※この作品はR-18です。

日常の隣で   作:黒月龍玄

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黒の刀

途端、何かに呼び起こされるように起きる

 

「ア゙ア゙…ガァ…」

 

身体からは筋繊維が千切れる音が

口は乾き鉄の味が鼻からする

 

ボロボロの身体を引きずりながら折れた刀を杖に立つ

 

身体の至る所から血が吹き出し痛みが襲う。

校舎からは炎が立ち上り激しい熱気が舞う。

 

オレはそんな中、刀を捨てただ歩む

意識は手元に無くフワフワと漂っている

喉は乾いた血が張り付き喋る事すらままならない

痛みだけがオレの身体を支える

 

歩く歩く歩く。

あぁ…血が出る感触も覚えた。

歩いて歩いて、山を見つけた。

燃える校舎の裏にある山だ…

あそこなら…誰にも見つからない…

山を目指し歩く。

あそこに行かなきゃ…何かがオレを突き動かす。

 

山の斜面を四足歩行の動物のように這う。

もはや痛みは無くなり身体からは血が出ずに震えるだけ

意識はほとんど無く前へ前へと進もうとするばかり。

しかし、身体は耐えられず、動く事が出来なくなる。

 

「ガハッ…ゥア…」

 

喋ろうとするたびに砕けた管から空気が漏れる音がする。

 

「…ぃ…ぃ…る…ぃぎ…ぎる…!」

 

身体はもはや壊れている、しかし

心はまだ壊れてなどいない(・・・・・・・・)

 

「ぃぎる…いぎてやる…ぃや…!ァッ…ガハッ…」

 

声を無理矢理出すと、口から乾いて固まった血が出てくる。ポロポロと喉奥から全てが(・・・)

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!|死んでなるものか

誰がァ!ここでぇ!しんで…死んでなるものかァ!!!!」

怒気を孕んだ声と共に立ち上がる。

木に左手を付き前へ前へと突き進む。

 

そのとき、木々の中から光が見えた。

月明かりに葉が照らされその辺りに光が集中している。

しかし、オレに見えたのはそれだけでは無かった

その光の中で真っ黒なモノの存在をオレは見つけた。

そこだけ光が無くまるで黒がこびり付いているようだった。

 

オレはそれ(・・)に近づく。

近づいて見てみるとそれ(・・)は刀のような形をしていた。

いや、刀とは少し違う。

刃が刀とは違い曲がっていなかった(・・・・・・・・・)のだ。

普通の少し曲がった刀とは違い

直刃の奇怪な刀だった。

 

オレはその刀(・・・)に躊躇いもなく手を伸ばした。

まるで惹かれるように、

オレ(・・)のモノだと証明するように

そして、奇怪な刀の柄を握る。

 

その瞬間、オレの意識は途切れ、無くなった。

 

『ぁあ!やっとだ!やっと見つけたぞ!』

暗い

『何年も何年も探してきた!やっと会えるんだ君(・)に!』

部屋にいる

『さァ!君(・)の答えを見つけよう!焦らなくてもいい!時間はたっぷりとあるからね!』

白衣の

『あ〜…でもここはダメだね、君(・)を迎えるには暗過ぎる…もう少しくらい明るくないと…』

女

『ぁあ…もうすぐ…もうすぐだよ…ボク(・・)が君(・)を助けてあげるから…少し待っていてね…君(・)もボク(・・)も…フフッ…』

笑う笑う、口角を釣り上げて、

楽しそうに、恍惚とした表情で、

暗い部屋にいる白衣の女が(・・・・・・・・・・・・)

 

 

 

嗤(わら)う。




どうも、作者の黒月龍玄です。
まず、ここまで読んでくださった皆様に感謝を(。_。*)
今回の《日常の隣で》はいかがでしたでしょうか。
感想など送ってくだされば幸いです。
それではまた、次回お会いしましょう。
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