(ふぅ……昨日はいい夜だった)
翌朝、俺たちはホテルを出て京都駅に向かっていた。
そんななか俺は昨夜のことを思い出していた。
あのあと、ロスヴァイセさんに見つかって解散したんだよな。
まあ、今朝は今朝で起きたらロスヴァイセさんにキスされてたけど。目覚めのキスがしたかったらしい。
~回想~
朝、目を開けると、目を閉じたロスヴァイセさんの顔が目の前にあった。俺の唇にロスヴァイセさんのやわらかい唇が重なっている。
「んっ……ちゅっ、ちゅぷっ……ちゅぱっ♡ちゅぷっ、ちゅぷっ……ちゅぱっ♡んっ、れろっれろっ……ぷはっ♡あ、い、イッセーくん!そ、その、おはようございます!……えっと、その……寝顔を見ていたら、目覚めのキスがしたくてつい……」
俺が起きていることに気づいて顔を赤くするロスヴァイセさん。
「いいですよ、俺もロスヴァイセさんとのキス気持ちいいです」
「……じ、じゃあその……もっとキスしていいですか?」
俺がOKすると再び唇を重ねてくる。
「んっ……ちゅっ♡ちゅぱっ、ちゅぷっ♡ちゅっ♡れるっ♡ちゅぱっ♡ちゅっ♡れるっ……ちゅっ♡……ちゅぷっ、ちゅぱっ♡ちゅっ♡ちゅぷっ…♡れろっ♡ちゅっ…♡ちゅっ…♡ちゅぷっ…ちゅぱっ…♡ちゅっ♡ちゅぷっ…ちゅぽっ…ちゅぷっ…ちゅぽっ…♡イッセーくんっ……♡好きっ♡好きっ♡もっと……♡」
先程よりさらに深い、舌も絡めた濃厚なキスをする。
俺もロスヴァイセさんの後頭部に手をまわしてより深く唇を重ね、ロスヴァイセさんの口内を舌で蹂躙する。
「ちゅっ♡ちゅぱっ……ちゅぷっ♡れるっ、れろっ……♡ちゅっ♡ちゅぷっ♡じゅるるぅぅっ♡イッセーくん♡もっと♡もっとぉ~っ♡」
それから朝立ちしてたのをロスヴァイセさんが見て、そのまま致すことになった。
~回想終了~
朝から気持ち良かった。
「おい、イッセー。何、考えてんだ?」
「いや、別に……。って、お前と元浜もすごい顔だな……」
「まあな」
「名誉の負傷だ」
俺が言うように松田と元浜の顔は腫れ上がっており、絆創膏だらけだった。
二人は昨夜、女風呂を覗けるスポットとやらに行ったのだが……そこは既に生徒会───シトリー眷属に押さえられていた。
それでも突貫したらしく、ボコボコにされた。
気を取り直して観光だ。今日は嵐山方面に行く。まずは天龍寺。
「天龍寺までは?」
俺が桐生に訊ねると、彼女は予定表を見ながら答えてくれる。
「えーと、京都駅から嵐山方面行きに乗って、最寄りの駅で降りるわ。そこから徒歩で到着ね」
「了解。じゃあ、駅まで行くか。リアス……部長も言ってたけど、本当、観光各所への移動はバスと電車なんだな……まあ、知ってたけど」
こいつらの前であんまり呼び捨てはね……。
「観光地ってそんなもんじゃね?」
松田がそう言う。それもそうだ。
俺たちは京都駅で嵐山方面行きの電車に乗り、最寄り駅で降りた後は天龍寺まで徒歩。
看板が出ているので迷う事無く到着した。
ところでドライグ。
天龍寺っておまえかアルビオンに由縁があるのか?
『どうだったかな。過去、京都でそういう戦いをしたようなしていないような』
どうやら、記憶が曖昧らしいな。
暴れてたにしろ、相当昔のことだろうし、仕方ないか。
大きな門を潜って境内を進み、受付で観光料金を払っていた時だった。
「おおっ、お主達、来たようじゃな」
聞き覚えのある幼い声、振り返れば巫女装束姿の金髪少女───九重が立っていた。
獣耳と尻尾は一般人がいるので隠している。
「九重か」
「うむ。約束通り、嵐山方面を観光案内してやろうと思うてな」
松田と元浜が九重を見て驚く。
「はー、可愛い女の子だな。なんだイッセー、お前現地でこんなちっこい子をナンパしてたのか?」
「失敬な」
「……ちっこくて可愛いな……ハァハァ……」
「自重しろ!」
ドゴッ!
危険な息遣いになっていた元浜を首への手刀で撃沈させる。
そんななか、九重に抱き付く者がいた。
「やーん!可愛い!何よ兵藤、何処で出会ったのよ?」
「は、離せ!馴れ馴れしいぞ、小娘め!」
「お姫様口調で嫌がるなんて最高だわ!キャラも完璧じゃないの!」
抱きついて頬擦りとかしてるよ。
桐生もちっこい子が好きなのか。
頬擦りしてくる桐生を九重は嫌がるが、桐生は一層喜んでいた。
俺は嘆息し、桐生を引き離して話題を再開させる。
「こちらは九重。俺やアーシア達のちょっとした知り合いなんだ」
「九重じゃ、よろしく頼むぞ」
俺は改めて九重を紹介し、九重はえっへんと若干ふてぶてしい態度を取る。さすがお姫さま。
「あ、グレモリー先輩繋がり?それなら分かるかも。あのホテルだって先輩の親御さんが経営している会社と関係あるって話だし」
「まあ、そんな所だ。それで九重、観光案内って何をしてくれるんだ?」
俺が訊くと九重は胸を張って自信満々に答える。
「私が一緒に名所へついて回ってやるぞ!」
「じゃあ、早速天龍寺を案内してほしい」
「勿論じゃ!」
「いやー、回った回った」
息を吐くのは松田だ。俺たちは九重の勧めで、湯豆腐屋で昼食を取っていた。
俺たちはあのあと九重に案内されて、天龍寺を回り、嵐山を見て回った。誰かに教えられたらしい知識を自信満々に話す様子はかわいらしいものだったな。
「ほら、ここの湯豆腐は絶品じゃ」
九重が俺たちに湯豆腐をすくって器に入れてくれる。ハハッ、ここでも仕切ってるなぁ。九重は心底楽しそうだ。これが普段見せている笑顔なのだ。その分だけ、頭を下げて俺たちに懇願してきた九重の姿を痛々しく思う。
……早くお母さんを取り戻せればいいが……。
と、九重にすくってもらった湯豆腐を食べないと。……うん、やっぱり京都の豆腐はうまいな。 ここのはホテルのよりもさらにおいしい。 豆腐はできたてが一番というからこれもできてからあまり時間が経っていないんだろうな。
「和の味がする。悪くない」
「はい、いつも食べているお豆腐とは違って風味が新鮮でおいしいです」
「お豆腐いいわよねぇ……」
ゼノヴィア、アーシア、イリナもご満悦な様子。と、イリナと目が合うとイリナは視線が合った途端に頬を赤く染める。
イリナは今朝から俺と目が合う度にこんな調子なのだ。
いや、まああれはな……。
「イッセーくん」
突然の声。この声は──。
「木場か。そういえば、今日はおまえのところも嵐山攻めるんだったな」
隣の隣の席に木場の班が同じく昼食を取っていた。
「うん。天龍寺行ってきたのかい?」
「ああ、見事な龍が天井にあった」
「僕もこれから渡月橋を見てから午後は天龍寺に行こうとしていたところなんだ。楽しみだな」
「渡月橋か。俺たちも食べたら行くよ」
などと話していたら、「秋の嵐山、風流なもんだぜ」という聞き覚えのある声が聞えてきた。
「おう、おまえら、嵐山堪能してるか?」
アザゼル先生だった。 しかも真昼間から日本酒飲んでるし!
「先生も来てたんですか? って、教師が昼酒はいかんでしょうよ」
俺が非難していると「その通りです」とアザゼルの対面に座る女性───ロスヴァイセさんが同意した
「その人、私が何度言ってもお酒を止めないんです。生徒の手前、そう言う態度は見せてはならないと再三言ってはいるのですが……」
「まあ、そう言うな。嵐山方面を調査した後でのちょっとした休憩だ」
どうやらアザゼル先生は嵐山で『禍の団』の調査をしていたようだ
「だがな、ロスヴァイセ。ちったぁ要領良くいかないとよ。そんなだから、男の一人も出来なかったんだぜ?」
「そ、それは関係無いでしょう!バカにしないでください!もう、あなたが飲むぐらいなら私が!」
ロスヴァイセさんがアザゼル先生の杯を奪って酒を飲み干す。
見事な飲みっぷりを見せた直後───。
「ぷはー。……だいたいれすね、あなたはふだんからたいどがダメなんれすよ……」
呂律回ってなくね!?
早っ! 酒回るの早っ!
「い、一杯で酔っぱらったのか?」
流石の先生もこれには驚いているようだ。
俺もその気持ちは分かる。
あ、ロスヴァイセさんが二杯目を。
「ぷふぁー!」
二杯目も見事な飲みっぷりで。
気のせいか、なんか目が据わってるような……。
目が座っているロスヴァイセはアザゼルに絡み出した
「わらしはよっぱらっていやしないのれすよ。だいたいれすね、わらしはおーでぃんのクソジジイのおつきをしてるころから、おさけにつきあっていたりしててれすね。……だんだん、おもいだしてたきた。あのジジイ、わらしがたっくさんくろうしてサポートしてあげたのに、やれ、おねえちゃんだ!やれ、さけだ!やれ、おっぱいだって!アホみたいなことをたびさきでいうんれすよ。もうろくしてんじゃないかってはなしれすよ!ヴァルハラのほかのぶしょのひとたちからはクソジジイのかいごヴァルキリーだなんていわれててれすね、やすいおきゅうきんでジジイのみのまわりのせわしてたんれすよ?ほんとうに、おーでぃんのクソジジイにおいていかれふぁときはどうにゃることかって、おもひましたけど、あたらひぃひょくばや、と~っへもすてきなであひに、めぐりゅあわせてくれはんですから、かんひゃしてますよ。ふへへ、ヴァルハラのほかのぶしょのひとたちからはクソジジイのかいごヴァルキリーだなんていわれてたわらひはもういにゃいんですよ~だ! もうにどと、あんにゃやすいおきゅうきんでジジイのみのまわりのせわなんてしてやるもんですか~! ふへへへへ~……、ふへへ。う、うう、うおおおおおおんっ!」
急に笑ったり、大号泣したりするロスヴァイセさんにはどうしたら良いのか分からず、先生は頭をポリポリ掻きながら言う。
「分かった分かった。お前の愚痴に付き合ってやるから、話してみな」
「ほんとうれすか?アザゼルせんせー、いがいにいいところあるじゃないれすか。てんいんさーん、おさけじゅっぽんついかでー」
まだ飲むんですか……。
先生が溜め息混じりに言う。
「お前ら、さっさと食って他に行け。ここは俺が受け持つから」
俺たちは顔を見合わせ、昼食を素早く済ませて店を後にした。
店を出る寸前、酔ったロスヴァイセさんが「ひゃくえんショップ、恋愛、サイコーれすよー!アハハハハ!」と爆笑してるのが聞こえた……。
「ロスヴァイセちゃん、凄い事になってたな」
「ああ、あれは相当酒癖が悪いぞ」
店を抜け出て渡月橋を前にした頃、松田と元浜もロスヴァイセの酒癖の悪さに若干引いており、桐生も頷いて同情していた。
「きっとロスヴァイセちゃんも若いながらに苦労してんのよ。相手があのアザゼル先生じゃ、溜まったものをぶつけたくもなるわね」
原因はアザゼル先生だけじゃないんだけどな……元雇い主のオーディンさまも相当なエロジジイだったからな。確かヴァルハラじゃ、オーディンさまの付き人になるまで窓際だったというし……
俺が傍にいてもいいんだけど他の生徒の目につくかもしれない場所ではね……。
「お主達の眷属は大変なのが多いのか?」
そう九重に訊かれてしまい、俺は「……ちょっとな」と返す。グレモリー眷属って、良い人多いけど、クセが強いのも確かだな。
ロスヴァイセさんの話は置いておいて、数分程観光街を歩くと目の前に桂川が姿を現す。
歴史を感じさせる古風な木造に加えて、赤々としている山の風景が秋を感じさせてくれる。
「知ってる?渡月橋って渡りきるまで後ろを振り返っちゃいけないらしいわよ」
桐生がそう言ってくるとアーシアが聞き返す。
「何でですか?」
「それはね、アーシア。渡月橋を渡っている時に振り返ると授かった知恵が全て返ってしまうらしいのよ。エロ二人組は振り返ったら終わりね。真の救いようの無いバカになるわ」
「「うるせえよ!」」
松田、元浜が異口同音に叫ぶ。桐生は気にせず説明を続ける。
「あともう一つ。振り返ると男女が別れるって言い伝えもあるそうね。まあ、こちらはジンクスに近いって話だけど───」
「絶対に振り返りませんから!」
桐生の説明を遮ってアーシアが涙目で俺の腕につかまってくる。
「大丈夫だよアーシア。言い伝えだって」
俺がそう言うものの、アーシアは首を横に振って「絶対に嫌」と俺の腕を強く掴んだ。
何とも微笑ましい光景を見守る俺───すると、もう片方の腕にも誰かがしがみついてきた。
「ん?どうした、ゼノヴィア?」
「……私も振り返らないぞ……っ。イッセーと別れるなんて絶対に嫌だ……っ」
プルプルと震える可愛らしいゼノヴィア。かわいいね。
そんな調子で渡月橋を渡っていると、少し前方に木場の班もいた。
渡っている最中、アーシアとゼノヴィアは頑なに振り返る素振りを見せない。
「気にせんで良いと思うのじゃが……。男女の話は噂に過ぎんのじゃ」
九重もそう言ってくれる中、渡月橋を無事に渡りきって反対岸に到着。
アーシアとゼノヴィアは大きく息を吐いて落ち着いたようだけど、帰りもここを渡らなければならない。
反対側はどう攻略していくのか、そんな風に風景を一望したその時───突然、ぬるりと生暖かい感触が新達を包み込んでいった。
「……何だ、今のは……?」
訝しく思って周囲を見渡すと───俺とアーシア、ゼノヴィア、イリナ、九重、そして離れた位置にいる木場しか周辺に人がいなかった。
松田、元浜、桐生、更に他の観光客もまるっきりいない。
突然の現象に全員が驚き身構える。
少ししてから俺たちの足下に霧が立ち込めてくる。
「───この霧は」
霧を見て驚くアーシア。
「……この感じ、間違いありません。私がディオドラさんに捕まった時、神殿の奥で私はこの霧に包まれてあの装置に囚われたんです」
「───『絶霧』」
木場が俺たちの方に歩み寄りながらそう言いつつ、その場で屈んで足下の霧を触る。
「神滅具の一つだった筈だよ。先生やディオドラ・アスタロトがそれについて話していただろう?恐らく、これが……」
「お前ら、無事か?」
空からの声、見上げるとアザゼル先生が黒い翼を羽ばたかせて飛んで来た。
俺たちのいる所に降り立つと翼をしまいながら言う。
「俺達以外の存在はこの周辺からキレイさっぱり消えちまってる。俺達だけ別空間に強制的に転移させられて閉じ込められたと思って間違い無いだろう。……この様子だと、渡月橋と全く同じ風景をトレースして作り出した別空間に転移させたのか?」
「ここを形作っているのは悪魔の作るゲームフィールドの空間と同じ物ですか?」
レーティングゲームのフィールドと酷似しているように思えてならないのでアザゼル先生に訊く。
「ああ、三大勢力の技術は流れているだろうからな。これはゲームフィールドの作り方を応用したんだろう。────で、霧の力でこのトレースフィールドに転移させたと言う訳だ。『絶霧』の霧は包み込んだ物を他の場所に転移させる事が出来るからな。……殆どアクション無しで俺とリアスの眷属を全員転移させるとは……。神滅具はこれだから怖いもんだぜ」
アザゼル先生の説明の後、九重が震える声で口を開く
「……亡くなった母上の護衛が死ぬ間際に口にしておった。気付いた時には霧に包まれていた、と」
ということは向こうから態々出向いてくれてくれたということか。
探す手間が省けたな。
渡月橋のほうから、複数の気配が現れる。薄い霧のなかから人影がいくつも近づいてきて、俺たちの前に姿を現す。
「はじめまして、アザゼル総督、そして赤龍帝」
あいさつをくれたのは学生服を着た黒髪の青年だった。
学生服の上から漢服らしきものを羽織っていた。
手には槍を持っていた。……不気味なオーラを感じる。ただの槍じゃないな。まさか、あの神滅具か?
あの黒髪の男、若いな。見た目だけなら、俺らとひとつかふたつぐらいしか違わないんじゃないか?
青年の周囲には似たような学生服を着たのが複数人いる。若い男女ばかりだ。そいつらも俺たちと歳はそう変わらないと思う。
……それにしても異様なプレッシャーを放ってるな。
悪魔やドラゴンとも違う雰囲気と気配。
アザゼル先生が一歩前に出て訊く。
「おまえが噂の英雄派を仕切ってる男か」
アザゼル先生の問いに中心の青年が肩に槍の柄をトントンしながら答えた。
「曹操と名乗っている。三国志で有名な曹操の子孫──いちおうね」
曹操の子孫、ね。そりゃあ、すごいな。
ロスヴァイセとのセックスは今考えているところです。描けたとき載せます。
ご感想、ご評価、是非よろしくお願いいたします。