※この作品はR-18です。

ハイスクールDXD~転生した最強の覇者~   作:グルジオ

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今回は長めです。どうぞお楽しみくださいませ。


体育館裏のホーリー
二学期、スタート!


「さあ、アーシア。挙式だ。行こう、僕たちの明るい未来へ!」

 

「イッセーさん!いままでお世話になりました!私、幸せになります!」

 

 

 

「……まてコラ」

 

 

 

~現実side~

 

 

 

「イッセーさん、どうしたんですか?」

 

俺を覗き込むアーシア。……朝か。

 

「……夢を見ててね」

 

「寝言で私の名前を呼んでました」

 

……最悪の夢だな。

 

「アーシアが嫁に行く夢を見た。……悪夢だった」

 

「大丈夫ですよ。私、まだお嫁に行きませんから」

 

「お嫁に行ったら寂しくて死んじゃうかもね」

 

「イッセーさんが寂しくて死んじゃったら大変です」

 

満面の笑みで答えてくれるアーシア。と、そんな時──。

 

「……うにゃ」

 

何やら下腹部でもぞもぞと動いているものが。俺の股ぐらで起き上がるのは──小猫ちゃんだった。

 

小猫ちゃんは寝ぼけ眼をさすりながら、俺に抱きつき、頬にキスし、舐めてきた。ざらざらの舌の感触がっ……。小猫ちゃんの体、柔らかいな。というか、裸ワイシャツだよな、小猫ちゃんの格好。

 

「ん……ちゅっ……んれろっ…れろっ……にゃぁん……」

猫耳がぴこぴこと動いて、白い尻尾もふりふりと揺れていた。可愛いねぇ。……というかパンツは?

冥界での合宿以来、小猫ちゃんも家で暮らす事になった。

 

それは良いんだけど……事ある度に俺の膝に座ったり、今みたくベッドに入り込んでる事もある。後、キスしたり頬を舐めたりもしてくる。かなり甘えてくる。

 

「ま、アーシアの嫁入りが夢で良かったよ」

 

「夢だけにしたいわね」

 

先に起きていたリアスがベッドに腰掛ける。その手には大量の手紙。

「それ、手紙だよな?誰から?」

 

「ええ、送り主は──ディオドラ・アスタロト。どうもラブレターのようね。それにその他にも映画のチケットやお食事の誘い、商品券などもあるわ。大きな物まで送られてきて、玄関口に置いてあるのよ。これで何度目かしらね」

 

ここ最近、これ等の物が俺の家──と言うより、アーシア宛に届いている。

 

アーシアも反応に困っていて、荷物が届く度に俺達へ謝っていた。アーシアは悪くないよ。

 

 

あれから二週間ほど経ち、夏休みも終わって二学期へ突入していたが、アイツに対する怒りが高まっていくのが自分でも感じ取れる。

 

「うちのアーシアはあげないさ」

 

 

夏が明け、迎えた二学期。

 

もう始業式も終え、駒王学園は体育祭の準備に入っていた。

 

 

 

…………今、俺の目の前では、この世の終わりと言わんばかりの顔をした松田と元浜が情報交換をしていた。

 

 

 

「隣の組の吉田は、夏に決めやがった!しかもお相手は3年のお姉様らしい」

 

「クソッタレ!」

 

……何やってんだか。

 

「そこの二人、童貞臭いわねー」

 

と松田と元浜を嘲笑いながら登場したのはクラスメートのメガネ女子、桐生だった。

 

「ふふふ、どーせあんた達の事だから無意味な夏休みを過ごしたんでしょうね」

 

「「何をぅ!」」

 

「ところで兵藤。最近アーシアの様子が変なんだけど、何か知ってる?」

 

……ディオドラとの一件だろうな。

授業中に慌てたりして教科書を逆さまにして読んでた事もあったし。とうのアーシアはクラスの女子と談笑をしているが……。

 

 

 

なんとかしてやりたいよな。

 

「まぁ、私も出来る範囲でアーシアを助けてあげるから、あんたもしっかり支えてやりなさいよ?」

 

 

 

「そうだな。ありがとう、桐生」

 

 

 

こいつも結構良いやつだよな。

 

 

 

 

「お、おい! 大変だ!」

 

 

 

突然、クラス男子の一人が急いで教室に駆け込んでくる。

 

 

 

どうした? 

 

その男子は呼吸を整えて、気持ちを落ち着かせると、クラス全員に聞こえるように告げる。

 

 

 

「このクラスに転校生が来る! 女子だ!」

 

 

 

一拍あけて───。

 

 

 

『ええええええええええええええええええええっ!』

 

 

クラス全員が驚きの声をあげたのだった。

 

 

 

 

「えー、このような時期に珍しいかも知れませんが、このクラスに新たな仲間が増えます」

 

先生の言葉に男子生徒のテンションがおかしなくらい高まっている。女子も男子の反応に呆れつつも興味津々のようだ。

 

「じゃあ、入ってきて」

先生の声に促され、入室してきたのは──。

 

『おおおおおおおおおおおっ!』

 

 

 

歓喜の声が男子から沸き上がる。

登場したのが栗毛ツインテールの相当な美少女だったからだ。

 

しかし、俺はどちらかというと喜びより驚きの方が大きかった。見れば、アーシアも同様でゼノヴィアに至っては目を丸くしてポカンとなるほどだった。

まあ、彼女が突然こんな風に現れたら、関係を持った者たちは驚きもするだろう。

 

 

「紫藤イリナです。皆さん、どうぞよろしくお願いします!」

 

そう、夏前にゼノヴィアと共にエクスカリバー強奪事件で来日した紫藤イリナその人だった。

 

 

 

「ちょっと来てくれ」

 

 

 

休み時間、男子や女子から質問攻めにあっているイリナの手を引き、俺、アーシア、ゼノヴィアの三人は人気のない場所へ急いで連れ出した。紫藤イリナ。俺の幼馴染。小さな頃に外国へ引っ越してしまい、堕天使幹部のエクスカリバー強奪事件で、ゼノヴィアと共に来日した。ゼノヴィアは神の不在を知って日本に残ったが、イリナは元の場所へ帰った。それ以来会っていなかったわけだが……このような突然の再会になるとは。

まさか、敵としてここに来たわけではないだろう。今は三大勢力は協定を結んでいる。ではイリナがここに来た理由は……。

 

 

「おっひさ~、イッセーくん!ゼノヴィア!」

 

 

 

ゼノヴィアに抱きつくイリナ。

 

 

 

「ゼノヴィア!元気そうでよかったぁ~。立場上複雑だけれど、素直にうれしいわ!」

 

 

「あぁ、久しぶりだね、イリナ。元気そうで何よりだけど……胸にかけてある十字架がチクチクと地味にダメージを与えてくるのは、天罰だろうか……」

 

 

 

元聖剣コンビのゼノヴィアも笑みを見せている。

 

 

 

「それよりもなぜ、ここに?」

 

 

 

ゼノヴィアが素朴な質問をする。

 

 

 

「ミカエル様の命により、使いとしてここに転校してきたの。詳しくは放課後で。噂の旧校舎で。ね?」

 

 

 

そう言って、イリナは可愛くウインクをした。

 

 

 

それならそれまで待つか。

 

「久しぶりだね、イリナ」

 

「うん、本当にまた会えてうれしい!イッセーくん……」

 

そう言ってイリナの唇が──俺の唇と重なった。

 

しばらく唇を重ねたあと、唇を離したイリナは頬を赤く染めて、潤んだ目で俺を見つめる。

 

「うれしくて、ついしちゃった」

 

「……それはありがとう」

 

そのあと俺達は昼食を食べて放課後まで待つことにした。ゼノヴィアとアーシアが少々ムーッとしていたが宥めた。

 

 

 

「紫藤イリナさん、あなたの来校を歓迎するわ」

 

 

放課後の部室。 

 

オカ研メンバー全員、アザゼル先生、ソーナ会長が集まり、イリナを迎え入れていた。ちなみに俺の膝の上には小猫ちゃん。ここが小猫ちゃんの定位置になりつつある。やわらかいお尻の感触が心地いいね。

 

 

 

「はい!皆さん!初めまして──の方もいらっしゃれば、再びお会いした方のほうが多いですね。紫藤イリナと申します!教会──いえ、天使さまの使者として駒王学園にはせ参じました!」

 

 

 

パチパチパチ

 

その言葉を聞いて部員の皆が拍手をする。

 

 

 

イリナは天界側の支援メンバーとして派遣されたらしい。そう考えたら、この辺は悪魔や堕天使とかしかいないね。

 

あ、さっそくイリナが「主への感謝」やら「ミカエル様は偉大」云々言い始めた。相変わらず信仰心強いね。

それから少ししてアザゼル先生が口を開く。

 

 

 

「おまえさん、『聖書に記されし神』の死は知っているんだろう?」

 

 

 

まぁ、ここに派遣されるってことはそうなんだろうね。

 

 

 

この駒王町は三大勢力の協力圏内の中でも最大級に重要視されている場所の一つだという。

 

ここに関係者が来るということは、ある程度の知識を持っていることになる。当然、『聖書の神』の死についても。 

 

「もちろんです、堕天使の総督さま。私は主の消滅をすでに認識しています」

 

 

 

そんなイリナを見て意外そうな表情をしているゼノヴィア。 

 

「意外にタフだね。信仰心の厚いイリナが何のショックも受けずにここへ来ているとは」

 

 

 

そんなゼノヴィアの言葉のあと、一泊開けて、イリナの両目から大量の涙が流れ出る!

 

 

 

「ショックに決まっているじゃなぁぁぁぁい!心の支え! 世界の中心! あらゆるものの父が死んでいたのよぉぉぉぉっ!? 全てを信じて今まで歩いてきた私なものだから、それはそれは大ショックでミカエル様から真実を知らされた時あまりの衝撃で七日七晩寝込んでしまったわぁぁぁっ! ああああああ、主よ!」

 

あらら。イリナはテーブルに突っ伏しながら大号泣してしまった。

 

 

 

「わかります」

 

 

 

「わかるよ」

 

 

 

アーシアとゼノヴィアがうんうんとうなずきながらイリナに話しかける。三人はガシッと抱き合う。 

 

「アーシアさん! この間は魔女だなんて言ってゴメンなさい! ゼノヴィアにも別れ際に酷いこと言ったわ! ゴメンなさい!」

 

イリナの謝罪に二人とも微笑んでいた。

 

 

「気にしてません。これからは同じ主を敬愛する同志、仲良くしていきたいです」

 

 

「私もだ。あれは破れかぶれだった私が悪かった。いきなり、悪魔に転生だものな。でも、こうして再会できてうれしいよ」

 

『ああ、主よ!』

 

 

 

三人でお祈りしだしたよ……。

 

 

 

とりあえず、仲直り出来たということで良いのかな?

 

 

 

それなら俺も嬉しい。

 

 

 

皆で笑顔が一番だからな。

 

 

 

 

 

「ミカエルの使いってことでいいんだな?」

 

 

 

アザゼル先生の確認にイリナも頷く。 

 

 

「はい、アザゼルさま。ミカエルさまはここに天使側の使いが一人もいないことに悩んでおられました。現地にスタッフがいないのは問題だ、と」

 

 

 

「ああ、そんなことをミカエルが言っていたな。ここは天界、冥界の力が働いているわけだが、実際の現地で動いているのはリアスとソーナ・シトリーの眷属と、俺とレイナーレたちを含めた少数の人員だ。まあ、それだけでも十分機能しているんだが、ミカエルの野郎、律義なことに天界側からも現地で働くスタッフがいたほうがいいってんでわざわざ送ってくると言ってきてたのさ。ただでさえ、天界はお人好しを超えたレベルのバックアップ体制だっつーのに。俺はいらないと言ったんだが、それではダメだと強引に送ってきたのがこいつなんだろう」 

 

アザゼル先生はため息を吐きながらそう言った。ちなみにレイナーレ、カラワーナ、ミッテルトは色々あってアザゼル先生のところで仕事の手伝いなんかをしている。ウチに来たり、アッチに行ったりだ。

 

「ところで、イリナ。もしかして、人間じゃなくなった?」 

 

「あれ? 分かるの、イッセー君?」

 

 

 

「ああ。以前とは違うものをイリナから感じるからな」

 

 

 

「へー、そうなんだ!ふふ、じゃあ、早速お見せしましょう!」 

 

イリナは立ち上がると、祈りのポーズをとる。

 

 

 

すると、彼女の体が輝き、背中からバッと白い翼が生えた。おお、天使の羽のよう……というかもしかして。

これには俺以外の全員が驚いていた。 

いや、アザゼル先生だけは顎に手をやりながら、感心するように見ていた。

 

 

「───紫藤イリナといったか。おまえ、天使化したのか?」 

 

「天使化? そのような現象があるのですか?」 

 

木場が先生に訊くと、先生は肩をすくめた。

 

 

 

「いや、実際にはいままでなかった。理論的なものは天界と冥界の科学者の間で話し合われてはいたが……」

 

 

考え込むように目を細める先生にイリナが頷く。

 

「はい。ミカエルさまの祝福を受けて、私は転生天使となりました。なんでもセラフの方々が悪魔や堕天使の用いていた技術を転用してそれを可能にしたと聞きました」

 

 

天使は神の消滅で誕生できなくなったと聞いていたから、転生天使とはいえこれで天使の数を増やせるようになったというわけか。というか、イリナが天使か。

これでこの学園に悪魔、堕天使、天使の三種族が勢揃いすることになるのか。

 

「四大セラフ、他のセラフメンバーを合わせた十名の方々は、それぞれ、Aからクイーン、トランプに倣った配置で『御使い(ブレイブ・セイント)』と称した配下を十二名作ることにしたのです。カードでいうキングの役目に主となる天使さまとなります」

 

 

先生がイリナの話に興味を示していた。

この人は技術とか、その手の話が大好きだからな。

 

 

「なるほど『悪魔の駒』の技術化。あれと堕天使の人工神器の技術を応用しやがったんだな。ったく、伝えた直後に面白いもん開発するじゃねぇか、天界も。悪魔がチェスなら、天使はトランプとはな。まあ、もともとトランプは『切り札』という意味も含んでいる。神が死んだあと、純粋な天使は二度と増えることができなくなったからな。そうやって、転生天使を増やすのは自軍の強化に繋がるか」

 

 

 

簡単に言えば『悪魔の駒』の天使バージョンといったところだな。

 

「そのシステムだと、裏でジョーカーなんて呼ばれる強い者もいそうだな。十二名も十二使徒に倣った形だ。まったく、楽しませてくれるぜ、天使長様もよ」

 

 

 

くくくと先生は楽しげに笑いを漏らしていた。

 

 

「それで、イリナはどの札なんだ?」 

 

俺は気になったのでイリナに尋ねた。

 

 

 

すると、彼女は胸を張り、自慢げに言う。

 

「私はAよ!ふふふ、ミカエルさまのエース天使として光栄な配置をいただいたのよ!イッセーくんの力にもなれるように頑張っていくわ!」

 

あ、左手の甲に『A』の文字が。

 

「なるほど。イリナの新しい人生の糧はミカエルさん……と俺も?になったわけか」

 

 

 

俺が呟くと、隣でゼノヴィアも応じる。

 

 

 

「自分を見失うよりはマシさ」

 

それはそうだ。

 

 

 

俺はゼノヴィアの意見に同意する。

 

神様の消失で自分を見失うよりは新しい主のもとで仕事に励んだ方が前に進めるってもんだ。俺も力になろう。

というか、さっきのキスは純粋な俺への想いを持ってのことだから大丈夫だとかなんとか。

 

イリナは俺達に楽しげに告げる。

 

「さらにミカエルさまは悪魔のレーティングゲームに異種戦として、『悪魔の駒』と『御使い』のゲームも将来的に見据えているとおっしゃっていました!いまはまだセラフのみの力ですが、いずれはセラフ以外の上位天使さまたちにもこのシステムを与え、悪魔のレーティングゲーム同様競い合って高めていきたいとおっしゃられていましたよ!」

 

天使と悪魔でのゲームか。驚いている者たちを尻目に先生は感心していた。

 

「天使や悪魔のなかには上の決定に異を唱える者も少なくない。長年争い合ってきた中だ、突然手を取り合えと言えば不満も出るさ。しかし、考えたな、ミカエル。そうやって、代理戦争を用意することでお互いの鬱憤を競技として発散させる。人間界のワールドカップやオリンピックみたいなもんだ」

 

不満を持った人達のうっぷん晴らしみたいなものか。 

どちらにしても面白そうだ。

 

「では、俺たちグレモリー眷属と天使のゲームシステムが戦うこともありますか?」

 

「将来的にはそうなるかもな。と言っても、すぐにじゃない。少なくとも十年……もしかしたら二十年後だ。ま、お前らはその頃ちょうど新人悪魔としてもいい時期だろうし、楽しめるだろうさ」

 

 見ればソーナも木場も興味津々だな。ギャスパーは複雑な顔をしているけど。ヴァンパイアハントとかあるからねぇ……。吸血鬼と和平を結んだわけではないようだし。三大勢力協定後の教会はどの派閥も表向きではいままで通りの教えだが、裏では悪魔や堕天使といろいろ協力して事を運んでいるという話だ。それによる新たな悪さが生まれないよう、専用の取り締まりチームも組まれたと聞いたな。俺たちとシトリー眷属もその権限を得ているらしい。

 

「その辺りの話はここまでにしておいて、今日は紫藤イリナさんの歓迎会としましょう」

 

 

 

ソーナが笑顔を見せながら改めて言った。

 

 

 

「悪魔の皆さん!私、いままで敵視してきましたし、滅してもきました!けれど、ミカエルさまが『これからは仲良くですよ?』とおっしゃられたので、私も皆さんと仲良くしていきたいと思います!というか、本当は個人的にも仲良くしたかったのよ!教会代表として頑張りたいです!よろしくお願い致します!」

 

その後、生徒会のメンバーも合流して、イリナの歓迎パーティーがおこなわれた。




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