目が覚めたら世界規模で強制ハーレムルートだった。 作:赤いUFO
『んんっ! ああんっ!?』
世界でもっとも重要な資源である男性の1人、朝比奈徹雄の部屋に仕掛けられたカメラから映されている生中継の性交を観ながら更識楯無は息を吐いた。
楯無が担当する世界でMKウイルスへの抗体を持つ6人の男性の1人。朝比奈徹雄。
彼と多くの女性をメイティングさせ、子供を。特に男子を誕生させるのが楯無の仕事だ。
今、徹雄が抱いている女性も楯無が斡旋して送った女性だ。こうして彼の性交を見るのも仕事である。
『いいっ!? こんなの、しったらぁ!!』
大きな声を上げる女性。
最近は女を扱うことに慣れたらしく、気絶するまで犯すことはなくなった。
今では相手が満足すればそこで切り上げている。
「まったく……相手なんて誰でもいいんだから……」
映像を観ながら沸き上がる僅かな。しかし確かな苛立ち。
処女を奪われたあの日から楯無はメイティングに呼ばれていない。
基本徹雄が来るもの拒まずで自分から動くことが少ないからだ。
それなら、自分から誘えばいいだけなのだが、それはそれでなんとなく面白くない。
「きっと、毎日こんなものを見てるのが悪いのよ……」
ふくれっ面をしていても仕事はしっかりとする。
2度目の射精で女は荒い呼吸のまま目を瞑る。
それを見て限界を察した徹雄が体を離した。
事後に優しく頭を撫でる徹雄にイラッときた。
「私のときはあんな風に優しくしてくれなかった癖に……」
確かにちょっと挑発し過ぎた気はするが、それにしてもとぶつくさ文句を言う。
それにあれから再び呼ばれないのも女としてのプライドを傷つけられていた。
要するに、構ってもらえずふて腐れているのである。
「肉じゃがが食べたい……筑前煮でも可」
「急にどうしたの?」
朝食を食べながらいきなりそんなことを言う徹雄に楯無が呆れで目を細める。
「いや、俺もさ。ここで世話になってて、女と寝るだけで飯食わせて貰ってるし。意外と自由に過ごさせてもらってるから食事のことまで小姑みたいにネチネチする気はなかったんだよ」
「ならいいじゃない」
「おまっ! 俺が毎朝出されてる飯を見てみろ!」
徹雄が指差した食事。
「朝っぱらから特大のガーリックステーキっておかしいだろ! お前ら俺を横綱にするつもりか! ここに来てから焼肉屋とかで出そうなメニューばっかじゃねぇか!」
「嫌いじゃないでしょう? それに貴方あんなに動いて太るの?」
「太るよ! 確かに肉類は好きだけどな! こんな毎日食えるか!」
「もう食べてるじゃない。でもそういうことなら、もっと早く言って欲しいわね。一応、そういう要望を聞くのも私の仕事だし」
「出されたモン残すなんてできるか! 第一、こんなヒモみたいな生活してて食うもんにまでケチつけたくなかったんだ!」
「変なところで律儀ねぇ」
徹雄の変な律儀さに苦笑する楯無。そこである考えが浮かぶ。
「作ってあげましょうか? 肉じゃが」
「誰が?」
「私が」
閉じた扇子で自分を差す楯無。
その言葉に徹雄は疑いの眼を向ける。
「料理できんの?」
「しっつれいねー! こう見えて家事全般は子供の頃から仕込まれてます!」
まぁ、こんな見栄で嘘は吐かないだろうが。
軽く頭を下げる。
「なら、昼に頼んでいいか?」
「お任せあれ。他に何かリクエストはある?」
「豆腐の味噌汁。あとは焼き魚とかあると嬉しい」
「はいはい。それじゃあ、楽しみに待ってなさい」
朝の運動を終えて昼近くに戻って来る。久々の和食が食べられることに上機嫌でいると見慣れた水色の髪が見えた。
「お~い更識~! もう昼飯出来たのかぁ!」
早歩きで近づき、肩を掴むとキャッと声が聞こえた。
相手が振り向くとそれが楯無とは別人だと気付く。
楯無はつり目気味だが目の前の少女はたれ目で眼鏡をかけており、身体もやや小柄に見える。
それに正面から見ると纏う雰囲気とでもいうのか。それが全然別人に感じた。
「男……朝比奈、徹雄……?」
「あぁ。悪い。こっちは人違い────」
手を離すとそこで、目の前の少女が視線を鋭く、こちらを睨んでいることに気付いた。
怒りと嫌悪の混じった表情。
次の瞬間、楯無似の少女が、パシンと自分の頬を張ったのに気付くのが一瞬遅れた。
「あ?」
「────っ!!」
徹雄の声にむこうもあ、と声が漏れ、一目散に駆けて逃げる少女。
叩かれて痛くもなかった頬を擦る。
「なんなんだ、いったい」
「さ! お待ちかねの楯無さん特別和食よー」
出されたのは白米と味噌汁。鯖の塩焼きとお新香。そしてリクエストしていた肉じゃがだ。
「あぁ。美味そうだな」
淡白な反応に楯無が眉間を寄せて頬を膨らませる。
「な~にぃ。せっかく作ったのにその態度ぉ?」
「悪い。それより更識。聞きたいことがあんだけど、いいか?」
「どうしたの、改まって」
「お前さん、もしかして姉妹とかっているのか?」
「えぇ。妹が1人。それがどうかしたの?」
いただきますと手を合わせて箸を持つと先程の話をする。
「ついさっき。お前に良く似た女に会ってな。間違えて声をかけたら睨まれてビンタされた」
「はぁ?」
訳が分からないと顔を歪める楯無。
「簪ちゃんはそんなことする子じゃないんですけど。貴方が何かしたんじゃないでしょうね」
そうだったら許さないわよ、見つめてくる。
そしてどうやら妹の名前は簪と言うらしい。
「何かするもなにも、さっき初めて会ったんだぞ? むしろそっちが俺のことで悪印象持つように伝えてたんじゃないだろうな」
「そもそも最近、お互いに忙しくて会ってないのよね。後で虚ちゃんに聞いてみようかしら?」
んー、考え始める楯無。
徹雄は今考えても仕方ないと出された昼食に手をつけた。
肉じゃがのジャガイモを食べるとうまっ、と感嘆の声が漏れた。
それから鯖の塩焼きや味噌汁を美味い美味いと口に運ぶ。
その様子に気を良くした楯無が腰に手を当てて胸を張る。
「どう、見直した?」
「おう。美味い。ホント美味い」
子供のように美味い美味いと繰り返す徹雄。だがだからこそ他意のない感想なのだと分かる。
そこで楯無があることに気付いてクスッと笑った。
「ほら。ご飯粒が口元に付いてるわよ。本当に子供みたいね」
これじゃ、どっちが年上だがと取ったご飯粒を食べる。
楯無としてはここまで喜ばれれば悪い気はしない。
食べ終わると徹雄がごちそうさまと手を合わせ、お粗末様と楯無が食器を下げた。
そこで楯無が思い出した様子で話を変える。
「先日、3人目の男性が目を覚ましたそうよ。名前は水原玲人さん。徹雄と同い年の」
「玲人? アイツも目を覚ましたのか」
「知り合いだったの?」
驚いたように目を開く楯無。
「コールドスリープに入る少し前にな。アイツも同じ病気っつうから声かけた。その内玲人も目を覚ますと思ってたけど。そっか……」
交流は僅かに数十分だったがそれでも以前の知り合いが目を覚ました事実に徹雄は喜びに頬を緩める。
「あっち担当に話を付けて会えるように取り計らいましょうか?」
「いいのか」
「今後、目覚めた男性たちの顔合わせは行う予定だったしね。最初に目を覚ました火野恭司とも、だけど」
「あぁ。そっちも会って見たかったしな。頼む」
「はいはい」
端末にメモを取っていると、ニヤリと笑う。
「それより、ご飯を作ってあげたり、こうして他の男性とのセッティングをしてあげてるんだから。ちょっとくらい見返りが有ってもいいんじゃないかしら?」
「……俺に出来ることなら」
言うと、楯無がカラダをすり寄らせてくる。
「分かってるでしょ?」
「いいのか?」
「むしろ、何でダメだと思ってたのよ?」
「だって、なぁ……」
徹雄からすれば、最初の日に気絶するまで犯された自分とこういうことはもうしたくないだろうと思っていた。
「それとも、一晩抱いただけで飽きられちゃったかしら?」
「それこそまさかだな。出来ればもっと抱きたいと思ってたぞ」
「なら……ね?」
胸を当てられて男性の象徴が否応なしに反応する。
それでいいならと徹雄は楯無を自室に連れ込んだ。
「ん、もぅん……っ! こんどは、こんな、焦らすみたいに……」
挿入した肉棒をゆっくりと出し入れして楯無が達しないように小さな快感を送り続ける。
最初の時のように自分を征服するような刺激ではなく、少しずつ徹雄が楯無の膣内を自分の男性器専用に変えていくような。
腰を掴まれて繰り返される小突くような子宮口へのノック。
その遅い動きに満足出来ず、文句を言う。
「ちょっとぉ……そんなに、焦らさなくても……」
「時間はまだあるし、今回はゆっくりとお前の身体を楽しみたいんだよ。前にも言ったろ? お前の身体、やみつきになりそうだって!」
突然勢い良く突かれて楯無の嬌声が聞こえた。
腰の掴んでいた手を放し、乳房をつ揉み、人差し指で乳首を弄る。
すると熱い吐息。性感を刺激されて上気した頬に小さく開かれた唇。
「お前、かわいいな……」
「ふぇ!」
突然かわいいなどと言われて動揺すると同時に膣内が強く肉棒を締め付けた。
「い、いきなりそういうこと言わないで……!」
「思ったことを言っただけだろ。それよりお前の中、ホント具合が良いよな。何かスポーツとかしてるだろ?」
「ご、護身術に色々と格闘技を……」
「だからか。さっきのは少し危なかったぞ」
身体を倒し、楯無の肩に舐める。肌が甘いと思った。
肩から胸まで顔を動かすと徹雄は乳房を軽く歯を立てながら鼻を鳴らして楯無の匂いを嗅ぐ。
「ちょっ! 貴方……!」
「いいな……お前のにおい、好きだ……」
「……ん!?」
強く噛まれて楯無が身動ぎする。
その動きにぺニスを刺激されて徹雄は最初の限界を迎えた。
「更識、もう射精る……膣と外、どっちに射精して欲しい?」
「イジワル、しないの……膣内にきまってる、でしょう……」
甘い声で極上の美女に精子を注がれることを求められて拒否できるほど、徹雄は男を捨ててなかった。
「んんぅ!?」
注ぐと唇を噛んだ楯無が目を瞑る。
一度治まった射精。しかし徹雄が一度だけで満足する筈もなく。
「まだやるぞ」
「わかってるわよ……! でも次は私が上になるわ……攻められてばかりじゃ悔しいし……」
体を起こし、徹雄に体を倒させる。
「次は、私が徹雄をなかして上げる……!」
挑発的に舌を舐めずり、腰を動かし始める。
円を描くように動き、時折腰を浮かせて一気に下ろす。
「こうして攻めてみると、気持ち良くなってくれてる貴方の顔がよく見えるわね」
体を倒し、徹雄の顔に近づくと頬に何度かキスをしてから唇を重ねた。
「んむっ! チュッ、チュッ……」
互いに舌を絡ませ、鼻息を荒くして唾液を交換する。
その間に徹雄は楯無の尻に手を伸ばし、肉の感触を手の平で味わっていた。
楯無はその間にも腰を動かしていたが、ある部分に肉棒が当たると突然キスしていた顔を外して背中を反らした。
「な、なにいまの!?」
「お? やっぱ今のがお前の感じる箇所か。この態勢からだとちょっと当たりにくいけど」
言って、もう一度同じ所を肉棒で刺激する。
「ま、まって!? いまは、私が……!」
「してもらうのも良いけどな。でもやっぱり、お前の感じてる顔、好きだわ」
「い、いまおっぱい吸わないでよっ!? 刺激が、強すぎて────」
楯無の抗議を無視して、ひたすら突き、胸への愛撫を続けた。
次第に楯無も徹雄の頭に腕を回して胸を押し付ける。
「い、イク! あ、い、いぃっ!? もう、ダメェ!! おあぁぁああああああっ!?」
精子が楯無の膣から子宮まで飛び散って犯し、身体を痙攣させた。
だらしなく舌を垂らしていた楯無は、精子を全て受け入れると徹雄の胸に顔を倒し、恨めしそうに視線を向ける。
「……今度は私が気持ちよくさせようと思ってたのに」
「前よりずっと良かったよ。拗ねんなって」
その言葉を聞いて安心したようにうん、と頷く。
セックスを終えた後のこの余韻は好きになれそうだった。
徹雄の厚い胸板に顎を乗せ、楯無は微睡みに抗うことをせずに目蓋をおとす。
ただ、最後まで姓でしか呼ばれないことを残念に思いながら、
鈍くなる思考の中で思う。
(うん……でも、どうせ呼ばれるなら、わたしの、本当の名前がいいなぁ……)
ぼんやりと思いながら眠りについた。
次にもう1人別の人物出したら、原作主人公との再会予定。