはまだない。

才能も、金も、顔もないが、自分にできることをやると決めて、
初歩的なモンスター退治、薬草集め、生態調査のクエストをこつこつとこなし、
老後の資金をため続ける。

時折、見返りを期待して初心者を引率したり、助けたりしている。

そうした活動を15年間続けてきため、現場の人間や、他の冒険者からは莫大な信頼を得ているが、本人はそれさえも自分をまた利用して、だまそうとしていると疑っているため、距離を置いている。

ぶっちゃけ、老後の面倒を見る気満々の女子たちがいるため、
早く冒険者をやめて、自分のヒモになってほしいと彼女たちからは思われている現状。

昔助けた冒険者や、教導した者たちは大成しており、
彼が冒険者をやめようとしたら彼らに取り込まれることは必須である。

座右の銘は"この世のすべてを疑え。・・・あと、処女は都市伝説"というひどいものである。


結婚を約束していた惚れていた幼馴染がNTRされてからは、
女性不信に。
伴侶を心の奥底では望んでいるものの、結局みな嘘だろ?と疑い続ける。


いい具合に煮詰まってきた()



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