腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
「えへへ……ハチ君の恋人……えへへ」
なずなはベッドの上で幸せな気分になりながら笑みを浮かべる。つい1時間ほど前に八幡の3人目の恋人になれたが、その幸せな気分は全く薄れずにいる。
(恋人になったし、頑張って幸せにしてあげないと。ハチ君が望むからえ、エッチな事も……)
なずなは八幡に抱かれる場面を想像する。普段甘えん坊な後輩が激しく攻める……気持ち良さそうだ。
「っ!考え過ぎだよ!私の馬鹿……ま、まあ!これからも一杯甘やかしてあげるから、ハチ君も私を愛してね……大好きだよハチ君」
そう呟きながらなずなは男子が寝泊まりする校舎の方に身体を向けて、そこで寝ているであろう恋人に愛情を放つのだった。
翌日……
「……って事があってなずな先輩も恋人の1人にする事にした。これから2人に認められるように頑張るから宜しく頼む」
昼休み、食堂の席の一角にて俺はひよりと有栖に昨日の件を正直に話すと2人の口元が引き攣る。
「……なるほど。昨日の今日で随分と早いですね」
「それに事後承諾とは八幡君にしては珍しいですね。この貪欲さ……綾小路君の影響ですね?」
有栖にそう言われて振り返ってみると……
「否定はしない」
間違いなく綾小路の自身の欲に対する素直さに影響されているだろう。
「……客観的に見たら酷い悪循環ですね」
ひよりがそう口にする。確かに綾小路は俺が二股をかけている事から複数の女子と関係を持つのは問題ないと思って俺を参考にした。
俺は綾小路の欲望に対する素直さを参考に、なずな先輩を手放したくない思いから事後承諾の形でなずな先輩を恋人の1人にした。
互いに互いの影響を受けているが、世間一般的に見れば俺と綾小路は間違いなくクズ野郎で、互いにクズ度を高め合っているので悪循環というな間違いじゃない。
しかし……
「そうかもしれない。けど俺は後悔していない」
あの時のなずなさんの表情を見た俺は手放したくない気持ちが湧き上がって今でもその気持ちはある。
「はぁ……わかりました。こちらも八幡君の部屋に押し入ったりと強引な面を見せましたし、反対はしません。ですが1番の座は私のものです」
ちゅっ
有栖はそのまま俺にキスをしてくる。まるでお前は私のものであると示すかのように。
「あっ、狡いです。八幡君の1番は渡しません」
ちゅっ
ひよりも負けじと有栖を押し除ける形でキスをしてくる。
「私のものです」
有栖も負けじとひよりの顔を押し除けようとする。2人が俺自身の1番になりたいと思い、奪い合いをする……見ていて凄く嬉しく思う。
そしてこれからはなずな先輩もこの奪い合いに参加するのだと想像するだけでドキドキしてムラムラしてしまう。
チラッと横を見ればなずな先輩が物欲しそうに見ているが、合宿が終わったら3人まとめて相手をしよう。
そう決意しながら俺は未だに奪い合いをする2人に対して、昼休みが終わるまで交互にキスをするのだった。
「ねぇ櫛田さん。ちょっと良いかな?」
八幡がひよりと有栖の2人相手にキスをしている中、八幡から少し離れた場所で食事をしていた櫛田桔梗は話しかけられたので顔を上げると王美雨と松下千秋と佐藤麻耶の3人がいた。
「良いよ、どうしたの?」
「櫛田さんって由比ヶ浜さんにイラついたらどうやってストレスを発散させてるのかな?」
「あ〜」
佐藤の問いに櫛田は目の前の3人が由比ヶ浜と同じグループである事を思い出して同情の眼差しを向ける。1週間も由比ヶ浜と同じ部屋で寝泊まりなんて拷問でしかない。自分ならハゲる可能性があり。
そんな3人に敬意を抱きながら櫛田を開ける。
「う〜ん。由比ヶ浜さんに幻滅する前はいつか改善してくれると思ってやる気を出してたね。けど2学期終わりになってイライラの限界が来て、それ以降は不満を内心に留めないで直ぐに吐き出すようにしてるかな」
実際由比ヶ浜以外にもハッキリと物を言うようになった。クラスの皆は由比ヶ浜を含む5馬鹿の所為だと思っていて、仕方ないと思われている。
結果的に櫛田は以前よりストレスが軽減しているのは紛れもない事実だ。
「でも不満を吐き出して由比ヶ浜さんに聞かれたら、その数倍の喚きが返ってくるよね?」
王がそう尋ねると櫛田は難しい表情になる。
(そうなんだよね。あの女の思考回路は悪い意味で予想外過ぎるから、みーちゃんの言う事も間違いじゃないからなぁ)
文句を言ったらキレるのは当たり前、気遣ったつもりでも逆ギレするし、構わなかったら無視するなとキレるし、何をしてもキレるので対策が取りにくいのだ。
「まあね。結局私のアドバイスはある程度までしか役に立たないし、最後は自分達で解決法を見つける必要があると思うよ。まあ強いて言えばこれまでに経験したことのない刺激を模索してみたら?」
「そっか……未経験の刺激ねぇ……エッチとか?」
「「えぇっ?!」」
「いきなりだね?何で?」
佐藤の呟きに櫛田と王は驚き、松下は純粋に疑問に思う。
「いや、だってアレ……」
佐藤が指差した先、右サイドでは八幡がひよりと有栖相手に交互にキスをして、左サイドでは綾小路が軽井沢を膝の上に乗せて胸を揉みしだきながらキスをしている。バカップルここにありと言った表情だ。
「3人は雪ノ下さんと由比ヶ浜さんからの被害が酷いけど、エッチな事をしてる時は幸せそうじゃん」
言われて見直せば、軽井沢は羞恥全開であるが幸せの色が表情にある。ひよりと有栖は夢中になってキスをしているが顔には愛情がハッキリ見える。
「まあ確かに……」
ストレス発散にエロいことをするのは異常かもしれない。
しかし由比ヶ浜という存在も異常であり、異常によって溜まったストレスを異常な行為で発散させるのも一理あると櫛田のみならず、松下と王も考えてしまう。
「で、でも!流石にあの2人の間に割って入るのは危ないんじゃないかな(特に比企谷の方は絶対坂柳を敵に回すでしょ)」
櫛田は表面上はやんわりと、内側では激しく否定する。Aクラスのリーダーと付き合っている男と肉体関係を持つなんて怖過ぎる。
「や、やっぱり綾小路君は兎も角、恋人関係に水を差すのはダメだよ」
「まあ綾小路君は兎も角、比企谷君に手を出すのはマズいでしょ」
王と松下はそう返す。普段から時と場所を考えずに軽井沢といちゃつきながら、他の女子にアプローチをかける綾小路なら問題ないと判断する。実際この2人は軽井沢といちゃついている最中の綾小路から一緒にどうだと誘われて、軽井沢が綾小路をぶん殴っている光景を見ている。
「そうかもね。まあエッチ以外にも解決方法を模索してみるよ、ありがとね櫛田さん」
「全然良いよ。気にしないで」
そう返す櫛田だが、仮に彼女らがベストなストレス発散方法を身につけたら参考に聞き出すつもりだ。
イラついた場合、素の自分を出す事でストレスの軽減をしているがそれでも完全に発散させるのは無理だし、由比ヶ浜からの与えられるストレスは一回の気分転換では発散出来ない事もあるのだ。
(本当にムカつくなぁ。マジで頭がハゲる前にどうにかしないと……)
櫛田はため息を吐きながら少し離れた場所で他人を見下した発言をしている雪ノ下と由比ヶ浜を見て舌打ちをするのだった。
全年齢向けの枠で、『守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ』って作品も書いたので宜しければ読んでください
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