糞ナードも案外良いかもしれない(R-18) 作:i-pod男
コロナウィルスで各国様々大変ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
緊急事態宣言で様々な制限があって色々不便が続きますが、この漠然とした不安感に負けず、手洗いうがいを徹底して元気出していきましょう。
エロを書くのは拙作が初めてなのでいまいち手応えが掴めていませんが、暇つぶし程度に流し読んでくださいませ。
「お願いっ!!」
両手を合わせて頭を下げる恋人の姿に出久は困り果てた。困り果てながらも、書類に走らせるペン先は止まらない。
「いや、だから、無理だってば。響香さんのマネージャーさんにも何度も頼まれたけど、その日はどうしても動かせない予定があるの。脳無モドキが闇市に出回り始めたのは知ってるでしょ?対策を提案して日時もセッティングした僕が初会議を欠席するわけにはいかないの。目安は一時間だけど、議題が議題なだけに絶対倍以上には長引くし。上鳴君や常闇君辺りはどう?文化祭でバンド組んだ仲でしょ?」
「あの時のメンバーはもう誘ったけど駄目だったから聞いてんじゃん!てか、そもそもウチが必要なのはボーカル!ボーカルなの!」
両手の指で目頭とこめかみを揉みながら響香はため息をついた。誘ったはいいが、理由は様々あってものの見事に全滅した。お産であったり、海外での仕事であったり、法事であったりと、本当にどうしようもない状況ばかりだ。
「ライブ始まるのって何時?」
一旦手を止めて尋ねると、返ってきた答えはおおよそ自分のスケジュールにある物が全て終わった後だ。幸い殆どが会議の出席やインタビューで、突発的なヴィラン騒動が起こらない限りは行けないことはない。
「ん~~・・・・・・・安易に約束は出来ないけど、鋭意検討して努力する所存です。ライブで歌ってる時の響香さんの声は何度でも聞きたいし。」
幸いと言うべきか、オールマイトの亡き師匠志村奈々の『個性』である『浮遊』が高校二年目のほぼ序盤に発現し、黒鞭と共に雄英卒業までの時間を費やして物にした。その末にワン・フォー・オール フルカウルで生み出す風圧を利用した操舵によってよりスムーズな立体軌道が可能になった。そして直線軌道に限れば全速力のインゲニウムを追い抜ける。行く方角の情報と十分な高度さえあればひとっ飛びだ。
「ん、分かった。」
「え、いいのこれで?」
こういった場合、絶対的なイエスかノーが欲しいと思っていた出久は驚いた。
「うん。鋭意検討して努力するんでしょ?ほぼ来るって言ってるようなもんだから。」
今までも無理だと口では言っても最終的には色々と助けてくれている実績がある以上、ただの口約束でも十分信頼に値する。
――そんなこと言われたら猶更行かないわけにはいかなくなったじゃないか・・・・・!
「
「分かった。貸し一つ。場所と曲は送っとくから確認よろしく。」
お人好しを通り越した、『人を助けずにはいられない症候群』を患った出久の性根をまたもや利用してしまうのは少しばかり気が引けたが、埋め合わせはあとで考えればいい。
「じゃ、また後で。」
必要な書類をビジネスバッグにまとめると、窓を開けて飛び去った。
「だから玄関出てから飛べっての・・・・・・まったくもう。さてと。」
彼が去ったところでスマートフォンに手を伸ばし、電話を掛けた。
「もしもし?はい。来てくれるそうです。ゲスト出演てことで、二、三曲一緒に歌ってくれます。はい。サイズは今から送るんで、大至急で衣装の調整お願いします。」
「ちょっと・・・・・これはヤバいかも。」対策会議は二時間四十五分、インタビューは三十分、そして突発的なヴィラン、災害救助件数合計二十八件とその手続きを終え、ようやくライブ会場に到着した。食事もこの日はプロテインバー三つとウーロン茶だけである。
ライブは幸いまだ中盤であり、小休止の時間は十分ある。既に話を通してあるのか、出入り口のイベントスタッフはあいさつとお辞儀をしてすんなり楽屋へ通してくれた。コンビニで購入されたであろう弁当が用意されており、出久は無言で響香の気遣いに感謝しながらそれを食べ、十分の仮眠の後に常用するデオドラントボディペーパーで体を拭き、ステージでの移動パターンの暗記と衣装合わせを始めた。
彼女がどんな衣装なのかは見当もつかないが、出久はまるでノワール映画に登場する硬派な探偵を今風にアレンジした服を宛がわれた。二の腕を強調するために袖を折り、第二ボタンまで開けた無地のグレーシャツ、黒のベストとチノパンツ、緩めに締めたダークパープルのネクタイ、そして革靴。右耳にシルバーのイヤーカフスを二つほど付けられ、更にナチュラルメイクを施された。
「あの・・・・・・この帽子、攻めすぎじゃありません?」仕上げです、と中折れ帽子を差し出したスタッフに出久は尋ねた。ストレートヘアーの焦凍あたりなら間違いなく似合うだろうが、己の縮れ毛の髪質を鑑みると、どこかコミカルに見える。
「大丈夫ですよ。そのうち気にならなくなりますから。」
ゲストとは言え本番真っ只中で既に演目や衣装が固まっている以上、ゴチャゴチャごねるわけにもいくまいと出久は肩を竦めて諦め、送られた曲を自前の音楽プレイヤーで聞いて歌詞を反芻した。
曲は二つあり、どちらもデュエットである。歌うのはトリを飾る終盤だ。
「デクさん、スタンバイお願いしまーす!」
「・・・・・・改めて考えると貸し一つじゃ安すぎたな。」出久は立ち上がって首を傾げ、こきりと鳴らした。利子もしっかり取り立てさせてもらおう。
「皆さん、こんばんは!盛り上がってますか~~!?」響香の問いかけに千人単位の観客の熱意が津波となって押し寄せてきた。「ありがとうございます!最後まで一緒に駆け抜けるために、特別ゲストを呼んじゃいました!」
舞台袖から歩き出し、我が登壇を祝えとばかりに両手を広げ、若干おざなりに一礼。観客を指さし、流暢な英語でただ一言、「Are you ready?」
「YEEEEEEAAAAAAHHHHHHHH!!!」
「それではHero TooとW-Boiled-Xtreme、二本続けてどうぞ!」
結果的にライブは大成功に終わった。ようやく緊張の糸が切れた出久は衣装を返却し、楽屋のソファーに倒れ込むように座り込んで大きなため息をついた。どっと噴き出す疲労感にやる気も何もかもが塗りつぶされていく。
「お疲れ。今日は本当にありがとうね。」隣に座り、ねぎらいの言葉と共に響香の指先が出久の頭をわしゃわしゃと優しく撫で回してくる手に頭を押し付けながら受け入れた。
重くなりつつある瞼の隙間から見える彼女の姿を見ると、自然と口角が上がってしまう。ライブでの昂ぶりが治まらないのか、肩が呼吸の都度に小さく上下し、顔も紅潮している。加えてシャンプーやデオドラントなど、人工の芳香を一切排した彼女の匂いがする。
そしてその源泉が目の前に、手の届くところにいる。
オーバーワークと睡眠不足、そして空腹によるストレスはエンデヴァーの赫灼熱拳もかくやと出久の三大欲求に盛大に着火した。右手で彼女の手首を掴んで自分の方へ引き寄せ、左手で黒鞭を発動、廊下へ続く楽屋のドアを施錠。所要時間、0.83秒。
「んみゅぅ?!」いつの間にか唇をキスで塞がれ、変な声が漏れた。元よりこうなる事はある程度読んでいたし、加えて自分もまだ別の意味で
しかし、普段はソフトなキスが濃ゆい。おまけに手がするすると服の下へと潜り込んで来た。
「ちょ、ここ、楽屋・・・・・・んっ!」
「知ってる。」だが、どうでもいい。
「誰か来ちゃんんぅ!?」かもしれない。だが、どうでもいい。
一旦離れたかと思いきや、まるで息を吐きだしたタイミングを見計らってキスを再開。今の出久の行動を決める指針は快・不快のみ。ソファーに座らせ、彼女のレザーパンツのベルトを片手で緩め、手を滑り込ませた。熱い。秘所の入り口を指の腹でこね回すと、湿り気が更に増す。身をよじって逃げようとする彼女の両手を黒鞭が捕らえた。漏れる声を意志の力だけで抑えようとしても、弱点を知り尽くされている恋人の手管には敵わない。あっという間に絶頂の一歩手前へと押し上げられる。
「やぁっ、ま、待って・・・・・・出久、ホント待って・・・・・・!帰ってから、帰ってからならいくらでも好きにしていい、から。ね?ね?」
ここで
「ぃっ~~~!?」
脳が、痺れる。軽い痙攣と共に肺から酸素を押し出されるような弱々しい吐息と共に、爪先が強張った。更に二度、三度、四度と子宮を押され、仰け反って叫びそうになったところを再びキスで塞がれる。
ソファーに沈み込み、くにゃくにゃに力が抜けた体は出久の方へと倒れ込み、鼻先を丁度丹田の辺りにうずめてしまう。呼吸を整えようとするたびに、嗅ぎ慣れてしまった雄の匂いに体が反応してしまい、膝同士を擦り合わせた。しかしその動きをすればするほどベルトを緩められたレザーパンツが下へ下へとずり落ちていく。『個性』によって高まった聴覚でぬちゃりと湿り気を帯びた音がはっきり聞こえ、更に興奮を煽った。
「待てない。」
両手を拘束している黒鞭が緩む。その手を痛いほどに膨らんだ股間へと導く。普段の自分ならアパートの自室か、彼女の部屋でなければキス以上の事はしない。しなかった。高校時代は可能な限り週に最低一度はセックスとピロートークでお互いに溜まっている物を発散させようという取り決めがあったが、高校卒業後にサイドキックとしてデビュー、ここ三年で新人ヒーローとしての激動の忙しさにようやく慣れ始めてからは半月に一度会って食事ができればまだ運が良い。
そして今夜で最後に体を重ねたのが、約二カ月前。張り込みを終えた後の休息中に事に及んだ時だ。満足した頃には正午を少し過ぎていてベッドに敷いていた備え付けのタオルがとんでもないことになっていたのを覚えている。
普段はヒンズースクワットなりインゲニウムとの徒競走なり、とにかく体を動かすことで膨れ上がる性欲を抑え込む方法はあるが、それももう限界だった。ズボンをずらしていきり立った陰茎を外気に晒した刹那、彼女が涎を垂らす大口を開けてそれを咥え込んだ。
だが、今の出久にはそれだけでは足りなかった。頭を掴み、ぬめる、熱い彼女の口内へと根元まで強引に腰を進めた。
「ごめ、我慢っできな・・・・・!」
「んぐぶぅっ!?」
くぐもった苦しそうな喘ぎ声をあげながらも、響香は出久の腰振りを止めようとはしなかった。むしろ積極的に射精感を更に促そうと舌をそれに絡ませ、喉の緊張を弛緩させた。動きやすくなって海綿体の脈動同様、激しさを増す抽挿は既に彼が限界間近にあるという兆しを見せ始めた。
もうお互いの体の性感帯やフェチは新旧問わず知り尽くしている。そして隠していても、分かるのだ。聞こえるのだ。本能に訴えかける、「欲しい」と言う声が。
「響香、も、イキそ・・・・・!」
部屋まで我慢などと言っていた自分が馬鹿みたいだ。彼は欲している。ならば、我慢する必要はない。自分も欲すればいい。
セックスに、快楽の探求に――理性など不要。
「い、くっ・・・・・・・ぐぅ・・・・・・!!」
食道から胃へと放出される精液の流れは十数秒間続いた。飲み下そうにも量も多く濃度も高く、後から後から流れ込むそれはどんどん口の中に溜まっていく。えずきも、快感の震えも止まらない。ゆっくりと噛み潰して唾液で薄めながら飲み込み、口を開いて見せた。虚ろな半開きの目で舌を出して浅い口呼吸を繰り返す姿は、正しく発情した雌犬のそれだ。
だが、まだ終わりではない。出久のスタミナは使えば使うほど湧き出るのだ。週に一度のセックスも最高記録は二桁に達したことがあるし、本調子でなくとも最低三回は射精しなければ満足しないし、響香もその倍の回数は絶頂させられている。
彼の性欲、ひいては雄としてのポテンシャルは人畜無害なベビーフェイスからは想像もつかないほど高い。響香自身も、心身ともに求めてくれるのは素直に嬉しいし、気持ち良い。そして彼の猛りを受け止め切れるだけのスタミナも備わってヒーロー活動でも長丁場に役立てているが、会えない時は自慰も何もしない。理由は禁欲状態から解放された彼の相手は大変なのだ。下手をすれば自分が精力剤を飲まないと相手しきれない。
踝にパンツが引っ掛かったままソファーの背もたれの方を向かされ、クロッチを覆う下着の生地をずらされた。
「う、わ・・・・・・」
我ながら凄い恰好をしているであろうという想像はつく。まだ衣装から着替えてもいないまま、レザーパンツを半分脱がされて尻を恋人に向けて、挿入を今か今かと待った。広がった骨盤と肉感的な脚がヒップに芸術的な、俗にいう安産型の曲線を作り出している。だからだろうか、出久は自分が後ろから動ける体位を気に入っている。
「良いよ。しよ?一杯、い~っぱいしよ?」
ぎゅっと腰回りに十指が絡みついた。
「かふっ?!」
次いで膣口から子宮、子宮から脳へと続く稲妻のような全身が麻痺する快感。彼の熱が直接粘膜に伝わる。加減も遠慮も焦らしも無い、混じり気無しの動物的な劣情が。肉のひだ、膣内の肉粒一つ一つがぱちぱちと神経に火花を散らさせ、意識を明滅させた。
「はぁうぐぅ・・・・・ん、ぉぁっ!?」
ぐりぐりと子宮をミンチにせんと容赦なく圧力をかけられる。体が勝手に反応して軽い絶頂を伴う痙攣を幾度も繰り返してしまう。
「いず、ぃずく、待って・・・・・・・・ホント、ホントに待って、今ゴムないのに、ぁ、コレ、やばぁ・・・・・・」甘く喘ぎながら懇願する彼女の頭を横に向けると、受け止めきれなくなってきた快感でとろけまくった顔があった。頬は緩み、上気し、ただ与えられる快感を享受することを至上の喜びとする女の顔だ。
「生はヤバいのっ。きょ、今日はホントに、危ないぃんっ!?」
そんな彼女の唇を奪う事に、躊躇いは無かった。奪いながらも、出久の腰は力強くも小刻みなストロークを始めた。久しぶりの避妊具なしのセックスだ。場所を鑑みると危険だが、同時に可能な限り楽しみたい。その板挟みも今は普段と違う場所でのセックスを盛り上げるスパイスにしかなりえない。
「んんぅ、ちゅ、んちゅう・・・・・・」
登ってきた射精感を遠慮も容赦もなく叩きつけられた直後に陶酔の濁流が押し寄せ、多幸感以外の全てが麻痺した浮遊感に浸りながら響香の意識はブラックアウトした。
出久は射精後に普段の冷静さを徐々に取り戻し、急いで後始末と証拠隠滅に奔走した。
「やっぱり我慢するべきじゃなかった、かな。」後は意識を取り戻したら間違いなく怒るであろう恋人をどうなだめるかを考えなければならない。赤ワインと苺のチョコレート漬けか砂藤の実家の限定モンブランか。それが問題だ。
トガちゃんも交えた3Pで『トガちゃん保護観察日記』と言うサブタイトルが浮かんでしまった。