人脈チートだけれども、それに気が付かず、15年間うだつの上がらない生活を送っている(主観)やさぐれ転生者は今日も美人局(笑)を躱して平穏を享受する 作:KeI77777
「それでは!!カネツグと!!レンの婚約を祝って!!」
『『『『『カンパーイ!!!『』』』』
「・・・・・・♡」
「」
あれ?どうしてこうなった?
レンと一緒に誤解だと説明しに行こうとしたら、
なぜかレンに"今は婚約でいいから・・・・。"と健気な女ムーブされ、
勘違いした長老に、"ならば、婚約の議を開くとしよう!!"と即興で盛大なもてなしをされることになった。
ふざけんな、おい。
主賓がそんなせせましく座っているなと言わんばかりに、
一番目立つ場所にレンと二人で座らせられ、
お祭り騒ぎになった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・やったぜ」
「おうゴラ」
ハメられた・・・・!!
この集落に連れてこられた時点で察するべきだった・・・!!
一生こいつのために働くATMになるなど、冗談じゃねぇ!!
結婚は人生の墓場だ!!終わりだ!!終末だ!!
前世でくそみそ働いていたのに対して顧みられることもなかった、
俺の親父みたいに最後は使いつぶされるだけだ。
ここから逃げ出そうとしても、
隣に座っているレンに腕を組まれ、しなだれかかれては難しい。
マジで逃げ場がねぇ・・・!!
「カネツグ!!レン!!おめでとう!!」
「くう~!!うまくやりやがったな!!このこの!!」
そして、次々に俺と知り合いの獣人どもが、
酒とつまみをもって結婚のお祝いを言いに来る。
「で、子供は何人欲しいんだ?ん?」
「レンちゃん良かったわね~。初恋が実って。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いくらでも、ほしい・・・。」
子供を作って、完全に逃げられなくするつもりか・・・!!
こいつ・・・!!
外堀を固めていやがる・・・!!
通常であればもう詰み。王手。チェックメイト。
この状況を脱する手などありはしない。
だ・が・し・か・し!!!
(俺はチートの力無しにこの世界を自分一人の力だけで生き延びてきたんだよ・・・!!)
※無自覚なだけです
これで勝ったと思うのは間違いだぜ、レン!!
スッと立ち上がり、酒をぐびぐびと飲み、そして宣言する。
「-----聞けえぇ!!!この場にいる全員!!」
それまでの喧騒が、俺の叫びによってかき消され、
なんだなんだ?と疑問の視線が集まる。
よし、注意をまず引くことに成功した。
次だ。ここからだ。
「此度は!!俺とレンの婚約祝いに出席してもらって感謝の念ばかりだ!!」
「・・・・・・♡♡」
隣でレンが顔に手を当て、いやんいやんと身をくねらせている。
お前は、俺がこの婚約を認めたと思うのだろう。
浅はかだ。
策を弄するのならば二重にすべきだったな。
「----しかし!!妻をめとるには、俺はまだまだ弱く!!
稼ぎも少ない現状だ!!」
女衆はまあ・・・・と頬に手をあて、
男どもはなるほど、とうなずいている。
論理は破綻していない。
俺は冒険者としては最低ランクであるし、
所得は月にして23,4万円ほどしかない。
さすがにこれだけでは妻と子供を養っていくのは厳しいと、
同意せざるを得ないだろう。
「-----だからこそ、宣言する!!」
レテに作ってもらった刀、"日輪"を引き抜き、
近くにあった岩に向かって振るう。
岩を少しでも削り切って、演出をするために。
(・・・・そして、修行をする、冒険者のランクをあげると称して、
時間稼ぎ・・・!!勝った!!)
だが、ここで予期しないことが起きてしまった。
---すぱん
「・・・・・・・・・・・あえ?」
斬りつけた岩がバターみたいにさっくりと切れてしまったのだ。
その光景を目にした獣人どもがうおおおおおおおお!!と大興奮。
え?いや、え?
手に持った"日輪"と無残にも真っ二つに斬れてしまった岩を交互に見て、
戸惑いながらも、すんでのところで耐え、続ける。
「----ち、誓おう!!俺はもっともっと強くなって!!
もっともっと上のランクの冒険者になる!!
----そして、その時に妻たる伴侶を迎えることを!!」
俺の言葉にうおおおおおおおおおおお!!!と沸き立つ獣人ども。
騙せたのか、レンも目から涙をこぼして、浸っているようだ。
とりあえず、時間は稼いだ。
後は蓄えた金をもって、時期を見計らい、別の国までとんずらするだけだ。
そう。
俺の目論見は完璧だった。
この時までは---
◆
「」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
冒険者ギルドに帰ってきたら、
なぜかフル装備のエマさんと、レンがにらみ合い、
その間に挟まれて気絶しそうなんだが。
ちなみに、レンがついてきた理由は、
"夫の成長を支えるのも妻の務め"だそうであり、
集落にいた獣人どもも快く送り出しやがたった。
糞が!!!
ちゅーか、なんでエマさんフル装備なんだ・・・?
困惑しながら事の成り行きを見守っていると、
エマさんがレンに話しかける。
「・・・えーと。あなたは獣人、よね?
いえ、それは珍しくないのだけれども、
どうしてカネツグさんと・・・?」
いつもの受付嬢スマイルがひきつり、
頬がぴくぴくと動いているエマさん。
レンに対して"変なこと言うなよ?"という視線をアイコンタクトで投げると、
わかっている、と言わんばかりにうなずく。
よし、これでもう大丈夫----。
「---初めまして。私は、カネツグの嫁のレン。」
空気が死んだ
◆
リア大陸に存在するもう一つの世界。
"魔界"
そこを収めるのは魔人。
そして、魔人たちの王、魔王。
魔王が鎮座するは魔王城にて、
支配者たる人物、6代目魔王、シャーリー・エリザベスは憂鬱なため息を漏らしながら、
寝室のベッドで横になっていた。
終わることのない魔人たちの権力争い。
衝突、そして戦争。
人間たちを相手にどういうスタンスで接するべきか、
戦うべきか、協定を結ぶべきか。
そうしたことを先に決めるべきだというのに、
魔人たちは力を求めて、争いことばかりを起こし、
話が進まない。
こんこん、とドアがノックされ、
それまで寝転がっていた彼女は黒の髪をたなびかせ、
入れ、と一言告げた。
「失礼いたします。」
黒の鎧を全身にまとった漆黒の騎士が、
部屋の中に入った。
「貴様か。"黒騎士"。」
「は。・・定期報告となります。」
「そうか。」
定期報告。
彼女は部下たちに魔人や、人間たちの動向を探らせていた。
誰も信用せず、誰も頼らない彼女にとっては、
当然と言えるやり口である。
「魔人たちはいつもどおり、領土拡張のため、争っております。
・・・・"魔導王"と"剣鬼"が衝突し、相打ちになり、両者瀕死となったと。」
「・・・あの、馬鹿どもが・・!!」
ぞぞぞ、と彼女、シャーリーの周りに魔力が集中する。
地響きが鳴り響き、部屋が揺れ始めた。
「人間界は変わらず、五大国もこれといった動きはありません。」
「そうか、下がっていいぞ。」
「はっ。」
そう命令された黒騎士は部屋から出ていき、
彼女はまた一人となった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・疲れた」
ぽつり、とつぶやいた彼女は枕に顔を押し当て、
そして壁に向かって枕を思いっきりたたきつけた。
(なんでみんな私の言うこと聞かないのおおおおおお!!??)
あれ?おかしいぞ?魔王なのに?あれ?とシャーリーは憤慨する。
力でほかの魔人どもをぶっ倒して、魔王の座に就いたのはいいが、
いかんせん、魔人には脳筋が多すぎた。
---あ、今日から魔王ですか、頑張ってネ
---じゃあ俺たち、殺し合いに行ってきますから
え?
晴れ晴れとした笑顔の魔人たちにそう言われ、
彼女はその時、何が起こったのか理解できなかった。
(なんでええええええ?!!)
そう。彼女はある理由のために魔王になっただけなのである。
いや、正確には、とある人物を確実に手に入れるために。
それがどうしてこうなった?どうしたこうなった!!?
必死に特訓を積み重ね、レベルは3桁を優に超えた。
幼いころに出会い、今でも連絡を取り続けている、
心の支えとでもいうべき異性を確実に手にれるために。
---だって、権力者とか外堀埋めやすそうじゃん。
(・・・・・・・・・・カネツグううう・・・・・・。)
えぐ、えぐ、と彼氏いない歴2x年のシャーリーはしくしくと泣く。
そして、ぴたりと動きを止めて、がばりとベッドから顔をあげる。
(・・・・そうだ!!カネツグに会いに行って、さらってしまえばいいんだ!!)
はたから見ればとち狂ったにしか思えない誘拐の決意。
仕事のストレスによる疲れからか、
彼女はその通常であれば取るはずのない手段を選択してしまう。
「よーし。とりあえずまずは人間界に行こうっと!!」
仕事?知らね。と言わんばかりに彼女はその日のうちに荷物をまとめて、
魔王城を出た。
目指すは、朱元璋もびっくりの猜疑心を持つ男の元
感想草
もっとくれてもいいのよ?
エロは個別END描写時に濃厚なのを書こうと思ってる
(たぶん)
KEY(ドM)