「さて、fateのケツァル・コアトルことケツ姉の話し方を覚える為に見直すか……えっと……」
・元々は宇宙から来た生命体
・『人間に乗り移って』活動したとされる
・人間が大好き
・スペイン語混じりの喋り方
「あれ? これってどこかで見たような……」
『今日がお前たちの命日だ。チャオ!』
「エボルトォォォォォォォォォォォォォ!?」
まさかの『ケツァル・コアトル=エボルト説』が浮上しました。
冗談は置いといても、よく考えたらフォーリナーの条件を達成しているのか……!?
ちなみに、エロは次回です。今回はこの話の動向についてです。
「えっと……つまり、俺がプレイしてるFGOのカルデアから来たって事か?」
「そうデース! 会いたかったよマスター!」
あの後、ケツァルコアトルと名乗る金髪のラテン系の女性にお姫様だっこされて安全な場所に運び込まれた。恥ずかしかったが、幸いにも人に出会わなくてホッとする。
「…………」
「……マスター?」
ラテン系の女性は俺が反応しない事に首をかしげ、見つめてくる。不安そうな表情に良心が少し痛む……悪い人じゃないのは知っているが……
「……あー、悪い。信じたくても難しくてな……」
もしかすると、偽者かもしれない考えが頭に過ってしまう。自分が生きてた社会での出来事が信じようとする気持ちにストッパーをかけてしまうのだ。
「少し質問させてくれないか? 俺のカルデアから来たなら知っている質問するし、それなら信じられると思うんだ」
「モチロンデース。それで信じてくれるなら安いデース」
ラテン系の女性は快諾し、俺が知るカルデアでの出来事を彼女に質問する。
「俺のカルデアに初めて来てくれた日にちは?」
「2016年12月18日デース!」
迷いなく正解を答えた。確かその日は第七特異点が開幕された記念にピックアップガチャが開催されていたハズだ。
「その時に初めて会ったマスターは深夜2時台で寝起きだったネ。眠そうな表情が可愛かったデース」
……しかも、当時の宗教ガチャの一つである寝起き教を実践していた時を知っている。いきなりオカルト的な答えだが、どこぞの感想で書いた覚えがあるから判断するにはまだ早い。
「クリスマスサンバのイベントで俺が書いた自己紹介コメントは?」
「『心に愛がなければヒーローになれないのさ』デース!」
これも正解。キン肉マン的なパロディが多く、つい書いてしまったコメントだ。本当は『屁のツッパリはいらんですよ!』のどっちかと迷ったっけ……
「じゃあ、最後に……俺がカルデアで聖杯を捧げたのは誰だ?」
少し意地悪な質問を投げると、目の前のラテン系の女性は少し困ったような表情を見せる。悩んだ素振りを見せ、熟孝の末に口を開いた。
「……答えられまセーン……」
その答えに目の前の女性がギブアップした言葉に俺はお帰り願おうと膝に手をかけ、立ち上がろうと力を入れる。
「……だって、私以外にも聖杯を捧げていマース」
瞬間に固まる。そう、聖杯を捧げたのは一人じゃない。複数人いるのがこの質問の意地悪な部分だ。目の前の女性は俺の様子に気にすることなく聖杯を捧げたサーヴァントをスラスラと並べていく。
「レオニダス王、ジャンヌダルク、ロビンフッド、スパルタクス……認めたくないけどジャガー……他にもいるけど、サーヴァントを等しく強いと思っている貴方は優れた戦闘をよく模索していたネ。結局はクリティカルを中心にした構成になってしまってたけれど……」
誰も話していない俺自身しか知らない事情をラテン系の女性は答えていく。そこまで答えたら、目の前の女性が本物である事を証明していた。
「というより、何故ジャンヌオルタだけ聖杯2個なんデスか。ズルいデース!」
「彼女の場合、普通の英霊じゃないから念の為って事もあるけど……一番は白いジャンヌと同じ個数だと文句言いそうだったからかな」
「あぁ、あの子なら言いそうデース……こちらの質問に答えてくれるって事は信じてくれると受け取っても……?」
疑問を投げる彼女に対し、俺は信じるしかなかった。目の前のラテン系の女性は、俺のカルデアからやって来た本物のケツァルコアトルだと……頭を下げ、謝罪と同時に感謝を述べた。
「うん。ケツァルコアトルの言葉を信じるよ……来てくれたのにすぐ信じないで疑うダメマスターでごめん……それと助けてくれてありがとう」
「えぇ、生きててくれてありがとう。マスター」
俺の言葉を彼女が微笑みながら受け入れてくれた事に、少しばかり嬉しかったのは内緒である。
閑話休題。
ケツァルコアトルの宝具である翼竜に乗って自宅に帰った俺達はそのまま今後の話し合いをしようと思ったが、ケツァルコアトルは『マスターの安全の為に周辺のエネミーをぶち殺してきマース!』と一言言って、そのまま華麗に跳びながらエネミー狩りへと出掛けてしまった。
幸いにも翼竜は出たままなので、番犬の代わりをしてもらうとしよう。ヤバかったら令呪でケツァルコアトルを呼ぶとして自宅に入る。
「……さて……これからどうするか……」
安全確認が終わり、幸運にも荒らされていない事に安堵して周辺の情報と現在の状況を照らし合わせた。
「電気ガス水道のライフラインは絶たれている……安全な所へ移動しなければならないが、自衛隊がいる基地が安全とは言いきれない……」
普通なら武器も豊富な自衛隊の所へ行くべきだが、俺が懸念しているのは知性がある中型エネミーともう一つ、知性がある小型エネミーだ。
例えば兵士系やチンピラ系のようなエネミー。アイツらは知性がある故に武器がある場所へ必ず行くハズだ……いくらケツァルコアトルが神様系サーヴァントでも多勢に無勢。いつかは倒れるに違いない。
それに懸念する事は他にもあるのだが、これは後にしよう。
「そして、俺以外にもサーヴァントを召喚している人達がいるようだ」
ケツァルコアトルから教えてもらったサーヴァント・ネットワーク・サービス……通称“SNS”を教えてもらい、そこからも情報収集できた事は幸運だった……彼女の幸運A+が影響しているのだろうか?
『カエサルさんが来た! 見た! 勝った! お腹のポヨポヨ感が半端ない! ポヨポヨ半端ないよ!!』
『えっちゃん来たけど、見た目が学校の制服だからイメクラみたいで事案発生の絵ができてる』
『ブーディカマッマの母性がハンパネェ』
『ヒロインXがセイバー見るたびに突撃しようとするから大変です』
『こっちはメデューサが大・中・小の三人コンプリートセットで召喚されたけど……』
『なにその上下姉様達が歓喜もとい興奮する状況?』
三者三様なコメントに余裕あるなと思いつつ、今後の生活についてどうするか頭を捻る……戦闘向きの彼女なら喜んで迎えてくれるも、個人的には行って欲しくないのが本音である。
「…………う~ん…………」
「マスター、何を見ているの?」
帰ってきたケツァルコアトルに後ろから声をかけられる。どうやら考えていた所を見られ、心配したのだろうか少し不安な表情をしている。
「大丈夫……ケツァルコアトル……同じクラスで同じ名前のサーヴァントが召喚される事ってある?」
コメント欄を見ていた時にブーディカを召喚していた人物が別々の場所で多数いた事に気付き、疑問になっていた事を聞くと彼女は平然と答えた。
「あるわよ。でも、そこは問題ないかしら」
「何でだ? 見分けがつかないだろ」
「ふふ……マスター、令呪を忘れてマース!」
「あぁ、なるほど!」
少しおかしそうなモノを見たように笑って指摘すると納得した。令呪がマスターとサーヴァントを繋ぐパスの役割をしている事を思い出し、例え成り代わっても見破られる事ができる。
さらに、ケツァルコアトルが言うに『サーヴァントは座にある本体から分霊が顕現され、数に限りはあれど複数いてもおかしくない』そうだ。
「つまり、『同一人物』というより『そっくりさん』みたいな感じか」
「そうデース! そう考えてもらって構いまセーン!」
個人的な答えに彼女は理解し、俺は今後について話し合おうと持ち込んだ。
「ケツァルコアトル……いや、コアトル。これからの事について話がしたい……少しいいか?」
ケツァルコアトルだと呼びにくく、勝手ながら呼びやすい名前で呼んだ……ククルんだとジャガーを思い出してしまいそうだし、ケツ姉だと姉弟には無理がある。血の繋がらない『義理の姉弟』だったらワンチャンあるが……
「……………」
「……コアトル?」
なんかパソコンのフリーズよろしくに硬直したケツァルコアトルに戸惑う。すると動きだし、頬を赤く染めた。
「え、えへへ……。下の名前で呼ばれたみたいでくすぐったいデスネ! 癖になりそうです!」
照れた表情を見せ、少し安心すると急に真剣な表情でコアトルは聞いてきた。
「……マスター、貴方がそんな事を言うのは何か理由があるのでしょう」
……本当に鋭いな。
隠してある本題に気付いたコアトルが斬り込んだ。もしかして彼女も外でエネミーを倒すついでに情報収集していたのだろうか。
「私のような戦いに向いたサーヴァントは自警団に所属するのでしょう……だけど、貴方はそれを拒否しようとしてる……違わない?」
……その通りだ。
これが先程言っていた懸念している事であり、彼女を戦闘に行かせたくない理由だ。
実は他の情報もないか調べていく内に一つのスレを見つけ、閲覧した。しかし、そこに書いてあったのは人間の闇のような場所だった。
ある者はサーヴァントを罵倒し、
ある者はマスターを羨み、
ある者はサーヴァントを卑下し、
ある者はマスターを否定し、
ある者はサーヴァントを拒絶し、
ある者はマスターを憎み、
中には助けられたにも関わらずマスターとサーヴァントを馬鹿にする言葉や『悪魔』だと糾弾する言葉が並べられていた。
ハッキリ言うと吐き気がする。世界は違えど、歴史を重ねてきた偉人達。それなのに、その彼ら彼女らを否定する事は自分達が歩んでいた『歴史』を否定する事とと同じだ。誹謗中傷な言葉を投げる人々に自分も同じ人間であることに嫌悪感を覚えてしまう程だった。
もし、彼女が、コアトルが自警団に入れば心強いだろう……だが、それは初めだけで徐々に恐れ、何時しか糾弾される……彼女は神様系サーヴァントだから、きっと他のサーヴァントよりも心無い事を言いそう……
そうなったら、彼女は人を――
「大方、マスターは私が人間の悪意を目の当たりにして失望し、人間を嫌いになるんじゃないかと思っているんでしょう」
――一瞬、心臓が跳ねた。
心の内で不安に思ってた事を当てられ、図星から冷や汗が流れる。
……どうやって言い訳するか……
そう考えていると、不意に柔らかい感触が後背中に当たった。後ろから左右に腕が伸びて身体を囲むように掴んだ。
単純にいえば、俺はコアトルに背後から抱きつかれた。
「け、ケツァ、コアトル!?」
「私の素敵なマスター、心配してくれてありがとう」
彼女から漂うお日様のような暖かくも優しい香りと心からの感謝が含まれた言葉に焦っていた感情が落ち着きを取り戻していき、耳を傾けた。
「知っての通り、私は神霊。それもとびきり古い類。あれこれあって霊基は最古のソレではないけれど、この崩壊世界で私を実際に召喚する事や契約する事の困難は想像して余りあります」
コアトルの言葉には嘘偽りなく、本編でも主神クラスの神霊が召還されたことでロマンが驚いていた事を思い出す。
「ですが、貴方がデーモンに立ち向かう蛮勇が私を引き寄せた。ボロボロの身体で立ち上がった
そう言ってコアトルは抱きつくことをやめ、俺の正面にまわってにこやかに笑って伝えた。
「心からありがとう、若く素敵なマスターさん」
……あぁ、そうだよな……
コアトルの微笑みを見て、忘れかけていた事を思い出した……社会の荒波に飲まれて数年経った時に、FGOを引退しようか考えていた。
会社で頑張っても評価されない。上司や同僚には美味しい所だけを奪われる。頭を下げて耐えて、どんなに辛くても、歩き続けても、報われるのは楽をした人間と才能がある人間だけ……何もない人間には、どこにも居場所なんてなかった。
久々にログインし、第七特異点開幕を知り、この特異点を最後にやめようと考えていた……その時に彼女に出会った。
だからこそ、俺は――
「コアトル……旅をしないか?」
「……旅?」
コアトルに旅をしないか勧め、首をかしげる彼女に俺は縦に頷いた。
「コアトルの宝具の翼竜に乗って、日本中を旅して、そこで生きるマスターとサーヴァントに出会って繋がりを創ろう。少なくとも、マスター達はこの世界で生きようとする人達だ……もちろん。全てがそうだとは言えないけど、少なくとも、俺はこの世界で必死に生きる人達の力であり、味方でありたい。もし、俺が道を間違えそうになった時はコアトル……お前が俺を止めてくれ」
きっと、俺は人を嫌いになるかもしれない。人を信じられなくなるかもしれない、人を憎く思ってしまうかもしれない。それでも、俺は大丈夫だと思ってしまう。
何故なら――
「オーウ! 素敵な考えデース! マスターの生まれた国を飛び回るなんてワクワクが止まりまセーン! グラシアス、マスター!」
――太陽のような笑顔で微笑む最高の女神様がいるのだから。
「喜んでくれて何より……それに――」
この時、俺は油断していた。緊張の糸が切れてしまってたのだが、未来の俺がいたら殴ってでも止めていただろう。
それは、地雷を踏む行為と同じだったからだ。
「――なんか、新婚旅行前みたいでテレるな」
その言葉と同時に、コアトルの動きが硬直した。
「―――――――――――」
「……コアトル?」
笑顔のまま固まるコアトルに戸惑い、心配して声をかける。それでも返事しない彼女に俺は近付く。
「――それ、反則」
その言葉を聞いた瞬間に、気付けば、俺はお姫様抱っこされていた。
お姫様抱っこされていた(二回目)。
「コ、コアトル!?」
「もう辛抱できまセーン!! このまま新婚初夜に突入しマース!!」
声をかけるも暴走しているのか、ズンズンと歩きながら外に向かうコアトル……いやまて、よく見たら口の端にヨダレが垂れてるのだけど!?
「新婚初夜って……」
「マスターにも分かりやすく言うと魔力供給デース!」
いや、型月ファンに取ってその言葉はドストレートですけど!?
「本当は遠慮しようと考えて我慢していましたが――」
不意に声を潜めたコアトルに疑問符を浮かべるも、俺は好奇心からコアトルの表情を覗いてしまった。
「――ほんっとうにムリだわ。あんな事を言うなんて、マスターは誘ってるのかしら? 大好きなマスターと二人きりで暴走しないように耐えてた私に対して無防備過ぎる様子は一種の罰ゲームに近かったネ」
……あぁ……第七特異点で見せた。あのゲスい笑顔だ……完全に冗談じゃなくて
「さぁ、近くのラブホテルに突撃デース!」
「ちょ、ちょっと待って! コアトル待って!」
「止めても無駄デース! もう止まりまセーン!!」
ゲスい笑顔から一転して花のような笑顔に変化したコアトルはそのままアクロバティックに外で待機していた翼竜にダイナミック搭乗し、俺をお姫様抱っこしたまま翼竜は空へ飛び上がった。
「マスター、いっぱいムーチョムーチョしまショーウ!!」
……お願いだから、頼むから、心の準備はさせてくれー!!
心の声を叫ぶも届かず、俺とコアトルは近くのラブホテルまで飛び立った。
~おまけの備忘録~
【複数いるサーヴァント】
サーヴァントは座にいる本体から分霊を送り出し、消失すると座にいる本体に記録される。その為、世界が崩壊した■■■の対応策として『サーヴァントは座にある本体から分霊が顕現され、数に限りはあれど複数いてもおかしくない』。
ばったり出会っても、『同一人物』というより『そっくりさん』に近い。
……自分なりに設定を考えましたが、使わなくても大丈夫だと思いますので、記憶のすみに忘れて問題ないと思います。
次回はエロだよ! 描写で死ねる!!