腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
「ふぅ……疲れた」
「ああ。今日も恵を抱いて気分良く休むか」
夕方、俺は息を吐きながら伸びをすると隣の綾小路は頷く。今日の授業は全て終わったので後は飯食って風呂に入って寝るだけだ。というか綾小路はブレないな……
まあ綾小路のぶっ飛び具合はともかく、結構疲れている。娯楽が少ないのもひとつの理由だ。食事は粗食で漫画もない。ぶっちゃけ退屈過ぎる。
しかし1番疲れる要因は由比ヶ浜だろう。事あるごとにギャーギャー騒いでいて、周りの皆を不快にさせてくる。アレと同じグループのひより達には心底同情する。合宿が終わってから、ひよりのグループメンバーは白髪が大量に増えてそうだ。
そんな事を考えながら風呂場に向かうと、ひよりとなずな先輩が歩いていた。髪の毛は艶めいているし、風呂に入ったばかりなのだろう。
「おや八幡君に綾小路君」
「あ、2人ともお疲れ」
恋人2人は愛想良く手を挙げてくるが……
「いやいや2人に比べたら俺の疲れなんて……」
温いだろう。実際2人の顔には疲労の色が強く見える。2人は由比ヶ浜と同じ大グループでひよりに至っては小グループでも同じだし。
「2人は血尿とか出てませんよね?」
綾小路の発言はセクハラではなく本心からの心配だろう。由比ヶ浜に振り回されていたら血尿が出てもおかしくない。
「あはは……まあね」
「本当に何なんですかあの女は……もう全て投げ出したくなりましたよ」
なずな先輩は苦笑いを浮かべ、ひよりは苛立ちを浮かばせている。普段穏やかなひよりにこんな表情をさせる時点で由比ヶ浜には才能があるな。社会に不要な才能だけど。
「あー、もう本当にムカつく!有栖の父親って理事長なんだし、あの2人を退学させるように頼んでよ!」
「そうしたいのは山々ですが、入学前に特別扱いはしないと言われたので無理でしょう」
そんな声が聞こえてきたので振り向けてブチ切れている軽井沢を有栖が宥めていた。
「あっ、清隆!疲れたから甘やかして!」
「わかった。思い切り甘やかしてやる」
「あんっ……いきなりお尻はやめなさいよ、馬鹿っ」
言いながら軽井沢は綾小路に抱きつき、綾小路は右手を軽井沢の背中に、左手を軽井沢の尻に回す。廊下であってもその手の速さ……天晴れだ。
「で?今度は雪ノ下達が何をしたんだ?」
「座禅に疲れていた雪ノ下さんに私のグループメンバーが文句を言っていたら……後はわかるでしょう」
由比ヶ浜がキレて騒いだ訳か。アイツはTPOを弁える事が出来ないのか?まあ無理だろうけど。
「だから清隆。今夜もエッチしようよ」
「わかった。じゃあ炊事場近くの小屋で今夜な……そういう訳だから比企谷。坂柳達とセックスするなら体育倉庫の方を使ってくれ」
そんな風に堂々と提案するな馬鹿。恋人になったばかりのなずな先輩は真っ赤だし。
「はいはい。先に飯を食ってるからな。行くぞお前ら」
俺がそう言うと恋人3人が頷くので、軽井沢の尻を堪能している綾小路に背を向けて食堂に向かう。
食堂に入ると大分混雑していて適当な場所を探すべく周りを彷徨いていると南雲会長が話しかけてくる。
「よう比企谷。なずなと一緒とは珍しい組み合わせだな」
探る様な目つきを向けてくる。
「そうですね。ひよりと一緒に由比ヶ浜によって生まれたストレスに対して愚痴ってるところを鉢合わせして、一緒に飯を食う流れになりました」
「またかよ?お前らストレスで頭が禿げないように注意しろよ」
そう返すと南雲会長の眼差しから疑惑が消えて同情の眼差しが生まれて、ひよりとなずな先輩に向けられる。生徒会長からしたら由比ヶ浜の存在は間違いなく頭痛の種だろう。
「もう本当に禿げそうだよ。雅って特別試験にある程度口出し出来るんだし、何とか出来ないの?」
「いっそ最下位は退学というペナルティがある人気投票形式の特別試験とか作れませんか?」
「待て椎名。お前は生徒会長を神聖視し過ぎだ。そんな理不尽な試験を生徒が作れるはずがないからな」
南雲会長が呆れながらそう返す。というか以前佐藤もそんな事を愚痴っていたな。どんだけ由比ヶ浜に消えて欲しいんだよ?
「そうですか……残念です」
「そんな訳でちょっとハチ君に愚痴りたいんだよ。雅も付き合ってくれない?」
「遠慮しておく。比企谷にぶつけろ」
即座に逃げに入る南雲会長。
「ちょっと待ってください。後輩を放置しないでください」
後輩を見捨てるなんて生徒会長にあるまじき態度だ。
「諦めろ。大体俺だって生徒会長としてDクラスの5馬鹿に対する苦情を聞いたり、教師から愚痴られるんだよ。頑張れ」
南雲会長が心底嫌そうにそう返してから俺達から離れていく。気持ちはわかるが足が早過ぎませんかね?
「じゃあ端っこに行こうか。出来れば物影で。由比ヶ浜さんに見つかったら面倒だし」
なずな先輩がそう言って歩き出す。その先には大きな柱があって便利な場所だった。
俺達は反対することなく柱の裏に隠れる様に座る。
「はぁ……ようやく一息できるよ」
「本当にお疲れ様です。ところで朝比奈先輩、改めて確認しますが朝比奈先輩も八幡君の恋人になったのですよね?」
有栖がジト目で俺を一瞥してからなずな先輩に確認するとなずな先輩は頷く。
「うん……坂柳さん達からしたら泥棒猫かもしれないけど、ハチ君の恋人の1人になったよ」
なずな先輩は気圧されることなくそう返す。
「そうですか。まあ八幡君が認めた以上、思う事はありますが無理に引き離す事はしません。ただ八幡君、極力これ以上彼女が増えない様に尽力してくださいね」
「そうですね。こうなる未来を予想していましたが、だからと言ってそう簡単に割り切れる訳ではないので、そのところは理解してください」
ドスの効いた声でそう言ってくる有栖とひより。ハッキリ言って怖いです。
「……努力する」
そんな事はないと口にはしたいが、なずな先輩の前例があるので否定しきれないのが残念だ。
「尽力してください。それとさっき馬鹿2人に絡まれてストレスが溜まりました。それはひよりさんや朝比奈先輩もでしょう?」
「はい」
「まあそうだね」
有栖の確認に2人は頷く。
「やはりそうですか。どうでしょう?八幡君さえ良ければ今夜空いているらしい4人で体育倉庫に行きませんか?」
つまりそこでエロい事をするって訳だな。
「わかった。付き合おう」
3人がストレスを溜めていて、解消方法としてエロい事を使うなら協力するしかない。俺だって精神的疲労はあるからな。
俺がそう言うとひよりと有栖は嬉しそうに、なずな先輩は恥ずかしそうに頷いた。
数時間後……
「さて……行くか」
「比企谷も0時集合か?なら途中まで一緒に行かないか?」
深夜12時、俺がベッドから降りると綾小路もベッドから降りる。
「ああ、良いぞ」
特に断る理由もないので2人で部屋を出て廊下を歩く。
「そういえば恵から聞いたが、朝比奈先輩も恋人にしたらしいな」
綾小路がそう言ってくるが有栖→軽井沢→綾小路って流れだろう。
「まあな」
「羨ましいな。あの陽気な笑顔を淫らな顔に変えてみたいのか?」
「黙れ変態。直球過ぎるわ」
前から思っているが少し前まで感情が無かったみたいだったのに、今じゃコイツ欲望全開過ぎだろう。
「かもしれない。オレはもう自分の欲望に忠実に生きると決めた。卒業後の未来もな」
「卒業後?どっかに就職したいのか?」
コイツの場合、ハイスペックだから高卒でも凄い会社に入れそうだ。
よって綾小路の卒業後のプランについて期待を持っていると、綾小路は真剣な表情を浮かべ………
「いや、卒業までにハーレムを作ってから、人が少なくて外部から人が滅多に来ない離れ島でハーレムメンバーとエロに満ち溢れた自給自足の暮らしをする」
……俺の期待を返してくれ。
読者の皆さんは森の声を聞いた事がありますか?
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