絵の女性と生身の女性、どちらがいいか? 〜現代のピカソが三次元に恋をするまで〜 作:チャンドラ=グプタ
「やっと終わった……」
陽毬から依頼を受けてから一週間が経過した。
土曜日の深夜二時すぎ、ようやく絵が完成した。
試行錯誤しつつも、明梨のパイズリを参考になんとか絵を書き上げた。
肌の質感、性液の透明度、湯気の表現など、我ながら素晴らしい。
見ているだけで思わず下腹部が疼く。
「よし、ヌクか……」
先ほど完成した自分の絵でオナニーすることにした。ジャージのズボンとパンツを脱ぎ、手でゆっくりと肉棒をしごいていく。
俺が完成させた絵は確かにエロいが、何か物足りない。
そこで、黒いスケッチブックを開くことにした。最近描いたヌード絵を眺める。
「う……!」
一気に射精欲が湧き上がった。今開いているのは桃子のページ。
右側のページには全裸で立ち姿を披露している桃子と左ページには全裸で箒に跨る桃子が描かれている。
どちらもメイド喫茶で描いた絵だ。
「はぁ……も、桃子……!」
頭の中で俺と日常生活を送っている桃子を思い浮かべると一気に背徳感が増す。
にこやかに微笑む桃子を想像すると情欲が湧き上がる。
ここで射精するのはあまりにも惜しいので別の女性も鑑賞することにした。
次に開いたのは澪のページ。以前、澪の家に上がった時に描かせてもらったものである。
足を開き、惜しげも無く性器を見せつけている澪の姿はとても蠱惑的である。
サラッとした青い髪も透き通るような白い素肌も淡いピンク色の胸も何もかもが愛らしく、そして美しい。
俺は絵に描かれている澪の性器に顔を近づけ、ぺろっと舐めた。
紙の味しかしないはずであるが、不思議な味がする気がする。
別のヌードモデルを鑑賞するため、さらにページを捲った。
捲ったページに描かれているは陽毬の絵である。この前、家に伺った時に描いたものだ。
スタイル抜群のプロポーションを持つ陽毬はおそらく他の男子生徒からも人気があるだろう。
ツンと上を向いたベージュの乳首の巨乳は実に凄まじい。
シコる手の動きを早め、射精欲を一気に昂らせる。だが、まだ射精はしない。
更にページを捲る。
捲ったページに美咲さんの絵が眼に映る。
豊満な胸にふっさりとしたアンダーヘアの大人の魅力を感じさせるような身体は見るものを虜にするようだ。
美咲さんとエッチする際、俺が腰を振ると美咲さんは胸をブルンブルンと激しく揺らすのである。
あれは実にすごい光景であると思う。
髪に描かれている長い綺麗な黒髪からは絵なのにも関わらず、シャンプーの良い匂いがしそうである。
先ほどよりも手の動きを速めた。少しでも気を抜くとあっという間に射精してしまいそうだ。
だがもう一枚、見ておきたい絵があった。
射精するのを我慢し、次々にページを捲る。まだか……見つけた。
それは明梨の絵。明梨が我慢できず、放尿している様子の絵である。
Gカップという兵器(おっぱい)を持つ少女が羞恥に満ちた表情で放尿している。
「うぅ……い、イく……!」
勢いよくたくさんの性液が飛び出た。ティッシュで白い液体を拭きとり、ベッドに倒れ込んだ。
俺はシスコンではないが……妹でヌいてしまった。
「あぁ……気持ち良かった。寝るか」
射精した疲れからかあっという間に夢の中へとログインした。
「ふわ……よく寝た……」
ベッドから起き上がり、カーテンを開けて朝の日差しを浴びた。
昨日、絵を完成させた俺であったが完成したことをまだ陽毬に伝えていないことを今更ながら思い出した。
よし、早速LINEを送るか。
――おはようございます。小説の挿絵ですが、完成しましたのでメールでデータを送っておきますね。
LINEを送った後、俺はメールで挿絵のデータを送ろうとした。
しかし、その前に陽毬からLINEが返ってきた。
――おはようピカソくん。悪いが今日、私の家に来てもらえるだろうか。絵の支払いも兼ねて相談がある。
陽毬から家に来て欲しいという相談を受けた。一人で陽毬の家に行くのは少々気が引けるがしょうがない。
俺は『分かりました。それじゃ、十時に家に伺ってもよろしいですか?』と送った。
それから三十秒もしないうちにOKという意味合いが含まれていると思われる謎のスタンプが返ってきた。
苦笑しつつ、俺は陽毬のメールで小説の挿絵のデータを送信した。
さてと……朝ごはんを作るか。
今日は俺がご飯当番であった。リビングの中にあるキッチンで早速料理を始めることにした。
作るのは鮭フレークのサンドイッチという料理。クッ◯パッドで調べた料理である。
作り方はあら簡単。
パンを適当なサイズに切る。鮭フレークをマヨネーズで和え、それを切った二枚のパンに挟めばおしまいである。
さすがにこれだけでは味気がないので、キャベツスープとヨーグルトも用意する。
明梨の分もラップを掛けて用意しておき、先に一人で食べることにした。
鮭フレークのサンドイッチをまずは一口。
うん、なかなか美味しい。鮭フレークとマヨネーズは実によく合う。
スープとヨーグルトも食べ、食器を洗い終えたらぼちぼち出かける準備を始めようとした。
「あ、お兄ちゃん。おはよう」
ちょうど食器を洗い終えた時にピンク色の寝間着姿をした明梨がリビングにやってきた。眠そうな目を指で擦っていた。
「ああ、おはよう」
「今日も出掛けるの?」
「そうだよ」
「そっか……ねぇ、今日ヌードデッサンしてくれないかな?」
明梨はヌードデッサンを持ちかけてきた。気のせいか最近の明梨はなんだか積極的な気がする。
「ああ、いいぞ」
「やった! 約束ね!」
こうして俺は明梨とヌードデッサンの約束をした。
出掛ける準備を整えた俺は陽毬の家へと向かうことにした。土曜日にも関わらず、スーツを着た社会人や制服姿の学生が目に付く。
本当にお疲れ様である。彼らを見ているとなんだか罪悪感に苛まれそうだ。
陽毬の家の最寄駅から歩くこと五分、家の前に着いた。
玄関の門を潜り、扉の前に立った。今更ながら気づいたが、扉にはインターホンはない。
仕方なく俺はLINEで到着したことを伝えようとすると、ガチャっと扉が開いた。
「やぁ、おはようピカソくん。上がってくれ」
「どうやって俺が来たのに気づいたんですか?」
「パソコンから見ていたよ」
どうやらパソコンで誰が扉にいるのか分かるらしい。防犯対策も抜かりないようだ。
家に上がり、前にも入った陽毬の部屋に案内された。前来た時と部屋の様子は変わっていなかった。
「小説の挿絵、見させてもらったよ。実に素晴らしい出来栄えだった」
陽毬は素直に俺の絵の出来栄えを褒めた。素晴らしい出来栄えと言われて俺も悪い気はしない。
「ありがとうございます」
「これ、報酬だ」
陽毬は茶色い封筒を差し出した。封筒の中身を確認すると四万円が入っていた。一週間前に依頼を受けた際、報酬は三万円くらいと言われていた。
「一万円多いですよ」
「気にすることはない。君の仕事の成果を正当に評価した額だ。素直に受け取るといい」
なんと男前な発言なのだろうか。ツ◯ッターでたまに見かける絵師にただで絵を描けと頼んでくるアホたれどもに聞かせてやりたい。
「それじゃ……ありがたくいただきます」
これで豪華な食材でも買っていくか。明梨もきっと喜ぶはずだ。
「うむ。それで、LINEで伝えた話したいことなんだが……」
陽毬はなぜかあからさまに言いづらそうに様子な態度を見せた。
「もしかして新しい仕事の依頼ですか?」
依頼をこなしたばっかりで新しい仕事を頼むのは申し訳なく思ったのかもしれない。
俺はそう考えたのだが。
「ある意味、それに近いな。依頼というかお願いなんだが……良かったら一緒にゲームを作ってくれないか?」
「え?」
突然の陽毬の頼みに戸惑いを覚えた。ゲームを作って欲しいだと?
「驚くのも無理はない。実は去年行ったコミケに感銘を受けてね。是非ともゲーム作りをしてみたくなったんだ」
「あの陽毬さん……勉強は大丈夫なんですか? 受験生なんですよね?」
小説はともかく、ゲームなんて完成するまでに膨大な時間を要する。
まともに勉強する時間など取れないのではないかと思った。
「気にするな。私は指定校推薦で既に合格を約束されているようなものだ」
くそ汚いな。いや、別に推薦が悪いとは思わないが。ちょっと羨ましいとか思ってしまった。
「そうなんですか……けど、俺ゲームなんて作れませんよ。絵を描くことくらいしか」
俺が断るつもりでそう言うと、陽毬は目を輝かせた。
「そうだ、絵だ! 君の絵はきっとゲームによく映える。プログラミングとかシナリオとかは私が担当する。だから、君は私が指定する絵を描いて欲しい。もちろん、報酬は払うとも」
ものすごい真剣な表情で陽毬はお願いしてきた。これは簡単には断れそうもない。
「一応確認しますけど、俺は絵を描くだけでいいんですね?」
プログラミングなどは全く出来そうな気がしない。
「ああ。私が言うのもなんだが、ゲーム作りはきっと将来役に立つぞ。君は美大に行くんだろ?」
「え? 行きませんけど」
俺がそう告げると、陽毬は心底驚くような声を上げた。
「ほ、本当かい!? 君ほどの腕なら絵で食っていけるだろ?」
「そんな甘いものじゃありませんよ……」
確かに絵を描くのは好きだが、別に絵で食っていこうなどこれっぽっちも考えてはいない。
こう見えて俺はリアリストなのである。
「そうか……勿体無いな」
「それよりも、ゲーム作りは二人で進めるんですか?」
「いや、他にも何人か声を掛けてみるつもりだ。おそらく四、五人くらいでゲーム作りをすることになると思う」
四、五人か……創作活動は一人でやるのが好きなんだが……まぁ、仕方ないか。
「分かりました。俺もゲームに合いそうな絵を描けるよう、色々とやってみます」
「ああ、頼む。一緒に神ゲーを作ろう!」
ひょんなことからゲーム作りをすることになってしまった俺だが、このゲーム作りが自分の進路に大きく影響を及ぼすことになるとは、この時は微塵にも思っていなかった。