秘事※
偶然遭遇して、戦っても勝てないからと気付かなかったフリをして去ったのに、それ以降行く先々で会って……結局食べられてしまったのは、16歳の時。あれから二年、今も色々な意味で隠しておくしかない関係は継続されていて、何かにつけて別れを切り出そうとしては、なあなあにされ続けて来た。
土台無理な話なのだ。私は元々、この人に憧れて来たのだから、求められたら拒めない。
力でも、能力でも、経験値でも、適う筈の無い相手。最早悔しいとさえ思わない。
それでも、私に海軍を辞めろと言うそれにだけは頷けないのだ。だって、私は……エースを殺させない為に、あの悲劇を防ぐ為に海軍に残っているのだから。
誰にも言えない。言える筈も無い話。
「大切な人の為なら、この生命……どうなっても構わないもの」
大切な人達に生きて欲しい。幸せでいて欲しいと、それだけを強く願ってるの。
宿の部屋で、一人お酒を口にしながら星を眺める。ある意味最高の夜。
だからこそ、誰もいないからと言葉が勝手に口をついて出てしまったのだろう。窓の縁にグラスを置けば、中の氷がカラン……と音を立てた。
「大切な人……とは、誰の事かな」
その声に驚いて入口に視線を向ければ、不愉快さを隠さないで笑うレイリーが居る。ここで、大切な人はレイリーよ……なんて言おうものなら、躊躇いなくこの人は私を殺すだろう。
私が嘘をつくと即座に気付く。だからこそ、私が嘘をつく事を許さない。
私は間違いなく、この人に恋をしていて……同時に、既婚者である事を知っている。いつか、奥様に会ったら素直に殺されるつもりでいるけど、今はまだそれもできないのだ。
「……家族よ」
嘘ではない。けれども、真実でも無い。
エースも、サボも、ルフィも……愛しくて可愛い弟。問題ばかり起こすのは、三人とも変わらなくて、けれども眩しくて……。
護りたいと願う。流れ星に三回願いを唱えたら叶うと言うなら、唱えてみせるから……だからどうか、兄弟三人でまた笑い合う未来を。
「……ナミは、家族には甘いようだからね。そんなに、いいものかい?」
「ええ、私は家族を愛してるわ。……誰とも、血の繋がりはないけどね」
「ん?」
驚いた顔で私を見るレイリー。それにより、話してなかったかなと首を傾げてしまうのは仕方の無い事。
二言目にはベルメールさんやノジコの話をして来たし、私を調べればマザコンなのは簡単に掴める。だからなのか、特にそれ以上の事を人に話す必要性を感じてなかった。
その人物が〝何〟なのかを知れば、それ以上はどうでもいい。海兵の女で、マザコンであると分かれば、危険は無いとされてそれ以上の情報を誰も求めないのだ。
隠すから知りたくなる。隠されるから不安になるのならば、どうでもいい情報を散らかせば双方安全に生きられるもの。
「私、戦災孤児なのよ。まだ海軍に所属してた母が、戦場でノジコと私を見付けて、保護して、娘にしてくれたの。それでもノジコは私が物心ついた頃には姉だったし、ベルメールさんは母だったわ」
それから、ベルメールさんと怪しかったゲンさんが私の父親がわりで、村唯一の医者が私の祖父だったと告げる。お金を稼ぐ為に出た海で出会った、手のかかる優しい兄達と、騒動しか起こさない可愛い弟達に出逢ったと告げれば複雑そうな顔をされた。
海軍には祖母と呼べる人がいる。孫や娘、妹のように可愛がってくれる人達がいるし、友達も居るわ。
だから、嘘では無い。ただ、少しだけ隠し事をしてるだけ。
そっと自嘲した時、溜息の音が聞こえた。それなのに、向けられた言葉は家族とは無関係なもので、驚いてその顔を凝視してしまう。
「……ナミを連れて行きたい島があるんだが、どうだろう」
「え?」
「私の隠れ家のある島でね。ログでは行けない島だ」
その言葉に興味を惹かれない筈は無くて、食い気味に行きたいと言ったのは確かに私だった。見た事もない島に、夢を叶える為行きたいと願うのは当然の事だと思う。
半年はほんの一部を除いて水没するジャングルで、半年は隆起して着岸できない島になる。それを繰り返す為に地図にも載らずに、ログを辿る事もできない島となっているらしい。
それの水没しない僅かな区域に、小屋がある。そこがレイリーの隠れ家だと言う。
逸る心を抑えきれずに、レイリーの船に乗り込む。そうして到着した島は、水没している様子はないけど、とりあえず船を泊めるのを優先する。
レイリーに話を聞いてみれば、今は隆起の時期だと言うので、崖下に船を泊めて月歩で登る。そうして見てみれば確かに、苔に騙されて大地に足を着けば泥沼に落ちそうだと認識した。
盛り上がっている木の根を足場に進めば、レイリーは優しく笑いながら奥へ奥へと案内してくれる。そうして到着した小屋でソファに腰を降ろしたら、レイリーが真横に座って私の顎を掴んだ。
「レイリー?」
視線を逸らせなくなって、何をしたいのか分からずにぼーっと見詰めてしまう。そんな私に意地悪く笑ったレイリーが、囁くような言い方で言葉を放つ。
「何を、隠してるのかそろそろ教えてくれないか」
「……なに、言ってるのか分からないわ」
「なら、帰してあげられないね」
「巫山戯ないで。……もう、帰るわ」
本当に今回、レイリーに会う予定は無かった。けど、でもこの休みで会えるんじゃないかとは思ってたのも事実。
だからこそ、休みは十日取っておいたけど……今回はもう、帰らなきゃ。私は、レイリー相手に勝てるとは到底思えないから。
だけど……エースの生命と、ルフィの未来と、サボの心を守りたくて、その為に海軍に残って……必要とあらば死ぬ覚悟だなんて……言えない。この秘事を彼は、許さないだろう。
今も、それを聞き出そうとしてるのは間違いないのだから。そうなれば、私に勝てる筈が無い。
隠そうとしても、傍にいればボロが出ると分かるから……だから……逃げる。それをわかっていて、レイリーは楽しそうに笑った。
「……帰れるなら、好きにしなさい。助けが必要になったら、全てを話す事を条件に、助けてあげるよ」
「船は、借りてくわ」
「構わないよ」
含みのある言葉だと思う。でも、帰らせてくれるならと、私は来た道を戻る形で帰ろうと試みた。
けれども木の根を数個進んだ所で何かが迫って来て、慌てて鉄扇で振り払ってしまう。それがいけなかったのか、迫って来る物の数が増えて、咄嗟に樹の幹を背にしてその正体を確認する。
するとそれが蔦のような物だと気付くけど、明らかに意思を持って動いている事が分かってしまえば、戦うしかないと気付く。……でも、できたら傷付けたくない。
蜜柑も切っていい枝と、いけない枝がある。この蔦を切ってしまったら、この植物が無事でいられる保証なんてないもの。
雷ではそれこそ殺してしまうし、焼くなんて以ての外。なら……と鉄笛も取り出して構えたら、蔦のような物が動きを変えた。
先程までの攻撃的な様子から、緩やかな動きに。攻撃しようという気概を感じられなくなって、私は鉄扇を片付けてそっと蔦に触れる。
「なんで、攻撃して来たの?……そんな事したら、切られちゃうわよ」
答えは無い。当然だけど。
それは分かってたけど、甘えるように蔦が寄ってくるから、何かあるのかなと思って鉄笛もしまって蔦を撫でたりしていると呆れたような声が聞こえて来た。それは、レイリーのもの。
「……女を犯す触手と呼ばれる蔦を、手懐けてしまうとは思わなかった」
「レイリー?」
少し仄暗さを感じさせる笑み。それにゾクリとした何かが走る。
呼び掛けへの返事はなく、ただ、低い声が命じるように言葉を放つ。それは間違いなく、私に向けられたものでは無いだろう。
「……極上の女だ。襲え」
「なに、言って……?」
理解できない状況。レイリーを凝視してる私を、完全に無視するその様子が海賊なのだと私に教える。
その瞬間、蔦が震えたのを見た。何事かと思った直後、蔦が四肢に絡み付いて私の自由を奪う。
「蔦ちゃん!?どうしたの!?」
そのまま浮かび上がるように持ち上げられてしまえば、足が地につかない恐怖がどうしたって発生する。自分の意思で空中にいるのとはまた違うのだ。
そんな私に当然のように近付く、さっきまで私に懐いていた蔦。どうしたのかと思って見詰めたら、蔦の先端が私とレイリーを交互に向いて他の部分は動きを止める。
その様子にレイリーは可笑しそうに笑うから、余計に混乱してしまう。何が、起きてるのだろう。
「まさか……蔦を魅了してしまうとは……!……だが、目覚めきっていない王よりは、私の方が有利だろう。……ナミ、助けて欲しくなったら真実を話すんだよ」
「真実も何も……私は……っ!?」
言葉を言い切るよりも早く、蔦が服の中に侵入してきた。その事に驚いていたら、下着の中に侵入されて胸の頂上にある蕾を刺激し始める。
慌ててそれから逃れようと身を捩るけど、四肢は完全に囚われていて抵抗なんてできない。刺激された事によって、ぷっくりと立ち上がるそれに自分でも気付いてしまって、情けなさと恥ずかしさで必死になって蔦に呼び掛けるけど、動きは変わらないまま。
いや、動きは変わったと言えるかも知れない。何せ蔦の先端が膨らんで来た乳首に、覆い被さるようにして来たのだから。
これがただの植物と思ったら大間違い。だって、植物特有の冷たさと、粘着質の液体を出しながら吸いつかれては反応してしまうのも当然。
「ふっ……うっ……ンンっ!!」
「おやおや、随分と可愛らしい反応だな。さて……そのまま植物に犯されたいのかな」
「レイリー……やめ、て……」
助けて欲しくて視線を向ける。けれども、レイリーは冷たい笑みを浮かべると言葉を残酷に紡いだ。
「私は、何もしてないだろう?」
「ひど、い……。蔦ちゃん、も、やめて……お願い……」
その瞬間、蔦の動きが止まった。拘束が緩んで、でもレイリーが小さなナイフを何処かに投げるとヌメった感触だった乳首にあったそれが棘を出して、突如噛み付かれたような感覚に陥る。
痛みに震えていたら、それまでの蔦の数倍太い子が姿を見せた。それは、迷いなく私の下半身に近付いて、粘着質な液体を落として行く。
その液体が落ちた時、布だけが溶けていくのを見て驚きの声を出したらレイリーの笑い声が小さく聞こえて来た。それに視線を向けたら、またもやナイフを取り出して指先でそれを弄ぶ。
その事に気付いたらしい蔦は、衣服の無くなった下肢に細い子を差し向けてクリトリスへと絡み付く。その刺激にビクビクと身体が震えるけど、それに合わせて蔦が足を大きく広げていくから刺激が強く感じられて、余計に激しく乱れてしまう。
それにより必死で声を抑えていたら、カシャッという音が聞こえて、涙に滲む視界でそちらに視線を向ければ笑うレイリーがいた。その手にはカメラがあり、満足そうに頷いている。
「これだけだと足りないな。後ろは使った事が無かった筈だが、その蔦に慣らして貰ってみるかい?」
「なに、いっ……て?」
「その姿を写真にして、海賊に流そうか」
「え?」
意味が分からなくてレイリーを見ていたら、レイリーは海賊らしい顔で笑う。それは、私を人として見てないのではないかと思う程に冷たい。
その間も蔦が私を責めるのは止まらない。身体がそれに反応して背を仰け反らせれば、レイリーは私のその姿を冷静な瞳で見詰めながら言葉を続けた。
「海軍が海賊の手配書を作るように、海賊達も海兵の情報を冊子にしている事が多い。その為の写真は顔がしっかり写っている物や、特徴を掴んでいるもの程良い金額で売れるのだよ」
「それ、で?」
「勿論、ナミが蔦に犯されている恥ずかしい物は良い値で取引されて、海賊達はそれを目的にナミを倒そうとするだろうね。そうなれば当然、捕まれば輪姦されるだろうな。……それを望むなら、そのまま黙っていたら良い」
なんで、そんな酷い事をしようとするんだろう。私は、レイリーに嫌われるような何かをしたのだろうか。
身を捩っても、逃げられない。蔦を傷付ければ逃げられるかも知れないけど、この子達は何も悪くないからそんな事は……したくないのに……。
「やだ……レイリー……!」
「なら、教えてくれるね?」
それに首を横に振ると、レイリーは笑みを浮かべて低く呟く。仕方ないね……と。
その言葉の直後に動きを見せなかった太い蔦が動き出す。それが肛門に触れた時、ヒッと引きつった声が出たけど、レイリーは辞めてくれる気配を見せない。
意を決して、レイリーに揺さぶりをかけようと言葉を探す。男の人は、独占欲が強いって聞いた事があるわ。
「レイリーは、私が、他の男達に、触れられて……嫌じゃ、ない、の……?」
「私も他の女を抱くのだから、ナミの自由を奪えないだろう?……好きなだけ、犯されて楽しい経験をしておいで」
まるで私が望んでそうなるかのような言い方に言葉を向けようとした時、遠慮も無く太い蔦が挿入され、乱暴な程に掻き回す。それにより衝撃で頭を大きく振る。
本来ならば慣らされてもいない行為であり、痛みと苦しみに喘ぐ筈が、そうならないのはこの植物が動物の雌を犯す為に存在するからだ。雌の体液や汚物を蔦の粘膜で絡め取り、吸収する事で数を増やしたり成長したりする植物。
故にある意味では宿便等も全て綺麗にしてくれるこれは、健康的に生きると言う意味では動物達の役にも立っている訳だ。それも痛みを与えない為に催淫効果を持つ粘膜を用いて必要な物を絡めとるのだから、悪しき生き物では無い。
それでも、偶然この島に入った人間達には危険な生き物にしか思えず、その雌が意識を失う迄弄ばれるのだから切られたりするのはある意味では不可抗力。だが植物は切られたりすれば弱るので、弱った分を回復する為に雌を泣かせ体液を搾り取る勢いで搾取するように動くのである。
そうして強制的に和らげられた内壁が、熱を持たないモノを更に奥まで飲み込もうと、激しく伸縮しながら絡み付いていく。けれど中を押し広げようと腰をグリグリと回転されて、引き裂かれる苦痛に喉が快感では無い喘ぎに震えた。
「辛いかい?」
尋ねる声が聞こえても、蔦を止めさせはしない事はもう、私にもわかる。涙に潤む瞳で訴える私に、レイリーは困ったように笑って溜息を落とす。
レイリーが望むなら、日陰の身でいる事も厭わない。いつか、奥様に殺されるのだとしても、甘んじて受け入れるわ。
痛みも、辛さも、共にいられる時が一秒でも長く続くなら、耐えてみせる。それでも、言えない事があるの。
蔦は狭い秘孔を穿ち続ける。それにより本来ならば流血しているだろう状態でも、蔦がその全てを吸収するから落ちる事は無い。
それでも、傷付かない訳では無いのよ。それでもきっと、私が先にレイリーを傷付けてしまって、だからこんな事をしているのだと頭では理解してるの。
「狡い子だね、ナミは」
「やぁ……もう、ゆるしてぇ……」
白い身体が羞恥に身悶える。なのにレイリーは辞めさせない。
もっと辱めてやりたい。もっと虐めてやりたいと願うのは、どこまでも、何をしても自分を拒絶しないナミを実感したいから。
いつもならば拒まないだけでなく、素直に全てを打ち明けるのに、今回だけは何も言わない事で、歳若い彼女が新たな恋に心揺らしているのではないかと不安になるのだ。どうかしている……と、自分でもレイリーは思う。
ナミの愛は揺るがない。頑固なまでに一途だという事は、誰よりも知っているのに何故、こうして苦しめてしまうのか。
初めてを奪ったあの日、妻を持つ身で若いというよりも幼い彼女を手に入れた代償として、泣かせないと誓った筈なのに、いつの間にか泣かせる事を楽しんでいる。どうして、こんなにも愚かに、大切なものを傷付けるのだろう。
ただ、確かめずには居られない。人生の終わりになって手に入れた愛する者が、間違いなく自分の物だと言う事を。
妻がありながら、そしてその妻を手放す気も無い中で、相手には己だけを見つめて愛してくれと願う。目の前で香しい悲鳴を上げるそれを聞きながら、蔦にそっと命じるのだ。
「もっと奥まで、激しく……」
それにより悲鳴が森の中に響き渡っても、ナミが答えない限り辞めるつもりは無かった。無かったのに……。
その瞳が、私を案じる。そして、怒りではなく悲しみに彩られるから、どうすれば良いのか分からなくなってしまうのだ。
「……レイリー……」
「言う気に、なったかい?」
「ひみつ、な……んっ……あああ!!……てっ!ないっ!!……レイリー、も、辞めて……」
この姿を晒してやると脅してみても、信頼を、愛情を、隠そうともしない無垢な眼差しに絆される。涙に滲む視線を向けられて、深い溜息が落ちた。
このまま傍にいれば、絆されてしまう。もしくは、己のモノを挿れたくなってしまう事は間違いない。
「明日の朝、迎えに来るよ。写真は撮影しないでおくから、しっかり後ろを開発されておきなさい」
悪魔のような言葉を告げて去る男に、手を伸ばしたくても身体は動かない。涙に滲む視界の中で、その背に耐えきれなかった涙を落とした時……蔦がそれを掬い取るのと同時に振り向いたレイリーが、足を動かす事も無くその場で頭を抱えた。
「……もういい。返しなさい。それは、回収する」
レイリーの言葉に従うように蔦が腰に巻き付いて、他は全てが身体から離れて行く。そのままレイリーの方へ差し出された私を抱き締めて、腰の蔦が離れるのを待つと私の身体を両手で抱き上げた。
近くなった顔にキスをしたら、嫌がられるかな。そう思って躊躇い、代わりに両腕で首にしがみつくとレイリーは小悪魔だねと言いながら小屋へと私を運んで行く。
下半身は剥き出しで、なのに汗も含めて体液が肌には少しも残っていない。レイリーにしか許してない穴の入口で液だけ吸収されていたから、そちらも問題はない筈である。
「レイリー……好き……」
「ナミは、どうかしてるよ。今回の事が無くても、私には妻がいる。勝手な男だと言うのに」
「勝手な所が可愛いのよ」
言葉と同時に自然と笑みが浮かんだ。誰に何を言われても、どんな扱いを受けても、例え一生日陰の身であろうとも、唯一の相手を想い続ける事は辞められそうもない。
理屈ではないの。訳もなく、ここに、たった一人の男に向かってしまう気持ちがある。
人生を棒に振っても、辛い事だらけでも、それでも失えない想いがあるのよ。だけどね、それでも……家族の為なら死ねるという私のそれはきっと……レイリーには裏切り以外の何物でもないから、それだけは言えない。
「レイリー……」
「ナミは嘘は付けないのに、隠し事は天才的だね」
「……ありがとう」
「褒めてはいないよ?……全く、困った子だ。お仕置は、私が直接やるしかなさそうだね」
レイリーの言葉に首を傾げたのは当然だと思う。蔦にされたのは嫌だったけど、レイリーに直接されるなら……それは……。
「レイリーにされたら、なんでもご褒美よ」
「痛みしか、与えなくても?」
「レイリーに、そんな事が出来るの?」
「……私は、海賊だよ?……大得意だ。痛みだけのSEXも、経験させてあげよう」
その言葉と同時に部屋の床に足から下ろされて、咄嗟に力の入らない身体はレイリーに縋る。それを窓の方へ誘導して、カーテンと言う揺れる物に持ち替えさせたと思ったら、片手で襟首を掴み押さえ込み、尻を突き出させた。
そのまま3回ほど平手を振るう。白かった双丘が、薄桃色に染まって行く。
それだけで突然、狭い入口を己のモノを押し付け押し広げると、一気にその太いものを押し込んだ。宣言通り、濡れてもいないその場所に、前座らしい前座もないままに。
「ひいい……!」
狭い内壁を割開かれ、痛みに慣れたナミも苦痛に腰を揺らす。逃れたくても、レイリーの手ががっしりと押さえ込んでるから、引く事もできない。
「あっ……ひっ!やっ……いあぁぁ!!」
「望んだのは、ナミだろう?それに、嘘はいけないな。私をしっかりと、受け入れているじゃないか」
最奥まで押し入ると、素早く引き抜いて、再びズンっと突き上げる。それによりナミが叫ぶのも構わず、激しく腰を前後させるレイリー。
巨大な一物が、哀れな程に狭い入口を遠慮も無く出入りする。私は両手でカーテンにしがみつき、それでもこれでレイリーが許してくれるならと耐える。
明らかなる凌辱。普通ならば愛も尊厳もない、性欲の捌け口だろう行為。
人格までも貶められる苦痛の中、だけど私は確かに感じていた。レイリーの迷いと悲しみを。
最初は窓辺で立ったまま、次は床に押し倒され、更にはシャワー室で濡れながら……最後にはベッドでと、場所と体位のフルコースを満喫したレイリーは、これだけやって駄目ならとその秘密を聞き出す事は諦めた程に激しく濃密な時間。そんな中でも最後まで、歳上の恋人を甘やかした少女に仏心が出てしまうのは致し方ない事かもしれない。
それでも、秘事は相手を選ぶべきだと歳若い恋人は学んでくれただろうか……と、意識のないその頭をそっと撫でながら、調べておいた休日が終わるギリギリまで、抱き潰してやろうと仄暗い笑みを浮かべていた。この事実こそ、海賊の性と言えるのかも知れない。