腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
「くはははっ!両方1って!36分の1の確率なのに、お前持ってんなぁ!」
俺が振ったサイコロを見て龍園は大笑いをする。他クラスに笑われるならまだしも、自クラスの龍園に笑われるのはムカつく。
しかし最初から最悪の目が出たな。他の連中も1を出すかもしれないが俺の順番が悪いのは明白だ。
(いや、他の連中も悪い目が出るかもしれない)
淡い希望を抱きながら他のメンバーを見ると……
葛城
1回目 5
2回目 3
橋本
1回目 4
2回目 4
神崎
1回目 4
2回目 5
平田
1回目 2
2回目 4
龍園
1回目 6
2回目 6
淡い期待は打ち砕かれた。全員1より大きい数字だ。つか龍園は両方6って、俺とは別ベクトルで持ってるな。
「ダブった場合はもうダブった者同士もう一回振れば良いか?」
俺が落ち込む中、橋本が質問する。確かに橋本の1回目と神崎の1回目、橋本の2回目と平田の2回目が被ってるな。
「それが最善だな。じゃあ振るぞ」
神崎と橋本が振るい、神崎が1で橋本が6だったので橋本の勝ちだ。
そして次は橋本と平田がサイコロを振るい、橋本が4で平田が3だったのでまたしても橋本の勝ちだ。
よって第1グループ12人から選ぶ順番は……
1番目 龍園
2番目 葛城
3番目 橋本
4番目 神崎
5番目 平田
6番目 俺
7番目 龍園
8番目 神崎
9番目 橋本
10番目 平田
11番目 葛城
12番目 俺
という感じだ。俺が悲惨すぎる……まあ最初のグループには厄病神トリオがいないし、まだマシだな。
「じゃあ俺からだな。アルベルトを指名する」
「Yes.Boss」
龍園は案の定アルベルトを選ぶ。まあ当然だ。アルベルトは龍園の忠臣でフィジカルは抜群、学力も平均以上と優秀だからな。
「じゃあ次は俺か……Cクラスの柴田で」
葛城が選んだのはCクラスの柴田。運動能力が高く、成績も平均以上、コミュ力が高いから他クラスでも価値は高い。
「じゃあ俺は……吉田で」
橋本は最初から有栖についていた吉田健太を指名する。
「俺は浜口だな」
神崎が選んだのは同じクラスの浜口。詳しくは知らないが成績が良いのは知っている。
「僕は、鷹宮君で」
平田はDクラスから鷹宮って男を指名する。まあわざわざ選んだ以上無能じゃないだろう。
次は俺だが……
「時任で」
石崎でもアリと思ったが、石崎は龍園と組ませた方がいいと判断した。
「わかった。宜しく頼む」
時任も俺をリーダーに据えようとしていたし不満はなさそうだ。
「じゃあ俺は石崎で」
「っしゃぁ!了解っす!」
石崎はテンションを上げるがお前はもうちょっと静かにしろ。
「次は俺だが……Dクラスの三宅で」
ここで神崎はDクラスの生徒をチョイスする。これは今後厄病神トリオをグループに入れないように早いうちにDクラスの枠を埋める作戦か?
「俺は森重で」
橋本は吉田同様に最初から坂柳派だった森重を指名する。
「僕は……Aクラスの町田君で」
平田はAクラスの生徒を選ぶ。次は葛城だが……
「Cクラスの溝口で」
「じゃあ俺は自動的に本堂か……」
俺は自動的にDクラスの本堂になる。詳しい実力は知らんが余り期待しないのが吉だろう。
「次に第2グループだな。順番の合計で16以上は比企谷だな」
葛城の言うように選んだ順番の合計値は……
龍園が8、神崎と橋本が12、葛城が13、平田が15、俺が18だ。よって俺は次のグループで1番目を確保出来る。
「じゃあまた同じように、各クラス前から順に3人ずつ出てくれ」
神崎の言葉に同じように各クラス3人、計12人現れるが……
「良しっ!綾小路がいる!」
次のグループ12人には綾小路がいたのだ。もう選択肢は決まった。
「ま、そうだよな」
「俺も綾小路を取りたかったぜ」
龍園が頷き、橋本は悔しそうに唸る。
現状綾小路は1年生で最強候補だ。須藤の拳を10発受けて平然とする耐久力、一撃で須藤の肩を粉砕するパワー、有栖の作ったテストを全科目満点を取る頭脳……高校生離れしている綾小路を取らないわけがない。
しかし……
「ま、綾小路以外にも有望な奴はいるが……あの厄病神だけは死んでもごめんだなぁ!」
龍園は嫌味ったらしい笑みを浮かべながら山内を指差す。それに伴い、周りの男子は嘲笑を浮かべる。まあ盗撮犯に対する扱いはこんなもんだろう。
しかし山内を取りたくないのは同感だ。ボーナスが入るとはいえ、アイツの存在には生理的嫌悪を感じるし。
そんな風に思いながら俺は1回、他のメンバーは2回サイコロを順番に振る。
結果……
1番目 俺(前回の不運によるボーナス)
2番目 龍園
3番目 平田
4番目 橋本
5番目 神崎
6番目 葛城
7番目 平田
8番目 神崎
9番目 葛城
10番目 俺
11番目 龍園
12番目 橋本
って結果になって橋本は目に見えて落ち込む。同情はするが助けはしない。
「俺は当然綾小路」
「ああ。宜しく頼む」
当然綾小路一択だ。
「俺か……Aの的場で」
龍園はAクラスの的場を指名。最初から坂柳派に所属していた奴だし龍園的にも悪くないチョイスだろう。
続いて平田がウチのクラスの金田を指名して、橋本達もそれに続き……
「じゃあ俺は……Bクラスの小宮で」
10番目の俺はウチのクラスの小宮を指名する。それに伴い龍園が嫌味ったらしい笑みを浮かべながら……
「Dクラスの東山で。次は橋本だな……あっ、選択肢が無かったな、悪い悪い」
そう告げると、橋本は嫌そうな顔をしながら自動的に山内を選択する。橋本のグループメンバーの空気も重くなる。
「ちっ、なんなんだよふざけやがって」
山内は苛立ちながら橋本のグループに向かうが、お前はそんな態度を取る資格はないからな。
そう思いながら俺達は第3グループに属する12人を前に出しながらサイコロを振るのだった。
20分後……
遂に1年生男子は6グループを結成した。
俺のグループはどうなったかと言うと……
Aクラス
鬼頭隼 鳥羽茂 清水直樹
Bクラス
俺 時任裕也 小宮叶吾
Cクラス
渡辺紀仁 別府良太 北山深夜
Dクラス
本堂遼太郎 綾小路清隆 池寛治 幸村輝彦
って感じになった。厄病神枠が1人いるが、直ぐに暴力に走る須藤や生理的に受け付けない山内よりはマシなので割り切るしかない。
ちなみに最後の厄病神枠にいる須藤は龍園のグループになってキレていたが、アルベルトにぶん殴られて黙らされた。同情はしない。
そんな事を考えながら俺は真嶋先生にグループ結成を告げに向かった。
同時刻……
「「はぁ……」」
ひよりと有栖はため息を吐いていた。2人は別のグループに所属しているが、憂鬱な気分だ。
何故なら2人が結成した女子グループは男子同様にドラフト形式で作られたのだが……
第1グループ
Aクラス
坂柳有栖 山村美紀 西川亮子 安齋八重
Bクラス
西野武子 木下美乃梨 矢島麻里子
Cクラス
小橋夢 網倉麻子 津辺仁美
Dクラス
軽井沢恵 小野寺かや乃 雪ノ下雪乃
第2グループ
Aクラス
島崎いっけい 中島理子 六角百恵
Bクラス
椎名ひより 伊吹澪 山上桜
Cクラス
姫野ユキ 白波千尋 大宮京子
Dクラス
王美雨 松下千秋 佐藤麻耶 由比ヶ浜結衣
ハズレ枠の2人を引いてしまったのだ。しかも2人とも終始煩くてノイローゼになりかけている。
2人は早く八幡と合流して愚痴をこぼしたいと思うのだった。
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