崩壊世界で押しCPと家族になった 作:夢@実験中
くっそ久しぶりに1話分くらいと言える分量まで書けたので投稿
光源は常夜灯だけの薄暗い寝室で、一組の男女が絡み合う。
男女はふたり、お互いにいとおしげに見つめあい、親愛と情愛の籠った声で互いの名を呼びあいながら愛撫をし、口づけを交わす。
男の名は岸波白野。一見しただけでは存在感の希薄な少年だが、その魂は決して折れない強靭な輝きを秘めている事を俺は知っている。
女の名はBB。よく知らない者達からは挑発的で淫靡な小悪魔と誤解されがちだが、愛する相手を含めた世界の全ての敵になってでもその愛する相手を救おうとした一途な恋の純粋さと美しさを、俺は知っている。
俺は彼らを知っている。画面越しでしかなく、彼らの壮絶な体験を理解できるなどと恐れ多くてとても言えないが、ずっと眺めてきた、憧れていた、愛していたとすら言っても過言ではない、というか足りない。
そんなふたりが、俺に言わせれば今まで世界に存在するありとあらゆる障害に妨害され続けてきたと言ってもいい程のふたりが、何にも邪魔されることなく互いへの愛を思う存分ぶつけ合うことができている。
俺はそんな光景を間近で見ながら、滂沱の涙を流していた。当然のように感涙に咽び泣いているのである。
そろそろボキャブラリーが尽きてきたので俗な言い方するけど、原作で悲劇の別れを経験した最推しCPの生いちゃラブえっちを見れるとか俺の前世は三千世界を救うくらいの公徳でも積んだんだろうか。
(ハァ……マジ無理……尊い……)
ふたりの世界をできるだけ邪魔しないように息を殺して限界オタクを拗らせまくった感動に浸っていた俺だが、横合いから伸びてきたもう一人の少女によってベッドに引き倒される。
成人男性とはいえ運動不足でロクに肉のついていない俺の体は非力で、20センチ近く身長差のある少女にも簡単に押さえ込まれてしまう。
俺を引き倒し、馬乗りになったのは隣でBBちゃんに腰を打ち付けている少年と同じ色の髪と目を持ち、双子やきょうだいと言われれば納得するほど良く似た雰囲気の少女である。
一糸纏わぬ姿で俺を見つめるその瞳は情欲に染まっており、普段のよく見た目にそぐわないといわれる鋼以上の強さを持つ不屈の意思は全て俺を求めることだけに向けられ、クラスで3番目にかわいいくらいとか言われる小動物系の愛らしい顔もトロットロに溶け、目の前の男を誘おうとする妖艶な女の貌をしており、それが俺によるものだというのが例えようもない雄としての征服感を高め、俺の逸物を昂らせる。
彼女は少し腰を浮かせて自らのが俺からよく見えるようにすると、表情と同じかそれ以上に紅潮しぐしょぐしょになった
開かれた秘裂からは先程注ぎ込んだ俺の精液と彼女の愛液が混ざりあったものがドロリと俺の下腹部に垂れてくる。
「ねぇ、私たちも……続き、しよ?」
俺は今夜何度目もわからないくらいにもかかわらずあっさりと理性を溶かされ少女の身体を抱き寄せて一心不乱に貪る。
何周目かも覚束無いほど行ったのに一向に飽きのこないその全身を余すところなく舌や顎の筋肉をフルに使ってしゃぶり尽くしながら、結合したお互いの性器を激しいグラインドで水音を響かせながら叩きつける。
二組の男女は互いの存在を認め合いながら自らの
既存の世界秩序や法則が崩壊し、地上に栄華を誇った人間達が突然明日をもしれぬ日々を過ごすことになったこの世界の中でも、快楽に溺れることができる人間は……なんか結構いるらしいが、そのなかでもこの夢に描いた理想図中の繋がりの一つとして交わることができるというとんでもなく恵まれた数奇な幸運に、俺はほんの少しの恐怖を抱くも、すぐに目の前の快楽が優先され、そういう面倒くさいことは後回しにするのであった。
成長のないことだと笑ってくれていいが、連日連夜夢に描いた美少女と共に過ごそうともそういう俺の怠惰な部分はそうそうかわれない。世界が崩壊する前からも、世界が崩壊して、先輩たちと出会ってからもそうだったのだから……
※
前略、世界は崩壊した。
199X年は相当昔に過ぎてるし最終戦争の炎に包まれた訳でもなかったが、ある日突然ワイバーンだのスケルトンだのと言ったモンスター的なアレソレがうようよしだした。
海は枯れ、地は裂け、崩壊以前のあらゆる生命体は絶滅したかのように見えた。
「ヒャッハー!!」
だが、人類は絶滅していなかった!
……という世界がマッドでマックスだったりたっぽいたっぽいな感じになったときには一度は言ってみたいけど別に本当にならなくてもいいじゃないか的なモノローグを一般通過モヒカンの皆さん(ライブラリ出演)のコールとともに行ったのが、連休を利用して三日間の完徹を行った後の爆睡から目覚めた俺が目覚めてスマホのネットニュースを眺めた後の感想である。
どうやら中高生頃一日に三回くらいの頻度で「世界滅びねぇかなぁー」と気分が落ち込んだ時に思っていた俺はかつて念願だった瞬間を寝過ごしたらしい。あ、ゴメン。割と最近も三週間に一回くらい思ってたから現行系だわ。
閑話休題
いくらここが地震に台風、火山の噴火と自然災害が多発地帯に住み慣れすぎて震度3くらいの地震じゃ動じないという逆に平和ボケする国だといっても控えめにいって緊急事態なのだからそれなりの行動が必要なはずだ。だが、意外というかやはりというか、人類は意外と元気だった。学校も会社も無くなったから通勤や帰宅の満員電車ラッシュから解放されていたり、前述の通りネットニュース書けるくらいだし現代の若者に心配されるバイタリティーに満ち溢れているんだと思う。(偏見)
『マジ?ナニコレ?なんでこんなことになってるん?』
『やばすぎでしょwwwうはww世界オワタwww』
『笑っている場合じゃねーだろ。俺たちの身だってあぶねーんだぞ……』
『良い質問ですね。現段階では推測でしかありませんが、これはおそらく高位の神性によって魔力が放出され、世界のテスクチャが──』
『ヒャッハー!リアル女神転生じゃねーか!ひとしゅらちゃん来てくれたし俺のブラフマーストラで化け物ども全滅させてやんよォ!』
常駐しているチャットに潜ってみればいつも絡んでる連中も平常運行だった。……なんとなく、あいつらはあいつらで結構な割合のメンバーがなんかラノベとかゲームで起こりそうな展開が始まって良い感じの活躍とかしそうな気がする。話聞いてると俺とは違って運命力も強いし行動力もあるし。
あとどこでこの話入れようかタイミングわからなかったから今言うとテ◯東やT◯KY◯MXも普通にアニメ流してたし、N◯Kは隣の家に集金に来てた。
「どうしたもんかなぁ……」
その結果かどうかはさておき俺の感情は思ったより落ち着いて……というより冷めていた。中学生の妄想でもないのだし、この状況からヒーロー目指せるような気力も体力も実力もないということは今までの人生で嫌というほどわかりきっている。明日の平穏を壊された理不尽への怒りやら突然の死への恐怖も、エネミーどもが今現在直接家に突っ込んできたりしていないこともあって、元々日々をなんとなく生きながらゆっくりと死に向かっていくだけの人生によって鈍化し続けた俺の精神は元から両方錆び付いてしまっていたのかエマージェンシーを出してくれなかった。多分敵が目の前に来てもうすぐ死ぬぞって段になれば流石の俺も泣きわめいて惨めに生にすがり付くんだろうけど今は面倒くさいのでその時になってからでいいや。
自分の事を脇においたところで次に出てくる心配は家族のことか。まだ生き残っているスマホで連絡を飛ばしてみれば親父や妹から普通に生きていると連絡が帰ってきており、むしろ俺の方が心配されていた。相変わらず逞しいマイファミリーである。こうなってくると俺にできるのは相変わらずの自宅待機だ。家族が帰ってくるかもしれない水や食料のある慣れた場所での籠城。話によれば東京の方が安全とか言われていたが、そこまでのエネミーがうようよする道のりを移動するリスクと自宅に向こうから踏み込んできたときのリスクを天秤にかけたところでどっちもどっちだと思う。
結論、現状維持。やることが、というよりできることがない。人類最後とかそういうレベルの危機が世界を覆っているらしいのに相変わらずすぎる自分に苦笑がもれる。やはりどんなに世界が変わっても自分は自分で、彼らは彼らのまま。事実は小説より奇なりという俺の座右の銘通りの光景がまさに広がるなかでも変わらずに生きている。
十中八九、俺はもうすぐ死ぬのだろう。けれどその先、俺の知ってる人がこのおかしくなった世界を強く生きる様が脳裏に浮かぶ。ああ、それはなんと輝かしく美しい……
「あー、いや、ダメだダメだ現実をみなさい。俺なんかの夢を他者に押し付けちゃ失礼でしょうが」
頭を振って恥ずかしい妄想を振り払う。案外、自分では鈍感すぎて気づかないだけで俺の精神も追い詰められているのだろうか。
うーむ極限状態においてただ何もせずにただ考え続けるというのも思考がどんどん悪い方に向かってしまって良くないと聞いたこともあるし、さしあたって家の中から使えそうなものとか荷物とか纏めたりでもしてようかな、てかいい加減ベッドから起きろ俺。と考えてのそのそと更に十分くらいかけて起き上がり、自室を出てリビングに入ったところで……
知ってるけど知らないお方が俺の自宅でくつろいでいる光景に遭遇した。
予想外の出来事に宇宙猫顔になりながらめっちゃビビって及び腰になる俺。バカ野郎お前こちとら家族以外とはロクに会話もしてないからリアルでのコミュニケーションの取り方とかとっくの昔に忘れてんだよ!
「あ、起きてきましたね。おはようございます、コーハイさん。ぐっすり眠っていたようなので先にいただいてます」
あたふたしているうちに向こうから声をかけてきてくれた彼女の姿を改めて見る。
赤いリボンを留めた、床に届きかねない程長い美しくさらさらの髪、それと同じ輝きを放つ菫色の瞳、その身を包むのは己の本心を隠すように塗りつぶされた漆黒のマントとスカート。ブラウスと揃いの純白の手袋に包まれた手でマグカップを持ちながらこちらに微笑むその姿、そして俺の精神に幸福感を呼び覚ますあの声、その全てが俺の中の知識と符合する。
「び、B、B……ちゃん……?」
「はい、貴方もよーく知っている、キュートなラスボス系後輩のBBちゃんです♥️」
そう、BB。俺が愛してやまない二次元キャラクターである彼女が俺の目の前で俺の自宅で優雅に朝食をとりながらこちらを見ているのだ。
──あー口元にパンをちぎって運ぶ動作もごっさ可愛いなオイ。
外ではそれに近い現実離れした存在がうようよしていると聞いてはいたが、突然の至近距離での、しかも最も好きな存在との遭遇に俺の思考中枢はフリーズし、解説中毒の俺がキャラクターについての長文解説ができないという辺りに精神状態のギリギリ感を感じていただけるとありがたい。え?充分長かったって?バッカお前BBちゃんの美しさ気高さ素晴らしさを解説するのに普段なら軽く三時間はかけてその辺で自重するわ。
というかナンデ!?ナンデ違和感なく目の前の存在が生きたBBちゃんだと受け入れてるの俺?この世界は一体いつの間に不気味の谷を超えたの?てか何で目の前のBBちゃんは彼女に呼ばれたいと俺が密かに妄想していた呼称で呼んでくれるんですかねぇ!?本当にありがとうございますこの記憶来世以降を含めた宝にします!等の様々な疑問が絶えず脳内を走り回り、既に混乱の極みすらとうに振りきれているのだが、事態はそれだけではなかった。
「あ、センパーイ!コーハイさん起きてきましたよー!」
どうやら俺の後ろの方から誰かがやってきたらしくそちらを見ながらそういうBBちゃんの視線を追って振り返り、俺は遂に解説のためのボキャブラリーの限界を迎えた。
(『月の勝利者』さんと『もう一つの結末』さんが立って歩いてる……!?)
ハシバミ色の髪と目をしたそっくりな雰囲気の若い男女。男性の方は白いシャツに紫っぽいチェックの上着を着ており、女性の方は白いノースリーブのシャツに同じく紫っぽいチェックのスカートを履いている。
外見で判別するのは少し自信は下がるが、BBちゃんの後に出てきたのであれば間違いなく、俺の知る彼らであるはずだ。故に一先ず確認のために何か発言しようとして二人の名前を思い浮かべる。
(岸波……いや、この場合あらゆる時空の彼らに共通するワードとしてぶつけるべき魂の言葉があったな!)
そう思い立ったが早いか、俺はテンパっている現状の精神状態でも放てる比較的難易度の低めのポーズ、『ジョジョ四巻の表紙』の構えを取り、緊張でからからの喉を振り絞って言い放った。
「フランシスコ・ザビッ!!」
その魂の名を叫ぶと、暫しの沈黙の後、ふたりは俺の肩にそれぞれの手を起き、とてもいい顔でサムズアップしてきた。うん、彼らは間違いなくザビエル先輩だ。BBちゃんはやれやれといった様子ではあるけれど多分先輩へのグッドコミュニケーションなんだろうな、これ。
さて、これ以上の展開が続くのかはわからないけれどもここで一旦状況を纏めると、世界はめちゃくちゃになってて大変な中、極めて和やかな雰囲気の最押し三名に超至近距離で囲まれている、ということだな俺は。
……うん。
…………なんというか。
……………………これは…………アレだな。
うん、限界。俺感極まってる。頭ごちゃごちゃだし胸が一杯で他になんもできそうにないや。
一度に精神許容量を大幅にオーバーした限界ギリギリの精神状態の中、俺がこれ以上まともに会話できるかどうかも怪しい。
さりとて、いつまでも皆さんを待たせているのも失礼の極みである。
ならば何かしら言葉を伝えなければならないのだが……いかんせんこの状況からはなにも読み取れない。それでいて、いきなり日常会話風のをかけてジャブを試みることもできない。そんな対人スキルはないし、世界がどうこうなっているいま定番の「今日は良い天気ですねぇ」も使うことはできないのだ。
そんな風にコミュ障を拗らせてテンパり続ける俺は、それでも何かいうべきことを探し続けるうちに、ふと、ひとつの言葉を思い出した。
とある神が、とある女神に感極まって伝えてしまった初恋の告白。得てして『気持ち悪い』『変態』と呼ばれる彼だが、不思議と俺は共感を覚えることもあったものだ。こんな時にでも何かの借り物の言葉しか出てこないそれもとことん最低な選出をしてくる自分を恥じるが、俺に再考する時間は残されておらず、俺のこの感情を現すのにはこの言葉こそが相応しいと朦朧とする意識は確信し、三名に向かってその言葉を放つ。
「あなたたちの恋に、ずっと、恋をしている。跪かせていただきたい、花よ」
例え嫌われようと蔑まれようとも、彼らへと抱いている俺のこの感情は、微塵も変わらずこれからも変わらないのだから。
崩壊世界シリーズでもトップクラスのほのぼのスタートなのではないかと自負しています。(誇るべきなのかどうかは不明)
目標はせっかくの原作カテゴリが色々のポストアポカリプスなので北斗の拳要素をぶちこむこととついでにエロ描写を練習することです。よろしくお願いします。