腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
キーンコーンカーンコーン
昼休みの開始を告げるチャイムが鳴ると日本史の茶柱先生は授業を切り上げて教室を出て行くので俺はひよりと一緒に教室を出て、有栖と合流してから屋上に行く。
そして近くにある芝生にシートを敷いてから……
「「「頂きます」」」
そう言ってから弁当を食べるが相変わらず2人が作った弁当は美味い。食べていて良い気分になる。
しかし恥ずかしい気持ちにもなる。以前2人に美味さの秘訣を聞いたら……
「「八幡君への愛情をたっぷり入れましたから……」」
と艶のある眼差しでそんな事を言ってきたのだ。そう言われた際にはそのまま2人の服を全部脱がして愛撫しまくったが、その翌日から2人の愛情弁当を食べる度に恥ずかしい気持ちになってしまうのだ。
そう思いながら食べていると……
「やっぱ高円寺君は只者じゃなかったよね」
「けど、その後は由比ヶ浜さんが煩すぎだよね」
「まあいつもの事だから慣れたけど」
軽井沢が佐藤と松下と一緒に屋上に上がってくる。向こうもこっちに気づいてやって来る。
「比企谷君。改めてポイントをくれてありがとう」
「漸く山菜定食地獄から解放されたよ」
「しかも無料食品に頼らなくても挽肉も買えるようになったし、今日なんか奮発してジュースを買っちゃったよ」
「「「……」」」
改めて聞くとDクラスって悲惨過ぎだろ……ジュースを買う際にも奮発って言うなんて。
「だから比企谷君には本当に感謝してるよ。お礼に今度スク水を着て見せてあげよっか?」
「結構だ!つかその噂まだ消えてねーのかよ!」
松下の提案に声を荒げてしまう。アレから大分経過したよな?!
「普通に消えてないよ。普段クールな坂柳さんが大声を出した事もあるしね」
「うぅ……」
軽井沢の返答に有栖は恥ずかしそうに俯く。アレは有栖からしたら黒歴史だから仕方ないだろう。
とりあえず話題を逸らすとしよう。
「それはデマだから言わないでくれ。それとちょっと聞きたいことがあるから一緒に食わないか?」
「聞きたい事?別に良いけど何を聞きたいの?」
「朝のHRで由比ヶ浜が騒いだ理由だな」
「こ、高円寺君の名前も先程出ていましたが、彼に由比ヶ浜さんが馬鹿をやったのですか?」
「あー、その話ね。じゃあ座って良い?」
軽井沢が質問したので俺達は座るように促すと3人は弁当箱を開ける。3人の弁当を見ればモヤシが多いが節約には必須なのだろう。
「じゃあ最初から話すけど、今日ペーパーシャッフルのペアが発表されたじゃん」
「ええ。由比ヶ浜さんのパートナーが高円寺君だったのでしたか?」
「違う違う。高円寺君のパートナーは沖谷君って男子で由比ヶ浜さんは雪ノ下さんとペアだよ」
「なるほど。屑同士のペアですか」
佐藤の言葉に有栖がボソリと毒を吐くが、ひよりでも止めに入らない。実際ひよりも由比ヶ浜に毒を吐かれたからな。
「結果的に良かったと思うよ。雪ノ下さん以外が由比ヶ浜さんと組んだら、2人のペアのモチベーションは下がるだろうし」
松下の言う通りだな。雪ノ下は学力が高いから組む相手は必然的に馬鹿だろうが、雪ノ下の性格的に由比ヶ浜以外の生徒には罵倒をするだろう。
由比ヶ浜のペアについても「コイツとペアかよ……」って絶対に嫌がるだろうし。
「話を戻すよ。ペアが決まってから高円寺君は教師ならポイントの融通が出来るからって、茶柱先生に本番で満点を取れたら3万ポイント、8科目全てで満点なら30万ポイント寄越せって交渉をしたの」
なるほどな。教師ならポイントに対して融通が効くらしいし、そういった交渉をするのも戦術の1つだろう。
「ただ満点以外には無しって条件だから他の学力優秀者は緩くしてくれって高円寺君に交渉したら、高円寺君は儲けの半分をくれるならって条件を出したの」
「わかりました。そこで由比ヶ浜さんが怒ったのですね」
ひよりの言葉によって朝の事を思い出す。由比ヶ浜はあの時に「ふざけんなし!自分の事しか考えないなんてガキじゃないの?!本当に高校生?!」って叫んだが、それが原因だな。
「当たり。で、高円寺君は由比ヶ浜さんを無視する形で話を進めたら由比ヶ浜さんがキレて詰め寄ろうとしたんだけど、高円寺君が本物の殺意を出して由比ヶ浜さんを失禁させたの」
「ほう……」
軽井沢の言葉に有栖はそれはそれは楽しそうに笑う。しかし殺意だけで相手を失禁させるなんてどれだけヤバい殺意なんだよ。
「そして雪ノ下さんがキレたんだけど、今度は綾小路君が雪ノ下さんを殺意で黙らせて、無理矢理騒動を終わらせた感じ。最終的に高円寺君に半分ポイントを渡すのと引き換えに報酬条件が緩くなった感じ」
そんな条件を呑むって事は余程ポイントに飢えているのだろう。
「ま、多少緩くなっただけであたし達には関係ない話だけどね」
「私達も比企谷君から貰ったポイントが尽きる前にどうにかポイントを得る方法を考えないとね」
軽井沢と佐藤が愚痴を吐くと有栖が手を挙げるが、絶対に容赦ない提案をするだろう。
「でしたら由比ヶ浜さんに缶コーヒーを頭からかけたら一回につき、1万ポイントを差し上げますよ」
流石ドS……実に容赦ないな。
「気持ちはありがたいけどパス。由比ヶ浜さんって悪口とか軽い暴力を振るわれたらすぐに学校に訴えるからね」
「最初の一回はまだしも、流石に何回もコーヒーをかけるのは学校から罰を与えられそうだし」
2人は遠慮するが、言葉の内容的にペナルティが無かったら何度もかけるってことになる。アイツはどんだけ恨まれているんだ……
そして由比ヶ浜は暴言や暴力をしょっちゅう使ってるくせに、使われると被害者面って……面の皮分厚過ぎだろ?
しかし教師はポイントを融通出来るからそれを利用する……か。無人島試験の件で安定した収入を確立出来たから考えた事はなかったな……あ。
「なら教師の雑用を手伝う形でポイントを得るのはどうだ?確か教師は決められた区画の掃除、花の水やりがあったし、それを肩代わりするからポイントを要求する……みたいな感じで」
坂上先生が面倒臭そうに掃除や水やりをしているところを見た事があるからな。
「あ、その理論でしたら図書室の返却本の整理も出来るかもしれません。司書さんは大変と以前言っていましたから」
「他にも寮の庭掃除もありますね。管理人さんがやってるいるのを見ましたよ。この学校は秘密主義の傾向があり自分で情報を得る必要がありますが、ポイント獲得手段も自分で探さないといけないのでしょう」
それを実行すれば収入が入るだろう。
「そういえば茶柱先生が前に花壇に水やりをしてたね」
「じゃあ後で学校側に頼まないと!」
「その前にちゃんと契約内容を考えないと。由比ヶ浜さんあたりは仕事を強奪してくるかもしれないし」
3人はポイント獲得手段を知れたから活発に意見を出すが、松下の言うように契約内容についてはしっかり考えるべきだ。由比ヶ浜以外のDクラスの生徒もポイント獲得手段を欲しがるだろうからな。
「いやー、本当に助かるよ。ウチなんか厄病神や盗撮犯がいるから逆転の芽がないからね」
軽井沢は笑いながら礼を言ってくるが、本当に不憫だな……
「というか坂柳さんって理事長の子供でしょ。何で由比ヶ浜さん達がこの学校に入れたか知らないの?」
「それにクラス分けも変だよね。一之瀬さんや平田君や櫛田さんはAクラスでも通用すると思うし」
そんな質問が飛んでくる中、有栖は冷静に口を開ける。
「入学基準についてはある程度知っていますが口止めされているので言えません。そして一之瀬さん達については裏の顔があり、中学生時代に問題を起こしたからでしょう。実際、この世に善人なんていませんから」
「そんな事ないよ!少なくとも平田君と櫛田さんは善人だよ!だって入学してからずっと由比ヶ浜さんを庇ってるんだよ!そんなの善人……聖人じゃないと無理だよ」
「……む。確かにそうですね」
佐藤の反論に有栖は真面目な表情で頷く。確かに裏の顔がある屑なら由比ヶ浜を庇う筈はない。
待てよ……
「じゃあアレだ。平田や櫛田はマゾヒストで中学時代にSMプレイをやって学校にバレて評価を落としたんだろ」
「どんな発想よ?!」
軽井沢が真っ赤になって怒る。
「いやだって由比ヶ浜を庇うなんて聖人かマゾヒストだろ?聖人ならDクラスにいるわけないし、消去法でマゾヒストじゃねぇの」
「むぅ……一理あるね」
松下も頷いてるし、やっぱりマゾヒストだろう。それ以外考えられない。
結局俺達は真剣に語り合った結果、「平田と櫛田はマゾヒストであったが、中学時代に問題を起こし、評価が落ちてDクラス行きになった」と考えに至った。
そして放課後に軽井沢達が学校に交渉した結果、軽井沢は茶柱先生がやる清掃と花壇に水やりを週6日で1日900ポイントで、松下が図書室の返却本整理を週に4日で1日1500ポイントで、佐藤が寮の周りの掃除を週に3日で1日2000ポイントで働く事になった。
そして翌日にそれを知ったDクラスの生徒の1人が広めて、クラスメイトが狡いと反論したが、「他の生徒がやっても報酬は契約者に入る」って内容を含んだ契約書を茶柱先生が見せたら、由比ヶ浜以外の生徒は悔しそうに黙った。
由比ヶ浜は納得いかずギャーギャー騒いだらしいが綾小路が殺意をぶつけて、2日連続の失禁を経験して、キレた雪ノ下を高円寺が殺意で黙らせたらしい。
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