皆様、お久しぶりでございます(ドリフト走行土下座)。
今回はゲストキャラとして崩壊世界シリーズの創造主であるKEY(ドM)様のチビレオが出てきます。
許可は取ってあります……去年ですけど……
遅れてしまって申し訳ありませんでしたぁぁぁぁぁぁぁ!!
それでは、どうぞ。
翌日。
激しく求め合った夜が明け、俺とコアトルは宝具で召喚した翼竜に乗って関西地方に向かっている。
理由は一つ。俺の生まれ故郷である関西地方にいる両親の生存確認のためである。
朝御飯を食べた後、コアトルにこれから向かう場所について説明すると『マスターの両親に挨拶デース!』と全身ではしゃぎ、苦笑してしまった事を思い出し、少しだけ微笑む。
この崩壊世界、突如として現れたエネミーによって多くの命がゴミのように消えていった……いまだに恐怖で震える人達もいるが、マスターとサーヴァント達の協力もあって昨日よりも少し回復している。
……もちろん。表側はそうだが、裏では心ない誹謗中傷やマスター及びサーヴァントを排除しようと勧める運動もある……それでも、両親が生きているか心配である。
「マスター、大丈夫?」
俺の顔色をコアトルが心配する。心なしか肌がツルピカしているが、この際置いておくとして、不安な表情を見せてしまった事を申し訳ないと思う。
「……大丈夫。この辺で降りよう」
このまま乗って行けばすぐに着くが、ワイバーンに襲われた被害者の心を刺激してしまうので、目的地の手前で降りる事にする。
「お疲れさま。ありがとう」
翼竜に感謝を述べながら嘴部分を撫でる。くすぐったいのかグルル、という声を鳴らし、そのまま霞のように姿を消した。
「それでは、出発しマース!」
「待った!」
コアトルが歩き出そうとした瞬間に待ったをかけ、鞄から袋を取り出し、コアトルに手渡した。
「これ、なんデースか?」
「家とかホテルとかにあった服だ。これから向かう場所は人が多い……もしかしたら、サーヴァントを糾弾する人達が集まっているかもしれない。だから、怪しまれないように変装を――」
「問題ないデース! このまま行きマース!」
説明の途中でめんどくさくなったコアトルが俺に手渡した袋を鞄の中へ無理矢理ねじ込み、お姫様抱っこして歩き始めた。
「いや、話聞いてた!?」
「もちろん。話を聞いた上デース。マスター、あなたは少し人間を低く見てマース……人はそこまで愚かではありまセーン!」
「わかった! その言葉は信じるから、とりあえずお姫様抱っこヤメテ!」
「嫌デース! マスターと密着もっともっとしたいデース!」
その言葉と同時に走り始めるコアトル。サーヴァントの走る速度はステータスにもよるが車よりも速く、もろに風圧の影響を受けてしまう。
「痛い痛い寒い寒い痛い痛い! 脇腹、脇腹が悲鳴あげてる! 密着というよりめり込んでいる!!」
「それは大変デース! スピードアップしマース!」
さらに速度をあげ、より強く冷たい風圧が自身に襲いかかる。いや、なにこの負の連鎖は!? それと指が身体に食い込んでかなり痛いんだけど!?
「いや、降ろしてェェェェェェェ!!」
その言葉は叶わず、目的地に着くまでコアトルに姫様だっこのまま高速で運ばれるのであった。
ーーー■■ーーー■■ーーー
「……ぜぇ……ぜぇ……エブラァ……ヴォ……」
目的地に到着直後、まともに呼吸出来なかった原因による酸素不足でグロッキーになる。それを見てコアトルはオロオロするが、これ以上心配させるわけにはいかず、立ち上がる。
「マスター、大丈夫? 少し休んでからの方が……」
「いや、このまま行く」
集落まであと数十歩だが、自身の顔色が悪くなる感覚に襲われる。最悪のイメージが思い浮かぶも無理矢理抑え込む。
「マスター、顔色が悪くなってマース。やっぱり……」
「悪い。話しかけないでくれ」
残り十数歩。顔色が悪くなる様子をコアトルが気付くも手を払って無理矢理足を進める。止まるように言う言葉を理不尽に怒りながら無理矢理原動力に変えて前に進む。
止まってしまえば、動けない事を本能が理解している。
「マスター! これ以上は!」
「黙っててくれ! じゃないと俺はーー」
コアトルの言葉を怒鳴り散らし、止まらないように進む。踏み込めなくなる恐怖に呑まれないように気をしっかり保ちながら叫ぶ。
「……
不意に自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。声の方向に顔を向けると、初老のお婆さんがこちらを見ていた。その人物に俺は見覚えがあって、その名前を口にする。
「……めぐみ、おばさん?」
「やっぱり弘太くんね。数年ぶりかしら」
俺の反応に対して、お婆さんは朗らかに笑った。
自分が小学校の時から世話になっていた近所の知り合いに会えたことに驚く。めぐみお婆さんは見張りの人に俺とコアトルが安全な人物だと証明してくれたお陰で集落に入る事が出来た。
「怪我はない? 体調とか崩してない? よく無事だったわね……隣の女性は弘太くんの彼女かしら?」
「オー! 照れマース!」
おばさんの言葉にコアトルは照れるが、俺の心境は照れている場合ではなかった。気になった事をおばさんに質問する。
「……それよりも、父さんと母さんは……無事なんですか……」
その質問におばさんは先程の笑みが沈黙し、重い口を開いた。
「……無事とも、言い切れないわ……」
そこから、何があったかをおばさんから聞いた。崩壊世界でエネミーに襲われそうになった時にサーヴァントとマスターに助けられ、避難しようとした矢先に泣く子供の声を聞き付けた五階建てのビルに匹敵する大きな大蛇が現れ、吐いた毒液から子供を守る為に庇って浴びたそうだ。
現在、両親は全身を蝕む毒の影響で意識不明の植物人間状態になっている。本当ならすぐにでも治療できるサーヴァントを探すべきだが、日本各地どころか世界各国が非常事態になっている……手が足りない状態でキャスターの延命を続けるしかなかった。
「サーヴァントのホーエンハイムさんがいなかったら、あなたの父さんと母さんは亡くなってたわ……だから、気を落とさないで……」
……なるほど。確かにあの人なら延命治療できるな……
冷静な思考とは裏腹に心臓の鼓動が大きく聞こえる。妙に五月蝿く聞こえる鼓動と共に周囲の動きが遅く見える。
……あぁ、忘れたハズなのに……案外
そんな事を考えている自分に気付き、呼吸を落ち着かせる。
「大丈夫ネ! 私のスキルなら治せ――」
「いや、治さない」
コアトルの言葉を即座に否定する。
「……マスター?」
「今の状況で治せば、限りある食料や資源に影響が起こるし、何よりコアトルが狙われる可能性が浮上する」
コアトルは否定されるとは思わなかったのだろうキョトンとした表情を見せるが、我にかえって少し不服な表情で俺を睨む。
「……本気で言ってるの? マスター」
「本気だ」
揺るがずに言うと視線に怒気を乗せてこちらを睨むコアトル。こちらも視線を反らさずに見つめ返す。第三者が見れば、火花が散っている幻が見えそうだ。
「……ま、まぁまぁ、少し飲み物を買ってきてくれるかしら?」
「……そうだね。飲み物買ってくる」
場の空気に耐えきれなくなったおばさんの願いを聞き、俺は後ろからコアトルの怒気を乗せた視線を受けながら自販機へ買いに行った。
ーーー■■ーーー■■ーーー
「……コアトルちゃんかしら? あの子を責めないであげて……」
自身のマスターである
「……何故デース?」
「あの子は生まれる時代を間違えたかのように優しいの……でも、時折自分を捨てて、物事を成し遂げようとする危うい面もあってね……崩壊する前に警察のお世話になったのは多かったのよ……」
その言葉にコアトルが首をかしげると、おばさんが語り始める。その瞳には優しさと同時に寂しさが宿っていた。
「……私は何度も見て、ヒヤヒヤして、いつか命を捨ててしまうんじゃないかと心配で……家を出ていったと聞いた時はしばらく眠れなかったわ」
どこか遠い場所を見るように
「……だけど、コアトルちゃんと一緒にいた所を見てホッとしたわ。あの子は何も変わらず、誰かの為に頑張れる人間だって……」
コアトルの手を握り、感謝の言葉と同時に願うかのように強く握る。
「あの子に出会ってくれて、ありがとうコアトルちゃん。あの子の両親に変わってお願いがあるわ……あの子の側に居てあげて……」
おばさんの言葉にコアトルは自身のマスターの姿を思い出す。短い間だが、感情豊かで自身に愛を注いでくれた人物であり、身体を傷付けても笑って許してくれた優しさに満ちた人間だと自身の口角が上がる感覚を感じた。
「モチロンデース! 道を踏み外れようとしたら、封印していた関節技してでも止めマース!」
「……ありがとうね」
コアトルの言葉に笑顔で感謝するおばさん。
「早速、マスターと仲直りしてきマース!」
「いってらっしゃい……ふふ、長生きはするものね」
マスターを追いかける為に日本が行った方向に走り出すコアトル。その後ろをおばさんは笑って見送った。
ーーー■■ーーー■■ーーー
集落の中にある公園。人の気配はあまりない場所に俺は近くにあったベンチに腰を掛けてた。おばさんの好意でコアトルから離れた俺は気持ちを整理していた。
コアトルには悪い事をしたなと後ろ髪を引かれるが、彼女の安全を考えるとあの判が最善だと思った……他にも色々と感情が内面で暴れているが、一番に思った事を吐露した。
「……よかった……まだ、生きていた……」
両親が生存していた事に対する喜びだった。
ベストともバッドとも言えない結果だが、生きているのなら解決策がある。
幸運にも問題が解決できる範囲で助かった。後は探すだけ……この崩壊世界で必ず召喚される可能性が高いサーヴァントを見つける。
「……ん……?」
ふと、肌がヒリヒリする感覚を感じ、その方向に顔を向けると一人の少女がいた。
身長が大体140cmくらいの金髪でアルトリアランサーをそのまま小学生サイズに縮小したような人物がいた。
……あれ? どっかで見たような……
何故バニーガール姿なのかは置いとき、奇妙な感覚に首をかしげていると少女がこちらを振り向いた。
「…………?」
「……あ、ども」
首をかしげた少女に他愛ない挨拶。
何気なく挨拶し、俺は瞬きをした。時間にすれば一秒にも満たない時間……だが……
次に目を開けた時には、離れていたハズの少女が自身の目の前にいた。
「……!?」
「……あなた、歪ですが……なるほど……」
こちらを覗き込むように呟く少女だが、俺にそんな余裕はない。離れていて気付かなかったがこの娘、俺を
「奇妙な違和感を感じて寄り道したら、まさかこのようなモノに出会うとは……」
身の毛が総立ち、全神経がアラームを騒々しく鳴らす。目の前の女性は町中でバッタリあったライオンや熊とかのレベルじゃない……自然災害そのものだ。
「あぁ、動かないでください。放っておくには少し問題があるので、ここで……」
……ヤバい! ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!! 油断してた!! この距離は危険すぎる! すぐに離れ……ッ!?
「サーヴァントを呼ぶ気ですが、個人的にも来ないで欲しいのですぐに済ませます」
小さく手を挙げる少女。彼女の内面を知らない者が見れば可愛らしい動作だが、生憎と俺には避けられない死が形となって振るわれようとしか見えない。
呼吸が乱れ、極限状態なのか動きがゆっくりと見えるが動く事が出来ない。ただ、訪れる死を受けい――
「…………ぷはぁ!! ……ぜぇ……ぜぇ……ぜぇ……」
「ギリギリデース。マスター、大丈夫?」
――れるしかなかったと諦めていた時に後ろから強く引っ張られて避けられた。振り向くとコアトルが助けてくれたようだ。
「……来てしまいましたか。南米の女神」
「はぁい。崩壊の女神……私のマスターに手を出すのはやりすぎだと思いマース」
「……えほ、げほ! 知り合いなのか?」
まるで同窓会よろしくに挨拶する二人に乱れた呼吸を整いながら疑問を投げると、コアトルは少し迷った表情を作り、しばらくして答えた。
「……ただの女神友達デース」
その言葉に少女は不服そうな表情になる。それは『勝手に友達認定された』事に対してなのか、それとも『メル友みたいな言い方に不満があるのか』はわからない。
「南米の女神、あなたは相変わらずのようですね」
「モチロンデース! 私は人が好き。いっぱい繁栄して欲しいわ……でも、人類の中で一番好きなのはマスターという事実は揺るぎまセーン!」
ニパッ、と笑うコアトルに少女はジト目でコアトルを見つめ……いや、この場合は睨んでいるのか?
「……やはり、あなたの考えは理解できません」
「理解しなくていいわ。あなたにはあなたの、私には私の、各々の考えがあるのだから」
ピリピリと肌が焼ける。目の前の少女がコアトルよりも強い人物である事を理解しつつもコアトルは俺を守る為に一歩も引かない様子を見せる。
しばらく女神同士の重圧が人気のない公園にのし掛かるが、急に治まった。
「……フゥ……興が削ぎました。帰らせてもらいます」
少女が踵を返して跳び、牛若丸よろしくに近くにあった街灯の上に着地する。
「えぇ、本体によろしく」
「……ちなみにですが、私はあなたの愛を否定するつもりはありません。むしろ応援する側なので……」
その言葉を残し、少女は跳びながら公園を去っていった。
「……ふふ、ふふふ………南米の女神……彼女の愛が証明された時、私とあなたも……」
遠くから口が動いていたが、何を呟いていたかわからず、俺とコアトルは自然災害のような少女が去っていく姿を見るだけだった。
~おまけの備忘録~
【ケツァル・コアトル】
南米の女神。例外を除いて人間大好きだけど、一番好きな人間はマスター!
【チビレオ】
崩壊の女神の分身。マスター大好きだが、それ以外の人間は滅んで欲しい。今考えるもと、ウチの女神様とすごい両極端である。
なお、今回の話に登場したチビレオと本体のアルトリアランサーは偉大なる恩師であり、崩壊世界シリーズの創造主であるKEY(ドM)様の作品で見れます。
以下のURLから見れます!
―KEY(ドM)様―
https://syosetu.org/novel/149568/
【今年のバレンタインピックアップガチャ】
コアトルさんがピックアップされたけど、見事に大爆死だよ!!
狙い通り引けたヤツに