俺の名前は平玄斗(たいら・くろと)。
『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』という作品がベースとなっている世界に転生した男だ。
たった今、墓谷のニンジャ砦に爆裂一発かまして乗り込んだところである。
「凄い爆発でしたけど・・・敵に気づかれてません?」
そろっとシーラ姫が後から付いてくる。
腰の下まである黒髪を結ったお下げ姿がとびきり可愛い。
「姫様っ気づかれないはずないでしょう!!」
ボン・ジョビーナの方は相変わらず五月蝿い。
周りを見ると正門を守備していた忍者共が瓦礫の中で潰れている。
増援が来る気配が無い。
つまり・・・。
「やはり気づかなかったのですねっ」
「そんなわきゃないでしょうっ!?」
シーラ姫とボン・ジョビーナが主従漫才しているとメキメキっと壁にヒビが入り始めた。
そしてバキッと壁が崩れ、ドゴオオオオッっと原作どおりミノタウロス登場。
ミノタウロスはモッホモッホと荒ぶってる。
騎士団の連中は「みみみみ、ミ、ミノタウロス!」と慌てふためいているが・・・。
正直今の俺はミノタウロス程度指先一つで地獄送りに出来るけれども。
ちょうど良いので原作どおり騎士団たちの当て馬になってもらおうか。
ドカッ
ミノタウロスが振り回すハルバートが壁にあたり、瓦礫が飛び散る。
「あぶないっ」
「きゃっ」
シーラ姫を抱き寄せて保護し、飛んで来た瓦礫を叩き落とす。
「大丈夫か?」
「は、はい。あ、ありがとうございます。あんっ」
俺に抱かれたことで顔を真っ赤にしてしまったシーラ姫。
原作と違って逆にヒシっとしがみついて来る。
好感度の高低の違いか。
「私を守ってくれるのですね・・・」
「当然だろ」
戦場で見つめ合う俺とシーラ姫。
そのままラブシーンに突入しそうになる。
「うおーっ」
「うわーっ」
「騎士団の勇気を示すのだーっ、どわっ」
しかし周りは騎士団の連中がミノタウロスにけちょんけちょんにされている最中である。
うーん、五月蝿くて集中できん。
あ、あれはっ。
ミノタウロスが出て来た部屋の奥に上へ昇るハシゴが見えた。
仕方ない。
シーラ姫といちゃつくのはあれを登ってからにしよう。
「おいっボンジョビ」
シーラ姫を抱きしめたまま、ミノタウロスと必死に戦ってる騎士団長に外野から声を掛ける。
「なんだっ魔法使い、貴様援護せんかーっ!」
「ミノタウロスには雌がいないの知ってる?」
「だからこんなときに何を言ってる貴様ーっ」
「だからミノタウロスは人間の女を攫って犯して繁殖すんだと。つまりこいつの狙いはこの場にいる唯一の女、お前たちの主君シーラ姫ってわけ」
「な、なんじゃとー」
「シーラ姫があのハシゴを登るまで、ミノ助野郎はお前たちで食い止めろ。王女の貞操を守るための名誉ある戦いだな。今こそメタ・リカーナ王国の誇る精鋭騎士団の力を見せるときだろ」
「むっ!!と、当然じゃ!行くぞ皆のモノ!」
「「「おうっ」」」
さてこれでよしと。
「さっ行くぞシーラ姫」
「は、はいっ!」
ミノタウロスと戦う騎士団をおいて先に進む。
ハシゴの前に到着。
「じゃあシーラ姫、あいつらが時間を稼いでいる間に先に登ってくれ。万一のときは俺が下で食い止めるから」
爽やかな笑みを浮かべてレディファーストをシーラ姫に告げてやる。
ここで浮遊魔法使うなんて野暮過ぎるよな。
「え、で、でもっ」
カァっと顔を赤らめるシーラ姫。
そしてそそっと短い丈のスカートを伸ばしてその可愛いお尻を隠そうと無駄な努力をし始める。
可愛い。
「大丈夫ちゃんと下から見てる。落ちそうになったら受け止めてやる」
「そんなっ、そんなハシたないこと出来ませんっ」
高貴なお姫様には恥ずかし過ぎるのか、耐えきれずプイッと横を向いてしまう。
ふふふ、じゃぁ仕方ない。
「時間がないんだよっ。じゃあ一緒に登るからちゃんと掴まってろよなっ」
「きゃっ、いやっ、こんな格好っ、おろしてくださいっ」
ガバっとシーラ姫の華奢な体を抱え、肩に担ぐ。
柔道でいう肩車の体勢である。
左肩にシーラ姫の柔らかい胸が、右肩に股が押し付けられ、最高のシチュエーションだ。
スベスベの白い右太ももを撫で摩りながらハシゴに向かう。
「だ、だめ、こんな、こんなこと・・・!」
「おとなしくっ、してろよなっ、よっと」
密着するシーラ姫の柔らかい躰の感触と甘い体臭、ドキドキを間近で感じながらハシゴを一つ一つ登っていく。
うーん、まーべらす!