俺の名前は平玄斗(たいら・くろと)。
『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』という作品がベースとなっている世界に転生した男だ。
俺は今、墓谷(クレイヴ・バリー)と呼ばれる場所にいる。
確かに谷なんだが廃墟のビルがいっぱいだ。
この先は障害物が多過ぎて馬は無理だな。
「あんまり無理しない方がいいぞ」
原作どおり慣れない甲冑を身にまとって強引に付いて来たシーラ姫に忠告してやる。
「大丈夫です。貴方の封印を解いたのは私なのです。私には貴方と共に行動する義務があります。それにティアは大切な友人なのですから」
にこっと微笑むシーラ姫。
俺を慕いきっている目だ。
ヨーコ云々は完全に俺と一緒にいたいがための方便になってる。
「本当にここで間違いないのですか?」
箱入り娘だけあって王城の外に出たことはほとんどなく、見るもの全てが新鮮らしい。
シーラ姫はきょときょとと辺りを見回している。
「俺の魔法を信じろ、シーラ姫」
失せもの探しの魔法の拡大版でヨーコの居場所はすぐにわかった。
今もこの谷の一番奥にある城塞にヨーコの位置を示すビーコンが点滅している。
しかしシーラ姫と違って騎士団長は全く俺を信用していないようだ。
「貴様、姫様に向かって無礼であろう!」
一々俺に突っかかってくる。
ここまで来る間にもシーラ姫とイチャイチャするのをことごとく邪魔してきたのもコイツだ。
「うっさいおっさんだな。つーか邪魔なんだよお前ら」
「貴様っ騎士を愚弄するかっ!そこへなおれ!」
あー、ほんとうっさい。
「おやめなさい、ボン・ジョビーナ!とにかく!まいりましょう!」
騎士団長を制し、甲冑姿のシーラ姫が号令をかける。
やれやれ。
「本当にここなんだろうな、忍者どもの抵抗がまるでないが・・・」
「こっちは認識阻害の魔法使ってっからな。敵に見つからないのも当然でしょ」
「なにっ?」
当たり前だろ。
まともに戦闘なんてめんどくさいだけだし。
しかし・・・。
ガシャガシャ。
着慣れない鎧を纏ったシーラ姫のせいで行軍スピードが上がらない。
障害物を越える都度サポートはしてやってるが、鎧が邪魔して大きな音が生じてしまい、魔法の効果が切れそうになることも何度か。
その都度魔法かけ直すのも魔法自体を強化するのも、まぁ今の俺にとってみれば簡単ちゃー簡単だが。
せっかくなのでこのシチュエーションを利用しようか。
「シーラ姫、こっからもっと道が荒れそうだ。これ以上一緒に来たいならその鎧と剣をここで捨てな」
「えっ、足手まといに・・・なってますか」
「ああ。ちゃんと守ってあげるから安心して脱げばいい」
かなり無礼なことを言ってるはずなのだが、あれほどしつこかった騎士団員たちは何も言ってこない。
皆も同じ考えだったようだ。
「わっ、わかりましたっ」
がちゃがちゃと鎧を脱いでいくシーラ姫。
両手両足がほぼむき出しの露出度のかなり高いインナー姿になる。
インナーのピッタリとしたラインのせいで、形良く育っているバストと細すぎるウェストが強調されており、またギリギリの際どさの丈と深いスリットのためにヒップの膨らみと太ももの艶かしさが目立ってしまっている。
「おおー」
「うへへー」
「うぅシーラ様、命にかえてもお守りいたしますぞ・・・」
ひれ伏す騎士団員たち。
うーん、眼福眼福。
阻害魔法のため敵に襲われることなくニンジャ砦の入り口に到達することが出来た俺たち一行。
さてどうしたもんか。
私に良い考えがありますとポムッと手を叩くシーラ姫。
「あそこに見える扉から中へ入りましょう!」
「あれは正門でございます。シーラ様は何もお考え下さるな」
シーラ姫はボンジョビから説教されてシュンとなっているが・・・。
「ま、それでいっかな」
原作どおりだしな。
「何っ!?貴様何を!」
スペル一覧を呼び出してこの前使った呪文をタップ。
『爆裂(ダムド)!!』
ドカンっ
さて突入。
さっさとガラを倒すぞ。