夜伽の艶めいた声は、人の情欲を煽り立てる。
互いの性感を高め合い、その目合いによって得られる快感を昇華させるものだ。
しかし、人に聞かれるのは憚られる。その喘ぎ声を近所にでも聞かれれば、次の日には得も言われぬ視線を向けられてしまうことだろう。
故に、攻める側も受ける側も声を押し殺して励む訳だ。
「っ……ふ……んっ……」
枕に口を押し当て、必死に声を押し殺す女性。
濡羽色の長髪が艶やかであり、時折窺える小さな唇は紅く染まっている。瞳こそ窺えないが、総じて整っていると言っていい風貌の女性だった。
彼女はじっとりと額に汗を浮かべながら、床の上で小刻みに前後へ揺れていた。
と言うのも、彼女は殿方との性行為の真っ最中であった。
程よく肉づいた尻たぶを掴まれ、ぐっしょりと濡れそぼっている秘裂に肉棒を出し入れされているのだ。
「ふぅー……ふぅー……」
彼女の名は鳴女。琵琶を嗜んでいる女の鬼だ。
鬼とは言え感覚は人並みであり、だからこそゆるやかに背骨を伝うように全身を蝕む快感に身を委ねていた。
まだ彼との目合いへの羞恥心を捨てられていないのか、普段着である着物は着衣したままで、致すことができるように裾を捲り上げ、四つん這いになっている。
これでは秘裂も菊門も丸見えであるが、外から差し込む月明りだけが光源の室内では、淫靡に濡れて輝く下腹部ははっきりと見えない。
だが、ムワリと立ち込める匂いまでは誤魔化せない。
男は鳴女の匂いに興奮を覚えながら、ゆっくり、ゆっくりと秘裂へ肉棒を突き立てる。
このように、欲望に駆られた獣のように激しい抽送ではなく、互いの愛を確かめ合うように緩やかな動きをしているのには理由がある。
とは言えども、大層な理由ではない。ここが平屋で遠慮なく下半身を叩きつけ合えば、肉が震える音と喘ぎ声が隣の部屋に響くからだ。
「あっ……はぁ……んっ」
鳴女も、本当であれば膣肉を掻き回すように激しく動いてもらいたいと考えている。
しかしながら、じわじわと膣肉を掻き分け、最奥をこじ開けられる感覚も悪くはない。堪え切れず漏れてしまう控えめな喘ぎ声が何よりの証拠だ。
「もっと……奥に……」
恐る恐る懇願する。
消え入りそうな声色だ。普段自己主張が薄い彼女の求める姿は、男にしてみれば容易く理性を崩壊させてしまいそうな程に情欲をそそる。
もっと愛したい。出来ることならば、性欲の全てをその体に注ぎたい。
頭の中で暴れ回る性欲を何とか抑え込む彼は、長い深呼吸を経てから、鳴女の腰に手を移す。
彼女の願い通り―――そして彼女が逃れられないように、ムンムンと色香を放つ肉の双丘を己の方へ引き寄せる。
「は、はぁぁあああ……あぁ……!」
膣内に肉棒が押し込まれる感覚に、肺の中の空気全てが押し出されそうになる鳴女が艶やかな声で鳴く。
足はピンと伸び、体内を侵攻する肉棒から逃れようとするも、腰を掴まれてはどうしようもない。
ただただ肉棒を受け入れるしかない鳴女は、ガクガクと震える腕で枕を手繰り寄せ、顔を埋める。
「ふすーっ……ふすーっ……!」
だがしかし、顔を埋めれば埋めるほど彼の匂いが、鼻腔を通じて肺を見たし、体中を犯し尽くしていく。
幸福で脳味噌が蕩けそうだ。快楽と幸せで弛緩した口元はだらしなく開き、彼の枕をダラダラと溢れ出る涎で濡らしてしまっている。
普段のお淑やかそうな風貌からは想像もつかない顔を晒す鳴女。とは言え、長い前髪と枕で隠された顔は早々見えるものではない。
が、
「あ……」
不意に上半身を転がされる。
面と向かい合う二人。依然、鳴女は枕で口元を、前髪で目元を隠したままであるが、息遣いの荒い彼が、そんな彼女の守りの壁を取り除いていく。
「や……いけません……見ては……」
慌てて取り返そうとする鳴女であったが、愛する男に鬼の膂力を発揮する訳もにいかない。
華奢な手で顔を隠すいじらしい抵抗を見せるも、そっと彼の手に掴まれて取り除かれる。
そうして晒されることになった鳴女の顔。
どんな端麗な容姿が佇んでいるかと思えば、
「っ……そんなに凝視されては……醜いですから」
鬼である彼女の最たる特徴は、何といってもこれに尽きた。普通、二つある瞳が一つしかなく、それでいて顔の中央に大きく構えているときた。
鳴女本人も、人から離れた風貌に引け目を覚えているのか、少しでも見られまいと顔を逸らしている。
だが、それがどうした。
男は彼女の頬に優しく手を添えたかと思えば、そのまま顔の向きを正し、唇を重ねたではないか。
カッと見開かれる瞳がこちらを覗く。
間近で見ると一層迫力があるが、困惑する彼女の舌を激しく絡めていれば、瞬く間に大きな瞳が潤んでいく。
「んんっ、ふぅ、んふぅ……!」
淫蕩に歪む瞳。
目は口程に物を言うと言うが、まさしくその通りだ。愛する男との口付けに蕩ける瞳の動きが実に賑やかで、見れば見るほど愛着が湧いてくるものだ。
大きな瞳に見合った長いまつ毛が顔を擽る。そのこそばゆい感覚でさえ、今は愛おしく感じてしまう。
熱い口付けと抱擁を交わす間、お預けを喰らっていた下半身であるが、これまた淫靡な性臭を漂わせていた。
きゅう、と肉棒を締め付ける秘裂からは、これでもかと愛液が滴り落ちており、二人の愛を育む場である布団の布地に染みを広げていく。
菊門も、甘い淫蕩を「もっと」と強請るようにぱくぱく口を開けている。
腰を動かしてこそいないが、男との口付けで感じている鳴女の膣内は激しく拡縮を繰り返しており、愛する彼の子種を欲しがっていた。
きゅっ、きゅっ、と締め付ける膣肉は熱い。まるで溶岩のように肉棒を包み込んでいる。
こんな名器に締め付けられれば、瞬く間に達してしまいそうになるが、彼は果てる寸前に愚息を引き抜いた。
突然膣内が寂しくなった鳴女は、「あ……」と寂しそうな嬌声を上げる。
しかし、彼にはやってみたいことがあった。
徐に立ち上がり、鳴女の眼前に愚息を構える。ビンとそそり立っている肉棒からは、先走った汁と鳴女の愛液で、濃厚な性臭が漂っていた。
それにさえ蕩けるような面持ちを浮かべる鳴女であったが、ビクビクと跳ねるように痙攣する肉棒に察したのか、口での奉仕を始めた。
まずはまとわりついている汁を舐め取る。
甘いような、酸っぱいような、苦いような―――複雑な味わいであるが、彼との愛の営みの結晶と思えば美味とさえ感じた。
彼女のおちょぼ口には些か大きい肉棒であるが、懸命に奉仕を続けていた鳴女は、ゴクリと生唾を呑み込む。
意を決したのか、大きく口を開いた彼女は、その慎ましやかな口には余りある肉棒をしゃぶり始めた。
「んっ、んぶっ、ふぐぅ~……!」
気を抜けば顎が外れてしまいそうになる。
しかし、見上げれば気持ちよさそうに顔を緩めている彼の顔が目に映った。
彼が感じてくれている。それだけでも天にも昇るような気持ちになる鳴女は、一心不乱に肉棒をしゃぶり尽くす。
頭だけでは物足りない。上半身を使い根本まで飲み込む鳴女は、窒息しそうなくらい膨らんでいる亀頭を喉で締め付けては、肉棒にまとわりつく己の涎を吸い尽くすような吸引をしながら頭を後ろへと引いていく。
そうやって奉仕を続けていれば、肉棒が次第に膨らんでいくのが分かる。
絶頂する予兆。鳴女もそれを察したのか、ここ一番の吸引力で肉棒を吸う。
余りの刺激に呻き声を上げる彼が腰を引けば、鳴女の口から肉棒がえげつない音を立てて抜かれた。
次の瞬間、爆ぜるようにして鈴口から白濁液が解き放たれた。
ドバドバと溢れ出る精液は鳴女の顔へと降りかかり、艶めく黒髪、大きな単眼、紅く照る唇、絹のような肌―――全てを穢していく。
「はぁー……はぁー……!」
天を仰ぐ鳴女は、彼の精液が少しでも無駄にならないようにと、犬のような荒い息遣いをしつつ舌を突き出していた。
あっという間に真っ白に染まる顔。単眼込みでも端正だった美貌も、今では精液塗れ。娼婦以下の下品な風貌と化していると言っても過言ではない。
「んっ……」
しかし、恍惚とした表情を浮かべている鳴女は、頬を滴り落ちる精液を舐め取る。舌以外にも付着した精液は、指で掬っては口に運んでを繰り返す。
そうして出来上がる精液便所。彼女の口からは精液の熱気と臭いが立ち上がっている。
品性の欠片もない姿であるが、口を閉じた鳴女は、しっかりと男の愛を舌で転がし、じっくりと味わってから飲み込む。
「けぷっ……ご馳走様でした」
口元を手で隠す鳴女は、軽い曖気を出しながら丁寧に食後の挨拶を告げる。
だが、これで二人の営みが終われるはずもない。
口の中の余韻や、身体の内で渦巻く情欲は収まりついておらず、トロリとした瞳で男に上目遣いを向ける鳴女。そうしている間にも秘裂を指で掻き回している彼女は、よもすれば彼を押し倒してしまいそうですらあった。
これに対し、男が拒絶するはずもない。鳴女が発情しているように、彼もまた収まることをしらない性欲が、一度射精して萎れていた肉棒を怒張させている。
言葉は要らず、視線だけで続行の同意を交わす二人。
すると何を思ったのか、鳴女は布団の上から立ち退き、私物である琵琶を手にとった。
そのまま弦を弾いて音を鳴らせば、途端に景色が移り変わる。上下左右がこんがらがった混沌とした和室のような空間だった。
突然訳も分からない場所に連れて困惑する男であったが、控えめに手を取る鳴女が目で訴える。
彼女の視線を辿れば、広大な空間の一角にポツンと布団が用意されていた。
「ここなら声を出しても平気ですので……」
辛抱堪らない鳴女は、そそくさと男を引き連れて布団の上に立つ。
普段は行為の最中でも着物を脱がない彼女だが、この空間に来た途端、今までの恥じらいが嘘であったかのように着物を乱暴に脱ぎ捨てる。否、恥らいを覚えていないというのは嘘のようだ。羞恥心に加え、とうとう全裸で性行為に挑むことへの極度の緊張と興奮から、彼女の体はガタガタと激しく震えている。着物を脱ぎ捨てる手も、どこかおぼついていない。
普段、落ち着き払った妖艶な佇まいを崩さぬ彼女が、このような初々しい姿を晒している光景を見るのも愚息に響いてしまうものだ。
ギンギンと、すでに臨戦態勢に入った肉棒を構えながら布団へ移動する男。
ようやく着物を脱ぎ終えた鳴女からは、着物の中に籠っていた濃密な女の香りがムワリと漂ってきた。
着痩せする方なのだろう。着物姿からは想像もつかない豊満な肉体が、目の前に堂々と佇んでいる。胸や尻もそうだが、腹回りもなんとも我儘な肉付きか。触らずとも触れた時の柔らかな感触を想像できそうであった。
しっとりと汗ばんでいる極上の女体を前にし、ゴクリと唾を飲む男。
鳴女も息遣いを荒くしながら、じっと彼を見つめている。
「そ、その……お好きになさってください」
妙な沈黙を経てから口を開いた鳴女は、上ずった声を発しながら、ゆっくりと体を布団に横たえ、淫らな汁に塗れた茂みと秘裂を隠そうともせず両脚を開いてみせた。
「貴方になら……何をされても、私にとっては嬉しいですので」
なんと光栄な言葉だろう。
ジーンと感極まる男であったが、間もなくして淫靡な雌の匂いが鼻をついた。
あれは雄を逃がさない肉の花弁。一度中へ誘われれば、二度と逃げることはできない。そうして男は今宵まで彼女と体を重ねてきた。
蜜を味わい、肉を貪り、種を吐き出し―――淫蕩に満ちた日々の中で愛を育んでは、より情熱的な夜を過ごしたものだ。
そして今日、彼女に誘われてこの場に至った。人間の自分には、どう抗っても逃げられない空間に。
それでも心が落ち着いているのは、目の前で愛に飢えている女が心を開いて招待してくれた場だと感じているからだろうか。
誰にも邪魔されない二人だけの空間。
最早遠慮はいらない。
もし殺された時は殺された時だ。悔いが残らないよう彼女の一片までをも味わいつくそうと、男は鳴女に襲い掛かった。
「あっ、はぁあん!! あっ、あっ、あっ!! ああああいいぃぃぃいい……!! ふああ!!?」
前戯も必要ないほど濡れそぼった秘裂に肉棒を突き立てれば、グネグネと身を捩じらせる鳴女が、人目をはばかる必要もなくなった所為か、聞いたこともないような喘ぎ声を上げ始めた。
広大な空間に反響する水音と喘ぎ声。
男も躊躇いなく下半身を打ち付け、熱く蠢く鳴女の膣内を堪能する。打ち付ける度に尻たぶは波打ち、秘裂からは糸を引くように愛液が滴り落ちる。
「もっと!! もっとぉ!!」
吼える鳴女の実った双丘も、淫らに形を変えながら前後に揺れていた。
時折、眼前で揺れる乳房にたまらず男がしゃぶりつき、乳首にこそばゆい感覚を覚えてはギリギリと歯を食い縛る。
必死に快楽を堪える鳴女。それも、全ては溜めに溜めた感覚が解き放たれた瞬間、かつてないほどの多幸感と快楽を得る為である。
口の端から涎を垂らしながら耐える鳴女。だが、涎に気がついた男が口付けを求めてくれば、ついつい応えて舌を絡ませてしまう。
「んんっ!! ぷはぁ!! 気持ちいいです……!! 貴方は……?」
男も感じてくれているか気になる鳴女であったが、当然のように彼は頷いた。
「こんな自分には余りある女性を抱いているのだから」―――と。
その言葉にカァーっと顔を真っ赤に染める鳴女は、恥ずかしそうに顔を手で覆った。が、すぐさま手を引きはがされては、頬や首筋に接吻を落とされる。
張りのある肌はいくら吸っても飽きるものではない。
火照る体からにじみ出る汗の塩気が、激しい目合いで疲弊する体に染み渡る。これで、より長く激しく体を重ねられるという訳だ。
「ふぅー!! ふぅー!! ふぅー……んっ、はぁ!!」
男が接吻に夢中となっている間、息を整えようとしていた鳴女。
だが、突然膣内を掻き分ける動きが激しくなり、堪らず艶めかしい喘ぎ声を上げてしまった。
刻一刻と溢れ出す愛液は、激しい抽送で白く泡立っていく。
それがまた濃密な性臭を辺りにまき散らし、互いの情欲を一層煽り立てていくのだった。グチュリグチュリと粘ついた生々しい音も、今の二人にとっては心地よく聞こえている。
パンッ、パンッ、パンッ!
小気味いい音が延々と響く中、途端に肉を打ち付ける音が早くなる。
パンパンパンパンパンッ!
滝のような汗を流して腰を振る男。
鳴女も、絶え間なく膣肉を掻き分けられる快感に表情を歪ませ、敷布団の布地を引っ張っていた。
「はっ!! はっ!! はぁっ!! んあっ!! あぁ!!」
今にも泣きだしそうな顔の鳴女。
彼女の膣内では、陰嚢の中で生み出される子種を吐き出さんと膨張する肉棒が、ギュウウウと締め付ける雌肉を強引に圧迫していた。
「来て……来てください……私もイキますから……!! 私も、イ……イクぅぅぅううう!!!」
絶頂を迎える鳴女が叫ぶ。
絶叫にも似た喘ぎ声と共に全身の筋肉が収縮すれば、秘裂に挿入されている肉棒も締め付けることとなる。
鬼ともなれば締め付ける力も絶大だ。精液の一滴も逃さぬと言わんばかりに締め付ける膣肉に、男もたまらず白濁液を吐き出した。
「あああああ……!!」
じわりじわりと広がっていく灼熱に、今度は全身が脱力する。
だらしなく弛緩した体は、時折痙攣しては、依然射精を続けている肉棒を搾り取るように締め付けた。
そうして搾り取った精液の量は中々のものであり、鳴女は自身の下腹部に、ふわふわとした熱を覚え、思わず穏やかな笑みを浮かべてしまう。
しかし、すぐさま物足りなさそうな顔を浮かべる男が目に入った為、くすくすと笑いながら告げる。
「好きなだけなさってくれて構いませんから」
妖艶な、それでいて慈愛に満ちた笑みを受け、彼女の膣内で萎んでいた男の肉棒は即刻屹立する。
据え膳食わぬは男の恥だ。
折角好きなだけ音を出せる場所に来たのだから、彼女をもっとアンアン喘がせてやらねば。使命感にも似た考えを抱く彼は、知りうる限りの知識を総動員して、彼女との目合いに全身全霊を尽くす。
パシンッ! パシィン!
「あん! あぁん! ご無体な!」
尻を叩く音が木霊する。
四つん這いにされ、後ろから突かれながら尻たぶを叩かれる鳴女は、少々乱暴な扱いを受けながらも新鮮な感覚に快感を覚えていた。
波打つ尻たぶ。赤く染まった傍から元通りになる豊満な尻は、叩かれる度に菊門をヒクつかせている。
それを目にした男は、何を思ったのか叩くのを止め、鳴女の菊門を指で押し広げ始めた。
これには流石の鳴女も驚くように目を見開く。
「い、いけません! そこは……ひんっ!?」
止める間もなく挿入される指。
未知の感覚に放心状態となる鳴女であったが、彼女の意志に反して菊門はきつく指を締めあげていた。
なんと助平な穴か。尚更興奮する男は、そのまま抽送を続けながら菊門を弄り回す。
膣肉の動きも肉棒を絞り上げる淫靡な動きと化すが、一方で鳴女はあれだけ上げていた艶やかな喘ぎ声を発さなくなっていた。
というのも、
「んふー……!! んふー……!!」
菊門で感じていることを認めたくないのだろう。
当初の言葉とは裏腹に声を押し殺すように、顔を布団に埋めていたのだ。
何と愛らしいのだろう。男は彼女の姿に胸をときめかせ、一層腰の動きを激しくする。
「ふぁ……あ、あぁー!! はああ!! んああ!!」
すると程なくして我慢できなくなった鳴女が絶叫する。
快楽に善がり狂う鳴女は、そのまま容赦のない前と後ろの穴への攻めを受け、間もなくして果てるのであった。
「ん……これは……深いところに……」
続いて二人は布団から離れ、立ったまま密着して、体を絡ませ合っていた。
鳴女が柱に寄りかかった状態で、片脚を持ち上げているところへ、男が肉棒を挿入しているという体位であった。
秘裂から溢れ出る愛液は脚を伝い、床へと滴り落ちていっている。
それほど感じている理由は、密着している状態での抽送であることから、男の肉棒が鳴女の最奥まで掻き分けて入っているからだ。鬼の身でありながら、子宮は子種を欲して疼いている。
「さあ、遠慮なく吐き出して……っ!」
蕩けた顔で懇願すれば、間もなくして男が射精した。
広がる熱に満足するような笑みを湛える鳴女。そんな彼女を見つめていた男は、堪らず唇を重ねようとした。鳴女は拒むことなく唇を受け入れ、愛を確かめ合うようにしっとりとした接吻を繰り返す。
それからも性欲と愛情が入り乱れた行為を続ける二人。
鬼の鳴女とは違い、そろそろ残弾が無くなってきた男は、まだ疼きが収まらない鳴女を満足させるべく、奥の手に出た。
「こ、これは……くひっ!」
恥じらいを隠せない鳴女が上ずった声を上げる。
後ろに座る男に寄りかかっていた彼女は、すっかり蕩け切っていた秘裂にそびえ立つ肉豆を爪弾かれていたのだ。
散々行為を重ねて充血していた肉豆だが、こうしてしっかりと弄られた経験はない。
平行して乳首も捏ねるようにして弄られているが、そんな愛撫とは比較にならないほどに、肉豆への刺激は鮮烈であった。
「んんっ!! はぁっ!! んぐっ!! あぁっ!! ふぁ!! きゃう!!」
時には指の腹を押し付けられ、時にはくりくりとこね回され、時にはピンッと爪で弾かれる。
彼女の体を弦とするならば、発せられる喘ぎ声が爪弾かれた弦の
ふざけた例えであることはともかく、肉豆を弄れば面白いほどに鳴女は喘ぐ。
ギンギンに屹立する肉豆とは裏腹に、鳴女はすっかりと脱力して男にもたれかかっていた。
抵抗する力もなく、肉豆を爪弾かれて音を発するだけの楽器を化した彼女―――とことん鳴かさずにはいられまい。
「ふあああ!!?」
乳房を弄っていた手が、突然秘裂の中へと滑り込む。
潤滑油など必要ないほど濡れそぼった膣肉を掻き回す指。苛烈な動きながらも、しっかりと自分の弱いところを責められる鳴女は、目の前が白黒に明滅するほどの快感に絶叫した。
だが、それだけで男は止まらない。片手で膣肉を蹂躙する間、もう片方の手では徹底的に肉豆を弄ぶのだ。真っ赤に晴れた肉豆が潰れそうなほどに圧迫すれば、弾け飛びそうな快感が雷と化して脳天を突き抜ける。
「あ゛あ゛あ゛っ!! っくぅぅううう!!」
乱れ髪を振り回し、身を捩じらせる鳴女。
彼女が絶頂するのにそう時間はかからなかった―――しかし、
「イク!! イってます!! イってますからぁ!!」
絶頂しても尚男の愛撫は止まらない。
ビリビリと流れ込む快感に、許容量を超えた脳は焼き切れる寸前であった。呼吸さえままならず、悲鳴のような喘ぎ声を上げる鳴女の体は、最早彼女本人でさえ制御できない
「―――あ」
ビクリと体が跳ねる鳴女。突然、彼女の秘裂から愛液とは違う生暖かな液体が噴き出た。
「っ、あああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっっ!!!」
広大な空間に轟く獣の雄叫びに似た絶叫。
艶やかな体を弓なりに逸らす彼女の秘裂―――正確に言えば、尿道の方から大量の潮が漏れ出した。
プシャアアアと清々しい音を奏でで噴出する潮は、男の掌に直撃し、みるみるうちに二人の周りに水たまりを作っていく。やっと止まったかと思えば、懲りず肉豆を弄られる快感に、再び間欠泉の如く噴き出る。
「あ……あぁ……あが、あぁ……」
ガクガクと震える鳴女は、潮以外にも涙も流しながら、失神しそうな快感の余韻に浸っていた。
最早汗か潮か分からぬほどに濡れた肉体を晒す彼女は、不意に振り向かされるや否や、唇を奪われる。抵抗することもなく、そのまま舌を絡ませる鳴女は、永遠に続くのではと錯覚する淫蕩の余韻をただただ味わうのだった。
「あ、あの……」
とことん乱れた後、二人はいつもの平屋に戻って来た。
散々淫靡な姿を見せた鳴女も、ここに戻って来た途端恥ずかしくなったのか、どこか挙動不審な姿を見せている。
そんな彼女が頬を染めながら紡ぐ。
「私と致したい時は、その……お声を掛けてください。いつでもあそこへお連れ致しますので……」
先の目合いを思い出し、思わずブルリと震える。
同時に搾り取られ尽くした愚息が瞬く間に元気を取り戻し、痛いくらいに腫れあがってしまうではないか。
我慢できない―――男は詰め寄り、鳴女の手を取る。
流石にさっきの今で頼まれるとは思っていなかったのか、目を見開く鳴女だが、艶の出ている唇を歪ませるようにして微笑んだ。
「承知致しました……では、参りましょうか」
じゅん。
想像するだけで秘部が濡れてしまう感覚を覚えながら、鳴女は喜びに弾みながら琵琶を掻き鳴らした。
やがて彼女の生み出す空間が、愛し合う人と鬼の待合茶屋的な場所として使われるようになったとかならなかったとか。