人類最後の拠点カルデア
そのマスタールームにて「すぅすぅ」と静かに寝息をたてる齢20にも満たない黒髪の少年
彼の名は「藤丸立香」
人類最後のマスターにして人理の修復者
そして彼の眠るベッドの横には彼の寝顔を慈しむように、愛おしそうに、恋焦がれるように見つめる一人の女性
腰まで伸びる白百合のような白い髪に赤を基調とした短いスカートの服装
太腿まで届く長い白のブーツにその足を収め、赤く短い手袋をし、頭にはどこか王妃の冠のような帽子をかぶる
彼の女性はかつて王妃であった頃には決して衆前には見せなかったであろう「雌」の表情で
人間の女性ではなくヒトという動物の一匹のメスとしての顔を浮かべ、彼の少年を眺めている
それは暫しの間、年にしては童顔の少年の眠っている姿を瞳の内に収めると
「んむっ」少年の寝息が刹那途切れる
今にも暴れだしそうな己の衝動を必死に抑え、優しく静に少年の唇に口を合わせる
「んぅ・・・ふぅ、・・・ます、たぁ・・・」
決して他の人には聞き取れないであろう程微弱な声量で、しかしはっきりと己の主人を声で求める
(だめよ、マリー・・・これ以上激しくしては、マスターが起きてしまう・・・もし、マスターの寝ている隙を襲って、こんな人には見せられないような表情で、一方的にキスをしているようなことがバレたら・・・・・・
ああ、いけないわ。私・・・それもまた興奮してしまうわ・・・)
己が頭の中に止めどなく湧き押し寄せる、さらに官能的で背徳的な妄想たち
そこそこの広さはあるマスタールームにすら微細ながら響く、淫靡な粘液の絡まる音
まるで据え膳かのように無防備な自らの思い人、今襲えば確実にその貞操を奪って自分の色に汚してしまえるという状況に、既に彼女の秘所はまるでお漏らしでもしてしまったかのようにびしょびしょに濡れ、下着はもうその用をなさなくなってしまっている
この暴力的なまでに背徳的な状況にさすがの元一国の王妃といえども限界を迎える
さすがにこれ以上長くこのようなキスを続けていると、本当に辞め時を失って果てには暴走してしまうと・・・
惜しみながらも、そっとその唇を離す
互いの唾液で濡れた二人の唇からは艶めかしい唾液の橋が架かり、切れる
その余韻に浸り、惜しみながらも彼女が顔を離そうとしたとき
「うぁ・・・」
それは、猿の赤子が例え寝ていながらでも親猿の背にしがみついていられるように
それは、生まれて間もない赤子の手に指を触れさせると反射的に握り返してくれるように
まるで寝相のせいで手から離れてしまった抱き枕を寝ている人間が無意識に手繰り寄せるように、少年は彼女を頭の後ろに両手を回し、無意識が故の強い力で離れかけていた彼女の顔を再び引き戻す
「んんぅ・・・っ!」
再度、二人の唇は重なり合う
目を見開く、一瞬の出来事だったとはいえ、たとえ無意識だったとはいえ、
それは、彼女の今にも千切れそうだった我慢と葛藤の倫理の糸を切るのにはあまりにも十分すぎた
「はっ・・・!はぁ、はっ・・・ぁ!はっ・・・!マスターが、マスターが悪いんですよ・・・・・・こんなことされて我慢なんてできるわけが・・・っ!!」
それはまるで自分に言い聞かせるかのように、今から行う姦邪な行為を正当化するかのように
「ごめんなさい、マスター・・・こんな、はしたない雌が初めての相手になってしまうなんて・・・
ふふふ・・・っ!・・・あはぁっ!だめよ、こんな、・・・笑っちゃ・・・悦んじゃダメなのにぃ・・・っ!」
その日藤丸立香の童貞は、背徳の快楽に堕ちた白百合の王妃様に奪われた・・・
彼が深く眠りについているその内に・・・
今回は導入的な役割が大きいため内容が短くなっておりますが、次回からはもっと文章が長くなる予定です。