※この作品はR-18です。

同類探しの旅に出よう!   作:白髪ロング娘スキー

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クールキャラみたいな静かな感じの娘が好きなんですが番外席次をクールキャラと呼んで良いものかと小一時間ほど悩みました。



初めての執着

 ベットへと引きずり倒した番外席次の顔を上から眺める。

 

「な、なに……?」

 

 綺麗につむじ部分で分かれている白と黒の髪に手をやる。

 その不思議な配色の髪は染められた髪特有のザラザラした感触を感じず、むしろ砂を掴んだ時のようにするりと掌から逃げて行った。

 

 つまりこれで地毛という事だ。

 生体の神秘というかなんというか。

 

 そんな髪は目にかかって邪魔なのか、前髪の外側は髪留めを使って固定し、内側が互いの領域を侵すかのように交差して纏められている。

 それを退けて、彼女の顔を見つめる。

 

 どちらかといえば綺麗系よりも可愛い系の顔立ちだろうか。

 しかしパーツの配置は間違いなく可愛い系なのだがそのパーツが細長の眉に切れ長の目、ツンと立った鼻に若干下向きの唇と綺麗系なために、まるで可愛らしい少女が熟練の娼婦のような色気を出しているかの様な怪しい妖艶さを醸し出している。

 

 では体はというと17~8程度であろう年齢にしては貧相な胸だ。

 しかし細いくびれに安産型程ではなくともしっかりと膨らんだ尻が巨乳など邪道、むしろこれでよいのだと全力で訴えてくる。

 

 そんな彼女の肢体に触れればゴワゴワとしている服越しであるにも関わらずその白い肌はフニフニと柔らかく沈み、直に触れた時の感触を触れてもいないのに此方に叩きつけてくる。

 

 彼女の肌を服越しに撫で摩りながら、思わず息を呑む。

 未だ味わってもいないのに間違いなく今まで経験してきたどの女体よりも素晴らしいものだと思わせてくるこの美食を直に味わえば、一体どれほどの快楽を得られるというのか。

 

 思わず襲い来る情動に身を任せて彼女の服を剥ぎ取り食い散らかしたくなるが、先ほどの男性器を恥ずかしがりながらも興味津々で触れていた時の様子を見るに彼女は生娘だろう。

 それを無理に襲えば彼女は性行為を怖がるようになってしまうかもしれない。

 

 強いオスの子を産みたいと言っていたし大丈夫だとは思うが所詮は生娘の言う事だ、セックスは痛いしもう嫌だと言われたら無理強いは出来ない。

 

「唇、もらうぞ」

「へ、まっ、むぷ」

 

 キス宣言でようやく状況が理解できたのか俺の胸を押してくるが、今度は此方が上で彼女が下というのもあるが強化魔法で強化された肉体に勝てるはずもない。

 それに加えて状況に流されているのか殆ど力も入っていなかった為にそのまま押し切り彼女の唇に此方の唇を合わせた。

 

 最初に感じたのはその感触。

 兎に角柔らかく、ほんの少しの花の様な良い香りがする。

 しかし味わおうと少しでも強く食むとすぐにだめだと押し返し、その代わりにとでもいうように更に強く花の香りで此方の嗅覚を刺激してくる。

 

 その素晴らしい感覚に思わず夢中になって貪る。

 もはや性行為などせずこれだけでいい気分になってくる。

 

「はっ……はぁっ……はふぅ」

 

 少し顔を上げて彼女を見れば、既に顔を真っ赤にして震えていた。

 このまま舌を突き入れて深くキスをすればそのまま意識を飛ばして気絶しそうだ。

 

 キスは切り上げて片手で彼女の頭を支えつつ、自分と彼女の額を合わせてゼロ距離で見つめ合い、彼女がそちらに夢中になっている内に少しずつ彼女の服を剥いでいく。

 

 剥ぎに剥ぎ、残るはもはや下の下着だけとなった段階で突き合わせていた額を離し、露になった彼女の裸を見つめる。

 そうすると漸く自身を守る装備がパンツだけになった事に気付いた彼女が慌てて両腕で胸と股間を隠した。

 

 だがそんなものは無駄だ。

 秘所を守るのに使っている両腕を掴み、頭の上で纏めて片手で固定し閉じられる前にその膝の間に自身の体を滑り込ませた。

 

 感想としては兎に角白い、それに尽きる。

 今まで一度も外に出た事が無かったのではないかと疑問になるほど透き通った肌はその下の神経やピンク色の筋肉が若干透けており、その真っ白な肌を薄桃色に染めている。

 

 そんな白い肌の膨らみ、胸の頂点には小さなピンク色が存在を主張しており、まるで砂漠で見つけた水源の様に此方の欲求を刺激する。

 

 彼女の両手を拘束している手とは逆の手で彼女の耳、顎、胸、腹、腰、太もも、ふくらはぎとそれを往復して乳首と秘所には触れないように何度も何度も撫で、揉み、摩っていく。

 

「あっ、ふっ、んんっ!」

 

 暫くそれを繰り返していれば少しずつ彼女が小さく体を震わせ始めたため、それを切り上げて残る最後の衣服、パンツへと手を伸ばす。

 

 ゆっくりゆっくり抜き取っていくと、既にべちゃべちゃに濡れている秘所が遂にその姿を現した。

 見ればパンツにもその残照はこべりついており、秘所との間に一つの橋を作っていた。

 それを完全に抜き取ってベットの端に置き、彼女の濡れ切った秘所と向き合う。

 

 本来であれば心行くまで舐め回したり弄ってみたりして楽しみたいところではある。

 だが仮にもスレイン法国最強という目立つ地位にいる彼女が、何時まで経っても神聖な神殿で殴り合いをして荒らすような野蛮な男の部屋から出てこなければ怪しむ奴も出てくるだろう。

 

 そのため、今後も彼女と周りに怪しまれずにセックスが出来る関係になるためには彼女にセックスに対するトラウマを残さぬよう優しく丁寧に素早く致し、尚且つまた何度でもしたいと思わせる程に彼女を満足させる必要がある。

 

 自身の性器を取り出しながら優しく彼女の濡れ切った秘所を撫でると、こんこんと湧き出る愛液がべったりと手に付着した。

 それを自身の性器に満遍なくたっぷりと塗りたくると、秘所の入口に自身の性器を合わせる。

 

 処女膜を破るとなるとこれだけ濡れていても凄く痛いだろう。

 だが、これ以上濡らしても感じる痛みにそれほどの違いはないというのもまた事実だった。

 

 なにより破っても痛みを殆ど感じない程に濡らすとなると時間がかかり過ぎてしまうし、それまでの間に何回も彼女が絶頂するだろう。

 女は確かに男と違って幾らでも絶頂出来るが、だからといってそれが辛くない訳ではないのだ。

 

 彼女にトラウマを残したくはない、しかし時間も掛けたくない。

 となると彼女に多少なりとも負担を掛けさせてしまうが、この辺が切り上げ時だろう。

 そう判断すると彼女の腰を掴み、腰を前に進めようとする。

 

「んぅ、だからっ、待ちなさい!」

 

 そう叫びながら振り上げられた彼女の足が彼女の手を拘束している手に当たり、一瞬力が緩む。

 その隙に拘束を解いた事により解き放たれた彼女の両手がバシッっと此方の顔を挟む。

 

「ふぅ、ふぅ、貴方……何を焦っているの?」

「今のこの状況を見られたら不味いと思わないか?」

「思わないわ。貴方は私が認めた。そして認めた相手と性行為をしようとしている。その事に不満など言わせはしないし言うものが居るなら私が殺してあげる。だから、貴方は焦る必要なんかないし、急ぐ必要もない」

「いや、でも、ほら、えーと、その……」

「あら、なぁに?」

 

 此方の頬を両手で押さえたまま親指を動かし撫でてくる彼女の微笑に思わず視線を逸らす。

 先ほどまで急いでいた理由など所詮はただの言い訳だ、理由は別にある。

 しかしそれを言いたくはなかった……が、視界に映る彼女の困ったような顔に思わず口が滑る。

 

「…………嫌なんだよ」

「なにが?」

「初めての同類だと思ったんだ」

 

 今まで負けた事など一度もなく、出来ない事などなかった。

 世の中を舐め腐り、しかしそれでも世界最高クラスの生活が出来た。

 これからもそんな決まりきった不可能など無い最高に自由で最低に不自由なクソ詰まらない人生を過ごしていくのだと思っていた。

 

 そうしていつか現れるプレイヤーという存在に対して退屈にしびれを切らして挑みかかり、自身の持つタレントなどゴミの様にあしらわれ……殺してくれるのだろうと。

 

「それを文字通り殴り飛ばしてくれた。負けなし、孤独、決まりきったクソ詰まらない人生、それを一緒に過ごしてくれるかもしれない仲間に、初めて出会えたんだ」

 

 それはまさしく一目惚れ……いや、一度目は興味などなく見過ごしたがために二目惚れとでもいうべき体験だった。

 

「初めて出会った同類を好きになっちまって、そいつと今セックスをしてる。だったら、ほかの誰にも見せたくねぇのが男の心情じゃねぇか」

 

 この地核聖典に割り振られた寮のベットルームに鍵など付いていない。

 つまり誰かが怪しいと思ったり気まぐれに入ってきたりする事も出来る。

 その結果見られてしまうのだ、そこら辺の名も知らないゴミ共に愛おしい彼女の何も着ていない裸の体が。

 そんな事、許せるはずがない。

 

 そんな思いを込めた言葉に彼女は驚いたように目をぱちくりと瞬かせた後、頬を押さえていた手を離してくすくすと笑い出す。

 そんな反応にだから言いたくなかったんだと彼女から顔を逸らす。

 

「あぁ、いえ、馬鹿にしてる訳じゃないわ。むしろ嬉しくて」

「そ、そうかよ……」

 

 赤くなった顔を見られない様に逸らしたままでいると、不意に自身の男性器を掴まれた感覚がした。

 見れば、彼女が未だに硬くなったままの男性器を優しく掴み、もう片方の手で自身の秘所を割り開いて其処に押し付けていた。

 

「なら、私達専用の性行為をするための場所を作らないといけないわね」

「ば、ばんがいせきじぃぃぃぃぃぃ!」

「~♪」

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 

 ……で、全然俺の部屋から出てこない番外席次とシーツに付いた小さな血痕。

 更に股関節を痛そうにしながらもほけほけとした笑顔を浮かべる番外席次を見て何が起きたのかを察した地核聖典の者達は直前に神殿で暴れていた事もあり俺が聖典の名を背負うにはふさわしくない人格の持ち主であると判断した。

 

 その結果、俺を排除しようとした地核聖典は幸せな気分に浸ってたのに邪魔をしたとして全員番外席次により追い出(殺戮)された。

 

 そんな殺戮劇の直後に最高神官長に呼び出された時は流石に少し警戒したが、特に何かされたりといった事は無かった。

 しかし何も罰が無いというのは他の者に示しがつかないという事で俺の持つタレントの能力の情報と引き換えに城の奥深くに存在する一室へと軟禁という刑罰を受けているのだ。

 

 ……まぁこの部屋の中でならば誰と幾らでも性行為をしてもよく、そして番外席次以外は勝手に入ってはいけないという事もあってこれ刑罰として成り立ってんの? という疑問は浮かぶが。

 

 そしてその肝心の番外席次だが……

 

「うぅ、番外席次ぃ……俺が何かしたんなら謝るから早く来てくれぇ……一人は寂しいよぉ……」

 

 ここ二週間ほど、ただの一度もこのスレイン法国公認ヤリ場、別名牢獄に訪れていなかった。

 

 普段であればどれだけ間が開いても三日以内には性行為はせずとも会話などをしにやって来ていた。

 

 それがただの一度もなく二週間。もういいんじゃないか? 今が爺との約束の破り時じゃないかな? などとずっとソワソワしていた。

 と、その時。

 

「入るわよ」

「番ッ外席次ぃ!」

 

 二週間の間一度も自分に会いに来なかったという事実など無かったかのように何時もの様にノックの一つもなく入ってくる番外席次。

 それに番外席次に飢えていた俺が飛びつかない筈が無い。

 

 ベットのスプリングを利用して陸に揚げられた魚の様に一度跳ねると宙に浮いたままくるくると回転してベットから飛び降り、着地した瞬間に番外席次に向かって飛び掛かっていく。

 飛び掛かった体勢のまま白い物体にタックルをかますと、そのまま押し倒して頬をズリズリと押し付けた。

 

「番外席次番外席次番外席……じ? ……これ、番外席次じゃない」

 

 そうして少しの間抱き着いたまま頬を押し付けていたが、何時も感じている番外席次の肌の感触とは違う事に気付いて頬を押し付けるのを止めて視線を上げる。

 

 すると、そこにいたのは予想通り番外席次ではなく、謎の銀髪の女の子であった。

 年齢は番外席次が十七程度だとするならば、この子は十歳程度だろう。

 その割には、やけに胸がデカい。

 

 ピンっと人差し指で弾いてみれば、明らかにおかしな挙動をしてばるばると震える。

 

 偽乳か。

 

「いきなり抱き着いてこないで」

 

 後ろから聞こえた番外席次の冷たい声にビクッと震え、そろ~っと後ろを見る。

 

「ば、番外席次……やっぱり俺が何かしたのか? なら謝るからどうか」

「は、恥ずかしい……」

 

 番外席次の羞恥心攻撃! リビドー・ブレインに1000のダメージ!

 

「っと、そうだ番外席次! なんでこの二週間一度も来なかったんだ!? というかそもそもこの謎の銀髪の女は誰だ!? なんで連れてきたのん!?」

「この二週間来なかった理由は簡単よ。外に散歩に行っていたわ」

「散歩ぉ!? あれ、番外席次外に出れない理由とかなかったっけ?」

「それなんだけどね、そも竜王の探知は六大神様の宝具である程度防げるのよ。ほら、あの透明化の宝具。外出禁止の理由は私が外で強そうなやつを見つけて暴れたら流石に透明化の宝具でも防ぎきれないからよ。騒ぎになっちゃうからね……けど、その、今は貴方がいるから、ね」

 

 番外席次の二重の極み! リビドー・ブレインに2000のダメージ!

 

「で、この女はその散歩の途中で拾ってきたわ」

「んぐぐ、拾ってきたって……あのなぁ」

「恐らくは同類よ、私たちの」

「!」

 

 さりげなく零されるその言葉に、緩んでいた気を即座に引き締める。

 

 同類という事は、この子もそうなのだろう。

 何時も一人で出来ない事など無い代わりに決まりきったクソみたいな詰まらない人生を歩む事を世界に強要された理解者なんて存在しない孤独な存在。

 

「種族は吸血鬼。漆黒聖典と鉢会って、第八席次「巨盾万壁」と第九席次「神領縛鎖」が死亡、直後カイレがケイ・セケ・コゥクを放ち死亡。そしてその結果、中途半端に洗脳が効いているのが今のこの子の状態よ。放っておけば殲滅し終えた後に食事が出来ずに餓死していたでしょうね。私は放置しても良かったのだけれど……きっと貴方はこの子の事を放ってなどおけないのでしょう?」

「ああ」

 

 番外席次の言葉を聞きながら洗脳が効いている所為なのか目に光が無く、何の反応もしない女の子を膝の上に乗せて頭を撫でてやる。

 

「……今までよく、一人で頑張ったな」

 

 そうして暫く俺が撫でている姿を見ていた番外席次だったが唐突に此方へと歩き出し目の前でしゃがみ込むと銀髪の女の子の顎を掴んで持ち上げ、その顔を覗き込んだ。

 

「で、この子を連れてきた理由は三つあって、その一つがさっきの私たちの同類であること」

「ふーん、じゃあ二つ目は?」

「貴方のタレントでこの子の洗脳解けないかなと」

「あー」

 

 確かに洗脳という領域なら俺の得意分野だ。タレントを使えば大抵の洗脳を掛けられる自信があるし解ける自信もある。

 

 しかし、あくまで大抵だ。

 六大神、プレイヤーと呼ばれる存在が遺したマジック・アイテム。

 その中でもケイ・セケ・コゥクの様な特に強力なもので掛けられた洗脳となると流石に厳しいだろう。

 

 以前にも似たような事を爺に頼まれたが大変苦労した事を覚えている。

 

「ちょっと待っててくれ」

 

 女の子の脇を掴んで持ち上げ、対面になるように膝の上に置きなおす。

 その顎を持ち上げて瞳に目を合わせタレントを発動する。

 

 本来はこのような面倒な事をせずとも発動するのだが今回の相手は宝具の中でも特別な位置に存在するケイ・セケ・コゥクだ。

 万全の準備をした上で全力で挑まなければならないだろう。

 

 ケイ・セケ・コゥクは洗脳を掛ける専門で、掛けた後は一度殺すかしないと一生洗脳が解けないのが面倒だ。

 洗脳を掛けるだけ掛けて、自力じゃ解けませんとか案外あの宝具ってポンコツなんじゃなかろうか? 何回かカイレ以外の娘に使わせて実験した時はちゃんと扱いこなせなかったとか聞いたし。

 

 というかその肝心のケイ・セケ・コゥクはどうなったのやら。ちゃんとカイレのババァから剥ぎ取って回収できていればいいんだが。

 

 さて、それは兎も角として意識を集中して全力でタレントを発動する。

 すると一瞬世界が広がり、宙へと放り投げられた後に落とされたかのような、ふわっとした感覚が身を包む。

 それが収まったかと思うと今度は広がった世界が目の前の彼女へと縮小されていき、彼女の中へと侵入していく。

 

 この時点でだいぶ気持ち悪くなってきている。

 だが此処で止めたら最初からやり直しになるため我慢して続行する。

 

 見えるは赤き情動。

 赤いものを飲みたい、美しい女の首に噛り付きたいという強い欲求。

 黒い翼を持つ女への対抗心に、巨乳への嫌悪と羨望。

 そしてよく見えないが何かに仕えていたいという忠誠心に、何かを失った悲しみ。

 

 先程の忠誠心からして失ったのはそれを捧げていた主であり、黒い翼の女はその妻だろうか?

 感情を辿っていてもあまり意味は無いかと考え記憶を辿ろうと其方へと移動しようとした瞬間何処からか現れた数え切れないほどの鎖が現れ、此方の侵攻を阻む。

 

 そうして現れた鎖の所々に何か赤いものを滴らせた真っ赤な鎖が紛れ込んでいるのを見て軽く引っ張ってみるがピクリとも動かず、何かの記憶の欠片が流れ込んでくる事も無い。

 

 その手応えの無さに、こりゃ無理だなぁと諦めて感情へと少しだけ手を加え退散する。

 

「……ふぅ、これ以上は無理だ」

「どうだった?」

「とりあえず、俺とお前の存在を大事なものだって刷り込むことは出来たが、洗脳の解除は無理だな」

 

 こればかりはどうしようもない。

 魔法や力業でどうにかなるのならば幾らでもどうにか出来るのだが、タレントを鍛えることはほぼ不可能に近い。

 

 それもあるために何か解決手段を見つけるか何回も繰り返し繰り返し洗脳して記憶の鎖が綻ぶのを待つしかないだろう。

 それよりも

 

「この子、もしかしたら六大神の内の誰かの従属神だったのかもな」

「見えたの?」

「いや、漆黒聖典をケイ・セケ・コゥクにかかった状態でも殲滅出来る力を持ちながらも何者かに忠誠心を持った存在、そしてその忠誠心を捧げる相手は死んでるらしいからな。そうなんじゃないかと思っただけだ」

 

 俺でも流石にケイ・セケ・コゥクを食らった状態で漆黒聖典相手に勝てるとは思っていない。

 良くて4割で引き分けと言った所か。

 

 それもタレントである程度洗脳を和らげられた場合の話だ。

 それを番外席次は死亡する可能性のある要因が漆黒聖典を殲滅し終えた後の餓死だけだと言った。

 

 それだけの存在が今まで無名であった筈が無い。

 だがこの子は無名であった。

 もしかしたら少しくらいは名が売れていたりするかもしれないが、俺は知らない。

 

 それに加え、先ほどの忠誠心と喪失感。

 ほぼほぼ間違いないと見ていいだろう。

 

「で? 最後はなんだ」

「?」

「ほら、三つあったんだろ、この子を連れてきた理由。二つ解決……解決? うん、まぁ解決したぞ。最後の理由はなんだ」

 

 正直今はもう疲れているので、あまり難しい理由でないことを祈りたい。

 

「それはね」

「?」

「この子、抱いて頂戴」

「……はい?」

 

 拝啓スルシャーナ様、愛しく思っていた女が急に別の女を連れてきて抱けと言ってきました。こんな時はどうすればいいですか?





クーデレでした。
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