腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
キーンコーンカーンコーン
「そこまで。用紙を回収するので筆記用具を置くように。これ以上の回答はカンニングとみなす」
坂上先生の言葉に皆がペンを置きながら安堵の空気を生む。
しかしそれも当然だ。今の物理によって全てのテストが終了したのだから。
坂上先生が全てのテストを回収すると前に出る。
「以上で期末テストを終了する。結果は3日後に発表するが、今はリフレッシュすると良い。今日はもう帰って構わない」
「あ、じゃあ一言前に出て話して良いですか?」
「もちろんだ」
坂上先生から許可を得たので俺は前に出る。
「先ずはお疲れさん。これで期末試験が終わったし坂上先生の言ったように返ってくるまではゆっくり休め。そして……」
一息ついてからポケットから紙を取り出す。
「この1ヶ月、俺に付いてきてくれて感謝する。お礼と言っちゃ何だが、テスト結果が返ってきたら焼肉を奢りたいと思う。希望者はコイツに名前を書いてくれ」
『おっしゃぁぁぁぁぁあっ!』
俺が1番廊下に近く1番前にいるアルベルトに紙を渡しながらそう言うと、男子を中心に喜びの声をあげる。女子も奢りだからか声をあげずとも喜びの感情を露わにする。
そして紙を回収すると全員参加する事が決まった。多少金はかかるがクラスの気分を良くした方が今後の為になるし仕方ない。後で龍園に経費として要求すれば良いだけだ。
「全員参加だな。詳しい時間帯が決まったら一斉にメールをするから……じゃあ解散して構わない」
既にHRは終わっている為、皆がゾロゾロと立ち上がって帰り始める。
「ひより。先に帰ってくれ。龍園と話がある」
「わかりました。先に寮に戻っています……帰ったら一杯エッチな事をしてあげますから」
ひよりが一礼してから最後に魅力的な提案を耳打ちしてから去っていく。実に楽しみだな。
「さて龍園。今回の俺の仕事は終わりだが、見た感じ全員真剣に取り組んでいたから鉄砲玉候補については保留だ」
やる気のない奴は次回以降の特別試験で捨て駒にする予定だが、皆のやる気に巻き込まれたのか全員真剣に取り組んでいた。
「ああ。そうなると鉄砲玉を使う際は実力のない奴になるな。テメェなら誰を使う?」
「真鍋グループの誰かだな。全員実力は下位だが、女子の中で態度がデカいし」
実力のある奴がデカい態度を取るのならまだしも、実力のない奴がデカい態度を取るのは百害あって一利なしだ。
「ま、今回はノルマは達成したし問題ないよな?」
今回はあくまでクラス全体に勉強する習慣や勉強のコツを身につけてもらう事だが、後半は皆、授業中や休み時間にも積極的に質問していたので成功だろう。
「ああ。予想以上の成長を感じたし、上出来だ」
龍園は携帯を操作すると俺の携帯が鳴るので確認すると30万ポイントが入金されていた。
「前金だ。Cクラスに勝ったらもう30万やる」
「意外だな。今回は無償で働けって命じたと思った」
実際今回は報酬の話をしなかったからな。
「なに、元々払う予定だったぜ。ただ報酬が無いと思わせたらテメェがどれだけ働くか気になってな」
そういう話か。
「……次からは試すような事はやめろ。一々考えるのは面倒だからな」
そう返しながら教室を出ると隣のCクラスから一之瀬が暗い表情を浮かべ、クラスメイトに囲まれながら出てくる。昨日もそうだったが、何故あんなに暗い表情をしてんだ?
と、ここで連中も俺達に気付いて龍園を睨んでくる。
「帆波ちゃんに何をしたの?!正直に答えて!」
そして体育祭で龍園に嵌められた網倉が龍園に怒鳴るが、龍園は鼻で笑う。
「あん?今回の指揮官は比企谷で、比企谷からは小細工抜きで勝負するって言われたから今回はテメェらの妨害はしてねぇよ」
「じゃあ何で帆波ちゃんが落ち込んでるの?!龍園君が何かしたんでしょ?!」
一之瀬が落ち込んでる=龍園が何かをした……って決めつけるのは理不尽だろう。いくら龍園の性格が悪くても「知らねぇよ。生理でも止まったんじゃねぇの?」……いや、コイツの発言を聞いてると理不尽じゃないように思えてしまう。うん、網倉は悪くないな。
ニヤニヤ笑いからの龍園の外道発言に取り巻き達が詰め寄ろうとするが、今回は龍園を庇うつもりはない。
「待って皆!今回は本当に龍園君は関係ないよ!」
「でも帆波ちゃんが落ち込んでるんだし!」
「そうだよ!私達に気を遣う必要なんてないよ!」
一之瀬が止めに入るが皆が納得していない表情を浮かべずに龍園を睨んでいる。
「はっ!前から思ったがテメェらのクラスって一之瀬を崇拝してんな。その癖、当の本人が止めに入っても納得いかずに俺を悪と決めつける……憧れは理解から最も離れた感情ってのはマジみたいだな」
龍園は高笑いをしながら五番隊隊長の名言を口にする。しかし言っていることは強ち間違いじゃないだろう。一之瀬の静止を全く無視して、気遣っていると決めつけているし。
「一之瀬よぉ。お前は誰にでも優しくするみたいだが、自分の考えを勝手に決めつけて意見を捻じ曲げるゴミどもに優しくする必要はないんじゃねぇか?優しくしても仇で返されるのがオチだぜ?」
さっき一之瀬の意見を無視した白波と網倉を指差してそう告げる。当の2人は怒りと屈辱で顔を真っ赤にしていて、呼ばれた一之瀬は前に出てくる。
「まずはごめんなさい。私が落ち込んだことで2人を巻き込んじゃって」
そして頭を下げてくる。他の連中は納得いかない表情だが、ここで口を出したら龍園の言葉を認めてしまう事になるので黙っている。
「普通誠意を見せるなら土下座だろ?」
「黙れ龍園。余計な火種を持ち込むな」
龍園の発言によってCクラスの連中が爆発する前に割って入る。一之瀬を崇拝している連中の前で一之瀬に土下座を強要したら、碌でもない何かをやらかすだろう。俺からしたら理性を飛ばした馬鹿の行動は怖過ぎる。ソースは理性がない由比ヶ浜。
「しかし一之瀬。今回Bクラスの指揮を執ったのは俺だが、ラフプレーは一切仕掛けてないぞ。小細工抜きでCクラスを倒して言い訳をさせない事を目標にしていたからな」
「うん。それはわかってるよ。ちなみに問題を作ったのって比企谷君?」
問題……ああ、テスト作成についてか。トラブルって意味の問題なら龍園だけどな。
「いや。有栖と取引をしてアイツに作って貰った」
その言葉に一之瀬の取り巻きは騒めきを生むが別にルール違反はしていない。
「そっか……」
一之瀬は更に顔を暗くするが、有栖の作った問題に不都合な点があったのか?
「一応言っとくが解答欄がズレたとかなら自業自得だからな」
「わかってるよ……うん!大丈夫!迷惑をかけてごめん!もう行くね!」
「あっ!」
「待って帆波ちゃん!」
一之瀬はいきなりテンションを上げてから再度俺達に頭を下げて、回れ右して去っていく。取り巻きも慌てて去っていく。去り際に龍園を睨むが、龍園は笑顔で中指を立てて相手を怒らせる。本当、挑発に関しては一級品だな。
しかし有栖の問題によってあそこまで動揺するって何があるのだろうか?後で調べてみるか。
そう思った時だった。
「〜〜〜〜っ!」
「〜〜〜〜っ!」
Dクラスの方から2種類の叫び声が聞こえてくる。ドアが閉まっているが間違いなく須藤と由比ヶ浜だろう。
「帰るぞ比企谷」
「だな」
面倒な予感をしたであろう龍園が促すと俺も頷いて早足で下駄箱に向かう。もしも鉢合わせしたら間違いなく面倒な事になるだろうからな。
それに帰ってひよりと有栖からエロい癒しを受けないといけないからな。
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