※この作品はR-18です。

腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ   作:トラファルガー

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指令

 

「さて、全員集まったようだし始めるか」

 

ペーパーシャッフルの試験の開催が告げられた翌日の朝、俺はクラスメイト全員の前に立ち口を開ける。

 

まだHR前だが、昨夜のうちにクラスメイト達にHR20分前に教室に集まるように指示したおかけだ。

 

「早速だが昨日俺、ひより、金田がやった事から説明するぞ。先ずは問題の作成については有栖に80万ポイントで任せたから気にしなくて良い。後指導者については3年生でAクラス行きを諦めているDクラスの学力優秀な生徒を4人雇ったからしっかり勉強するように」

 

「80万?!更に先輩を雇うって払い過ぎじゃねぇの?!特にAクラスは同盟相手だろ!」

 

石崎が大声で叫び、他の連中も騒めきを生むが気にしない。

 

「同盟相手だからこそだ。ただでさえこっちの馬鹿共の成績向上に力を貸して貰うのに、安金を払っていたら信用にヒビが入って裏切りに遭う可能性もある。というか今回の試験は龍園に全権を任されてるから大人しく受け入れろ。龍園も良いな?」

 

「ああ。俺ならDクラスを狙って嫌がらせをするが、相手がCクラスで勝ちに行くならそのくらいのポイントは払う事に不満はねぇよ」

 

俺の強い口調と龍園の同意によって静まる。龍園から全権を任されている以上、今回のリーダーは俺だからな。

 

「さて。次にペア決めの法則だが毎年退学するのは少数である以上、小テストの結果によって左右されるだろう」

 

俺はチョークを持って「1位は40位と、2位は39位と」って書く。

 

「こんな感じでペアは決まるだろうが……小テストの難易度次第では順位の変動があるだろうから、確実性を高める」

 

「確実性?」

 

「つまり馬鹿は確実に成績優秀者と組めるようにするって訳だ。石崎、真鍋、諸藤、山脇、藪、山下、川口、谷口、風間、石山……今呼ばれた10人は小テストを1問も解かずに0点を取れ。で、俺を入れて……ひより、金田、北川、西野、近藤、大河内、黒崎、山本、西島の10人は全員80点以上取れ。小テストは中学生の復習らしいから取れるだろう」

 

重要なのは極力学力に差がある生徒同士を組ませることだからな。

 

「残った20人についても同じだ。基本的に20人の内、上位10人は50点前後を、下位10人は10点前後を目標にして貰う」

 

俺の言う事を聞いてくれれば馬鹿同士が組むって最悪の展開は避けれる。

 

「ただ中堅といっても色々な種類があるから文系特化タイプと理系特化タイプの生徒を上手く噛み合わせたいから詳しい話は後日話す」

 

「あ、そっか。俺は理系は得意だけど文系は苦手だからな」

 

「私も文系は得意だけど理系は50点台だからなぁ」

 

そんな声が聞こえてくるが、まだ話終わってないので手を広げて静める。

 

「次に勉強会についてだが、4時から6時半までの1部と7時半から10時までの2部の2部制にする。前者は部活に所属してない生徒を重視して、後者は部活組を重視する。両方出ろとは言わないが下位20人はどっちか片方は基本的に出るように。今回の試験で勝つ為には成績下位のBクラス生徒が、他のクラスの成績下位の生徒に詰めよれるかが重要だからな」

 

クラス上位や中堅どころの成績保有者にも頑張って貰うが、1番伸び代があるのは下位の連中だからな。

 

「後、もう一つ質問するぞ。お前らは普段授業中にわからないところがあったら、聞く気が失せてしまってテスト直前になるまで放置しているか?YESなら手を挙げろ」

 

俺がそう尋ねると石崎が真っ先に挙手。素直に認めるのは評価するが、そこまで潔いなら改善しろ。

 

そう思っていると石崎に影響されたのかゾロゾロと手を挙げる。数にして12か。そいつらは勉強する習慣をつけてないが、今回の試験で改善して貰いたい。

 

「じゃあ今挙手した連中は授業中にわからないところがあったら、無理に理解しようとしないでマーカーなどで教科書やノートにチェックを付けて、その日の勉強会で出来るようにしろ。わからないところを理解出来てるなら教える側も楽だからな」

 

出来れば授業中に理解してくれたらありがたいが、それには地力をつける必要があるし、授業は一人一人の為に時間は割けないから仕方ない。

 

実際勉強会で「どこがわからない?」と聞いた際に正確に答えられるだけで充分ありがたいからな。沢山なんて曖昧な表現で言われるとイラつくし。

 

そう思いながら説明を続けると予鈴が鳴るので、ここらで締めるか。

 

「じゃあ話は終わりだ。勉強会は今日からやるので来るように……あ、最後に1つ」

 

俺は一度区切って全員を見回す。

 

「勉強ってのは人によって向き不向きがあるし成長速度も違うから、試験結果が悪くても一生懸命やったなら咎めるつもりはない。今回の試験で俺が求めているのは成績下位層に勉強する習慣を身につけて貰う事だからな」

 

今回はあくまで2年生以降に対する備えを考えているからな。負けてポイントを取れても大したダメージじゃないし、試験の勝利に対して絶対的な拘りはない。

 

ただ……

 

「ただな。実力がないのに「他の奴が頑張るから」って、碌に努力しない奴がいたら、次回以降の特別試験で鉄砲玉的な役割にするように龍園に進言するからそのつもりでいろ。弱い事は罪じゃないが、弱いままで強くなろうとしない事は罪であり、罪には罰がある事を認識しろ。それで良いか、龍園?」

 

俺は中学時代の文化祭で2年生の時に実行委員になったが、馬鹿な委員長の戯言により大量のサボりが生まれたが、あの時も「皆が休んでるから」ってやるべき仕事を放棄した馬鹿が多かったからな。ああいう類の人間は役に立たないし、鉄砲玉がお似合いだ。

 

俺の問いかけに龍園ら笑いながら頷く。

 

「任せろ。お前がピックアップした雑魚は次回以降の特別試験で「弱いのに努力しない雑魚」から「クラスの為に特攻して殉職した生徒」に変えてやるよ」

 

龍園の嗜虐的な笑みによって先程俺の質問に挙手していた連中は真っ青になる。俺は龍園と違って暴力は振るわないが、サボる連中には徹底的な証拠を用意してから反論や言い訳を出来ないようにしてから正当な罰を与えるつもりだ。

 

理不尽な罰を与えたら反感を買うが、対象者以外が納得出来る状況なら反感を買うのは罰を下す側ではなく下される側だからな。

 

そう思いながら俺は壇上を降りて朝のHRが始まるのを待つのだった。

 

 

 

 

 

 

数時間後……

 

キーンコーンカーンコーン

 

昼休みを告げるチャイムが鳴るので俺は片付けをするとひよりが弁当箱を持って笑顔を向けてくるので立ち上がって一緒に教室を出る。

 

「おや、丁度良いタイミングですね。行きましょうか」

 

そんな声が聞こえてくるので振り向くと有栖がいて俺の横に並んだので、有栖の足に合わせて歩く。

 

そしてDクラスの前を歩いている時だった。

 

「あーあ。また今日も山菜定食かぁ」

 

「スペシャル定食が恋しいね」

 

「もうあたし達は食べれないよね」

 

軽井沢が友達2人とそんな風に愚痴を吐きながら歩いている。確か右隣が佐藤麻耶で左隣が松下千秋だったな。両方可愛い女子ランキングで上位にいるから覚えている。

 

しかしこれはチャンスだ。

 

「なら軽井沢よ。俺がスペシャル定食を食える金を出してやろうか」

 

「えっ……比企谷君?何でいきなりそんな提案を?」

 

軽井沢と佐藤と松下のみならず有栖とひよりも意外そうな表情で俺を見てくる。

 

「良く考えたらお前には借りがあったからな」

 

「借り?なんかあったっけ?」

 

「アレだよ。体育祭で由比ヶ浜に詰め寄られてた俺を助けてくれただろ?あの借りだよ」

 

由比ヶ浜からの絡みから解放してくれたのにお返しをしないのは筋を通してないだろう。

 

「そういえばそんな事もありましたね」

 

「八幡君。そんな大きな借りがあるのに一月以上放置するのは酷いですよ。スペシャル定食一回は明らかに釣り合ってないですから、今年度一杯は軽井沢さんに毎日昼食を奢るべきです」

 

有栖がそう言うと軽井沢は慌て出す。

 

「いやいや坂柳さん!そこまでしなくて良いから!」

 

「そうですか?私ならそのくらい喜んでしますが」

 

まあ有栖は由比ヶ浜のことが大っ嫌いだからな。そのくらいしてもおかしくない。

 

……待てよ。

 

「そうだな……じゃあこうしよう。ちょっと携帯のポイント画面を見せろ」

 

「へ?まあ良いけど今年度分とかは絶対にやめてよ。私1人だけ良い思いとかしたくないし」

 

言いながら携帯を出してIDを見せてくるので自分の携帯から軽井沢の端末に13万5千ポイントを送る。

 

「今13万5千ポイントを送ったから、罪悪感があるならそっちの友達2人と仲良く分けると良い。1人あたり4万5千ポイントになるが、それなら一食500ポイントと仮定した場合、1ヶ月はマトモな飯を食えるぞ」

 

「そういう問題?!てかそんな大金恐れ多いから!」

 

軽井沢はテンパりだして、返そうとするが頭にチョップをして黙らせる。

 

「返金は認めない。いらなかったら捨てて……は無理だからゲーセンで浪費しろ。以上」

 

言いながら俺は軽井沢にそう言って話を切り上げる。軽井沢は綾小路の駒で俺の情報提供者の1人だが、こうやって第三者が多い中で接点を作っておけば、今後軽井沢と会っているのを第三者に見られた際に「世間話をしていた」って言い訳を使えるからな。

 

それにDクラスの大半の生徒に比企谷八幡という存在に対して良い印象を持たせておくのは戦術としては悪くないからな。場合によっては須藤や由比ヶ浜を潰す際には使えるだろう。

 

ポイントについても問題はない。無人島試験で龍園に従って貢献したおかげで毎月60万近くのポイントが入っているし、優待者試験の儲けもあって、クラスの貯金とは別に300万近く持ってるからな。

 

そう思っていると……

 

 

「おいおい。そんなに余裕があるなら俺にも恵んでくれよ〜」

 

1人の男子がヘラヘラした態度で話しかけてくる。

 

何だコイツ?由比ヶ浜とは別ベクトルで面倒そうだな。

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