赤嶺ちゃんが敵対組織に囚われて謎の銀髪メイドの快楽調教に屈しちゃうまでのお話 作:バロックス(駄犬
日は沈み、人気のなくなった讃州中学。
校内には警備員すらも見当たらず、最低限の非常灯の灯りが外からは見える程度だ。
しかし、その校舎内に少女の嬌声が響いている事など、誰が気づくのだろうか。
「んぅあ゛、あ゛あ゛ぁッ……!!」
鍵の施錠がされた理科室で嬌声をあげる少女の正体は赤嶺友奈のものだ。
棗と若葉との情事の後、気絶してしまった赤嶺はそのまま裸のまま理科室へと運び込まれたのだった。
まるで手術台のようなベッドの上に仰向きに寝る赤嶺の両手両足には革ベルトによってキツく固定されている。
勇者としての力を取り上げられているからか、どんなに赤嶺が暴れてもベッドと無防備に晒された己の乳が揺れるだけで逃れることは叶わない。
棗と若葉は昼と夜で人を変えて何かをすると言っていた。ならば、今この状態が彼女たちが言っていた事なのだろう。
全身を拘束し、赤嶺の両の乳首にはピンク色の振動するカプセルがテープで固定されていた。
電池式で最大出力で送られる振動の快楽に赤嶺の乳首を通して脳髄へと伝わる。
既にベッドの股下からは愛液が垂れ、小水を漏らしたかのようなシミが出来上がっていた。
「―――ん、あぁッ、にしても、これ……なんなの、よ…っ!
なんで、私の身体に……こんなのが生えてるのさ!」
赤嶺がローターの振動になんとか耐えながらも、目が覚めた時には何故かあった下腹部の存在に再び視線をやる。
彼女の下腹部、本来なら陰核が存在する位置から棗と若葉と同じくらいに凶悪な男性器がそそり立っていたのだ。
赤黒い奇妙な逸物は度重なるローターの愛撫によって亀頭先端からテカる汁をその幹に垂れ流している。
何故か肉茎の根元部分には奇妙なリングが嵌められていたのだが、これが逸物の血流を一時的に止めているため肥大化する原因となっていた。
「あら、気に入ったのかしら赤嶺さん」
「寝ている間に一服盛らせてもらったわ……乃木さんや古波蔵さんみたく、男性器が生える薬だそうよ」
隣で全身の快感を余すことなく感じるように逸物をビクビクと震わせる一方で。赤嶺を挟むように見下ろす、二人の長い黒髪の少女がくすりと微笑を浮かべている。
東郷美森と怪しげな小瓶を手に持った郡千景。
共にそれぞれの時代の友奈を異常なまでに溺愛しているクレイジーサイコレズの筆頭だ。
「どう、いうこと……んんっ――――ん"う"ぅ―――――っ!!」
なぜ自分の身体に男性器を生やす薬を用いたのか、その理由を問いただそうとした赤嶺はローターがもたらした振動が与える快楽が許容範囲を超え、背筋を逸らすほどの絶頂に見舞われる。
秘所からはぷしゅ、と愛液が滲み出ていた。
会話の妨げになると踏んだ美森がローターのスイッチをオフにする。
「これはね、赤嶺さんが今後勇者部員として活動してもらうために身も心も勇者部色に染まってもらうのために必要なものよ」
「はぁ、はぁ……勇者部色に染まる?こんなお、おちんちんが?……ごめん、ますます意味が分からないよ」
そうね、と荒い息を吐く赤嶺に応えたのは千景だ。
「また前みたいにいきなり逃げられても困るし、まずは足腰立たなくなるまで快楽による調教をしようってみんなで決めたのよ」
「2,3日くらいすれば心と身体も私たちと同じになるから、それまでいっぱい気持ち良くなるし、慣れれば楽しいものよ?」
「あ、貴方たち、正気なの!? 御役目は……勇者の御役目はどうしたのさ!!」
棗や若葉との情事の際は正気が保てていなかったが今の赤嶺はある程度の理性がある。
造反神を鎮めるはずの勇者達に起きている異常事態を赤嶺は問わずにはいられない。
「みんなで話し合ってさ! 覚悟を決めて、なんとか分かり合おうとしたんじゃないの!?」
「私たちは正気よ、赤嶺さん。たしかに試合はしたし、皆が納得しようとした……でもね、元の時代に帰って銀が助かるっていう可能性は極めて低いのよ」
この世界の記憶は持ち帰ることが出来ないというのは巫女たちの話で分かりきっている。
そして美森の知る世界、三ノ輪銀は遠足の帰りの御役目の中で命を落とす。
この世界にいる過去の美森である鷲尾須美が記憶を持ち帰り、対策を立てることが出来れば銀が死亡するという未来を回避することは出来るかもしれない。
だが、記憶を持ち帰る手段が見つからないと分かれば、銀の運命を変えることは出来ない。
この世界で身に着けた強さや想いが全て無駄になってしまう。
「だったら、この世界で少しでも長く居て、解決の方法を探したほうがいいのよ。それに私たちの“新しい神様”はそれを許してくれた。
気の済むまでこの世界に居てもいいって言ってくれる神様がいたのよ」
「そんなバカな話があるか!!」
美森の言葉に赤嶺は声を荒らげた。
「造反神を鎮めるっていう本来の御役目は!? この世界に留まるってことはそれだけ神樹様の力を浪費させるってことなんだよ!?
神樹様だって万能の神様じゃない、この世界を維持するために多くのエネルギーが必要だってのは分かってるはずだよ!
それを無視してずっと居てもいいなんという神様がいるはずがない!」
「でも実在した。今の私たちには神樹様の加護はない……でも、新しい神様は神樹様と同じくらいの力で新しい力と永遠に大切な人と一緒に居られる場所をくれたの。
あなたも私たちと戦ったのなら分かるはずよ。今まで苦戦することも無かった私たちに簡単に力負けしていた。あれが新しい勇者システム」
勇者部の様子がおかしくなった直後に始まった戦闘で赤嶺は終始押されっぱなしだった。
自身の最終奥義である神花解放状態の赤嶺を勇者部一人一人が凌駕するほど。
もしかしたら、自分の勇者端末が途中で機能しなくなったのも美森たちが言う新しい神様が関係しているのかもしれない、と赤嶺は考察する。
「ふふ……友奈ちゃんも、銀も失わない、皆で笑い合える幸せな世界がここにある……それって素晴らしい事じゃないかしら……ねぇ、千景さん」
やんわりと笑う美森は視線を千景へと向ける。
千景は笑わず、しかしどこか思いつめたような表情で呟いた。
「ええ……私も、誰かが傷ついたりするのは、嫌。大事な人と離れ離れになるのは嫌……」
最後に唇をかみしめて、
「死ぬのは……嫌」
「だから赤嶺さんも友奈ちゃんと一緒に楽しく、この世界で暮らしていきましょう?身も心も捧げてね」
ぬぅ、と赤嶺の眼前に現れた美森は笑顔のまま手を下腹部へと伸ばしていく。
白い陶磁器のような肌が触れるのは赤嶺が生やされてしまった怒張であった。
「っ……くぅ…っ!」
「うふふ……」
雪のように白い手が興奮によって膨張させられている亀頭部分を掌で包み込んだ。
既に先端の割れ目から溢れ出ている先走り汁を手に乗せて、亀頭全体を塗していく。
亀頭から雁首、裏筋と汁を塗した手を這わせて、茎全体を程よくマッサージするように揉みしだくと赤嶺の口から切ない息が漏れる。
それを面白く思う美森は更に両の手を用いて逸物への奉仕を実行した。
「気持ちいでしょ?やっぱり友奈って名前が付く人は感じる場所も一緒なのね」
「高嶋さんも、同じことされるの……好きだった」
「あなたたち、普段から何やって――――んああ…っ!!?」
彼女たちの私生活を問題視する赤嶺の声は美森と千景の手淫によって遮られた。
二人の潤滑を得たぬめる両の手が赤嶺の不相応な逸物の全体を優しく握り、蠢く。
一つ一つの指が縦横無尽に肉茎へ絡まる様はまるで触手のようだった。
歯を食いしばる赤嶺だが、それとは相反して亀頭部分からは知るがとろとろと溢れ出し、堪えようと身体を強張らせれば更に感度を増していくという最悪の循環へと至る。
にち、にちと淫音を奏でながら僅かに泡立つその光景は淫らにも美しくも見えた。
もはや射精に至るのは時間の問題だろう。しかし、赤嶺はどんなに快楽を送り込まれても絶頂できない原因があった。それは、彼女の肉棒の根元には嵌められたリングである。
度重なる愛撫で射精すべきルートを通って体液が流れているはずなのに、リングの強烈な締め付けがその流動を阻んでいる。
血液だけが溜まっていき、怒張は更に硬さを増していく。
「ああっ!?くるし、い……でも、イケない…っ、あああああ!?」
最高に気持ちい瞬間が訪れそうになっては手淫を緩め、落ち着いたころを見計らって手淫を再開するという行為を繰り返した結果、気が狂いそうになる感覚に赤嶺が身体を左右に振る。
だが四肢とベッドを繋ぐベルトが動きを阻害し、逃れることが出来ない。
「もうイかせてぇ……っ、お、お願い……だからぁ……!!」
「だめよ」
「だめよ」
自ら腰を動かして、射精を煽る赤嶺の姿には微塵もこれまでの勇者らしさは見当たらない。
だがそれを見越して美森と千景は両の手を離す。これではいつまで経ってもイケない、生殺しだ。
大きく息を擦る赤嶺に美森が微笑をもって口を開いた。
「さぁ、千景さん。ここでたっぷり、赤嶺さんに“仕返し”しなきゃいけないわね……」
え?と惚ける赤嶺に隣の千景が頷いていた。
「そうね……高嶋さんの姿で悪さをしてきた、その責任を取ってもらいましょう」
二人は示し合わせたかのように動き出した。千景が赤嶺の頭付近に移動し、美森は両の手で逸物を扱き始めた。
再開された手淫は先ほどより強く、幹と亀頭部分を行き交うように上下して赤嶺は堪らず嬌声を響かせた。
その赤嶺が口を開いたのを待っていた千景が指を挟みこんで、赤嶺の口が塞ぐのを阻止する。
絶頂を繰り返していた赤嶺は疲労からか千景の指を押し返す力は残っていなかった
千景は赤嶺の顔に自らの顔を近づけるとその開いた口目掛けて――――、
「んーれぁぅ……」
己の口に溜め込んでいた粘着いた唾液を赤嶺の口へと流し込んでいた。
逃れる術のない赤嶺は注がれる千景の唾液を喉を通して飲み下し、胃の中へと収めていく。
「っ!?んんッ……んく、んぅ――――かはっ……あああっ!!?」
突如、全身がビクンと跳ねた。頭に熱がこもり、まるで風邪を引いたかのように頭がぼーっとして全体に力が入らなくなる。
心臓の鼓動も早まり、焦点が定まらない。
棗や若葉との時と同じ現象だった。
「な、なに……これぇ…か、身体が熱くっ……ぅ!?」
「棗さんや若葉さんの時にも同じことがあったと思うけど、
新しい神様の影響で私たちの身体の体液はね、飲んだ人の身体を高めさせる効果が出るようになったの」
「要するに、媚薬よ。もうまともに頭で考えることも出来ないでしょ?特に大きな後遺症は出ないから安心してほしいわ。
むしろ、これをくり返すことによって……皆が新しい勇者部として生まれ変わったのよ」
千景の両の手が赤嶺の怒張へと迫る。その手には柔らかな素材でできたヒダのついたゴム手袋が装着されており、ローションを垂らすと手袋全体に塗りたくっていく。
ぐちゅ、ぐちゅと粘液が空気を含む音とともに、千景の両の手が赤嶺の怒張を握った。
「――――んにぃっ!?」
「東郷さん、リングを外すタイミングは任せるわ」
「ええ、千景さん。遠慮せずにそれでいーっぱい、ゴシゴシしちゃって」
「ま、まっへ、はげしくされたら――――ああぁっ!?」
両の手を重ね、亀頭を包み込むよう上下させる。一定の潤滑を得ながら手袋についているヒダの一つ一つが赤嶺の怒張を引っ掻きながらも扱いていく。
亀頭と幹を行き来擦るたびに腰を撥ねさせるほどの快感を与える千景の手は極上のオナホールと化していた。
「だめっ…、頭、びりびりしちゃ、うか、らぁ……っ!」
「我慢しなくていいわ。ここが弱いのね、高嶋さんも好きなのかしら……」
千景の手淫は恐ろしいほどに卓越した技術を持っていた。
両の手で扱く際は極力空気を含まないように肉棒と手を密着させてヒダによる刺激がダイレクトに伝わるように工夫をしている。
勇者個人としてはそれほどでもない千景だったが、性技に関しては赤嶺を圧倒していた。
そして、そんな技巧をもつ千景の扱きに感度を高められた赤嶺が耐えられるはずもない。
すぐに背筋からぞわぞわする感覚が登り、まだかまだかと、我慢の限界を知らせるように逸物がぶるりと震える。
射精の前兆を感じ取った美森がここだと言わんばかりに肉棒の根元に嵌めていたリングをワンタッチで外し、千景もそれと同時に肉棒を強めに扱いた。
「だめ、イグッ、だめだめ――――お゛あ゛あ゛あ゛ぁっ!!」
背筋をぴん、と伸ばした次の瞬間、まるでダムがせき止められていたかのように莫大な量の白濁液が肉棒の先端から吐き出された。
まるでクジラの潮吹きのように真上に放たれた精液は行き場を失い、そのまま赤嶺の腹部分に降り注ぎ、褐色の腹を白濁に染めていく。
精を放出した快感は赤嶺の脳髄に多大な電気信号を送り込み、瞬時に処理しきれなかったために視界に銀の塵が舞い踊っていた。
「お、おぉおおおぉぉ……」
「すごい量ね……でも、まだ出したりないみたい」
「あれだけ焦らされたのだから当然よ。それよりも、園子さんとかが赤嶺さんの体液、欲しがってたわね」
「赤嶺さんの体液からこの世界に関する情報を抽出するって話? 確かに、造反神から私たちが知らない情報を与えられてるのも考えられる……だったかしら」
「なら、すべきことは一つね」
「ええ、より多くの、そして有益な情報を得る為には――――もっと搾り取っておかないと」
妖しく瞳を光らせた二人は、特大な量の射精を行うも未だにバキバキに硬い怒張を握り、更なる奉仕を行う。
今度は美森が赤嶺に唾液を飲ませる役を担い、千景が先ほどよりも強めにゴム手袋による奉仕をくり返す。
「い、やぁ…っ、今は、敏感だから……ぁ―――――ッ!!」
絶頂の余韻に浸る間もなく、敏感になっている怒張を責められた赤嶺は僅か10秒と掛からず先ほどと同じ量の射精を強制的に行わされた。
されども、赤嶺の怒張は唾液に含まれる異常な媚薬成分によって不変の硬さを維持している。
「イ゛っだ、も゛う゛イ゛っだがらぁ……っ!!!」
「まだまだ」
「もっと射精しなさい」
「あ゛――――っ!!あ゛あ゛―――――っ!!」
左の手で幹を扱き、もう片方の手のひらを亀頭に被せてぐりぐりと擦り合わせる。
絶頂後の為酷く敏感になっている逸物へ行われる容赦ない亀頭責め。
我慢など出来るはずもなく、理科室の天井へ向かって衰えることのない精液が吐き出される。
「次は亀頭に被せる玩具を使っていっぱい射精してもらいましょう」
「先っぽにローターがついてるから、私たちが直接扱かなくてもあとは勝手に――――」
「ひあぁあああああっ!?こりぇっ、さきっぽだきぇ、きもひぃ―――――」
どぴゅっ、びゅるびゅるびゅるっ。
「ん゛お゛ぉ゛お゛お゛お゛お゛♡♡♡」
亀頭へ被せられたゴムキャップに取りついている二つのローターが敏感な裏筋部分を最大出力の振動で刺激する。もはや、我慢することを諦めた赤嶺はもう何発かも分からない射精。
しかし、ローターは射精を行う亀頭部分を責める。電力の続く限り。
永続的に赤嶺は絶頂に導かれ、蛇口が壊れたかのように白濁を吐き出し続ける。
衰えることのない勢いの射精がもたらした自身の精液で己を白く穢した少女は真上から見下ろす美森と千景の顔を見た。
「夜はこれからよ赤嶺さん」
「ええ、まだまだ付き合ってもらうわよ」
「やらぁ……やらやらやらぁ――――あ゛ぁッ!!?」
休憩など、与えない。そんな意思を悪魔的な笑顔で表現した千景と美森は思考も覚束ない赤嶺の怒張を扱いては射精を促し、扱いては射精させるという快楽のループを繰り返した。
二桁など余裕で越える程の射精を行わされた赤嶺は意識を失い、その頃には既に日の光が登り始める時間帯になっていた。
―――――それから二日後。
今日も朝日が昇って、教室の窓から差し込んできた日の光が室内を照らし出す。
机や椅子は殆どが壁際に寄せられていて、がらんとした教室の中央に椅子にロープで括りつけられた、赤嶺の姿があった。
「……ぅ、ぁぅ」
呂律の回らない人語をぽそり、ぽそりと呟く赤嶺の表情は酷く憔悴しきっていた。
目の下には寝不足によるクマが見られ、口もとからは涎が伝っている。
そして瞳の色は褪せ、焦点がブレて生気が感じられない。
食事は与えられ、身体は清潔に保っていた。そういう世話をされた。
だが、それ以上に与えられた快楽が赤嶺の心を蝕んでいた。
あの後も勇者部による快楽調教は続いた。
美森と千景の番が終わったと思えば、目が覚めると若葉と棗、加えて白鳥歌野に襲われた。
朝の授業が開始する鐘が鳴るとともに凌辱が始まり、気絶させられるか退校時間まで犯される。ちなみに退校時間まで犯されたことはなく、赤嶺は行為の途中で気絶してしまっている。
夜になれば美森と千景が、加えて伊予島杏が台本片手に興味津々にストーリー式のエロプレイを強要する。
結局気絶させられるまで身体を弄ばれ、朝になれば今度は別の勇者が赤嶺を犯しに来る。
故に赤嶺は睡眠による体力を確保することが出来ず、常に身体は疲労困憊状態であった。
隙を見て脱出するなど不可能なのである。
そしてそんな極限状態にも関わらず、身体は拒否反応を見せることなく順応し、快楽を受け入れる。
原因は勇者部が赤嶺に呑ませる媚薬入りの体液だ。これがあるから、赤嶺はどんなに疲れても普段と変わらない、むしろ通常以上の絶頂を迎えることが出来、何度も勇者部の相手をすることが出来る。
(身体が、いう事を聞かない……喋るほどの体力すらないなんて……)
椅子に括られ、頭を下げる赤嶺は視線だけで周囲を見渡す。既に何人かの勇者が集まり始めている。
時間が来れば、また同じような快楽調教による一日が始まる。
(なんとか、逃げなきゃ……今日もまたあの媚薬を飲まされたりでもしたらもう私、壊れちゃうかもしれない)
行為の度に飲まされるあの唾液はただ快楽を呼び起こすためだけのものではないと、赤嶺は気付いた。
あれはただの媚薬などではない、人を貶める悪魔の薬、麻薬に近い。
何度も何度も心を作り替えるように働きかけ、最終的にはその人間を支配する途轍もなくタチの悪いものだ。
赤嶺はここ2,3日で自分が自分で無くなるような感覚に襲われている。少しでも気を抜いたら、終わりだ。そう思ったのだ。
(勇気を振り絞れ……今の私は勇者だ、諦めたらダメなんだ!)
頭を振って、身体を揺らす。
振り子のように勢いをつけて思いっきり上体を振ると椅子の脚が浮き、椅子に座ったまま赤嶺の身体が真横に倒れ込む。
その動きに気付いた勇者の一人がゆっくりと床に倒れた赤嶺に近づいた。
「ふっふっふ赤嶺ぇ……逃げようとしたってそうはいかないぞ~」
勇者、土井球子が八重歯を光らせる。
赤嶺は対した抵抗も出来ずに、椅子を起こされた。そもそも、椅子に括られたまま逃げ出そうとしたのは無策すぎたかもしれない。
「今日はタマが赤嶺の相手をしてやるゾ。 なぁに、もう少しでお前もタマたちの仲間入りだ。
そしてこれからは、タマが赤嶺のマウンテンを登頂するんだ!」
私欲の為に動く球子の瞳は何故か炎が宿っていた。
マウンテンとはなんなのかと思考する赤嶺を置いて、球子は赤嶺の顔を掴むと口を窄めて自らの顔を近づける。
「さて、他の奴らが来る前にタマがお前の身体を仕上げておいてやろう。今日もいっぱい唾液を飲ませてやるゾ」
ぐいっ、と人差し指と親指を使って強引に赤嶺は口を開かされた。
抵抗を図っても、そんな体力は既にないし、飲まされれば最後、理性を飛ばされ快楽に狂う雌へとなり果てるだろう。
赤嶺には洗脳じみたこの行為を今度は耐えきれる自信がない。
「ぁぅ……っ、ふぁ……っ!」
せめてもの抵抗で顔を捩るが球子程度の腕力すらも払いきれない。
次第に唇が赤嶺の口へと近づいていく。
(もう、だめだ……こんなところで、負けたくない―――――だれか、助けて、よ)
どんな目にあっても、決して屈しないと心に決めていた赤嶺の、友奈特有の不屈の心が折れそうになる。
迫る恐怖に頬から涙を流した赤嶺は誰かもわからない、いるかもわからない者に助けを求めた。
――――――その声に応える者が居た。
それは教室の窓を突き破ってやって来た。
ここはハリウッド映画の撮影でもやってたのか、と疑わんばかりの勢いで両の腕をクロスにし室内に侵入してきた人物は窓を突き破った勢いを利用し、空中浮遊をしたまま土井球子へ飛び蹴りを放った。
「お前だれ―――――なぁっ!?」
咄嗟にガードした球子の防御は蹴りを防いではいたが威力を殺すことは出来なかった。
ずどっ、と豪快な音を立てて吹き飛ばされた球子の身体は壁際に積んでいた机の山を破壊していく。
フルフェイスのヘルメットにライダースーツというスパイじみた格好をした侵入者は飛び蹴りの反動を利用してその場に着地してみせる。恐ろしく身のこなしが軽い。
「何事だッ!無事か球子ッ!!」
騒ぎを聞きつけて教室の中へ入り込んだのは若葉だった。
若葉に続いて勇者たちがぞろぞろと教室へ足を踏み入れてくる。
「誰……?窓を突き破ってきたの?」
という千景と、
「リアリー!?ここ三階よ!?信じられないわ、アンビリーバブルよ!」
白鳥歌野など、西暦勇者一同がそこに現れたライダースーツの人物に視線を注ぐ。
身長は150センチ代だろうか、全体的に細身で胸の膨らみがその侵入者を女性だと判断させる。
「貴様……何者だ」
「……」
乃木若葉が警戒を怠らずに尋ねる。いつでもスマホから勇者システムを起動できるように手にしながら。
対してスーツの少女はヘルメットに手を掛けると脱ぎ捨てて、その姿を露にする。
ヘルメットに収めていた白銀の長髪がふわりと舞った。
ポニーテールに纏めていた、肩付近までの長さをもつ銀紙を揺らした少女は若葉たち勇者をその翡翠の瞳に映し、口を開く。
「―――――I’ll be back。 そして初めまして、勇者の皆さん」
どこぞの洋風映画のようなセリフを吐く少女は手にしていたヘルメット投げ捨てる。
ころん、と転がったヘルメットは壁にぶつかり、その真下に置かれていたゴミ箱の中へと吸い込まれていった。
銀髪少女は赤嶺の前に立ち塞がり、若葉を含めた勇者達へ向けて自らの名を名乗る。
「……私、今回の神々の戦いにおける異常事態解決の御役目を造反神様より仰せ預かった“アイ”と申します」
以後、お見知りおきを。
そう言いつつ丁寧に挨拶をした少女、アイは際立った異質感を放っていた。
陶磁器のように透き通った白い肌と整った顔立ち、華奢ながらもそれを補うほどに彼女から放たれる威圧感。
「なんかメイドみたいなやつだな」
「ええ。私はどちらかというとそちらの方が本業ですので」
「球子、千景、歌野……油断はするな。 3階を悠々と飛び越え、勇者の球子を軽々蹴り飛ばす身体能力……只者ではないぞ」
若葉たち勇者は察知する。そして確定付けた、この少女は敵なのだと。
アイは赤嶺を括りつけているロープを外し、その拘束を解く。
「本来ならば赤嶺さんに行ってきた数々の所業をこの場で断罪してやりたい気分なのですが、本日は赤嶺さんの救出がメインですので、これにてドロンさせていただきます」
「逃がすと思うか?造反神の手の者ならば、我々がこの場で取り押さえさせてもらう」
「こっちは四人、数も実力も上よ……あなたが一人で勝てる程甘い相手ではないわ。大人しく投降した方が身のためよ」
若葉と千景がそれぞれ勇者システムを起動させ、球子と歌野もそれに続く。
刀、大鎌、盾、鞭を構え、殺意を向けてくる状況に銀髪少女アイは仕方ないと言った表情でため息をつく。
「なら、ここで相手をしてあげましょう。そして、証明して見せますよ―――――如何なる障害も、愛の前には全て意味をなさないという事を……赤嶺さん、見ていてください」
「え……あ、うん」
懐から取り出した自身のスマホ、若葉たちの勇者端末に酷似したそれを見せつけるように掲げ画面に“白の花弁”が浮かぶ。
「私の――――変身」
画面の花弁を親指でタップしたアイの周囲を白の花びらが包み込んでいく。渦巻いた花びらが弾け飛び、宙を舞うとそこにはライダースーツから服装を変化させたアイの姿があった。
一つに纏められていた銀の髪は二つに分かれ、頭には黒のカチューシャ。
そして何故か白を基調としたメイド服。その事実が他の勇者達に衝撃を与えていた。
「め、メイド服……なぜメイド服なんだ!?」
「あなた、端末で変身したってことは……造反神が召喚した新たな勇者ということなのかしら?」
千景が警戒し、大葉刈を構える。光を浴びて妖しく光った刃先がアイへと向けられるが彼女は怖気づくどころか毅然とした態度で言い放った。
「勇者?いいえ。 私は“勇者の代行者”、そしてこの力は“染め花”と言われるもの。
形が無ければ何色にも染まる花―――――そして、愛の力で未来を切り拓く力です」
それは勇者として選ばれなかった少女がこの世界で得たもの。
託された絆がカタチを変え、力となる無形無色の花である。
原因となった神様は然程悪い神様ではないのよ。
勇者部の体質が変化したのはその神様のせいですけど。
ちなみにあの媚薬成分は唾液だけじゃなくて汗や逸物の液体にも含まれています。
アイちゃん加入の経緯は次回にて。
染め花の能力も次回にて。
次の更新はいつになるか分からない。
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