※この作品はR-18です。

目が覚めたら世界規模で強制ハーレムルートだった。   作:赤いUFO

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本人は下で出ます。今回はエロ無し。幕間とでも思ってください。


アナスタシア(終末のハーレム)その1・上

「なぁ、おかしくね? 俺、どっかの国の王族に会うから身嗜みを整えるって聞いてこの椅子に座ったんだぞ?」

 

「だから無精髭剃ってあげたじゃない」

 

「……そうか。俺は今、眉毛を全剃りされた上に新しく描かれてるように見えるんだが」

 

「そうね」

 

 だから何? とでも言わんばかりの態度に徹雄は渋い顔をする。

 椅子に座って先ず髭を剃られた。これは良い。

 髪に洗髪料を使われたり顔にクリームやらを顔に塗られた。これも問題ない。

 目を瞑って任せていたら何故か眉毛を剃られた。

 整えるとかではなく全剃りで。何で? 

 そこからもどう考えてもおかしい方向に進んでいた。

 

「おい。俺が大人しくしてる内に正直に答えろ。今被せたこのクソ長いカツラは何だよ。何でコルセットで締められてんだよ。というか、その服どう見ても男物じゃないだろ、誰が着んだよぉおおおおっ!」

 

 目から光線でも出しそうな視線を徹雄の顔に化粧を施している刀奈に問う。

 体を離した後に刀奈は面倒そうに説明する。

 

「これからお忍びでロスアニア王国に行くのよ? でも、男性が来てるとバレたら騒ぎになるじゃない。だからこうして女装させてるんでしょ?」

 

 刀奈の説明に徹雄はカツラを被せられた自分が映ってる鏡を指差した

 

「あ? 女装? 今女装っつったか? もはやこれ女装じゃなくて、出来の悪い貞子のコスプレじゃねぇかっ!!」

 

 長い髪で顔の殆んどが隠れており、今Tシャツ半ズボンという事もあり、見た目がムキムキマッチョになった貞子である。

 噛み付かんばかりの徹雄にアリサが口元を手で隠しつつも話を続ける。その顔は完全に笑っていた。

 

「とにかく、これはアンタの安全の為に必要な事なのよ。我慢しなさい」

 

「貴方も、水原様みたいに中性的な顔立ちだったら良かったのにね~」

 

「さりげなく俺の顔をディスってんのかテメェ……! 大体それならジェイルさんが居るだろうが!」

 

「は、は、は! そう言ってくれるのは嬉しいがね。今回のお相手は16のお嬢さんだ。年が近い方が好まれるだろう」

 

「……あぁ。加齢臭で嫌われるから俺にお鉢が回ってきたのか」

 

「……次の検査を楽しみにしておいてくれたまえ。1番の理由は私の生存はなるべく伏せておきたいのでね」

 

 笑みを崩さずにそう告げるジェイル。

 別方向から噛み殺した笑いが聴こえてくる。

 そちらの方を向くと見物していた女達が物凄く笑いを堪えている。

 

「ゴメン、おにーさん……いま、こっち、見ないで……プッ……」

 

「あ、朝比奈さん……だいじょうぶ……似合ってます、よ?」

 

「後で覚えとけよ、木綿季。それと雪村も出来ないフォローをしなくていいんだぞ?」

 

 ちくしょう、と項垂れる徹雄

 

「そもそも何処だよロスマ(・)ニアって。聞いた事ねぇよ」

 

「ロスア(・)ニアね。どうせアンタの事だから、日本以外の国なんてアメリカか中国くらいしか名前なんて出てこないでしょう?」

 

「……ちっ」

 

 アリサの言葉が図星だったのか、舌打ちして顔を背ける。

 

「カツラのせいで前が見えねぇ……つーかさ、お前ら本当に俺をどうしたいの?」

 

 鏡に映る自分を見ると切なくなって肩を震わせる徹雄。

 それに自分を見て笑っている女達にも地味に傷つく。

 

「お前ら、帰ってきたら全員白目剥くまで犯(ヤ)ってやるからな?」

 

 負け惜しみのような言葉を吐くのが精一杯だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……船の次に車の中で移動するんなら変装する必要なかっただろ」

 

「だから念のためって何度も言ってるでしょう?」

 

「もう脱いでいいか?」

 

「いい訳ないでしょう」

 

 アリサの返答に苛立たしげに歯軋りする。

 

「ロスアニアの王女であるアナスタシア様に失礼のないようにしなさいよ」

 

「へいへい。精々気を付けますよ~」

 

 不貞腐れた徹雄にアリサは肩を竦めると同時に、絶対に何かやらかすな、と確信する。

 

 しばらく進んでいた車が停止した。

 するとアリサが顔を出す。

 

「はやて~! リインさん! こっちこっち~!」

 

「アリサちゃん!」

 

 待ち合わせしていたのだろう。

 彼女の友人である八神はやてとその家族であるリインフォース・アインスがこっちの車に早歩きで駆け寄ってきた。

 

「今回の交渉、ご苦労様ね。はやて」

 

「いやいや。アリサちゃんほどやないで? えーっと徹さ────」

 

「よお……」

 

 不機嫌な声にこっちを見たはやての目が点になる。

 

「うわ……バケモンがおる」

 

「……」

 

 いきなり失礼な言葉だが、今の姿に自覚はある為に眉だけピクッと動かして黙っている事にする。

 アリサが簡単に説明すると、口とお腹を押さえてプフーッと吹き出した。

 

「ホントに徹さん!? ア、アリサちゃん、最高や! ヤバッ……こっち見んといて……!!」

 

 大きな声を出さないように必死で笑いを噛み殺すはやて。

 後ろにいるリインがフォローする。

 

「まぁ、なんだ。誰も朝比奈徹雄(お前)だとは気付かないと思うぞ?」

 

「……ありがとう。それよりもそこのチビ狸。俺を殺人犯にしたくなかったらいい加減笑うのやめろ。絞めて鍋にすんぞ」

 

「やめてぇ……! その姿で凄まれると余計に堪えられんわ!」

 

 くはははは、と笑い続けるはやてにアリサが手を叩いた。

 

「ほら、2人も早く乗って。はやても移動しながら報告してちょーだい」

 

「はーい」

 

 子供のような返事をして車に乗るはやてとそれに続くリインフォース。

 助手席に座るはやてが報告を始めた。

 

「交渉事態は思ったよりも簡単に進んだんよ。ただ、向こうの条件としてはちょう意外なのが出されてな」

 

 困った、というように微妙な表情をするはやて。

 

「実はその王女様が徹さんとの結婚を望んでるんよ」

 

「ん?」

 

 何か聞き流せない事が耳に入ったが、アリサは納得したように頷く。

 

「あぁ。今のところ男性が目覚める可能性は絶望的だものね。だけど、王族として血筋だけは残したい。でも、王族である以上、正式な結婚をしてないと、てトコかしら?」

 

 冷凍睡眠で眠っている男性が生存出来る期間は凡そ1年と言われている。

 最悪の可能性として、早急に婿が欲しいと言ったところか。

 

「ちなみに俺に拒否権は?」

 

「ある訳ないでしょ」

 

「本物の王女様やで、徹さん。男の人は好きやろ?」

 

「遠巻きに眺めるだけならな! というよりも、その王女様と会う前にこの貞子はやめていいんだよな?」

 

「あーうん。流石にそれは王女様には見せられないわ」

 

「直接会うのは明日やしな」

 

 それだけがせめてもの救いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 既に陽が落ちた頃にはやてが取ったホテルに案内される。

 

「早く、コルセット外さねぇと、死ぬ……」

 

 軽く上半身を曲げるのにも痛みを感じる為、車から出るのにも一苦労だった。

 

「大袈裟ねー」

 

「バカかテメェは! どんだけきつく締めてると思ってんだ! 動く度にミチミチ肋骨から音が鳴るんだぞ!」

 

 それに内蔵も圧迫されてこうして声を出すのも苦しかったりする。

 もう路上でも良いから脱いでしまおうかと考えていると、小さな女の子が数名に路地裏に連れてかれるのが見えた。

 

「……」

 

 数分後、先に入っていたアリサとはやてが戻ってくる。

 

 徹さん。荷物持って────アレ? 徹さんは?」

 

「先程向こうの路地裏に」

 

 指差すリインフォース。

 

「気付いとったなら止めんかい!!」

 

 はやてはリインの頭にチョップを喰らわせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら。早くだしなって。また痛い目遭いたくないでしょ?」

 

「あ、あ……」

 

 気の弱そうな小柄な女の子がガラの悪そうな少女2人に絡まれていた。

 片方は刃物を持っており、刃が服を切れない程度に撫でてくる。

 

「アタシらもさ~。こんなことしたくないんだよ? でもお金欲しいじゃん? だからさ。今日もお願いね? トモダチでしょ?」

 

 彼女達3人は同じ学校に通っているクラスメイトだった。

 このような要求も1回や2回ではない。

 気が弱く、言いなりになることに慣れた女の子は震えながらいつも通り財布の中身を渡そうと────。

 

「刃物チラつかせてんじゃねぇよバカが」

 

 2人の少女の後ろから伸びた手が、スッと刃物を奪い取った。

 いきなりの事に驚いた少女2人が振り返る。

 

「なにすん────ヒッ!?」

 

 振り向いた不良少女2人は引きつった声を出した。

 顔が全て隠れる程長い髪。

 着ているのがワンピースなのに分かる筋肉質な体格。

 

「ただの口喧嘩なら放っておこうと思ったんだが。こういう事するのって何処の国にも居るのな」

 

 言うとナイフの刃を半分くらいのところで板チョコでも割るように容易く折って捨てる。

 

「な、なんだよお前っ!?」

 

「あ? 見て分かんだろ貞子だよ。呪い殺すぞ」

 

 どちらかと謂えば殴り殺してきそうな外見だが。

 目の前の存在にただ恐怖が襲ってくる。

 

「俺は今あんまり動きたくねぇんだよ。あんまり手を煩わせるとなぁ」

 

 手が届くコンクリートの壁を殴り付けると拳大の穴が出来た。

 

「俺の呪いでこんな風になるぞ」

 

 髪の隙間から見える危険な光を宿した眼に、三日月のようにつり上がった口元。

 ボキボキと鳴らされる指に2人の恐怖の限度が超えたのか、その場で座り込んでしまった。

 刃物を持っていた方は失禁までしている。

 

「大丈夫、か……」

 

「アホかー!?」

 

 後ろからアリサが怒って背中を蹴りを入れてきた。

 

「アンタどこまで馬鹿なの!? 問題起こすなって言ったでしょうがっ!?」

 

「人助けだよ人助け」

 

 鬱陶し気に答える徹雄。

 

「うわー。この子ら気ぃ失っとるで? よっぽど恐かったんやな」

 

「俺の覇王色に当てられたんだよ」

 

「さっきは呪い云々とか言ってたやん。設定は統一しようや」

 

 気絶した2人の少女を撮ると、はやてはそのデータをポカンとしている女の子に渡す。

 

「これ。次絡んできたらこれをバラ蒔くとか言っとき。そうすればもう絡んでこないとおもうで? リイン。この子送ってあげてな」

 

「分かりました、主」

 

「あるじやめーい!」

 

「早くホテルに入るわよ! 今のアンタ、不審者なんてもんじゃないんだから!」

 

「これはお前と更識姉の作品だからな!」

 

 コントのように騒がしく去っていく一同。

 目を丸くした女の子がポツリと呟く。

 

「男の人……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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