※この作品はR-18です。

崩壊世界で押しCPと家族になった   作:夢@実験中

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BBちゃんと漫才みたいな掛け合いしてると自然と文字数が膨らんでいきます。本作はそんな感じの軽い気分で気ままに進行します。


やっぱり徹夜明けのテンションって怖い

光の一切刺さない俺の自室。寝るときは部屋を真っ暗にして寝る派である俺が寝ているのだからそれは特におかしなことではない。

異変があるとすれば、その寝ている俺の上に乗っかって嗜虐的な笑みを浮かべている女がいるということの方だろうか。

 

「セ~ンパイ、起きてくださーい」

 

女の着ている露出の多い服装も相まってなんかエロ漫画とかでよく見たことのあるエロの導入シーンに入りそうな展開ではあるが、跨がれた俺から聞こえるのは音にすればう゛う゛あ゛あ゛あ……といった感じの地獄を蠢く亡者のようなうめき声しかでない。まぁ実際に地獄の亡者さんを見たことはないのでイメージではあるが。

それもそのはず、このときの俺は三日間の完徹を終え空が白み始めるギリギリ前に布団に入ってから十分も経っていないのだ。寝付きの悪い俺では仮眠すら取れていないところであり、そんな状態で起こされそうになればそりゃあ機嫌の悪い声も出ようものである。

しかし女は起こそうとする手を緩めない。仕方なく、俺は鉛のように重い目をほんの少しだけ開く。

 

「おはようございます、セ・ン・パ・イ。今置かれている状況、わかりますか?」

 

「あ゛ぁ゛ぁ゛~~、エロマンガとかでよくみる状況……」

 

「ええ、まさにその通りです。『冴えない俺の元に憧れのあの娘がやって来た!』みたいな、そんな夢のシチュエーションですよ~?もっと喜んでくださいよー」

女はアッパーなテンションで俺に話しかけ続ける。が、いかんせん頭が痛すぎる。相手の言動がとかそういう意味では自分も大して変わらないので問題ないのだが寝不足で物理的に、という意味の痛みに耐えられそうにないので早急にお帰り願いたいと俺は考えた。

 

「あ゛あ゛~あの、サキュバスとかそういう類いの方でしたら精力的なものは勝手に絞っていってくれて構わないんで寝かせてくれませんか……今日マジで頭痛い無理……」

 

「……え?」

 

「あーでも魂とか命持ってく系であれば勘弁してほしい感じで、もう既に捧げるって決めてる相手いるんでおやすみZzz……」

 

俺氏、疾風怒濤の二度寝モードに突入。寝に入る前にちゃんとできるだけ丁寧に断ったのだからもう良いだろうと言わんばかりの強制打ちきり。本気で眠いという事が伺える。

 

「うわぁ、せっかくのチャンスをドブに捨てようとか……仕方ないですね、待つのも面倒ですしこうなったら夢に直接繋いで見せちゃいましょう」

 

そう女が呟いた直後、俺の顔の前に様々な映像が映った球体が現れる。力のある占い師の水晶玉か有機ELパネルを使ったどこかの地球状ディスプレイみたいなものだろうか。しかも目を瞑っている相手には脳内に強制的に映像が送られてくる便利な仕様だ。……今すぐ眠りたかった俺にとってはとても辛いものではあったが。

 

そこに映っていたのはまさしく地獄絵図という表現がぴったりな光景。

餓鬼や獣人が群れを為し、手にした棍棒で人々の頭蓋を砕いていく。

翼の生えた竜種が空から襲いかかり、命を喰らい漁っていく。

巨大な悪魔が光弾を放ち、建物を倒壊させていく。

かつて人々が空想した世界の終わりの1つの形がそこにはあった。

 

「これはあと数時間もすれば現実にこの世界でおこること、それをわたしの力で少しだけ速く見せてあげています」

 

そういって浮かべる笑みを濃くしていく女は言葉を続ける。

 

「この世界は少し前に、大きな力を持った何者かによって世界のテクスチャが大きく上書き、ないし追加拡張されてしまいました。このまま数時間もすれば今見せたように魔獣や幻想種等の神秘に属する存在が生息する世界へと法則ごと置き換わることになるのです。

そして、その影響でこちらに来るのはモンスター達だけではなく、カルデア所属をはじめとした色々な世界のサーヴァントたちも、あなたたちの持っているデータを媒介にして、ずっと画面越しに会いたがっていたマスターさんたちに会いに来るのです。とっても素敵だと思いませんか?」

 

女の語る言葉にほんの少しだけ目を開け、相手の姿を見る俺。

 

「…………じゃあアンタは俺がプレイしてたFGOのカルデアから来たBBちゃんだって言いたいわけか」

 

「はい、低能1Bitちゃんなセンパイにもやっとわかってもらえたみたいでほっとしました!これはとっても幸運なことなんですよ?マスターになれれば世界が崩壊した後の世界でサーヴァントの力を思う存分使って好きにいきることができる。その中でもあなたはこのなんでもできるあなたのかわいい後輩、BBちゃんに選ばれてしまったのです!きゃー、センパイの幸せ者ー!!さぁ、あなたが望めば、わたしがなんでも叶えてあげますよ?あなたが大好きなこのわたしに直接欲望をぶつけるのだって……」

 

と、言いかけた辺りで俺はむくりと起き上がった。話は途中だったしこのまま放っておいてもHな展開にはなりそうだったがしょうがない。何しろフラグが立った(・・・・・・・)のだから。筋肉式挑発をされたら銃を捨てて野郎オブクラッシャーしないといけないし、爆発したらアフロになる。これは俺の魂に刻まれた芸人根性が起こす条件反射なのだ……!!

 

 

「ん?今何でもするって、言ったよね?」

 

「えっ」

 

『言いました、確かに言いましたね』

 

「ちょ、待ってか今のだr」

 

「そういうことなら乗ったァ!」

 

徹夜明けのテンションでハイになっていたのだったと後に語る。

 

「きゃっ」という女の声を無視して立ち上がりながらはね飛ばす。

 

「よーし、そこまで言うのであれば応えよう、多少規模はでっかくなるかもしれないがなーに全能のカミサマの力をフルに使ってくれるんだろう?ならなにも問題はないはずだコストを支払うのはアンタなんだから」

 

突如として立て板に水の如く喋り出す俺。その勢いやまさにマシンガントークの見本となれるといっていい代物だ。なんとなく背景にこち亀のドタバタシーンなBGMが流れていそうな勢いとも言える。当然、目の前のなにか言おうとしている相手の動向なんか無視して話を続ける。

 

「まず見せられた光景だがなんとなく物足りないな。ただ一方的に力を持つことのできた奴だけが有利ってのが気に食わねぇ。ゲームってのはもっと公平に勝ちの目があってこそ勝ち負けに面白味が出てくるってもんだと俺は思うからな!それに見た感じうようよしてんのもFGOのエネミーだけみたいだしそれじゃあいささか偏りや使い回しも出てくるだろうしせっかくの機会だ。もっとバリエーション増やそうぜ、お前色んなところ出てるんだしその繋がり伝ったりして色々出しちゃおうぜ、現実なんだし世界がめちゃくちゃになるんだったら版権なんか気にするこたぁねぇんだしパーッとハデにコラボレーションと行こうじゃねぇか!!

そうだとも!力を持てるやつが1つのジャンルに傾倒した奴らだけってのはどう考えても公平(フェア)な勝負じゃねぇ。他のジャンルの愛好家だって一番好きなのとコンビ組むなり、パワー得るなりしたって良いじゃねぇかどうせなら。まぁ、あからさまに世界観に合わないとか整合性がおかしいのはヤバいってのはわかるけど、もうそんなもんを気にしてない原作存在の象徴みたいなもんが目の前にいるしなぁ!!

そういうわけで俺は願っちゃうぞー?この後起こる世界の壁を越えてくる現象の規模をもっと大きく、あるいは種類を多くしてやる!全ての人間、いや全ての存在が己が本当に一番望むものを得られるように!つまりはこの世界への参戦作品の増加だよね。現実来訪系でパートナーになれたり力だけ受け取れたりって辺りの奴はまぁまぁできるんじゃないかなとおもうんだよね神様転生の特典をバラマキセールするようなもんじゃん?でもまぁノーリスクノー努力で何もせずただ口開けて待ってる奴に配ってプレゼントって訳じゃそれもそれで面白くねぇし、やはりある程度隠された場所にそれぞれの持ち主が引き合うような何かがあるといいな、デジアドの紋章みたいな感じが良いな。本人が精神的な覚醒によって力を引き出したりするあたりも俺好みだしそんな感じにしよう!そうしよう!」

 

延々と荒唐無稽な絵空事を並べ立てる俺。

焦りと戸惑いを隠せないのは女の方だ。なにしろ叶えると言ってしまったうえにやってできないわけではない(・・・・・・・・・・・・・)のだから。

 

(こ、コイツ真性の馬鹿なの?世界に何十億といる人間達全ての願望を懇切丁寧に一人一人叶えるために他の世界と繋ぐですって?そんなの、あの女神の聖槍並みのエネルギー何発私に払わせる気なワケぇ?)

 

その願い自体は前例を見たことがあるからいいとして、問題はそれをとんでもなく馬鹿なやり方で、しかもそれによる諸問題の解決やコストを全てたった一言の言質で目の前の女に背負わせようとしているのだ。女としては実現すれば確かに当初の目論見以上に面白くはなりそうだがそのためのリスクがあまりにも釣り合わない。

 

「さぁ、寄越せ!俺の願い、俺の欲望、俺の叶えたい理想像は語って聞かせてやったぞ!お前は俺が敬愛してやまないあの方の姿と名を騙り、全能を謳い、カミサマとして何でも叶えると嘯いた。今更出来ないとは言わせない」

 

既に他者の声は届いていない。

その変な意味の狂喜に染まった目は女の姿すら捉えていない。

何故か虚空に向かって高笑いをあげながらカラーボックスを掲げて躍り狂い出している姿を見てドン引きしていた女は流石の自分でもコレは手に終えないとようやく判断した。

 

(こんな限界極めた馬鹿に付き合うのなんてまっぴらよ!そう、こんな支離滅裂で一方的な要求、叶えてやる必要なんかない。私と繋がる人間なんて他にいくらだっているんだしそっちで仕切り直せば……ってあれ?)

 

目の前で起こっているあまりの馬鹿馬鹿しさに気を取られすぎていて今気づいたが、獲物を逃がさないようにこの部屋にはっておいた結界の解除ができなくなっている。しかもこの仕様では自分もまたこの結界に阻まれて脱出できなくなっているのではないだろうか……?

そんな疑念にうすら寒いものを感じ、自身を調べてみればなんと既に自分の力が願いを叶えるために使われ始め、その上願いのキャンセルが出来なくなっているではないか!

 

(おかしい!そんなはずない!この世界にこんな真似ができるような力を持った存在なんて……サーヴァントの連中すらまだ来ていないうちに事を始めたのにどうして……!?)

 

『なんでも叶えてあげますよ』『なんでも叶えてあげますよ』

疑念に潰されそうになる女を尻目に、スマホから録音されていたらしき先程の女の発言がループ再生されている。だが、そのスマホの持ち主はさっきから狂いに狂いまくっており、今やキルミーベイベーのEDを踊るオルガの物真似を始めてやたらぐねぐねしている。こんな状態の奴が録音だけならともかくそれに加えて再生を始めるような正気を保っていたのだろうか?

もし、そうでないとしたら、この密室の中にそんなことができるような存在がいるということであって……そこまで思考が辿り着いたとき、女は今まで歯牙にもかけなかったその存在に気がついた。

 

いる。自分の中に誰かがいる。いや違う、消したと思っていた元々の持ち主がこの身体に戻ってきている。

ループ再生する音声に混じって自身の声が……いや違う、その声の元々の持ち主の言葉が聞こえてくる。

 

『いやー、コーハイさんが予想以上のインパクトで気を逸らしてくれたお陰で本当に楽に仕事ができました!聞こえていないと思いますがグッジョブです、コーハイさん♥️そしてそちらにいるわたし(・・・)ぃー?いい加減その姿で好き勝手されるのも本当に目障りですので返してもらいに来ましたよー。ぶっちゃけもっと利息分とか請求したいところですが、わたしは優しいのでいまあるあなたのエネルギー分全部だけでこの場は済ませてあげます♥️』

 

奪われる。刻まれる。消えていく。塗り替えられる。

確かに自分は無数にある化身の一つで本体には何の影響ももたらさないのだろうが、ここにいる自分は確実に消えてなくなる。

愉しむために他者から奪った自我が、感情が。追い詰められたことで恐怖となって無貌の末端に降り注ぐ。

 

「それでもどうしても自分ではそんな大仕事できませんというならば仕方ない、俺が代わりにやってやる。だからその力を全部一旦俺に寄越せ!お前が使えないその力を使って俺にできる限り一から十まで入出力して、ぜーんぶ盛大にバラ蒔いてやる!」

 

力が一滴も残さないように吸いとられていく。それと同時に、自身の存在で塗りつぶしたはずの他の自我に身体を乗っ取り返されていく感覚を理解できてしまう。

 

「嘘、嘘よっこんなことあり得ない……!!私は神なのよ?創造神なのよ……?せっかくおもちゃを手に入れたと思ったのに、それがまた人間なんかのせいで……しかも今回はこんな馬鹿みたいなやつに……!!」

 

『確かに人間さんはお馬鹿さんばかりですが、それ以上に恐ろしい存在です。わたしも彼らに対して油断や慢心はもうできません。というわけで、あなたに任せておくメリットも一つもないので、とっととお帰り願いますね、■・■・さ・ん?』

 

「さーぁ!世界よ!神秘で満ちろ!奇跡で溢れろ!どうせ壊れるならばもっともっと劇的になれ!その環境でしか見れないような夢を魅せてくれ!全てのものに幸福を、望みを叶えるチャンスを与えろ!お前達は全員自由だ!戦いに挑むのも、敢えて無法を働き恨みをかった誰かに刺されるのも、平穏を愛して大切な誰かと添い遂げるのも!その未来を掴み取るためのチケットを今からバラ蒔くぞ!そして!」

 

完全に力の方向は願いを叶えるという一点に向けられ、女の……いや、女の身体を動かしていた黒い貌のナニカは完全に力と動きを縛られた。もはや大砲に詰められ発射台の中で導火線の火が近づいてくるのを待つことしかできない。

 

「嫌よ、嫌、いや、嫌ぁああ!!どうして……せっかく復活してまた思うようにできると思ったのに……ああああああああああ!!!!!!!」

 

「願いかけ終わって他に誰もいなくて突っ込んでくれないからセルフツッコミかけて終わりまーす」

 

そしてそんな哀れな砲弾の断末魔の叫びを一切無視して俺は強制的にギャグ落ちのノリに戻して〆ることでシリアスに終わろうという希望すら粉々に粉砕して終わることにした。

 

「どこの魔王アンパンマンだ俺はーーーーー!!!」

 

俺の叫びと共にエネルギーが溢れ、光が満ちる。それは部屋からそとへと広がっていき、やがて……

 

 

 

 

 

 

※

 

 

 

 

 

 

「といったことがありまして、わたしの体を使ってこちらの世界に来ていた邪神さんの力がコーハイさんの願いを叶える為に分散した隙に主導権を取り戻し、あなたがわたしに常にセンパイの礼装を装備していたおかげで一緒にこちらに連れてこれたセンパイたちの協力のもと、わたしは邪神さんを完全に追い出し、一方邪神さんの力が散らばったのと叶えようとした願いが完全とはいかないまでも効果を発揮したことでこの他の世界の壁にも影響がでて、いつになるかはわかりませんが近いうちにこの崩壊世界にはFate(わたしたち)以外の世界からの存在も現れることができるようになりましたとさ。めでたしめでたし」

 

「うーん、俺やっちまったなぁ!!」

 

明日のためにまずウコンを飲む俺、ノリで勢いよく開けすぎてキャップで指を切る俺。

はくのん先輩に血が滴る指を嘗められながら先ほどまで流れていた、BBちゃんがリビングに置いてあるテレビで映像を見せながら説明してくれた情報をまとめサイトの見出し風に纏めると、こんな感じだろうか。

 

 

【朗報】俺氏、深夜テンションで気づかないうちに邪神を細切れにするの巻【世界平和】

 

 

実際かなりやらかしている。アレってなんというかこう、もっと謎を解いたり正気を削ったりしてボロボロになりながらたどり着いても逃げられるようなラスボス的な存在でお話が始まったときにはもう倒してた的なかませ役では決してない気が……していたけどFGOでもポセイドンをそれくらいの役にしてたわ。いや、それも船長の星の開拓者という相性勝ち要素だったけど今回のも深夜テンションという元から狂った状態が人を狂わせる狙いをぶち壊した的な相性だったと思おう。なので例の邪神氏は酒場でタチの悪い酔っぱらいに絡まれたと思って諦めてほしい。でもどうせならもっと意識はっきりしてるときにちゃんとぶん殴ってボコボコにしたかったけれども正気のときに見たら例のチェックで例の値がピンチしちゃうだろうからあれくらいが最善なのかなぁ……

 

「BB、なんだかいきなり1人で悩んだかと思ったらすぐに自己解決したかのような表情をするということを短期間に繰り返しているんだけど彼は大丈夫なのか……?」

 

「あ、それコーハイさんの通常営業ですので馴れていただくしかないですね。思考に没頭するというこの手の人間さんによくある趣味です。それにしても例のアレも遊び半分でどこかの悪質宇宙人みたいな相手の心に挑戦する形式なんかとっちゃったせいでただの凄いおばかさんのノリに呑まれてしまって災難でしたねー、わたしとしてはとてもいい気味ですけど」

 

「けれど、そんな彼がいてくれたお陰で自分達はこうして再会できた。感謝しているよ」

 

「それはそうなんですけど、いくらコーハイさんのデータを経由したことでわたしも素直さ五割増しになったとはいえ、それでなにもかも全肯定するBotになってしまったらせっかくのカルデアでの縛りからも解放された意味がないと思いません?なのでBBちゃんは危険な行動にはしっかりと釘を刺していうことは忘れないでいこうと思うのでしたー」

 

奇行に走る俺を見ながら自分でもおおよそあってると思う解説をするふたり。その内容からも、彼女が俺をよく知っていることが伺え、彼女は『画面の向こうから俺を見てきたBBちゃん』なんだということが改めて理解できる。

そのかいもあってか、我に返った当初こそ「え、何?ドッキリ?モニ◯リング?ロン◯ンハーツ?」みたいなことも言ってい俺だったが、もうすっかり目の前のBBちゃんと先輩たちの存在をここにあるものとして受け入れていた。触れられて、直接会話ができて、お互いの事を画面越しだがよく知っている。掘り下げれば掘り下げるほど実在性を感じるので特に疑っても得はなさそうなのでわざわざ否定する面倒なプロセスは今する必要もないと思うのでせう。

 

「でもコーハイさん、体の方も大変だったんですよー?いくら神クラスの力をフルに使ってとはいえ世界の壁に穴を開ける計算を四則演算でやろうとしてたとか、どれだけアナログなんですか貴方は。あのあとすぐにわたしがバイタルチェックして願いや力の流れとかを調整しなかったらあっという間に頭がパーになってたところなんですからね?」

 

「えー、その件につきましては誠に反省しております。そして助けていただきありがとうございました。もう二度と酒はやりません」

 

即座に綺麗な土下座をかます俺にBBちゃんと先輩は若干引きながらもちゃんとした問題点の指摘を行ってくれる。

 

「いや、コーハイさん飲んでないからお酒関係ないじゃないですか。でも実際のところ、アレを直視して発狂した結果という可能性もありますので、これ以降そうならないようにきちんとした対策や定期的なバイタルチェックを義務付けますからね?」

 

「何から何まで手を回していただきありがたき幸せでございます」

 

ちなみに俺の体調だけでなく、我が家が現在までエネミーたちから無事でいるのもBBちゃんのおかげであり、陣地作成や道具作成的なアレソレをちょちょっと駆使することで近寄ったり知覚できないようにしてあるらしく、更にシェイプシフターを使役して近隣を警戒しており、弱めのエネミーは捕らえてリソースに換えたり、逃げ回る人間が近づいたらさりげなく他の安全そうな地点へと誘導したりしているんだそうだ。

あと、我が家の電化製品たちは既にBBちゃんに掌握されることで、今後ライフラインが遮断されても暫くはBBちゃんのリソースを削ることで働き続けるということも追記しておく。さすがのBBちゃんだ有能すぎるぜ。

そのおかげで我々は現在リビングでゆったりとお茶菓子とか摘まみながら落ち着いて説明したりされたりしている訳なのだが正直贅沢すぎて怖いところもある。

 

「で、まぁおかげさまでBBちゃんたちがここに来た理由とかそういうのは大体わかりましたけど、これからどうするおつもりなんです?泊まる宛がない、とかなら改造とかまでしてもらっておいて今更ですけどウチで良ければ好きに使ってくだせぇ」

 

「はい、今コーハイさんが提案してくれた通り、わたしたちはこれからもこの家を拠点として活動したいと思っています。人間が集まっているのは東京の方ですけど、わたしたちとしては多くの人間と接触するのは避けたいですしその辺は最小限にしましょう。

行動の目標としては『リソースの確保』と『戦力の増強』ですね。今はまだ生活基盤が保たれていますが、それも無限に続くわけではありません。魔力なり電力なりといったエネルギーを安定して入手できるルートを確立するのが大目標です。そして戦力の方もこの崩壊世界を生きるのには必須です。他のサーヴァントを保有している人間さんのところでしたらサーヴァント一体分の戦力があればある程度自由にやっていけますが、わたしたちの現戦力はほとんどのリソースをアレから分離するのに使い果たしたか弱いBBちゃんと概念礼装をベースにしたマスターがふたりなので、他のアグレッシブに戦えるサーヴァントの皆さんと比べれば見劣りしてしまいます」

 

確かにBBちゃんがいくら万能で優秀であるといっても彼女は元は戦闘向けの存在ではない。ムーンセルのパワーを手にしている場合でもなく限られたリソースで戦わざるを得ない状況ではどんな相手に襲われても大丈夫などとは言えないだろう。

 

「戦力が足りなければ他の力を持った勢力に襲われたときの対処ができませんし、リソースを回収するためにもエネミーや敵対勢力の排除、単純なマンパワーとしての起用もありますので戦力は必須です。お優しいセンパイはそんなものなくても最初から戦わなくても済むように、と考えてしまうかもしれませんが、センパイたちも狙われる対象になりうるということは頭に入れておいてくださいね?」

 

「あーなるほどねぇ」

 

先輩たちが疑問符を浮かべる一方、はくのん先輩の頭をなでながら普通に納得する俺。いやまぁ、確かに先輩たちがそこまで自分の価値を認識できるほど自尊心高くないことは知ってるから説明する必要があるな。今の先輩たちは別にレガリア持ってるわけでもないからその辺の価値からのを除外して一番伝わりやすい例え話とすると……

 

「いやだってこの世界って少なくとも人気鯖は全員来てるようなもんだろ?なら岸波先輩たちを狙って来そうな連中に心当たりありまくるじゃんアゼルバイジャン。特に金ぴか辺りなんかマスターへの執着とか関係なくてもちょっとした気紛れ起こして命に関わるちょっかい出してきそうだし」

 

そんな俺の想定に「「あぁ……」」と物凄く実体験に基づいた苦労が感じられる声を吐くふたりの先輩。

真っ先に厄介ごとの具体例としてあげられ、一瞬で納得される金ぴかには心の中でざまぁwwwと煽っておくことにする。でもこのネタBBちゃんにもウケたみたいなので定期的にネタにしていこうと思う。

 

「ではリソースと戦力の両方が必要な理由はご理解いただけましたね?よってわたしたちの当面の目標はリソースを増やして戦力を、戦力を増やして更ににリソースを、と徐々に増やしていきできることを拡大していく、というものになります。皆さんこれでよろしいですね?」

 

BBちゃんが纏め、先輩ふたりが頷き、俺がおずおずと質問する。

 

「あの、その辺って俺も何かできることがあるんですかね?自分でいうのもなんですけど人間一人分弱くらいしか役に立ちませんが」

 

「その辺計算に含めても協力してもらえると助かります。わたしたちこの数ですので単純に人間一人増えるだけで大助かりですし、いずれはそれ以上の役割をこなせるようなプランも用意していますので」

 

「了解しました。では改めまして、この身をどうかお好きなようにお使いください」

 

改めて若干大げさに臣下の礼をとる俺。他所のところはどうか知らないが、俺にとっては彼らは敬意を表し支えるに値する存在だ。元より縁を手繰ってきた例のアレ。が排除された以上マスターとサーヴァントの関係という訳でもないのだし、我々の関係はそちらの方が適当であると俺は思う。

が、それはそれとして質問は続けよう。わからないことはちゃんとわからないと言わなければ伝わらない。ホウレンソウ大事。

 

「それで最後にもうひとつ質問なんですけど……なんで俺はくのん先輩にこんなになつかれてるの?」

 

「あ、それ今突っ込むんですね」

 

「自然に対応しているからもう受け入れた後なのかと思ってた」

 

「いや、まぁ嫌悪感はないしむしろ嬉しいというのは事実なんだけどさ……」

 

はくのん先輩の名前を本格的に呼んだところでここに至るまでの打ち合わせの中で紆余曲折の末にふたりの先輩の呼び分け方を男の方を『キシナミ』、女の方を『はくのん』とわけるCCCのあだ名方式を採用する事にしたことを報告しておく。片方をザビエルにするとかだと互いに譲らないし勝利者と結末だとなんか違う気がするしな……

それはともあれ今の俺状態は先程から指をしゃぶられたり頭をなでたりしていたが今に至っては頭部をガッチリホールドされながらつむじの辺りをくんかくんかされている。ちょっとしたというレベルをとっくに置き去りにしたなつかれ具合なんだが俺はそこまでのことをしただろうか?とはくのん先輩の趣味嗜好を思い起こす。

イケメンかどうかはさほど重要じゃなさそうだから俺でも問題ないのとして……

メガネ好き……確かに眼鏡男子ではあるが決定打としては微妙か……?

美少女相手の魂がオヤジ呼ばわりされるアレソレ……はっ、まさか!

 

「俺は気づかないうちに既にTSしていた……!?」

 

「どうしてそういう結論に至ったのかはわかりませんがコーハイさんはまだ男の子ですからねー?」

 

「BB、女体化させるなら私が孕んでからにして。もしくは可変式でお願い」

 

「了解しましたー♥️」

 

「させること自体を止めよう!?」

 

キシナミ先輩のキレのある突っ込みが光る。

でも俺自身はTS百合好きなので先輩やBBちゃんがそう望むならやぶさかでもないです。

 

「まぁその話はおいておくとして、この世界にやってきたサーヴァントの皆さんはプレイヤーさんから画面越しに注がれた強い思いを辿ってやってきてる~みたいなところもあってその多くがマスターに選んだ人間さんに強い執着を持っている傾向があるんです。それがわたしたちの場合ははくのん先輩に強く現れた、というお話ではないかと。ぶっちゃけ世界観設定規模の話なので、ツッコむのは野暮かなーと思いますよ?」

 

「そういうもの、か……」

 

確かに『もう一つの結末』も『始まりの予感』もレベルマックスまでつぎ込み、CCCの方もそれなりにやり込んではいたが……果たしてそれだけで俺は彼女から愛情を受けとるに値するほどの存在であると言えるだろうか。

彼女の感情を、世界観の恩恵を受けてねじ曲げてしまっていないだろうか。

俺は少し考えた後、膝の上に乗っていたはくのん先輩を下ろして顔を向かい合わせる。

そしてその目を見据えながら彼女に質問する。

 

「はくのん先輩は俺のこと好き?」

 

「大好き。一生を添い遂げたい」

 

「俺も好き。でも俺、先輩の結婚相手に求める条件であがる家事できないよ?」

 

「これから覚えていけばいい、BBに教われるし、私も手伝う」

 

「俺は心が弱いからはくのん先輩の基準で悪いことをするかもしれない、さっきも出た願いを見てもわかるとおりなんやかんやマッド気質だよ?」

 

「そうなったときは止める。止められるようにずっとそばにいる。でも、とめる必要がないことなら一緒にやってみたい。あなたのしたいことや見たいものは一緒に見てみたい」

 

「この世界で恋愛したことがないんで今一そういう感情がわからない、というのもある」

 

「一緒に知っていこう。知らないことはこれからいくらでも知ることができる」

 

「俺はきっと目移りするよ?二次元嫁も決めきれない浮気性だし」

 

「……本当は嫌だけど、BB(サクラ)以外で私が1番ならそれでも構わない。最悪の場合は全員私が娶る」

 

「はくのん先輩、先輩もBBちゃんのこと好き?」

 

「勿論、BB(サクラ)は私の大事な後輩」

 

「俺もBBちゃんが大好きで、彼女の幸せが最優先だ。そしてBBちゃんの幸せってのは岸波白野先輩が生きて幸せであることだと俺は認識してる。つまり、はくのん先輩の幸せも俺の優先対象ってことになるよな」

 

そういって俺は再び目を閉じ問答を振り返る。そして数秒後、俺は目を見開いて結論を出す。

 

「よし、結婚しましょうか!」

 

「うん!」

 

俺たちは結婚することにした。よし、これですべての問題は解決した。

 

「わぁ!はくのんセンパイ、コーハイさん、おめでとうございます!」

 

「えぇっと……おめでとう?」

 

急展開についていけてないらしいキシナミ先輩がまだ若干戸惑いを交えての祝福だったので軽く解説をしておく。

 

「いや、お互い好きあってるみたいだし諸問題も一緒に乗り越えていこう的な感じだったので問題ないんじゃないかなって。それに少しメタ推理混じりますけどこの世界線って元凶の方向性からしても割とR-18な感じあるし、はやめにイチャイチャした方が俺も喜ぶし喜ばれると思うんですよ。」

 

「そういうもの、なのか……?」

 

「そういうものだ、と俺は思います。だから……」

 

一呼吸置いて俺は吼えた。

 

「キシナミ先輩ももっとBBちゃんといちゃいちゃらぶらぶしてくださいよォ!!」

 

「うわっ、なんか見えないはずの集中線が見える……」

 

だってお前、BBちゃんが岸波先輩と望み通りに仲良くできる世界がどれだけ少ないと思ってんだよお前……本編では救うために敵になってるし外部出演では記憶消されてたり会えないわであの扱いの数々にはマジムーンセルに殺意が湧き続けてた上に二次創作でもどこの馬の骨とも知らないニンゲンどもとしか絡みがなく推しCPに飢えてるんだよこっちはぁ……俺を通してこっちに来たBBちゃんとキシナミ先輩がはくのん先輩や伝え聞く他のサーヴァントの皆さんのようになってないのも多分俺がザビBBを全力で推してるからってのも理由の一つだろうし。くそっ、思い返していたらじれったくなってきた。俺このままやらしい雰囲気にしてやろうかなぁ!?

そんな魂の叫びをかましそうになっている俺の心を知ってか知らずか。意外にもこれに賛同する提案をしてくれたのはBBちゃんであった。

 

「えっと、この世界の空気感にまだ慣れていないキシナミ先輩にはまだ困惑する部分もあると思いますけど、コーハイさんのガバ推理は意外とそこまで的外れとも言えません。この世界に来ている多くのサーヴァントさんが元々魔力技術のなかった世界の人間であるマスターさんたちから魔力を補給するためとそういう行為を多く取っているのも事実です。勿論、ただの建前という方もいますが、大元の目的も目的ですので、この世界において効果的な手段であるというのは間違いありません。それで、というわけでもないんですけど、せっかくですのでわたしたち全員の親睦を深めるためにも──」

 

 

 

 

 

「みんなでえっちしましょう」

 

 

なお、BBちゃんが顔が赤くなるのを誤魔化せていなかったのは言うまでもない。




雑に登場人物紹介

・おり主(コーハイ)
世界にぼんやりとした不安をいだいてほんのり絶望していた系社会不適合者。
テンションの落差が激しく、BBちゃんが大好きなだけかと思いきやその思いに最も合っている台詞として水銀式告白を選んだりなんでも叶えてやると言われて例のアレにドン引きされるレベルなぱらいそ的願いを吐き出す等の既に相当ヤバい狂信者兼光の奴隷亜種。
だが仮に彼が原作にいた場合BBちゃん視点からは『最も信頼できる味方』になってしまう辺りが彼女の人材の恵まれなさを感じさせる。
特技は『豊臣秀吉のモノマネをするチータス』のモノマネ。

・BB
全宇宙のザビエル先輩達のかわいくて素敵な後輩。
崩壊世界シリーズに登場するサーヴァントの皆さんと同様FGOでのBBちゃんのデータにコピーした体……と見せかけて例のアレが体を乗っ取って現界しようとした事と、元々がデータ生命体な事を利用して身体を取り戻すと共にちゃっかりコーハイさんのCCCのデータとかもまとめて利用するなどして原作とかの記憶や感情もセンパイたち含めてちゃっかり持ち出してきているいわばBBちゃん改修型。ムーンセルワッペンは引きちぎったし、ニーソックスもしっかり刺繍が入ってる。

色々な偶然と環境や本人の努力の結果先輩たちも一緒に連れてこれたので遂に念願のいちゃらぶ新婚生活がこれからスタートするという全次元宇宙でも珍しい幸せを掴みとったBBちゃん。また、本人も言っているとおりコーハイの影響で本編よりセンパイへの素直さが大幅増。

・キシナミ(ザビ男)
礼装・『月の勝利者』及び『始まりの予感』等をベースに原作のデータとかも含めて引っ張り出してきた男の方のザビエル先輩。
原作の方でいうムーンセルの記録に残されていなさそうな、正史じゃなさそうな分岐から主に連れてきたらしく主に「お前なんか大好きだ!」辺りの比重が強い。
他のメンバーのアクの強さにツッコミの比重も強め。

はくのん(ザビ子)
礼装・『もう一つの結末』及び(以下同文)
本作のヤンデレノルマ。しかし相手もやべー奴なので実際にヤンヤンできるかどうかは不明。
実を言うと生存を目的とする場合、危険こそあれど死亡リミットがすぐ近くに迫っているという訳ではない現状は先輩たちにとっては比較的安息の地扱いすらできてしまったりする。
また備考として、何がとは言わないがろび~な版仕様である。

・例のかおがいっぱいあるアレ
世界崩壊が始まるより早く例の女神の通ってきた道をすり抜けていち早くやってきたまでは良かったが目をつけた相手と使おうとした体の合わせ技が本当に酷かったせいでなにかをやらかす前にもっと酷いやらかしを受けて退場することになった貌の1つ。
でもどこぞのデータにも一匹潰しても同じ世界にあと百匹くらい出てこれるってあった気がするし実際に他の崩壊世界シリーズにも出てることに矛盾はない。
つまりまだまだ殺せるってことだね!()


本作は崩壊世界シリーズの元々の原作タグが『色々』であることを良いことにもっと色んな世界の奴出そうぜ!というノリで始めました。Fateプレイヤー以外にも生き延びる術を与える人間の鏡(なお)
もっと運命の相手と出会ったり逆にこの世界観を利用して再会する元の世界では引き裂かれたりしたカップル増えろろろろろ。

という訳で他の崩壊世界の住人の皆さんにつきましてはばら蒔いた謎パワーの数々を自分で手に入れるもよし、乗り越えるべき脅威として使うもよしとしていただけると幸いかと。勿論、使わない自由もまた保証されています。

それではまた次回。エロの下準備となる予定。
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