「え? 秘密結社みたいな組織に所属しているゴーストバスターを捕まえた? それはまた珍しい娘を捕まえましたね」
「あっさりと信じるんですか」
困った挙句、悠二はギブスンへ連絡して相談してみた。電話の向こうでギブスンが驚いたような声挙げて、すぐに笑いながらそう言った。
「どうやらこの世には不思議なものがあるようですよ。うちのメンバーには女吸血鬼がいますよ」
「……それ大丈夫なんですか?」
悠二の脳裡にはジョゼフ・シェリダン・レ・ファニュの『カーミラ』や小野不由美の『屍鬼』が浮かぶ。
「血は必要なようですが、一度に吸血する量は致死量じゃないし大丈夫ですよ」
「血を吸われたら吸血鬼になるなんてことは……」
「ありませんね。食事の吸血と仲間を増やすための吸血は違うそうです」
「そうなんだ……」
悠二は『ラブ・ハンター』という尋常ならざる力を使っているものの、それでも吸血鬼という存在に現実感を持てない。
「その吸血鬼もファントムの一種なのでしょうか?」
「どうなんでしょうね……彼女がファントムと称したことはありませんでしたし、ディックさんが捕まえた娘みたいな専門家でないと判断できないんじゃありませんか?私みたいな素人じゃ、わかりませんね」
「それもそうですね」
「そうなんです。まあ、ディックさん。そんなわけだからゴーストバスターだろうが魔法使いだろうが、気にせず調教すればいいと思いますよ」
ギブスンとの会話はそれで終わる。椿事に戸惑ったものの、やることはいつも通りで構わないのだと悠二は腹を括った。
腹を括った悠二は舞を召喚して、さっそく調教を開始しようと考えた。しかし、そこでふと思いとどまる。
ラブ・ハンターの支配力がどのくらいなものであるか、悠二は確かめてみたくなった。現在の舞の好感度でどのくらい支配力が及ぶのであろうか。現在、悠二が所有する友希那、燐子、鈴音は悠二が命令すればよろこんで色々なことをするだろう。だからこそ、舞を相手に命令の強制力を試してみたくなったのだ。
何か命令をしようかと悠二は考える。他愛のないものではなく、普通ならば聞き入れることができないような命令だ。
◇◆◇
「……なんで、こんなことに……」
舞は羞恥に顔を赤らめ、俯いている。そこは秋葉原にあるメイド喫茶。そのイベント会場である。そこの余興の一環であるリンボーダンス大会に、これから舞は参加するのである。
ただし、彼女はその学生服の下には下着をつけていない。ノーパンノーブラでリンボーダンスをこれから行うのだ。
「こんにちは。私はディックです」
彼女のスマホにかかってきたその声によって、舞の世界は一遍した。彼女は魂を見えない手で掴まれたような気分になる。
そのディックと名乗る男の指示で、リンボーダンスをノーパンノーブラで行うことを命じられたのだ。電話越しに命令を訊いたことで、舞は本人の意志に反して身体はこの店に向かっていたのだ。下着は駅のゴミ箱に捨ててしまっていた。
「……こんな、こと……いや」
俯き、呟く舞。息が荒くなる。そんな舞の様子には気づかず、司会役のメイドが進行する。
「それでは次の方はエントリーナンバー四番の川神舞さんです!」
舞が類まれな美女ということで盛り上がる。このイベントでは舞以外は盛り上げ役として参加してお店側のメイド二人が参加しているが、美貌ならば舞に及ぶものではなかった。
舞を見守る観客の中にはディックこと桜庭悠二もいる。しかし、舞は自分の主である悠二の顔を知らない。
楽しみだな、悠二は好奇心と嗜虐心で内心ほくそ笑んでいた。
※イベントの参加者について変更しました。
SSR>URのような独自なレアリティは紛らわしいですか?
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紛らわしい(改善したほうがいい)
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