腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
「王様ゲーム?何ですかそれ?」
鬼龍院先輩の提案に綾小路は頭に疑問符を浮かべているが王様ゲームを知らないって、あれだけ洞察力や学力があるのに……相変わらずミステリアスな奴だな。
「王様ゲームってのは人数分のクジを使うゲームだ。今回は俺、ひより、有栖、なずな、綾小路、軽井沢、鬼龍院先輩の7人だから7つのクジを作るが、王様クジと1から6までのクジを作る」
「そしてそのクジを参加者が一斉に引いて、王様が番号クジを引いた人に命令を出せる。例えば私が王様で比企谷が2番で綾小路が4番で、私が「4番が2番の肩を揉め」と言ったら、綾小路は比企谷の肩を揉む必要がある」
「なるほど……」
俺の説明に綾小路は納得したように頷くが、一瞬だけ口元に笑みを作った。間違いなくエロい命令を考えてるな。
「とはいえ過激過ぎる命令については制限を設けよう」
「制限?」
「ああ。理不尽な命令については4名の反対が出たらその命令は取り消して別の命令にする。どうだ?」
なるほどな。過半数の反対があれば無効化出来るなら悪くない考えだろう。
「俺はそれで構いません」
俺が賛成すると他の面々も頷いたので食後にやるゲームが決まった。運ゲーとはいえ、負けるわけにはいかない。恥ずかしい思いをするのは嫌だからな。
30分後……
「ではクジの作成も完了したし始めようか」
年越し蕎麦とデザートの杏仁豆腐を食べて、いよいよ王様ゲームの始まりだ。
鬼龍院先輩が7つのクジの入った箱を見せてくる。クジを見ればどれも同じ形状だしイカサマは無理だろう。
「では引きましょうか」
有栖の呟きに俺達はクジを引き……
『王様だーれだ!?』
一斉にクジを突きつけ合うが……
「あ、私ですね」
最初はひよりだった。ひよりなら理不尽な命令はしないだろう。
「では……3番は1番の頭を1分撫でてください」
最初だから随分緩いが、1番は俺だが……
「オレが3番だ。1番は誰だ?」
……
綾小路の呟きに俺は無言で1番のクジを突きつける。
すると綾小路は無表情のまま俺の頭を撫でてくるが俺も似た表情を浮かべているのだろう。
見ればひよりと軽井沢となずなは目を逸らして震えていて、有栖と鬼龍院先輩は笑いを隠す事なく携帯を向けて写真を撮ってくる。
何とも虚しい命令だろうか。
そんな感じで1分頭を撫でられて、俺達はクジを箱に戻してかき混ぜる。
「じゃ、じゃあ次の罰ゲームをしよっか!」
軽井沢が話題を変えるかのように強い口調でそう言ってくるので俺達はクジを引き……
『王様だーれだ!?』
再度確認するが俺は4番で王様じゃない。
「あ、私が王様だ」
つぎはなずなが王様のようだ。
「じゃあ……1番と5番が3分間抱き合って」
「1番はオレだな」
「おや、私は5番のようだ」
鬼龍院先輩が楽しそうに笑うと綾小路も口元に笑みを浮かばせる。
「反対!絶対に反対!」
軽井沢が反対意見を出す。やはりセックスした相手が違う女子と抱き合うのは既視感があるのだろう。
しかし他のメンバーは反対してないので……
「反対は1名……残念だが命令の取り消しは不可能だな」
命令の取り消しには4名の反対が必要だが、軽井沢1人しか反対してない。
「命令なら仕方ないですね。鬼龍院先輩、失礼します」
言いながら綾小路は鬼龍院先輩を躊躇いなく抱きしめるが、口元が緩んでいるぞ。
「やれやれ。積極的な後輩だ」
鬼龍院先輩は笑いながら綾小路を抱き返す。般若顔になっている軽井沢が怖過ぎます。
そう思いながら2人の抱き合いを見ていると……
「やんっ!こ、こら清隆、いきなりお尻を触るのは卑怯だぞ……」
鬼龍院先輩が色っぽい表情と声を出して綾小路を叱る。恵からドス黒いオーラが増したよ。
「失礼しました。恵にやっている時の癖が出てしまいました」
いつもやってんのかよ。コイツ本当に欲望に忠実だな。
内心戦慄しながらも2人の抱擁を見ていると電子音が鳴る。
「終了よ!とっとと離れなさい!」
軽井沢は綾小路を無理やり引き離してギロリと俺を見てくる。
「なんだよその目は?俺悪いことしてないぞ」
「ふ〜ん。「複数の女子に囲まれるのは気持ちいい」って、常識外れの事を常識外れの清隆に教えたのに?」
「………」
軽井沢の睨みに目を逸らしてしまう。そういや以前にそんな事を言った気がするな。
「待ってくれ恵。確かに比企谷はアドバイスをしたが、最終的に結論を出したのはオレだ。それに恵も自分を捨てないなら構わないって了承した筈だ」
「したのは否定しないけど乗り気じゃないわよ、この女誑し!」
軽井沢は怒鳴るが、最終的には許してそうだな。
「私の夫がすいませんでした。八幡君のセックスフレンドのひよりさん共々謝罪します」
「待ってください。人をセックスフレンドと呼ばないでください。セックスフレンドは有栖さんです」
お前らはそんな所で張り合うな。
「ほほう。清隆もセックスフレンドが欲しいのか?なら私が立候補しようか?」
「え?じゃあ是非お願い「するなぁぁぁぁぁぁっ!」痛いな、恵」
軽井沢の顔面パンチが炸裂するが、須藤の顔面パンチを10発くらって平然とする綾小路には効果がないようだ。
「煩い!そんなにエッチしたいなら今夜は翌朝まで付き合ってあげるわよ!」
堂々と宣言する軽井沢。これは大胆だな。
軽井沢は自分の発言に気づいて真っ赤になっている。そんな中、綾小路は軽井沢に近寄りキスをする。
「んむっ……きよたかぁ」
「そうか。じゃあ楽しみにしてるから」
「ひゃ、ひゃい」
一瞬で骨抜きになる軽井沢。よ、弱過ぎるな……
これには有栖や鬼龍院先輩はニヤニヤ笑いを浮かべ、ひよりは微笑みを浮かべる。なずなはギャルの見た目に反して純情のようで真っ赤になってるし。
「じゃ、じゃあ次に行こっか」
なずなが照れながらもそう言ってくるので俺達はクジを戻してかき混ぜる。
そして一斉に引くが、手元が狂って床に落としてしまう。慌てて拾うが隣に座る有栖には見られたかもしれない。
俺の番号は6番だが、王様は誰だ?
『王様だーれだ!?』
言いながらクジを突きつけ合うが……
「ふふっ、私ですね」
有栖が勝ち誇った笑みを浮かべている。これは不味いかもしれないな……
「では命令です。6番の人は私の足に口づけして死別するまで一緒にいるという忠誠を誓ってください」
有栖はベッドに座りながら足を出しつつ俺をガン見しながらそう言ってくる。完全にバレてるな。
「……俺が6番だ」
言いながら俺はベッドに近寄り、身を屈めて……
「愛してるぞ有栖。死ぬまで側にいるからな」
ちゅっ
そのまま有栖の靴下にキスをする。その際に綾小路と鬼龍院先輩と軽井沢が携帯を向け、なずなが頬を膨らませて、ひよりがジト目で見てくるが気にしないでおく。というかそうしないとやっていられないからな。
「ふふっ、そうですか。仕方ないですし、ずっと側に置いてあげますからね」
有栖はベッドから降りて俺にスリスリしてくる。ハッキリ言ってメチャクチャ可愛過ぎるわ。
「じゃあ次行くから2人ともクジを戻してね」
なずながそう言って箱を突きつけてくるが、なんか怒ってないか?
疑問に思いながらもクジを箱に戻して、全員がクジを戻してから混ぜてわからないようにする。
そしてまた同じようにクジを引き……
『王様だーれだ!?』
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