悠二は帆波を鈴音に任せて彼女を自宅へ連れて帰らせた。このまま悠二が残って狩りを続けるためだ。
「悠二さん、さっき一ノ瀬さんに渡していたのは何?」
「お泊まり回数券だよ」
お泊まり回数券
渡した相手と一晩、一緒に寝ることができる。対象を含め、周囲の人間はそれを必ず受け入れ、異議を唱えることも決してない。全部で三〇枚つづり。
悠二が友希那と連絡を取り、彼女の友人たちと会うのは明日の午後ということになった。集められた人数も前々から目をつけていた女の子たち全員とはいかず、二人だけだった。
「まあ、唐突の呼び出しだったし、二人だけでも良しとするか」
無理をいって集めさせることはないように、悠二は友希那や燐子に言い含めていたので、偶然予定が空いていたその二人だけをアポを取れたのだ。
「それでそうするの? まだ新宿を探してみる?」
「いや、場所を変えよう」
悠二と舞は電車に乗って移動する。先程までに調べていた芸能事務所周辺を探索しようと考えているのだ。
「もう大きな事務所は探したじゃない。まだ心当たりあるの?」
「今度は小規模なところを探してみようと思ってね」
既に一之瀬帆波を手に入れたので悠二には余裕がある。あまり夜遅くまで探しては帆波を調教する時間が無くなるので、あと一、二時間くらいで引き上げるつもりで向かっていた。
悠二と舞が下車したのは聖蹟桜ヶ丘駅。悠二がラブ・ハンターでの探索を始める。設定はUR以上。
舞がスマホで彼が探している事務所までの経路を検索して道案内をしていた。道すがら、反応を見逃さないように注意しつつ悠二は舞についていく。彼女の律動的な足取りで短いスカートが翻る。露出癖を取り繕うことがなくなった舞は、今はノーパンだ。翻る短いスカートからは尻が見えるかもしれないと思うと悠二はつい舞の尻に注目してしまった。
「あった。……って、ここ、なの?」
舞の胡乱げにな視線の先にあるのは街角の三階建て家屋に入っている事務所だった。一階にペットショップ、クリーニング店、靴屋、書店が軒を連ねている。
事務所の名前は283プロ。
「本当に小さい事務所なのね」
「本当だな。しかし……ここに反応がある」
悠二は思わず唸る。ラブ・ハンターの画面には反応がある。場所は283プロだ。
「今日はアイテムをたくさん使うわね」
「ここが使いどころだろう」
悠二は今までにガチャで得ていたアイテムを惜しげもなく使った。彼はスマホから『顔パス回数券』を選択して使用する。するとスマホから赤い光線が発射されて悠二の手元に空色の券が出現する。さながら、彼の掌中で3Dプリンターによって作り出されているようだった。
顔パス回数券はどんな場所でもこの券を渡せば入る事が出来るアイテムだ。
「レアリティは高いけれど、ここで使わなければいつ使うというのだ」
悠二は舞を表に残して、券を持ったまま283プロへ向かった。
呼鈴を鳴らせば従業員の女性が出てきた。結構な美人だったが反応は彼女からではない。
「いらっしゃいませ。どちら様でしょうか?」
「こんにちは。こちらをどうぞ」
悠二は自己紹介もせずに顔パス回数券を従業員に渡す。彼女は不思議そうにしながらも思わず回数券を受けとる。裏表を確認している。
「すみません、中に入ってもいいですか?ここのアイドルたちに会いたいのですが……」
「分かりました。こちらです」
従業員に案内されたのは、まるで一般的な住宅の居間のようなところだった。
「現在、この事務所にいるアイドルは数人しかいません。みんな別のユニットなんですが、今日はそれぞれ別件の用事で来ているんです」
従業員の説明を受けて悠二はアイドルたちと引き合わされた。
なるほど、やっぱりアイドルは凄い、悠二は忌憚なくそう思った。友希那たちも類稀なる美女たちを侍らせている彼ですらそう思った。
そして、そこにいた三人のアイドルの中で一際、悠二を魅了するアイドルがいた。
「やあ、私に何かようかな?」
胴震いを禁じ得ない美しさだった。彼女だけが極彩色に輝いてみえた。
闇をとかして染めあげたような漆黒の長い髪は高い位置にポニーテールにしており、最高級の白磁のような白い肌。背もかなり高く、豊かな胸、細いくびれ、大きな尻。脚もすらっと長い。
まさに絶世の美女。玲瓏月輪のごとく、彼女の前では風も水も花も、光と香気を失うことだろう。
「こんにちは。えっと……」
「彼女は
「そうですか、初めまして。桜庭悠二です」
「初めまして、ご紹介いただきました白瀬咲耶です。……それで、今日は何か御用でしょうか?」
「ああいえ、私のことはお気になさらず。ここ、座っていいかな?」
「いいよ、とは言っても、別に私に断わりを入れる必要はないけどね」
そう言って愛想よく咲耶は笑う。悠二は礼を言って座る。他のアイドルたちにも気にしないように言っておく。顔パス回数券の効力は甚大で、悠二がふてぶてしく振る舞っているのに、彼女たちはそこにいるのが自然であるかのように受け入れている。
残り愛の矢は七本。明日には友希那たちに集めさせた少女たちを捕まえるためにも、矢を使いきるということは避けたい。
何度か挑戦してそれで失敗するならば、今回は彼女を諦めてまた矢を集めてから挑戦しようと悠二は腹を括る。残念ながら咲耶の連絡先を聞き出すことは難しいだろうが283プロに所属していることは知ることができた、それでよしとしよう、と悠二は自分に言い聞かせた。
咲耶は雑誌を読み、他のアイドルたちもそれぞれ別なことをしている。従業員も奥に引っ込んでしまった。悠二はスマホを取り出し、アプリを用意した。隠し撮りとは疑われないように極力配慮しつつ、咲耶へスマホを向ける。チャンスは少ない。緊張しつつ狙いを定める。
そして愛の矢を放った。
『捕獲しました』
成功音と一緒にメッセージが出た。
「マジか!」
悠二の素っ頓狂な声によって成功音がかき消された。
「……す、すみません」
アイドルたちに胡乱げに見られて悠二は謝罪した。まさかの一発成功。キャンペーンの効果があったとしても一度で捕獲できるのは嬉しいものだ。先刻、一之瀬帆波を捕獲したときに苦戦したことを思えば、尚更嬉しさを感じる。
そして彼はスマホを操作して咲耶のデータを確認する。眼前の彼女の様子に変化はなかった。
レア度:SSR 点数:94点
氏名:
年齢:18歳
レベル:0
交際経験:0人
キス経験:0人
性交経験:0人
被捕獲経験:1回、被捕獲中
対象:異性
嗜好:ノーマル
好感度:好意的(50)
身長:175cm
体重:60kg
3サイズ:B91/W58/H87
バストカップ:F
SSR! まさか一日でSSRを二人も捕獲できるとは思いもしなかった。望外な幸運に悠二は昂奮で手が少し震える。その震える指で咲耶にメッセージを送る。
「ふわああ……」
自分のスマホを見た咲耶が色っぽい息を吐く。彼女のその涼しい眼差しは昏い光を宿して、悠二を見つめていた。
残る矢は六本。
咲耶ほどの美女を捕まえるのに矢の消費を一本だけで済ませるなどとは、幸運の金貨を使い果たしたのではないかとさえ悠二は思った。
白瀬咲耶
第6のヒロイン。ゲーム『アイドルマスターシャイニーカラーズ』の登場人物。
使用したアイテム
お泊まり回数券
渡した相手と一晩、一緒に寝ることができる。対象を含め、周囲の人間はそれを必ず受け入れ、異議を唱えることも決してない。全部で三〇枚入り。
顔パス回数券
どんな場所でもこの券を渡せば入る事が出来る券。全部で三〇枚入り。
咲耶は一之瀬と同じく、出したいと思っていたヒロインなのでようやく出せて嬉しいです。次回こそエッチな回になるはず!
キャンペーン編で登場するヒロインは既に決まってはいますが、まだ今後も増やしていきたいと思いますのでキャンペーン編後のヒロインについて皆さんの意見を伺いたいと思います。(勝手ながら、募集期限は3月10日21時とさせていただきます。)
SSR>URのような独自なレアリティは紛らわしいですか?
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紛らわしい(改善したほうがいい)
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紛らわしくない