※この作品はR-18です。

国防☆仮面のエロ配信を、四国随一に成り上がらせる話   作:毒蛇

1 / 7
ゆゆゆR-18増えろぉぉ!!
それはともかく、東郷さん主体のエッチなお話。
目を見開いて、頭を空っぽに、パンツを脱いでお読みください。
+


第一話 『配信開始』

 私がその配信を見つけたのは、ただの偶然であったと言って良い。

 偶然、神の悪戯、運命の分岐路。特にその日は何かあった訳でもなく、友人達も寝静まったような夜の時間帯、何となしにパソコンを使っていた時、私の視界にある動画が映りこんだ。

 

「国防仮面……?」

 

 どこかで聞いた事のある名前だ。

 いくつかある画像のサムネイルには何かの戦艦が載っており、特に興味を引く訳でもない。

 その動画をクリックしようと思ったのは、そのチャンネルの名前のインパクトからだろうか。

 旧世紀の戦艦らしい画像と謎の名前からは何の動画か理解出来なかったが――

 

『ど、どうも、は、初めまして、私は憂国の戦士……、国防仮面!!』

 

 どこかの部屋だろうか。

 僅かに生活感のある部屋は寝台とどこにでもありそうな壁が背景になっている。

 動画の中央、白いマスクを顔の上部に付けた深緑色の瞳、漆黒の髪の少女だった。

 

 どこかの軍隊の制服のような出で立ち。

 当時配信していた時にリスナーが入ったのだろう、強張っていた顔が僅かに解れると、マスクに隠された柔和な少女の表情を窺う事ができた。雰囲気から察するに高校生か大学生か。

 

 時々マスクの奥の『素』から分かる温厚な性格。

 恐らくは美少女であるというのは、艶のある美しい黒髪からも、吸い込まれるような深緑色の瞳からも、日焼けも染みもない白皙の肌から察する事ができた。この様子ならば周囲の男が放っておかないだろう。既に彼氏がいるのか、食われているのか、何か地雷を抱えているのか。

 

『あー、えっと、わたしが、このどーがをはじめたりゆうは』

 

「ふふっ」

 

 時折画面外のカンペを見て片言になる少女に苦笑する。

 気が付くとキーボードに添えた手が止まるのを忘れて注視する。

 私が見る中で既に動画となった過去の彼女は、薄い唇を震わせて一言告げた。

 

『では、初回という事もありまして……せっかくなので国防体操を行いたいと思います』

 

「――――」

 

 気づいてしまった。

 これはやべー奴だ。何が、どういう文脈で、“せっかく”になるのか。

 

 洗脳されそうな頭のおかしい歌詞がイヤホンを伝い耳朶に侵食する。

 何か時代錯誤な、生まれる時代を間違えたような彼女のダンスは恐ろしくもキレキレだ。

 これは今すぐブラウザバックするべきだ。だが、不思議と目が惹きつけられるのは何故か。

 

 そして私は、やけに高画質である事に気づいた。

 チグハグなのだ。少女の産毛まで見えそうな機材を用意しておきながら、進行が雑なのだ。

 取り敢えず高い機具を使用しておけば良いだろう、そんな思惑が薄っすらと見える。

 

『初見です』

 

『あっ、初見さん初めまして。私の名は……憂国の戦士、国防仮面!』

 

『なんだこいつ』『揺れたので参戦』『うよくー』『謎のポーズ』

 

 動画を止めるか悩んでいると、当時の愚かな同士(リスナー)たちが反応を示す。

 でかい。確かに動く度に制服で隠せない程の大きな双丘が揺れるのが見えた。

 その後の国防仮面ならぬ黒髪の少女が語る内容は何と言えば良いか、アレであった。

 

『祖国の英霊を……、くっ、すみません。ティッシュを……』

 

 中々に思想が偏っている少女のようだ。

 ちなみにこの時点で『国防』という言葉は既に十回口にしている。

 暇なのかカウントして遊んでいるリスナーがコメントで教えてくれた。どうでもいい。

 

『えっ、うどんの素晴らしさ? そうね……私が好きなのはかめやのうどんね』

 

『カラオケはよく友人達と一緒に行くわ』

 

『ぼた餅をよく作ってて……でも、最近は洋菓子も……』

 

 最初のキャラロールも時間が経過し、ゆっくりと崩れ落ちていく。

 段々とマスクの中に隠された癖のある少女の可憐さとヤバさを理解しつつも、結局最後まで見てしまった。30分程度の配信だったが、何となく見てしまった。

 

『ではまた……、富国強兵!』

 

『乙!』『糞配信おつ』『ぼた餅』『国防乙』『(`・ω・´)ゞ』

 

 敬礼をするマスク少女に応対するリスナー達のコメントがブラックアウトした画面を背景にして流れていく。初回の配信動画の再生が終了したのだ。

 結局、この国防仮面なる少女が何をしたかったのか。

 単純に彼女のやべー思想を持つ仲間を作りたかったのか、雑談をしたかったのか。

 いずれにせよ、もう二度と見る事は無いだろう糞配信だったのは確かで――

 

「ん……」

 

 ふと気づく。

 何気なくチャンネルを更新した途端、生放送という文字が目に付く。

 誰もいない部屋で唯一の光を放つパソコンのディスプレイ、無機質な数字が示す時刻は既に深夜を過ぎている。逡巡した後に、私が生配信の動画にカーソルを合わせたのは、神世紀300年の秋、少しだけ肌寒くなってきた、月灯りの無い夜の日の事だ。

 

 

 

 +

 

 

 

 とある深夜。

 カメラの前でポーズを決める国防仮面――、東郷の背後から俺は見守る。

 三回目の生配信にて、白いマスクと黒い帽子を被った少女の背後から暖かい目で見守る。

 

「皆さん、こんばんは! 憂国の戦士……、国防仮面!! 見☆参!!」

 

『こん』『おひさー』『初見ぬ』『みえ』『なんか背後にいる件について』『うしろになんかいるような……』『( ゚Д゚)ぼた餅』『おっぱ……ぼた餅!』『仮面さんこーん』『不審者』

 

「こんな時間に配信するのは初めてですが、よろ、よろしくお願いします」

 

「……」

 

「よいしょ」

 

 イヤホンマイクを装着し、やけに高いカメラを前に黒髪の少女は口を開く。

 それなりに慣れたのか、戸惑うことなく流暢に挨拶を行う少女は制服姿ではない。

 黒色のスカートに薄い白色のシャツといったお嬢様を想像させるような装いである。

 ――珍妙なマスクと帽子は美少女だから似合うが、流石にチグハグな感じは否めない。

 

 そんな少女の臀部と背中の柔らかさを感じながら、俺は無言のまま佇む。

 椅子のように、寝台のように、最初からそこにいたように座っている俺にリスナーは当然反応を示す。当たり前だ。こんな美少女の背後にいる黒づくめの男に関心が向かないはずがない。

 

「えっと、彼は……その、い、椅子です」

 

『人扱いされてなくて草』『蜘蛛男の映画で見た事ある』『竿役かな?』『俺のやべー奴が既に貫通済みだったんゴ』『いや、お前のじゃねえから』『竿役wwww』『神配信の予感』

 

「か、貫通済みじゃないです!」

 

 狙って言ったのだろうか。

 顔を赤らめて反応を示す東郷にコメント欄は湧き上がる。愉しそうだ。

 

「……」

 

 そんな我が名は椅子である。嘘だ、奇術師だ。

 イヤホンマイクをつけた彼女の体重を預かり、何かを察知したリスナー達の期待の視線を受ける。

 全身を漆黒の衣服、顔も隠した俺の姿に疑問を受けるコメントに答える東郷は必死である。

 

 カメラが映し出すのはマスクを付けた少女の上半身である。

 正確に言えば、床に座った俺に東郷が座り、眼前にあるテーブルに乗せたカメラが少女の半身を撮影しているのだ。それにしても意外とコメント数が多いのは、この配信二回で行われた東郷の奇行による物か、或いは――

 

「んっ……」

 

「……」

 

 もぞもぞと少女が動く度に、薄い生地から分かる尻肉の弾力が伝わる。

 体勢が悪いのか胸肉や太腿といった物とは異なる独特の弾力が揺れ動く度に俺の怒張を刺激するのはわざとなのか、それとも緊張して気が回らないからなのか。

 

「落ち着け、大丈夫だ。お前なら大丈夫だ」

 

「……うん」

 

 東郷の後頭部、普段は青色のリボンで纏めている漆黒の髪は現在は解かれている。一応の身バレを阻止する為ではあるが、しっとりとした髪の毛に顔を埋めると、ふわりと漂う少女特有の匂いに混ざったシャンプーの香りが鼻腔をくすぐった。

 取り敢えず東郷の髪の毛に顔を埋め、髪の毛の隙間からリスナー達の対応を伺う。

 

『ほんとに椅子になってる』『溢れ出る変人臭』『画面にやべー奴しかいないwww』『このまま進行する気まんまんで草』『流石ぼた餅』『ぼた餅』『ぼた餅』『ささ餅』『おっ(;^ω^)い』

 

「んんっ……、下ネタは、えっと……、エッチなのはいけないと思います」

 

 特に問題はなさそうなので、少女の腹部に手を回し合図を出す。

 くびれと程良い脂の乗った腹筋は柔らかく、手のひらに感じる腹部の温かさは、眼前の少女が生きている事を理解させる。――そう、お互いに、生きて、生き延びているのだ。

 

「止めて下さいね、豚野郎」

 

『ブヒィィィ』『ありがとうございます』『あざっす』『ぶひぃぃいいいいいいい』『ありがとうございます』『ふぅ』『女神降臨のお知らせ』『←邪教徒め』『もう少し顔を上げて冷たい目でお願いします』『図々しい奴がいてワロス……ぜひお願いします』

 

「こう、かしら……、――このバカ犬ぅぅっ!!」

 

 まずは軽めに、あるアニメで有名な台詞を東郷は口にする。

 最初はこんな事に意味はあるのかと疑問だった少女だが、結構な反響に驚きと戸惑いを示しているのは身体から伝わってくる。ふと、勇者部全員にこの姿を見せたくなる。

 開始10分でパソコンが示す視聴者の数は既に20を超えているのは上々だろうか。

 

「ふふっ、さて今日はですね――」

 

 カメラの先、電子の海の先で見つめるリスナーに語り掛ける東郷を見つめる。

 僅かに緊張が残るのか白い肌に僅かに汗を浮かばせ、頬を微かに朱色に染めた姿は、深夜帯であり、風呂上りであり、女子中学生とは思えない程の色香を感じさせる。

 カメラに感情は無いが、その先にいるリスナー達が見つめ、耳を傾けるのは一体どこなのか。

 

 朗々と艶のある少女の声音に耳を傾けているのか。

 流し目になる熱の籠った深い深い緑の瞳に目を奪われているのか。

 無意識の仕草である、形の良い耳に掛かる髪の毛を払う姿にすらエロスを感じるのか。

 

 ――或いは、雑談の間に混ざるやべー話にだろうか。

 

「……それはないか」

 

「ん……っ、んくっ、えっとごめんなさい。少し喉の調子が悪くて」

 

『なんかエロい』『えっっっっ』『声がエッチ』『既に挿入ってそう』『嘘乙』『なんか音がする?』『結局竿役はなんなの? 椅子なの?』『←肉の椅子だぞ』『(+皿+)初見です』

 

「っ、ぁ、初見さん、こんにちは……じゃなくて、我が名は――」

 

 雪肌に羞恥の朱色が映える。

 吐息に混ざる熱が、鎖骨を伝う汗が、潤った唇の色が、脳を震わせる。

 僅かに虚ろな瞳を見せる少女は懸命に配信を続け、そしてリスナーは増えていく。

 

「沢山の人が見てるね、東郷さんのこと」

 

「――ッ」

 

「たぶん、バレてる……かもね」

 

「……!」

 

 一瞬だけ囁くと、少女の顔が僅かに此方を向く。

 深夜帯、仄かな光が俺と東郷を照らす中、少女の瞳を見つめる。

 いつの間にか左手が少女の小さな手と握り合っているのに気づかない振りをしながら、羞恥を宿す深緑色の瞳は、黒い男の、血紅色の瞳を映し出している。

 

「どうする……?」

 

「――――」

 

 テーブルの下で、毒蛇のように絨毯の上を這う少女の雪肌のような脚。

 タイツもなく、靴下もニーソにも包まれていない白い少女の腿を俺の手が這い、雄の本能が囁くままに少女の、雌のフェロモンを醸し出す無垢で汚れを知らぬ身体を手のひらが触れ動いていく。味わうように、舐めるように、貪るように。

 自らの手こそが一匹の毒蛇だと主張し、この雌が自分の物だと陰で教え込む。

 

『?』『急に黙り込んだ』『大丈夫?』『えろっ』『( ゚Д゚)赤いんゴ』『竿役が何かしてそう』『ぼた餅、揺れっ』『かきわし』『テーブルにぼた餅』『←採用』『何がwww』

 

 膝の上を、産毛を、内腿を、丁寧に撫でていく。

 親指が、人差し指が、中指が、薬指が、小指が、手のひらが、雌の身体を味わう。

 そうして自らに欲望をぶつけられて、それを理解して、それでも彼女は動かない。

 

 否、動けないのだ。

 だからこそ、再度問いかける。

 

「どう、する……?」

 

「――――」

 

 二つの腿が震え動き、テーブルの下で俺の手を挟み込もうと動く。

 は、と吐息を漏らす少女をリスナー達が見守り、何とか隠そうと東郷は口を動かす。

 

 粘着した唾液が上唇と下唇に一筋の銀糸を作る。

 僅かに伸びた粘液は少女が喉を鳴らし、唇を動かした瞬間、千切れて珠となった。

 少女は堪えているのだ。必死に、懸命に、健気に、一途に、哀れなほどに――耐えている。

 

 拳を作った右手はテーブルに、唯一自由な左手は俺の手を握っている。

 動く事は赦されず、俺の身体から降りる事は許されず、哀れな少女は残りの配信時間30分を過ごさなくてはならない。

 

 どうして彼女は、東郷は耐えているのだろうか。

 こんな男の手など、二年程度の時を共にした男の手など、叩いて、怒って、放せば――

 

「どうする……?」

 

「……、……っ、ぅ」

 

 その理由を知っている。知っているのは自分だけ。

 再度問いかけ、被虐の涙を浮かべそうになる少女に、身体が、魂が、酷く震える。

 口角がどこまでも吊り上がり、情欲の黒い炎を内側に宿し、何度でも、何度でも問うのだ。

 

 男は、勇者は、奇術師は。

 加賀亮之佑は、裏切り者に問いかける。

 

 

 

「――どうするの? 東郷さん」

 

 

 

 +

 

 

 

 

『私が、皆を殺すわ』

 

 銃を、人を殺せる武器を握っていたのです。

 人を殺せる代表的な武器、小銃、ハンドガン、名称はともかく、人には向けてはいけない。

 

『分かって! ――! ――!!』

 

 それは、貴方の背後の、どこまでも昇る白い星に、流星に向けるための物なのです。

 どうして貴方は此方に向けているのだろうか。向けるべき意味が、言っている意味が。

 

 分からない。無理解。共感の拒否。裏切り。分かって? 何を? 分からない。分からない。

 分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分からない。分かれない。――言っている意味が分かれない。

 

 深い深い緑の瞳が、光を反射する。

 その光は赤い炎で、どこかで神樹の根が燃えたのだろう。

 そちらに関心を向ける事はできず、貴方がこちら以外に関心など向ける事はない。

 

 彼女はただ、ずっと、じっと、見ているのだ。

 綺麗で、聡明で、いつまでも見ていたい、好きな彼女の瞳は、憎悪に揺れている。

 

 酷く心が揺れているのです。

 

 ゆらゆら。

 ゆらゆら。

 

 自分でも恐ろしい程に、心が均衡を失っているのが理解出来ました。

 そんな自分を見つめる少女の微笑を幻視して、何故か酷く心が欠けそうでした。

 

『こうすれば、みんな救われるわ……友奈ちゃんも、風先輩も、樹ちゃんも、夏凜ちゃんも』 

 

「――――」

 

『亮くんだって!!』

 

 彼女が言う通りに動けば誰もが救われる。

 その通りだ。いつだって自分は間違っている。

 

 ――■■のし過ぎかな。

 

 幻聴が聞こえるのも間違っている。

 裏切りの可能性を考えられなかった自分が間違っている。

 東郷美森も助けられると考えた浅慮で愚かな考えこそが間違っているのです。

 

「――――」

 

『――――』

 

 自分が何を言ったのか分からないのです。

 撃たれた。頭が痛い。精霊が護ってくれたのに、酷く、頭が、痛い――

 

 

 

 +

 

 

 

 世界は知らないうちに破滅の危機を迎えて、――それだけだった。

 今日も明日も明後日も、朝が来て、昼を巡り、夜が来て、月灯りに照らされる。

 どこか冴えた月明りの下で、神に懺悔するように、愛を告白するように囁かれる。

 

『何か罪滅ぼしがしたくて……何か出来ないかと考えて』

 

「――――」

 

 変わらない物がある。

 変えたくない大切な物がある。

 

『一時の感情とはいえ、みんなを傷つけて、壁にも穴を開けて……』

 

「――――」

 

 それでも変えさせられて、今更無かった事には出来ない。

 強盗に出くわして、多少鍛えた程度の少女には、武器を持った男には対処できなくて。逆に彼女の無垢な身体が汚されそうになって――

 

『あの、せめて手当てをしようよ、りょ――』

 

「俺は赦さないよ」

 

『――――』

 

 腕が痛む。血が垂れ落ちようが死にはしない。

 偶然精霊がいなくて、ただの人間である事を知りながら、少女に告げる。

 

 この哀れで、愚かで、頑固で、淑女で、奇想天外で、優しい少女に。

 初めて出会った日から、あの赤い髪の少女と共に感情を交わらせた少女に。

 

「俺は赦さない」

 

 罪を求め、焦燥と後悔に包まれた弱々しい少女を抱きしめる。

 月明りの下で血の匂いが漂いながら、少し細くなった、好きな少女に嗤う。

 

 全ては終わったと言えたら良かったのに。

 『今』の方が大事だから、結果が全てだと、そう言って赦したかったけど。

 

「世界中の人が、みんなが、友奈が、東郷さんを赦しても、――俺は絶対に赦さない」

 

『――――』

 

 柔和な頬に滴が伝う。

 拭おうとして血で汚してしまうが、少女は微動だにしなかった。

 大きな瞳が自らを映し出して、美人は泣いても美しいなんて、愚かしくも思って――

 

「壁の中のみんなに少しでも報いたいなら、罪を削りたいのなら――」

 

『――うん』

 

 

 

 +

 

 

 

「……ふくっ、んッ」

 

 少女の身体を汚す悦びに自らの怒張が痛い程に勃起し、少女の尻肉に当たる。

 雄の肉棒が少女に触れているのに、きっと理解しているだろうに、少女は逃げなかった。

 

 動画を通じて、少女が皆を喜ばせる。

 それがどんな形であれ、どんな無茶であれ、彼女は了承したのだ。

 震える少女の手が自らの浅慮によって傷をつけ、跡を残した男の左手を握りしめる。

 

 これなら安全であると吹聴した俺を信じているのか。

 ならあの時どうして信じてくれなかったのかと思いながら、スカートを掴む。

 ゆったりとした生地の黒色のスカートに皺を作ると同時に、俺は無言のままたくし上げる。

 

「……!」

 

「……」

 

「あっ、えっと、そうね、私がいつも作っているぼた餅の作り方を説明、する……、あ!?」

 

『えっっっっ』『あっ(察し)』『パンツ脱いだ』『右手が消えた』『おや……? 国防仮面の様子が』『テレレレッテッテッテッテ』『←キャンセル』『録画して……、出来ない、だと』

 

 一瞬、露わになる脚の付け根。

 白い脚のその先の、無垢で汚れを知らない聖域が再び隠される。

 テーブルの下での攻防、たまらずと少女の右手がテーブル上を離れ、スカートの位置を戻す。

 

「……ぅぅ」

 

「……」

 

 チラリズムを理解している訳ではない。

 ただ恥ずかしくて、見られる事が嫌なのだろう。ぎゅっとスカートを掴む少女の右手。

 その仕草が、動きがリスナーを、俺を惹きつける事に東郷は気づけないのだろうか。

 

「……見せて」

 

「それで、次は……」

 

 力の籠った拳を手のひらで撫で包むと、少しずつ少女の身体の強張りが減っていく。

 どのみちカメラの先の方々には見せるつもりはない。彼らには、彼女の表情を見て貰おう。

 テーブルの下、徐々に敗北に転がる少女の手をどかしスカートを、黒色の布地を捲る。

 

「説明続けて」

 

「その後にいつも行うことがあって……」

 

 捲り過ぎて、スカートの意味を成していない。

 黒色のカーテンが払われて、白い脚の付け根と薄青色のショーツが露わになる。

 

「……っ! ……んんっ、しゃっくりです。それで……」

 

『どうしたの~?』『(+皿+)竿役が何か……?』『凄く……エロいです』

 

「なんでも!! ……ない、です」

 

 画面上でコメントが減る中で、懸命に少女は調理方法を説明する。

 現在調理されている少女の、東郷の普段見ることの無い下着姿に、俺は興奮を隠せない。

 

 一か所だけ粘着性を帯びているクロッチ部分を無遠慮に触れてしまい、不思議な柔らかさを指先感じると、同時に赤面する東郷は慌てて両脚で右手を挟み込んだ。

 そんな行為で今更この進撃は止まらない。ふにふにと恥部を指先で触れ弄る。

 

「は、……ふっ、ン……っ!」

 

『あれ? 顔赤いよ?』『?( ´∀` )』『もう配信終わるのか~』『【朗報】竿役は俺らの神』『イケっ』『イケるのか……?』『かきわし』

 

 ずしりと乳肉をテーブルの上に乗せる東郷の赤い顔に、察した同士達が沸き叫ぶ。

 竿役を第二の神と呼ぶコメント、この四国に誕生したぼた餅(意味深)を称える声。

 伊達にネットに生息する民たちだ。察知力は高く、バレていないと思っているのは一人だけ。

 

「そして……、最後に一つ、みゃみ、します。……くふッ、……! ……ぅ」

 

『何かな……?』『わくわく』『(色んな意味で)わくわく』

 

 下着越しで秘裂をなぞるのは気持ち良いらしい。

 普段からそうしているのか問い質したくなるが、羞恥の限界を悟り、無言に徹する。

 驚くことに、もう配信時間は2分と少ない状況であり、唇を噛みしめる東郷も気づいたらしい。

 

「み、みんな、今日もありがとうございます。……もうこんな時間ですね」

 

『延長は?』『延長希望』

 

「今日は、はッ、その予定は、な、い……です」

 

 リスナー達の残念がる姿が見える。

 それは俺も残念であり、こんな中途半端な事になるのは赦せない。

 じっとりねっとりと少女を虐めたかったが、仕方がないと吐息をする。

 

「もうす……ひゃあ!!?」

 

 仕方がないので、陰核を親指で撫でる。

 薄く陰毛が見える下着、撫でていると分かる小さな肉粒を指先が撫で上げる。

 優しさも紳士さもない。ただ淡々と、機械的に、暴力的に、少女を啼かせる。

 

「まって、それ……! あっ、ぁ、ぁ、ぁ……っ」

 

 左手は俺の手が掴み、藻掻く両脚には俺の両脚が絡みつく。

 痛い程の怒張で尻肉を叩きながら、陰核をひたすらに攻める右手首を少女は掴む。リスナーが見ているのを忘れたのか、嫌々と頭を振る少女を無視して逃がさないとばかりに指先で肉粒を弾き、にちにちと虐める。

 

「ぃ、くっ、ぃ、ぁ……、ぃ、やだっ、や」

 

『かったな』『演技?』『ガチ臭くて……、うっ』『竿役マジ……ふぅ』『放送事故?』

 

 親指が少女を鳴かせ。

 人差し指が背筋を伸ばさせ。

 中指が細い腰を僅かに浮かせ。

 薬指がカメラの前で少女を絶頂に導いた。

 

「あっ、~~~~~~~!!!」

 

 首を仰け反らし、痙攣した少女の膝がテーブルにぶつかる。

 僅かに動いた無機質なカメラはそれでも十全の機能を果たし、淫靡な少女の顔を映した。

 

 満足感が心を満たしながら、残り30秒。俺が行うことは決まっていた。

 ぐったりとする少女の椅子となりながらも、彼女の代わりに締めの挨拶をするのだ。

 ――親指と人差し指の間に引く、はしたない糸を見せながら。

 

「やあみんな。こんな感じで今後も配信していくよ」

 

 にちゅりとした粘着音を聞かせると、興奮が伝わってくる程のコメントが流れる。

 リスナーは随分と増えており、気絶したらしい国防仮面の唇に愛液を塗りつける姿を俺は見せつける。興奮する声、失望する声、数多のコメントが流れる様に、心の奥の何かが僅かに減るのを感じた。

 

『シャベッタァァァ』『えっっっ』『イケボォ』『お前……最高かよ』『竿役……いや竿役さん』『竿役さん、愉悦部にいそう』『かきわし』『エッチだな~』『また配信やってくれよ!』『投稿止まるんじゃねぇぞ……マジで』『国防仮面最高!』

 

「ではみんな、また会いましょう。ふこくきょーへー」

 

『富国強兵』『乙!』『富国強兵!!』『富国強兵』『表情と音で抜いた』『←ねろ』『乙!』『竿役さんの役目を察知完了』『パンツみせろよ』『国防仮面って何歳くらい?』『高校生か大学生くらいだろ』『エロ過ぎ、乙!』『(`・ω・´)ゞGJ』

 

「乙!」

 

「……ぅ、ぁ」

 

 

 

 

 

 ――配信は終了しました。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。